【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 作:マカーブル
本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
誤字脱字の指摘等も、いつも助かっております。
作中の挿絵として画像生成AIによるイメージイラストを表示しております。
AIによる生成画像に不快感を感じる方はご注意下さい。
前話の感想欄にて「黒死ネキに気に入られるって、ギリシア神に目を付けられるレベルで厄介事が舞い込んで来る予感がする」と言うご意見がw
と言う訳で、本人からコメントをいただいてきました(ォ
【挿絵表示】
「面白い見解だな? よし、詳しく聞かせてもらおうか。ちょっと裏まで来い」
「……満足出来タカ? 【四条 灯】」
「ああ、実に楽しかったぞ。 【マルコキアス】」
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「【炎の氷柱】か……素晴らしい火力だな。私が焼死し慣れていなければ危うかったかもなぁ?」
「焼死シ慣レテイルトカ言ウ巫山戯タ言葉ガ、偽リ無キ事実ト言ウノガ理解モ納得モ出来ヌナ!! 人間トハ燃エテ灰ニナレバ、死ヌモノデアロウガ!!」
そうは言うがなぁ?
確かに【マルコキアス】の奥の手であろう【炎の氷柱】の火力は素晴らしかった。
十分に私を殺すに足る火力で、割と本気で生き延びる為に足掻いた結果、生き延びるのに成功しただけだぞ?
悪霊兵に隔離された閉鎖空間内に放たれた【炎の氷柱】は、【マルコキアス】の目論見通りに効果を発揮すれば、確かに私を殺せただろう。
それを防ぐ為に、私の体内で【ナイトメアサーキュラー】*1を発動させ、同時に霊圧を瞬間的に開放する事で防護膜として【炎の氷柱】を迎撃した。
【ナイトメアサーキュラー】による攻撃自体は私を隔離している後方の悪霊兵へ放ち、囲いを破り、【炎の氷柱】の威力を逃がす『通り道』兼『私の異界との繋がり』を確保。
【
そんな物に頼るより、攻性防壁としての【ナイトメアサーキュラー】と霊圧の密度を高めた方が有用だ。
この対応でわずかながら【炎の氷柱】の威力は抑えられ、私は『
後は耐えれば良いだけだ。
結果として全身が焼け焦げ、四肢が炭化して肺を中心に内臓の6割も神経ごと機能停止したが、このレベルの戦闘で負う外傷など、即死していなければ全て軽傷だ。問題無いな。
それに───
「比較対象がこちらの盟主の炎術なのでな? 貴方の名誉の為に言っておくが、相手が悪すぎるとしか言いようが無いな」
「…………『H案件』ノ化物………我程度デハ、比ベルベクモナイカ。 クククッ、納得セザルヲ得ヌナ」
───
単なる耐性で【火炎無効】があろうと、遥か上位の存在には遠く及ばない。
「まぁ、焦熱地獄のぬるま湯よりは、余程熱かったぞ?」*2
「………汝ノ人生経験ニ、一々疑問ヲ抱ク事ガ間違イダト言ウ事モ、理解セザルヲ得ナイヨウダ。 ソレニ───」
そう言って【マルコキアス】はその闘気を欠片も減じる事無く私を見据える。
当然だな。ちょっと切り札を凌がれた程度で、この犬っころが期待外れになるはずも無い。
「───我ガ汝ヲ"殺セル"ト言ウ事実ニ変ワリハ無イ。ソレデ十分ダ」
「結構」
さぁ、
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「モハヤ小賢シイ出シ惜シミハ有リ得ヌナ」
そう言って【マルコキアス】は大きく飛翔し、その翼から燃え盛る透明な柱を具現化させる。
先程はじっくり見る暇など無かったが、あれが【炎の氷柱】か。見事な物だな。
その特性上、ある程度はストック可能なのだろうが、乱射できる程では無かろうし、具現化と発射にも相応のMAGがかかるのは間違いないだろう。
「出し惜しみはしない」と言うが、単に遠距離から【
ワクワクしながら
狙いは……私の
轟音と共に半径数十メートル
予想より遥かに威力が低いな? 先程喰らったモノの半分程度か?
