【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 作:マカーブル
本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
誤字脱字の指摘等も、いつも助かっております。
作中の挿絵として画像生成AIによるイメージイラストを表示しております。
AIによる生成画像に不快感を感じる方はご注意下さい。
前話の感想数が普段の三倍近くなったのは流石にびっくりw
やはり、叡智は正義だってのがはっきり分かんだね!!
今回から新キャラと既出キャラとでパーティが結成され、恐山攻略へ乗り出します。
気合い入れて書くぞ~ ……と、書いた結果、何か2万文字を超えました(マテ
例によって読みごたえはあるだろうけどダレるだろと判断し、ややぶつ切りですが切りの良い所で分割して投稿します。最初からそうしろって? それはそう。
大体三日おきに投稿予定ですので、お楽しみいただければ幸いです。
前話のあらすじ
・黒死ネキ :服を着る(裸族卒業)
・アラクネキ:人肉コレクション(強制)
・霊視ニキ :ラッキースケベ(相手は二歳児)
・カス子ネキ:ガイア連合の洗礼(おら、これが日常やぞ)
「チーム吸血姫+2、点呼」
「「「「「いや、吸血鬼なのはお前(貴女)だけだから」」」」」
「何じゃ、ノリが悪いのぅ」
山梨県 富士山麓 星霊神社の一角にて、彼女らは集まっていた。
その目的は『大異界:恐山』の攻略、及び、周辺の大小各種異界を潰す事だ。
霊視ニキが代表として交渉を担当していた恐山のイタコ衆は、自分たちの限界からガイア連合との提携───と、言う名の庇護下に入る事───を受け入れた事で、ガイア連合側からの援助として高位の霊能者こと、通称修羅勢が派遣される事が決定した。
なお、修羅勢のまとめ役であるセツニキから「こいつら戦闘では物凄く役に立つが、それ以外は本当に使えないぞ?」とお墨付きを得ている彼らの多くは、自発的に取り得る戦術は『ガンガンいこうぜ!!』
何せ、彼らにとって一番分かりやすい指示とは「一人でも多く道連れにして死ね」であり、人の形をしたミサイル扱いに一番納得しているあたり、彼らがどう言う連中なのか分かろうと言うものである。
これで知識を求められる系の試験の点数は良いあたり、残念さがより際立っていた。
その事実に頬を引き攣らせた霊視ニキは「指揮出来る人間を貸してください」と、セツニキへ綺麗なお辞儀を披露している。然もありなん。
セツニキもそれを受け、星霊神社の図書館探検隊*1を始めとした『普段から修羅勢への指示出し*2に慣れている人員』を始めとした指揮役の手配を行っている。
そして、恐山へ向かう第一陣の引率役にして総指揮官に選ばれたのは、三老*3の一人であり、老獪な女傑として名高いシエラ婆*4である。
彼女が総指揮官である事に対し反対の声は一切無かった。実力、人格共に申し分無いからだ。
むしろ、逆に同情と労いの声が多かった。チームの面子が面子だからだ。
シエラ婆は恐山攻略の第一陣の総指揮官であり、同時に『大異界:恐山』への突入と攻略を担当するチームのリーダーでもある。
今回の遠征において、最も難易度が高いとされる大異界を担当するにあたり、当然、チームのメンバーに選ばれたのも相応以上の強者たちだ。
まず、リーダーであるシエラ婆。
「折角図ったかのう様な面子を押し付けられ……もとい、揃ったと言うのに、案外乗って来ないのぉ? ガワが吸血鬼で、外見の特徴も寄せてみたんじゃがなぁ? ほれ、番号」
次に、チームの最強戦力でもある黒死ネキ。
「私に『原作』の格好で来いと言ったのはそれが理由か? 言いたい事もやりたい事も分かるが、『吸血
続いて、天真爛漫を地で行くアーパーネキ。
「私も別に「原作』と違ってお姫様って訳じゃないけどね~ って言うか、トモリ*5も言ったけど私たちは吸血鬼じゃないし。けど、それはそれとして~、こう言うのも面白そうよね。ねぇ、レミィ? あ、『
更に、幼くもどこか高貴な雰囲気のおぜうネキ。
