【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 作:マカーブル
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前話に引き続き、カヲルニキとのコミュ回となります。
黒死ネキ流の交渉術()をとくとご覧下さい。クソガキが本領を発揮します^^;
【魔装術】
私が常用し、権能の域に昇華している術式にしてスキルの一つ。
前世持ちの『俺ら』には、漫画の『GS美神』に登場した霊能の一つが元ネタだと言えば、若干似て非なる部分があるが、割と通じるようだな。
以前セツニキから聞いた話によると、今世では星霊神社の書庫に同名の術式の記録が残っていたらしい。
少々ややこしいのだが、この【魔装術】は同じ名前で二種類の術式が存在する。
一つはセツニキが書庫で確認した術式で、もう一つは私の常用しているスキルだ。
それぞれ、詳細は───
星霊神社の書庫に記録されていた【魔装術】 |
| ・霊力を収束させ鎧状に纏う事で驚異的な攻撃力、防御力を得る技。 ・己を悪魔に変えるのではなく、悪魔の身体を擬似的に再現する。 ・修得の為には、悪魔との契約を必要とする。 ・使用し続けると、肉体が悪魔へと変容していく。 |
| ・自身の潜在能力を意志でコントロールして自在に引き出す技。 ・己を悪魔に変えるのではなく、『 ・修得の為には、悪魔との契約では無く自身との契約を必要とする。 ・使用による肉体や衣服の変容は、あくまで人間としての潜在能力の顕現。 |
───このようになっている。
セツニキによると、前者が従来の【魔装術】で、私のスキルはその発展形だろうとの事らしい。
そして、以前に技術交流をした際の探求ネキの考察によると、恐らく過去に居た悪魔変身能力の適性を持たない者が、擬似的にでも再現しようとして出来た術式が上記の【魔装術】ではないかとの事だ。*1
やや極端な例えだが、ペルソナ5の怪盗服を現実でも具現化しているようなイメージだろうか?
この手の術式やスキルは、何となくで使うよりも、考察が進めば進むほど、理解が深まれば深まるほど、そして何より、実際に使用し続けて文字通り我が物とする事で、精度も練度も必然的に高まり、
私の本来の霊才はデビルシフターであり、それに加えて生れ落ちる際にフィレモンから得たペルソナ能力がある。
あえて極端な表現をするのなら、これらは両方とも『付け替え可能な装備品』と言える。
この世界においては、『悪魔もペルソナも普遍的無意識に渦巻く悪魔的原型が実体化したもの』と言う共通点*2があり、デビルシフターは肉体を、ペルソナ使いは精神を媒介にそれらを具現化させている。主に悪魔カードやペルソナカードの仕様と使用がそれに当たるな。
私は【魔装術】でそれらを『肉体』と『衣装』に【変化】させ、概念的な意味での『装備品』として常用している訳だが、だからこそ当然こう思う訳だ───
───これ、重ね着出来るよな───
───と。
「その変身、デビルシフトとは違うね。【魔装術・
「構わんぞ。元よりカヲルニキにはコレを評価してもらおうと思っていたのだからな」
【魔装術・ |
| ・発展形の【魔装術】に、従来系の【魔装術】を重ねて発動させる技。 ・自身の潜在能力に加えて、用いた悪魔カードの契約悪魔の力を合わせて行使可能。 ・従来型の【魔装術】による肉体(霊格)の変容は、発展型の【魔装術】による『装備』が間に存在するため行われない。 |
思い付きを実行するにあたり、『重ね着』のスキル構築自体は割と楽に出来たが、当然の事ながら精度も練度もまだまだだ。
弱い力しか発揮出来ないのでは無く、むしろ逆。
炎属性の悪魔など、これまでも数え切れない程殺してきているが、現状の制御力で耐え得る情報強度の悪魔は【マルコキアス】だけ。こればかりは要修行だな。今回は
弱くとも便利なスキルや権能を持つ悪魔は多い。相性次第とは言え、それらを外付けで使用可能となる可能性を秘めたこのスキルは、成長のさせ甲斐があると言うものだ。
「───と、大雑把にはこんなスキルだ。『俺ら』向けに分かりやすく言うなら、『二段変身』とか『フォームチェンジ』とかか?」
「何か一気に俗っぽくなったね……? 随分と器用な事をしているみたいだけど、今纏っているのは【マルコキアス】の力で良いのかな?」
「その通りだ。悪魔にしては珍しく、武人気質で誠実で嘘が嫌いな奴だったからな。私の様な正直者とは相性が良いのも、うなづけると言うものだな」
「あ、うん。……えっと、そのスキルは悪魔との契約も必要みたいだけど、どんな内容なんか聞いても大丈夫かい?」
「私が修行場異界で正面から高位分霊を殺した点も、【マルコキアス】的には高評価だったらしいな。契約については「『