そうなると、【マルコキアス】の狙いは……
「グルゥゥゥゥゥアアアアアアァァアア!!!!」
そんな思考をする間は与えないとばかりに【マルコキアス】は咆哮を上げ、更なる【炎を氷柱】を
死力を尽くすと言う表現に相応しい行為だな。自身の存在を揺るがしかねないMAGの使い方をしているにも関わらず、その闘気には些かの陰りも無く、むしろ更なる高まりを見せている。
そして、更なる4本の【炎の氷柱】は
2本目は、私の
3本目は、私の
…………ああ、なるほど、そう言う事か。
流石は猛々しくも賢しい犬っころだ。出し惜しみはしないが、小細工を放棄もしないか。
なら、私がするべき事は決まったな。ちょうど
今からならギリギリ
そして、私が準備を開始するのと同時に、【マルコキアス】も4本目の【炎の氷柱】を発射する。
4本目は、私の
もっとも、『人形』に関しては4本目の【炎の氷柱】が突き刺さる前にある程度は
手元の『人形の情報とMAG』に加え、残る
更に、私の
全長:60インチ*4
重量:10ポンド*5
口径:0.69インチ
作動:フリントロック式
装填:前装式*6
装弾:1発
銃身にライフリングは施されていない、先込め式の滑空式歩兵銃。
15世紀初頭から実戦に投入されていき、様々な改良がされ、時には銃剣を着けて槍の様にも扱われた経緯を持つ。
19世紀には雷管式の点火方式が開発され点火の確実性は上がったが、命中精度は低く長距離狙撃には向かず、軍隊では陣形を組み敵へ向けて短距離で斉射する運用しか出来なかった骨董品。
俗に言う『マスケット銃』と言うやつだ。
「有象無象の区別なく───」
『人形』
「私の弾頭は───」
情報生命体としての疑似悪魔の概念を持つ【魔法思念弾】と化した『弾頭』は───
「許しはしない!! ───なんてな♪」
───【
まぁ、要するに【
我ながら頭もコスパも悪い代物だが、実験としては悪くない結果になりそうだ。
脳缶ニキの無茶無謀を真似てみたが、『情報生命体としての疑似悪魔』は使い勝手自体は良いのかもな。
これで完全にお遊びなら、歌って踊れる中尉殿*7に化けてやっても良かったんだが、
「グルゥゥゥゥゥアアアアアアァァアア!!!!」
「残念ながら、
発射された【マルコキアス】の制御を外れた5本目の【炎の氷柱】は、その
如何に強力な【
【マルコキアス】は私を中心に【炎の氷柱】で逆五芒星を描こうとしてた。
私の正面 → 左後方 → 右前方 → 左前方 → そして右後方へと柱を打ち込む事で、逆五芒星は完成し、私を封殺しつつ【炎の氷柱】の結界による相乗火力で焼き尽くそうと言う魂胆だったか?
「で? 次は?」
あるんだろ? 私を殺す為の次へ繋がる策が。 無きゃオカシイよな?
こんな直ぐに読まれるような露骨なマネをして、次が無いはずが無いよな?
「さぁ、どうする!? 貴方はどうやって私を殺してくれるんだ!?」
「グルゥゥゥゥゥゥウウゥゥ!!」
【炎の氷柱】を横から打ち抜いた【魔弾】は私の制御を外れる事無く、慣性を無視した軌道で【マルコキアス】へと襲い掛かる。
肩を、腹を、四肢を、背中を……全身の至る所を掠め貫き、血に染めていく。
一見すると絶体絶命。しかし、この犬っころの目に宿る力には陰りは無い。
「良い目だ。では、見せてもらうぞ!! 貫け!!」
【魔弾】を制御し、【マルコキアス】の眉間を狙う。
『人形』数百体分の"重さ"だ。如何に貴方でも喰らえば致命傷に足るぞ?
「……
「は? ……ははッ!! あはははははは!!」
「【ファイアブレス】」
あははははははははは!! 凄いな!! そう来るか!!
『お手』と『待て』はヘタクソだったが、『取って来い』は優秀じゃないか!!
たった2センチ弱の【魔弾】を!! あの巨体で!! 正確に
直後の【ファイアブレス】で焼き払う事で、口腔内に危険物を留めなかったのも高評価だな!!