「吸血鬼系なのはシエラ婆だけで、他は全員『人間』。確かにガワはそうだし、この手の事で星祭の連中が巫山戯るのはいつもの事よね。ところで、このチームメンバーの選出基準は? まさか本当にガワで選んだ訳じゃないんでしょう? ああ、『
そして、現地のガイド兼当事者としてイタコネキ改めカス子ネキ。
「……どうしよう。アタシの目の前にシエラ・ミケーネ*6とロリカード*7、アルクェイド・ブリュンスタッド*8にレミリア・スカーレット*9が居るんだけどぉ!? いや、ガワが同じだけのそっくりさんなのは分かってるけど、再現度高すぎぃ!! え? 何この白服赤目の超美麗吸血鬼の見本市!? あ、アタシは『
最後に、このチームの白一点。唯一の男性である見所ニキ。
「……いや、俺の目にはやけに再現度の高いカースメーカー*10も映ってるんだけどね? えっと、マジで何で俺はこのチームに? ガワが吸血鬼組の四人は戦力として修羅勢でも選り抜きだし、カス子ネキは恐山出身だから案内役なのは分かるけど。あ、俺は『
これが『大異界:恐山』の攻略チーム、『チーム吸血姫+2』である。
それぞれの『原作』で美少女吸血鬼キャラだった四人は修羅勢の中でもトップクラスの実力者たちであり、個人での中規模以上の異界殲滅の経験も数多い。
なお、黒死ネキ以外の三人は普段から『原作』と同じ衣装であり、今回は「折角だし」とシエラ婆の発案で黒死ネキも『原作』通りに白いスーツとコートと言う出で立ちで参加だ。
これにより、白服赤目の超美麗吸血鬼が四人揃う事となった。
少々呆れつつも、元より彼女らはこの手のお巫山戯は嫌いではないので、普通に受け入れている。
なお、シエラ婆以外の三人は全員吸血鬼系ではなかったりするのはご愛敬だ。
カス子ネキはレベルこそ少々物足りないが、かと言って足手まといになるほど低くもない。*11
準修羅勢とも言えるその実力は、中規模程度の異界であれば単独殲滅もギリギリ可能であり、なにより恐山出身と言う事で『大異界:恐山』への突入班でもあるこのチームのガイド役として期待もされている。
彼女の素質と才能を高く評価した黒死ネキの推薦も一役買った結果だ。
では、星祭神社の利用資格*12こそ手にしているものの、他の修羅勢ほどの戦力を有しているとは言えない見所ニキは何故チームメンバーに選ばれているのか?
見所ニキ自身も「俺より強い人とかいくらでも居るよね?」と不思議に思っているが───
「謙遜が過ぎるぞ小僧。お主の様な者こそ、このチームには必須なんじゃよ」
「その通りだとも、見所ニキ。お前を低く評価する馬鹿はこの場には居ないしな」
「そうそう、『普通』って凄いんだって見本なんだもん。ホントにそう思う」
「と言うか、逃がさないわよ? 主に胃痛枠を押し付ける的な意味で」
「うん、アタシ一人でこの面子の中に置き去りは勘弁。ご一緒プリーズ!!」
「俺の評価が高いのか平凡なのか判断に困る件」
───他の面子は誰一人として彼を逃すつもりは無かった。
それこそ、どんな状況でも、どんなパーティメンバーでも、どんな敵が相手でも、だ。
本人は「普通」と言うが、その『普通』が出来る奴はそこら辺の天才よりも遥かに希少なのだと彼女たちは知っているが故に、見所ニキの事を極めて高く評価しているのである。
そして、強さとは別に、彼の感性が一般人のそれであると言う事が重要だ。
このチームの女性陣は性格破綻者こそ居ないものの、どいつもこいつも個性的で我の強い曲者ばかりだ。
もちろんチームプレイが出来ない訳ではなく、他者のフォローが苦手な訳でもない。
誰かの指揮下に入るのが嫌いな訳でも、誰かに指示するのが不得意な訳でもない。
それはそれとして、彼女たちは一人ひとりが『戦場の中心に立つタイプ』と言うやつであり、そう言ったタイプの者どうしで組んでもチームが上手く回るのかと言われると「当人の相性次第」としか言いようがない。
故に、手っ取り早い潤滑油として、誰とでも『普通』に接する事の出来て、なおかつ『普通』の感性を持つ者の存在が重要となる。
そう、まさに見所ニキの様な、得難い人材が必要なのだ。
「え?」
だから諦めろ。
「さて、このチームメンバーの選出理由じゃが、ぶっちゃけるとショタおじの占術の結果じゃな。お主らも霊視ニキから直接聞いたのではないか?」