「…………どうしよう。本当にこんな時にどんな顔をしたら良いのか分からないよ……」
「笑えば良いだろう? こんな風に、な!!」
「【虚空爪激】」*4
「【ファイアストーム】」*5
私の爪とカヲルニキの炎は拮抗し相殺。互いに反発し合い、元の立ち位置へと戻る結果となった。
ふむ、初手で大鎌を溶かした炎よりも火力は高そうだったが、今の私の爪なら焼けはしない、か。朗報だな。
カヲルニキの背後に立つのは彼のペルソナ。
ローマ神話における豊穣伸にして、英語圏の
「こうして直接相対するのは初めてだな。それがカヲルニキの【STAR サトゥルヌス】か」
「そうだよ、これが僕のペルソナだね。知っての通り、主な使い道は粗大ゴミを燃やす事だね」
「あははははは、言うじゃないか。調子が出ているようで何よりだ。そんなカヲルニキから見て、私の
「正直、さっきの衝突で、その鍵爪を燃やせないとは思わなかったかな。並の『火炎無効』程度なら、その概念ごと焼けるんだけどね。思った以上に高い耐性で驚いてるよ」
「ああ、それについては、私自身が『火炎無効』*6、肉体を構成している【DEATH アンクウ】が元より『火炎無効』、スキルとして【全門耐性】、更に【マルコキアス】に至っては『火炎吸収』*7なのでな。そして、ここまで重ねれば、カヲルニキの炎にもある程度は耐え得ると言うのは朗報だな。これで問答無用に焼かれずに、殺し合いを楽しめそうだ」
「さっきも言ったけど、正直、僕としてはご遠慮願いたいかな。確かに僕の勘違いと思い込みで黒死ネキには迷惑をかけちゃったけど、それだけに余計に気が引けると言うか……」
「おやおや、憂いは晴れてもシャイボ―イなのは変わらずか。だがまぁ───」
「───すぐに遠慮などしている場合じゃ無くなるがな♪」
良いタイミングで私の
ちなみに、着メロは『ロゴスなきワールド』*8。中毒性があって良い曲だ。
さて、本日の
ああ、そんなに訝し気な顔をしなくても大丈夫だぞ?
カヲルニキにとっても得になる話だからな。
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「さて、次の品だな。製造部とホビー部の連中が悪ノリしまくって採算度外視で作っちまったワンオフ物で、いわゆる『原作再現アイテム』だが実用性もバッチリ。使いこなせられれば強力無比なのは間違いない代物だぞ」
そう言って
| 名称 | 454カスール カスタムオートマチック |
| 素材 | モルゲンクルノデウム鉄鋼*9 |
| 全長 | 33.5cm |
| 重量 | 4kg |
| 口径 | 454カスール |
| 装弾数 | 7発 |
| 使用弾 | 13mm爆裂徹甲弾(454カスール改造弾) |
| 弾頭 | 対悪魔用浄銀弾頭*10 |
「「「おおお~~~~!!」」」
───
「『HELLSING』でアーカードが使ってた白い方の銃か!!」
「454カスール弾を安定動作させられるオートマチックとか言う変態銃!!」*11
「やっべ、結構欲しいかも!!」
前世の有名作品の再現アイテムとあって、盛り上がりを見せる参加者たち。
とは言え、自分の戦闘スタイルと銃との相性もあり、「欲しいけど本気で狙いたいほどでは無い」と言った者が殆どではあったが。
「……そう言や、黒死ネキは? 『原作再現アイテム』って言うなら、一番欲しがりそうなもんだけど?」
「さっきから居ないんだよな。良いのか? このまま競りを始めちまっても?」
「……考えようによっちゃチャンスじゃね? ここで競り落とせたら、黒死ネキ相手に直接トレードの申し込みも有りになるかも……」
「あ~、【変化】のスキルカード目当てでか? 有りっちゃ有りなんだろうけど……それって何か無粋じゃね?」
「……だよなぁ。すまん、忘れてくれ」
『HELLSING』の
参加者の中からも「このまま競りを始めて良いのか?」と言った雰囲気が出始めるが、それを見越していたかの様に、
「黒死ネキの居所が気になるんだろうが、コレの出品と合わせて伝言を預かっていてな。何ともあのクソガキらしい提案だが、俺は乗る事にした。強制はしないが、お前たちにも
「「「──────???」」」
「言ってみれば、これもペルソナ組への支援の一環でな。実は──────」
そして、セツニキから語られる事の詳細。───と言うか、黒死ネキによる仕込み。
支援や問題解決の名目で、自分の利を最大限追求するクソガキに呆れつつも、やる事自体は確かに自分たち好みの『祭り』でもあるし、何よりペルソナ組の───ひいてはカヲルニキの為にもなるのは確かだ。
そんな黒死ネキの仕込みを、セツニキから伝えられた参加者たちは───
「「「やり方がエグイ!! けど、面白そうだし参加する!!」」」
───ドン引きからの快諾!!