「縛レ!! 【炎の
【マルコキアス】の宣言と同時に、異界の大地に突き立てられた4本の【炎の氷柱】から炎の拘束条が幾本も放たれ、私の四肢を拘束する。
『拘束』の概念では無く、物理的に私を押さえつけていて単なる力ずくでの脱出は不可能だな。 ……と言うか、何本かは普通に身体に突き刺さって貫通してるしな。
もしこれが呪いや状態異常による『拘束』なら私には無効なのだが、か弱く可憐な少女であるところの私の力では無理だな。片手で車とか持ち上げられるけどな。
それにしても、【炎の氷柱】の役割は実に多かったようだ。
【
「コノママ何モサセヌ!! 汝ハ此処デ仕留メサセテモラウゾ!!」
「あははははは!! 良いぞ、素敵な宣言だ!! だが、見た所もう新たな【炎の氷柱】を具現化させる余力も無い様だが? この中途半端な結界で、果たして私を殺し切れるのか、試してみるか!?」
ああ、ワクワクする。
どうするんだ? どうやってここから私を殺す算段を立てている?
「確カニ、コノ身ニ残ルMAGデハ、モウ新タナ【炎の氷柱】ハ具現化ハ出来ヌ。ダガ!!」
そう言って、【マルコキアス】は自身の左の翼を口角から火炎の覗く顎へと運ぶ。
そして、一切の躊躇も見せず、その巨大な顎で翼に噛みつき、半ばから
「グゥゥゥゥゥゥゥウウゥウウウウゥウウ!!」
「…………ああ、そう言う? そう来るか!? それ程の覚悟か!? 私を殺す為に、貴方が翼を捨てようと!? あはははははははははは!!」
1200年後に座天使に戻りたいと願っている、この犬っころが!!
自信・自画自賛・快楽の感情を司る、この大悪魔が!!
人間の小娘1人を殺す為に、己の存在意義を捨ててでも事を成そうと!!
「【炎の氷柱】ハ、元ヨリ我ノ翼ニ宿リシ概念武装。具現化デキズトモ、常ニ其処ニ在ル」
そう言って、【マルコキアス】は半ばから千切れた自身の翼を、私の
放たれた翼は、他の突き立った【炎の氷柱】と同様に『柱』へと変化し、その長さを異界の空に届かんばかりに長く伸ばしている。
ほぼ同時に『柱』同士が共鳴し合い、点であった『柱』どうしは線で繋がり、私を中心とした逆五芒星が形成されていく。
法円の内側には私以外の何物も存在せず、修行場異界、【
「サァ、殺シテヤルゾ!! 【四条 灯】!!」
「良い殺し文句だな!! 【マルコキアス】!!」
そして、この犬っころとの楽し過ぎる
───現世からどこまでも隔離されたこの場所で、意外と響き渡る事のない爆発音が鳴った。
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直径にして百メートル程の底の見えぬ爆心地。
【炎の氷柱】による逆五芒星の結界は、その爆発を全て結界内に向けて発動し、結果として地表の全てを焼き尽くし、上を見れば異界の満月を焼き尽くさんとばかりに火柱をあげ、下を見れば大地の全てを穿たんとばかりに大地をどこまでも貫いて見せた。
内部に捕らえられた者はその肉体は元より、魂や霊核ごと焼き尽くすのに足る、過剰とすら言える火力だった。
にも関わらず───
「生存シタ者ハ集結シ『軍団』ヲ再編セヨ。我ノ治癒ヲ優先シ、並行シテ小娘ノ討滅ノ成否ヲ確認。シカル後ニ、第3カラ7軍ガ抑エテイル、小娘ノ召喚シタ【アンクウ】ノ討伐ニ……」
───この犬っころに慢心なぞ在りはしなかった。
流石だな。ちょっとくらい油断するかと思ったが、やはり無理か。
まぁ、正解なんだがな。そもそも、
「【天驚地爆断】」*9
ついさっきまで、適度に
元よりノーマークであれば十分実行可能な事に過ぎない。
やらなかったのは、その隙を【マルコキアス】が逃すはずも無いし、同格との『集団戦』も楽しみたかったと言うのもある。
「───ッ、何ダト!? マサカ、コレ ハ!?」
「はい、ハズレー。残念でした。今、燃えたのがニセモノだと思った?