「ああ、ショタおじの占術で今回の遠征に『連れて行った方が良い』と出たらしいな」
「え? トモリもそうなの? 私も~」
「私もよ。これって、つまりはそう言う事って訳?」
「じゃろうな。不確定要素はなるべく一まとめにすると言う方針なんじゃろ。お陰でこんな厨パの完成と言う訳じゃ。戦力過多じゃろ、マジで」
「……えっと? アタシはまだよく知らないんだけど、神主さんの占術ってそこまで当たるの?」
ショタおじの占術の結果なら仕方ない。
修羅勢四人の間で納得の空気が流れる中、気になった事を尋ねるカス子ネキ。
その答えは───
「そうじゃな。本来〝占い〟とは運勢や未来などの『直接観測出来ない事』について判断や予言をする手段の総称を指す訳なんじゃが……」
「これが極まれば〝未来予知〟を通り越して〝運命の予約〟まで行くぞ。読んでいる小説のページを先読みしたところで、物語が変化したりしない様なものだ」
「だからショタおじも、あえて曖昧な結果になるようにしてるのよね。だって、はっきり見ちゃったら未来がそう固定される訳だしね~。つまんないよね、そんなの」
「超越者の〝占術〟ってそう言う物よ。当たる外れるで一喜一憂する様な次元じゃないの。絶対に現実になるのを前提に動くのが正解ね」
「あっ、ハイ」
───想像以上にヤバい解釈と確度だった。
「さて、もう質問が無いなら、そろそろ出発しようかの。ああ、恐山側とは話はついとるから周辺の異界を潰すのは問題無いし、むしろ推奨じゃな。折角じゃから各自の戦闘スタイルの確認がてら、行き掛けの中小規模の異界は潰す方針とする。良いか?」
「「「「「異議無し」」」」」
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よく勘違いをされがちであるが、恐山とはカルデラ湖である宇曽利山湖を囲む外輪山と、円錐形の火山との総称であり、『恐山』と言う名称の単独峰の事ではない。
外輪山は釜臥山、大尽山、小尽山、北国山、屏風山、剣の山、地蔵山、鶏頭山の八峰で、宇曽利山湖の湖畔には、日本三大霊場の一つである恐山菩提寺が存在し、いわゆる『イタコの口寄せ』はこの境内で行われている。
なお、イタコたちは普段は八戸や青森に在住しており、大祭や秋詣りの際の開山期間中にのみ出張して来ており、むつ市には常住している訳ではない。
───と、言うのが転生者たちにとっての
今世の恐山は霊才に優れた孤児等の引き取り先でもあり、イタコたちは隠れ里にてその才を磨き、護国を担って来た名門の一派でもある。
しかし、戦後のメシア教による日本の霊能者たちの根切りによる影響は大きく、かつての名門も今や日本三大霊地とされる地元の管理すらままならぬのが現状だ。
恐山は古くから優れた霊脈の集う地であり、地獄を模したともされる奇観は死者の念を始めとした多くのこの世ならざるモノを招き寄せて来た。
つまり、優れた霊地である事も伴い、
にも関わらず、霊地を管理する者たちは年々衰退している。
その結果、起こる事は新たな異界の乱立、そして時を経た異界の大型化と深化だ。
『恐山』の大本の名を冠する『大異界:恐山』を始め、外輪山にも中規模以上の異界が次々と形成され、もはやこの悪循環は断ち切れない所まで来ていた。
とは言え───
「お、早速あったの。ふむ、見た所中規模異界で中の悪魔の平均レベルは25前後と言った所かの?」
「地方では中々見ないレベルだな。流石は三大霊地と言った所か。しかしまぁ……」
「星霊の上層*13で頑張ってる人たちには丁度良いんだろうけど、このメンバーだと物足りないわよねぇ」
「私たちの適性レベルの異界がポンポン湧いてたら、それこそ終末でしょう。で、ここは誰が潰すのかしら?」
───
「おーっと、ナチュラルにソロ攻略前提の強者ムーヴ入ってるよ。いや、ここアタシだったらそれこそ適性レベルなんだけどなぁ…… 修羅勢って皆こんな感じなん?」
「いやいや、そんな事は…… どうだろ? 少なくとも俺は違うから。古参の人たちは本当に凄い人たちばっかりだけど」
基準が
そんなガワが吸血鬼の四人組に対して、まだ発展途上のカス子ネキと見所ニキは畏怖と呆れを同時に抱く。
しかし、力の差は感じつつも、恐怖は感じない。