自分たちに全く損は無く、『祭り』に参加も出来て、ペルソナ組に支援が出来て、カヲルニキの抱える問題の解決にも繋がる。
そんな、ノーリスクで一石三鳥の提案に、ある者は笑いながら、ある者は苦笑しつつ
「おーし、そんじゃ今から黒死ネキに電話するから、話を合わせろよ」
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「ああ、私だ。良いタイミングだぞ、セツニキ。丁度これから始めようと思っていた所だ」
「──────?」
「ああ、知っての通り星祭の社務所では、今はオークションの真っ最中でな? セツニキには
と、ここで
〚よお、カヲルニキ、取り込み中にすまねぇな。ちょっとそこのクソガキから連絡を頼まれててな。そっちも取り込み中だと思うが、
「あ、うん。僕は良いけど、黒死ネキはそれで良いのかい?」
言外に「僕との殺し合いは諦めてくれるのか?」と聞いているな?
諦める訳無いだろう?
「ああ、構わないぞ。始めてくれ」
〚よし、それじゃあ『HELLSING』の『原作再現アイテム』、『454カスール カスタムオートマチック』、1万マッカからスタートだ〛
始まったな。では、早速競りに参加させてもらうとしよう。
「50万!!」
〚〚〚ちょっと待て!!〛〛〛
「ん? どうかしたか?」
「いや、いきなりそんな大金を宣言したら、そうもなると思うよ?」
「オークションとは自分の欲しい物を、金に糸目をつけずに手に入れる為のものだろう? それに、スロースタートでは『祭り』の盛り上がりに欠けると言うものだからな」
「『祭り』? ひょっとしてこのやり取りって、偶然じゃ無くて黒死ネキの仕込み……」
流石にここまで露骨にスタートを切れば怪しみもするか。
しかしまぁ、カヲルニキが仕込みに気付こうと気付くまいと、やる事は変わらないし、
〚ははは、流石は黒死ネキ!! 初見殺しっぷりは変わらずってか!? 乗ってやんよ!! 51万だ!!〛
〚大口叩く割には上げ幅がせこくねぇか? 52万!!〛
〚テメェも変わらねぇじゃねぇか!! あ、俺は53万!!〛
〚オマエモナー!! 54万!!〛
「あはははは、実に活きの良い連中だ!! そうそう。オークションとはこうでなくてはなぁ!! 60万!!」
〚おーっと、まだまだ終わらせねぇぞ? 60万1千!!〛
〚テメェ、幾らなんでも小物過ぎんだろ!? 軌道修正だ、61万!!〛
「……え? ええええ?」
おやおや、普段の憂いを帯びた澄まし面はどうした?
いくら良い品だとしても、ここまで高額になり、なお且つ競りへの参加者が多くなるのが不思議か?
いわゆる『原作再現アイテム』と言うものは、『原作持ち』が無理をしてでも手に入れようとする事が多く、周りも空気を読む事が多いと言うのにな?
〚65万!!〛
〚66万!!〛
〚66万4千!!〛
〚小刻みやめーや!! 67万〛
「ここでキリ良く70万!! おやおや、私は是が非でも競り落とすつもりだと言うのに、ライバルが実に多いなぁ。落札価格は、そざや高額になるのだろうなぁ。つまりは、
「──────っ!!??」
私の仕込みは理解できたか? 大して複雑でも無いのだから、分かりやすいだろ?