「──────ッ!!??」
残った手勢が突如として
「やあ、侯爵。どうやら化かし合いは私の勝ちのようだな。解説は必要かな?」
「……否、不要ダ。ヨモヤ、人ノ身デ魂モ霊核モ"割ケ"テイタトハ…… 盲点デアッタ」
「だろうな? 貴方たち悪魔は
それに加えて、この異界由来の【隠蔽】と【偽装】、ついでに【擬態】も使用したからな。
目の前でネタバラシでもしない限りは、同格程度ではまず気付けないだろう。
タネ自体は単純だ。
私がこの犬っころに嚙み千切られた元右腕を敵陣に投げつけた時から、仕込みは始まっていた。
あの腕は『私のペルソナの一部』でもあり、魂と霊核を分割して文字通りの『もう一人の私』を用意する媒介としては最上の物だった。
この時点で【隠蔽】と【偽装】、ついでに【擬態】も使用して『腕を媒介に【アンクウ】を召喚した』と誤解させれば仕込みは完了だ。
実際には『【アンクウ】に化けたもう一人の私』だった訳で、今ここに居る私がそれだ。
悪魔風に言うなら『魂と霊核を分割して本霊をもう一人作った』と言ったところか?
無論、こんな真似をすれば、通常なら文字通り『魂が引き裂かれて』滅ぶ。
単なる分身作成とは訳が違う、自身の根源を二つに裂くようなものだからだ。
だが、私は『人』としてだけでは無く、『病』としての特性も併せ持っている。
レベルも50近くともなれば、自分の『根源』と世界を構成する『概念』との関係性への理解も深まるもので、割とあっさりと『病とは分裂するもの』と言う屁理屈を世界に押し付ける事に成功したな。
ぶっちゃけ、色んな意味でものすごく痛かったが、色んな意味でものすごく楽しかったから問題ない。ああ、何も問題ないな。
何なら【マルコキアス】の全霊の一撃で殺された『もう一人の私』がちょっと羨ましい。
まぁ、情報はきっちり蒐集しているので、経験したも同然なのだがな。
「さて、切り札は使い切り、自身は満身創痍。牙は【魔弾】に噛みついた事でヒビ割れ、翼は失われ、もはや飛ぶ事もままならない。配下は軒並み殺され、残るのは極僅か……」
「………………」
「
「
「「………………」」
「我ヲ殺シタ訳デモナイノニ、勝チ誇ル程度デ汝ハ満足デキルノカ?」
「いいや、全然? そもそも、まだまだお楽しみは続くだろ?」
「「………………」」
「ソレニ、コンナ程度ハ危機ノ内ニ入ラヌ。ソモソモ、我ガ危機感ヲ抱イタ事ナド、最近デハ『H案件』ノ化物ヲ目ニシタ時クライダ。アア、汝ノ名誉ノ為ニ言ッテオクガ、相手ガ悪スギルトシカ言イヨウガ無イナ」
「おや、これは一本取られてしまったな。やはり長生きしているとトンチにも長けるようになるのか?」
「汝ホドデハナイナ、似非一歳児メガ」
「「………………」」
「くくくっ……あははははは…………あはははははははははははは!!」
「クククッ……フハハハハハ…………フハハハハハハハハハハハハ!!」
「さぁ、殺したり殺されたり、死んだり死なせたりしようじゃあないか、【マルコキアス】」
「アア、付キ合ッテヤロウデハナイカ。闘争ノ何タルカヲ教エテヤルゾ、【四条 灯】」
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「……満足出来タカ? 【四条 灯】」
「ああ、実に楽しかったぞ。 【マルコキアス】」
ああ、本当に楽しかった。
まさに、『弓折れ矢尽きる』と言う状態にも関わらず、【マルコキアス】は決着の瞬間までその闘気をたぎらせ、何度も私を殺そうとしてくれた。
そして、楽しい楽しい殺し合いの果て、限界を迎えた犬っころは四肢を【
「クククッ……予想出来タ結果トハ言エ、口惜シイモノヨ。ダガ、此度ノ闘争ハ紛レモ無ク我ガ全霊。汝ノ勝利ヲ称賛シヨウ。サァ、勝者ノ権利ト義務ヲ果タスガ良イ」
「ああ、それについてだが、私からも楽しい殺し合いの返礼がしたくてな?」
「……ム?」
「貴方は72柱きっての武闘派であり、これまで何年も、何十年も、何百年も、千を超える年月を、闘争と戦争の為に召ばれ続けて来たのだろう? その度に、幾十、幾百、幾千……否、万を超える殺し殺されを経験してきたのだろう? 実に羨ましい限りだ。私はまだ精々
「…………一年デ其レハ異常極マル数字デハアルト思ウガナ……」
「まぁ、それはさておき……私から貴方へ送りたいのは貴方が『
「…………何ダト?」