「最近の微妙な〝自称〟修羅勢どもと違って、お前たちなら直ぐに『こちら側』に来そうだとは思うがな」
「じゃの。普通のまま一歩ずつどこまでも登って行くか、才能を伸ばし続けて高みへ行くかの違いはあれど、停滞とか無さそうじゃしなぁ」
「トモリじゃないけど、将来が楽しみよねぇ。それじゃ、誰がこの異界を潰すのか決めましょうか~」
「普通にジャンケン……だと無駄に読み合いになるから、くじ引きで良くない? いちいち時間を掛けてまでこだわる事じゃ無いでしょ」
「別に良いけど、それだとレミィが勝っちゃわない?」
「流石にこんな事に権能とか使わないわよ」
そう言っておぜうネキは肩をすくめ、アーパーネキは「それもそっか」と笑顔を見せるのであった。
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お読みいただき、ありがとうございます。
はい、新キャラ登場回ですね。 作者の趣味? その通りですが何か?(ォ
ポポァ様(脳缶ニキの作者様)の所で、『アルクェイドそっくりだけど、吸血鬼じゃ無くて人間の転生者もいる』と言う旨の表記があったので、登場させたかったんですよね。
それに伴い、『レミリアにそっくりだけど、吸血鬼じゃ無くて人間の転生者もいる』と言う事にしてみました(ォ
シエラ婆も含めて、『原作だと白服赤目の吸血鬼な美少女』と言う共通点でパーティ組ませてみましたw
いやまぁ、もちろん趣味だけではなくストーリーの整合性の為でもありますが。
アーパーネキとおぜうネキの能力に関しては、次回をお待ち下さい。
見所ニキは再登場。
以前に登場させた際は結構受けが良かったようなので、今回は星祭の一員になるまで成長した形で再登場です。
彼の活躍にもご期待下さい。
・黒死ネキ(本名:
ガワは『HELLSING』の『ロリカード』。
今回はシエラ婆からの提案に乗り、原作通りの服装で参加。前話で服が着れるようになったので、本人も案外ノリノリ。
面子も愉快な連中ばかりなので、楽しめそうで何より。
・アーパーネキ(本名:
ガワは『月姫』の『アルクェイド・ブリュンスタッド』。
前世では難病で病床から離れられずに、動画視聴や読書だけの人生だった。
今世では自由に動き回れる肉体を得て、実質初体験ばかりの様々な出来事に、笑顔ではしゃぎまくっている。
・おぜうネキ(本名:
ガワは『東方Project』の『レミリア・スカ―レット』。
前世はド庶民。今世はおぜう様RPガチ勢。それはそれとして「RPの為に人間捨てて吸血鬼になる」は違うと思っている。
ガワの外見年齢がレミリアと同じになったので、速攻で【捨食の法】と【捨虫の法】を修得して不老化している。
最近はRPではなく、素の口調がおぜう様と化して来ている。本人的には良い傾向。
・見所ニキ(本名:(未設定) レベル:32)
ガワは『やる夫スレ』より『ネームレスヒーロー』。感想欄での塵塚怪翁様の御意見を採用。感謝!!
イメージは『古のギャルゲで、前髪でメカクレになってる外見無個性な男主人公』的な感じ。
頑張って【モト師匠】を撃破して修羅勢の一員となっている。
ぶっちゃけ、チャイカの【死で奏であう劇場】を見た後なので、実質見稽古済み。
【モト師匠】にはそこまで苦戦はしなかった。
今回は厨パの潤滑油として参加(ォ
・カス子ネキ(本名:命子 レベル:27)
ガワは『世界樹の迷宮』の『女性カースメーカー』。恐山の誇る霊的暴力装置()。
ガイア連合の修羅勢が、現状では自分よりも強者だらけなので、「メガテン世界で主人公やる羽目になっている」と言う、これまでの精神的な張り詰めは無くなっている。
吸血鬼組のチートっぷりを肌で感じてもらう予定。
・シエラ婆(本名:(不明) レベル:49)
ガワは『幻想水滸伝2』の『シエラ・ミケーネ』。
アイア連合の三老の一角であり、本霊は『エルダー・ヴァンパイア』。
前世も込みで経験豊富で老獪な実力者。それ故に上記メンバーのリーダーに抜擢w
Lilyala様の所よりも時期的にレベルが高いが、こっちの世界線では黒死ネキが初期から居る影響で修羅勢の戦闘頻度も上がっていると言う想定。要するにインフレ時空w