「……黒死ネキ……君は、正気でこんな真似を?」
「こんな真似と言うのは、この競りがこのまま続けば、ペルソナ組への支援金が一気に増す事かな? それとも、
「……これが、黒死ネキの『仕込み』なんだね。この馬鹿げた競りを終わらせたかったら、自分を
「おや、何の事かな? 別にこのまま放置して、
「「……………………」」
沈黙。
そうこうしている間にも、私の提案に乗ったのだろうオークションの参加者たちによる、
「ふふふ…………放置とか出来る訳が無いのを分かってて言ってるよね? このクソガキ!!」
「あはははははは、今晩で一番良い顔だな、シャイボーイ!!」
殺る気が出たようで何よりだ。
カヲルニキが無駄な罪悪感に囚われる事無く私を殺し合えるようになり、ペルソナ組への支援にもなり、私自身も競りを楽しめる。 そんな一石三鳥の『仕込み』だったのだが、思った以上に参加者たちのノリが良いな? 焚きつけたのはセツニキか? 良い仕事だぞ、ショタジジイ。
「さて、いよいよ大台だな。ひゃくm───〚ここで司会の俺が華麗に100万を宣言するZE!!〛───」
おい。そこは流石に空気読んだらどうなんだ、ショタジジイ?
120話目 111:偶には阿呆な事もするよね、スケベ部だもの より
お読みいただき、ありがとうございます。
はい、黒死ネキ流交渉術でした(震え声
今回彼女がやった事は───
①:オークション参加者へ伝言で『競りの金額を吊り上げる為に一芝居打って欲しい』と依頼。
②:「自分はどれだけ高くても競り落とす」と態度で示す。
③:高額で落札されれば、ペルソナ組への支援となり、すなわち
④:ほっとくと自分は破産するまで競りを続けると言外に示す。
───こうなっており、要するに「さっさと私を止めないと、破産するまで入札し続けて、ペルソナ組&カヲルニキに得をさせてやるぞ」と言う体で、善良なシャイボーイをきょうh……もとい、交渉していますw
・カスールについて
ジャッカルPは未来の世界線で田舎ニキとのトレードで手に入る事が確定していますので、今回はカスールの方を登場させました。
原作再現アイテムは持たせたいですしね。
ジャッカルの影に隠れていますが、これも十分バケモン拳銃。デザートイーグルの倍の重量で、人体に風穴とか余裕の威力だし。
・【魔装術・
概ね作中で書いた通りで、黒死ネキが常用している発展型の【魔装術】に、従来型の【魔装術】を重ね合わせて発動させるスキル。
強い装備品は重ね着したらもっと強いよね(暴論)
当然ながら制御がくっそ難易度高いので、今後の為にも要練習。
・黒死ネキ(もうすぐ2歳)
アライメントが【Dark=Neutral】だけあって、目的の為に手段すら都合よく利用。
相手に選択肢を提示し、どの選択肢を選んでも、あるいは選ばなくても黒死ネキは得をする事が出来きて、何なら相手がキレてバトルになっても良いと言う、質が悪すぎるやつw
そりゃカヲルニキも思わず口が悪くなると言うものw
本人的にはオークションも、コミュも、殺し合いも、みんなみんな楽しんでいる。なおカヲルニキの内面w
・カヲルニキ(現在小卒)
だんだん気まずさが消えている。メンタル的には良い傾向。
黒死ネキの仕込みが、あまりにもエグくて思わず暴言を吐いてしまう。
歴戦のペルソナ使いだけあって、一度コミュを始めればすぐに相手に応じた対応が出来る。
出来るだけに、黒死ネキを相手にしていると「自分の意志で殺し合いを受け入れた」に持って行かれそうだと自覚も出来ている。マジでこのクソガキ厄介すぎる。
オークションに参加している皆も、こんなのに乗らないでくれないかな(苦笑
・オークション参加者の『俺ら』
黒死ネキの仕込みにドン引きしつつ、「面白そうだし、最終的にはカヲルニキのタメになりそう」でノリノリで参加。「ペルソナ使いへの援助も出来るし」で目的はともかく、手段は納得している。
・【マルコキアス】(本霊)
地上へ派遣した高位分霊が「今からヤベェのと死合う」と言うメッセージを最後に消息を絶った。
さらに、【フォラス】が労いの品として酒を持ってきたので割と困惑。現場で何があった?
後日、『ヤベェの』から契約を持ちかけられ、「ニャルのツラにミサイルをぶち込みたい」と言うフレーズに大受けし契約を受ける。
武人気質系の連中からしたら、ニャルとか悪・即・斬の対象ですよねぇw