「無理だと思うか? あらゆる戦場で、あらゆる手段で、殺し殺されを繰り返してきた貴方の知らない『死』など無いと思うかね?」
「ソレガ、我ヘノ手向ケダト? 面白イ。死ト踊ル少女ヨ、汝ノ為シタイヨウニ為スガ良イ」
「快諾いただけて何よりだ。では『死ね』」
【霊基根源:■■■■】*10 解放。
眼前の
「【
「……コレハ!? ………ソウカ…………ナルホド…………クククッ…………確カニ、
「ご理解いただけたようで何よりだ。それで、ご感想は?」
「フハハハハハ!! 無論、満足ダ!! 此度ノ闘争ハ全霊ヲ出シ尽クセタ!! ソノ上デ、決シテ経験スルハズノ無カッタ『死』ヲ味ワエルノダカラナ!!」
「それは何よりだ。まぁ、貴方の全ての『情報』はこの異界に【閉鎖】するから、本霊の元ヘは届かないがな」
「ムシロ望ムトコロダナ。コノ経験ハ、
「おやおや、思った以上に『悪魔』に対して受けが良いようで何よりだ」
「クククッ………デハ、サラバダ。【四条 灯】」
「ああ、さようなら。楽しかったぞ【マルコキアス】」
「………アト、汝ノ性癖ハモウ少シ控エメニ 主張スベキダナ。アレデハ対人関係デ苦労スルノデハナイカ?」
「余計なお世話だ。さっさと死ね、犬っころ」
こうして、ただの散歩のつもりだった修行場異界での『異変』は解決した。
『早起きは三文の徳』*12だったか? いや、『犬も歩けば棒に当たる』*13だな。
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│以下、蛇足
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「灯、お帰り」
「ただいま、チャイカ。こちらも【フォラス】の討伐には成功したようだな」
「ええ、何とか。これもチャイカちゃんのお陰ですね」
「あれ? チャイカちゃんだけ? 僕とベールとデュラハンちゃんの華麗な連携は?」
「──────!!!」
「ん? 何? 『このクソガキをぶっ殺させて!!』? 何やったんだ、脳缶ニキ?」
「えーと、その……」
「まぁ、どうせ碌でも無いマネをしたんだろうし、構わんぞ。許可する」
「あれぇ? まさかの確認無し?」
「「(残当)」」
「──────♪ 【ギロチンブレイド】!!」
「わ~~~~」
「ああ、脳缶ニキが首チョンパされた!?」
「……落ちた首、【変化】で小さな足を生やした。着地、キモイ」
「~~~~~~!!!! (地団太した後、自分の馬のぬいぐるみを見て) ────!!!! (「行け!!」と、脳缶ニキに向けてビシっと指さす)」
「…………!! (トコトコ歩いて脳缶ニキの汚ねぇカービィ状態の首の横まで行き、後ろ足で蹴っ飛ばす馬のぬいぐるみ)」
「ああ、脳缶ニキの首が異界の彼方に!?」
「──────♪ (今度こそ殺ったと大はしゃぎ)」
「まぁ、こんなところか。戻れ」
「──────♪ (すっきりした表情で黒死ネキの影に消えていくデュラハン)」
「あの、黒死ネキ? 脳缶ニキは……」
「ああ、そろそろ起きないと置いていくぞ、脳缶ニキ」
「……(首無しの身体がむくりと起き上がり、首の断面からキュポンと脳缶ニキの頭が生える) えー、置いてけぼりは酷いですって」
「「うわ、キモ」」
「もともと魂も霊核も、身体の方にまとめていたんだろ? デュラハンに首を切られる事を想定していたか? 相変わらず油断も隙も無いクソガキっぷりだな」
「やだなぁ、黒死ネキ。それじゃあ僕が可愛いデュラハンちゃんを使い倒してハメた悪者みたいじゃないですか」
「「それ、事実」」
「まぁ、どの道この後ショタおじの所で何十回か死ぬんだし、誤差ではあるな」
「───!!(ダッシュでこの場から去ろうとするも、あっさり黒死ネキに肩を掴まれる脳缶ニキ)」
「ここで逃がすと私が監督責任を問われるんでな。今回の件の報告がてら、一緒にショタおじの所まで来てもらうぞ」
「えー? 僕は悪い事なんてしてないのに~~~」
「「残当」」
何気に、このやり取りが一番の「連携」テストになったとさ。
お読みいただき、ありがとうございました。
ようやく今エピソード終了。
戦闘描写が書いては書き直しの繰り返しで、毎回投稿が遅れまくる……
マジで申し訳ないです。
Q:【マルコキアス】の【炎の氷柱】って翼に隠してるなら撃ち放題なんじゃね?
A:具現化させるのにMP(MAG)を消費します。
Q:リップヴァーンごっこの時にコスプレしないの?
A:黒死ネキは【魔装術】+【変化】により、ペルソナで肉体、デビルシフトで衣服を作っています。2人に分割した際、ペルソナ部分の大半をアンクウとして使用したので、【マルコキアス】の相手をしながらリップヴァーンのコスプレをする余裕とか流石にありませんでした。
Q:リップヴァーンの【魔弾】の再現って?
A:某幼女の所で披露され、「黒死ネキならこのくらいできるよね?」って厚い信頼を寄せていただいたので、逆輸入するべく設定を見直して屁理屈コネました(ォ
イエーイ、タマヤ与太郎様、見てる~?
Q:ここまで描写しといて、黒死ネキの根源の発表をもったいぶるの?
A:お披露目の場所は、もっと相応しい場面をご用意しておりますので、どうかお待ちいただければ。
なお、■と□で隠しましたが、文字数は同じです。推理の手掛かりにしていただければ。
Q:【マルコキアス】って、どんな死に方したの?
A:後々の物語で描写予定です。
・黒死ネキ(レベル46 → 50)
最初から最後まで楽しみ尽くした。
同格の存在との殺し合いで、2つに分割した『もう一人の自分』を焼き尽くされる。文字通りの半殺し。
完治まで数日かかるが、別に後遺症とか無い。本人の特性とは言えインチキが過ぎる。
このチートキャラを半分とは言え殺した【マルコキアス】は称賛されて良い。
【マルコキアス】とその軍団全てを殺し尽くし、レベルも大台に乗った。
・チャイカ(レベル27)
セーフモードから復帰。無茶な権能行使の不具合とかは無い。
今回の一件で他者との連携をしっかりと学ぶ。
見所ニキは良いお手本だし、これからも頑張ってレベルを上げて欲しいと思っている。
脳缶ニキ? 参考にはするけど、マネしちゃダメな見本だと思ってる。 残当。
・脳缶ニキ(レベル24)
本作での異界デビューがこれ。紛う事無き【運命愛され勢】。
外道ムーヴに定評があるが、本人はこれが素であり、特に悪辣な事をしているとは思っていない。
と言うか、彼が本気で悪意を全面に出すなら、こんな程度な訳ないでしょ?
ぶっちゃけ、『まだレベルが低いから外道度合いも控えめで』と作者は遠慮しててもこれ。
・見所ニキ(レベル26)
チャイカにはレベルで抜かされる。まぁ、倒した敵の数と質的には仕方ないよネ。
基礎スペックと運命力がオール平均的なはずだが、本人の精神性のせいで、今回みたいな事件と関わる羽目に。
ツッコミ不可避の面子の中で、何とか生き延びる事に成功する。
今回の経験も「やっぱ凄い人は凄い。俺も頑張ろ」と普通に受け止める。マジか?
色んな意味で今後も期待されている人材。
・デュラハンとベール(レベル40 と 12)
デュラハンちゃん的にはクソガキをぶっ殺してスッキリ。けど、実は?
本来はベールの護衛だけで、まず出番とか無いだろうと思ってたらコレ。
強さ的には【フォラス】を多少の苦戦の末に倒す事が出来ていた的な感じ。
・【マルコキアス】
敢闘賞。チートキャラの黒死ネキを半分殺す事に成功。普通に快挙。
72柱屈指の戦闘能力を持つ武闘派で、今回の殺し合いでは全霊を出し切れて満足。
黒死ネキから『経験した事のない死』を送られ、その意味でも満足。
客観的に見て超貧乏くじだが、本人的には相手のヤベェ性癖以外は特に不満は無い。
彼の『情報』と『●●●●●』は黒死ネキの手に……