【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 作:マカーブル
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誤字脱字の指摘等も、いつも助かっております。
作中の挿絵として画像生成AIによるイメージイラストを表示しております。
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第53話の感想欄にて、ふたばや様から、
>>何故かこのPTでラーメンを食べに行って思い思いに舌鼓を打つような絵面が脳裏に……。
と言うご感想をいただき、面白そうだから作ってみましたw
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ふむ、何故か似合うね、これw
アーパーネキに関しては、アルクェイドが公式でも志貴にラーメン作って貰ってたし、親和性は元々高かったかも。
なお、ラーメン食べながら一緒に麦ジュース飲んでる、実年齢2歳児には目を瞑ってもらう方向で。
第53話のあらすじ
・黒死ネキによる
・処女厨ざまぁ
・お手軽デスコンボのご紹介
「……で、いよいよ真打ち。ワシの出番!! ・・・・・・と、思っていたんじゃがなぁ?」
「まさか、目的地の『大異界:恐山』までの間に中規模異界はおろか、小規模異界すら
「いや、他人事みたいに言ってるけど、やったのはトモリでしょ?」
「確かに私たちのレベルだと、小規模異界程度なら構成空間ごとワンパンで潰せるから、いちいち中に入ってチマチマ潰すよりも効率は良いわね。効率は」
「お互いの出来る事の紹介がてら、異界で力を振るおうにも、小規模異界の悪魔程度じゃ技を出すまでも無く消し飛ばしちゃうってんで、
「で、目論見通り、道なりにあった小規模異界は黒死ネキの【パンデミアブーム】で殺し尽くされたのは良いとして……」
「肝心の中規模異界が残っておらず、ワシの出番が無いまま目的地に到着しそうになっておる、と。いや、今回の遠征の目的を考えたら良い事なんじゃが、これはこれで納得がいかんぞ」
『チーム吸血姫+2』の面々は、当初の予定通り『行き掛けの中小規模の異界は潰す方針』を実行していた。
とは言え、無数にある異界の全てを一つ一つ潰しながらでは時間が掛かり過ぎる。
しかし、だからと言って放置して後続の修羅勢たちに丸投げするのも座りが悪い。
そこで、【パンデミアブーム】を始めとした指向性の広域殲滅スキルを得意とする黒死ネキが、態々立ち寄って潰すまでも無い小規模異界を先んじてまとめて潰す方針となった。
結果、目論見通り道なりの小規模異界は簡単に潰されていったのだが、肝心の中規模異界は残っておらず、「次は自分の番」とやる気満々だったシエラ婆は肩透かしを食らう羽目となっていた。
まぁ、これはこれで仕方ないか。
そんな雰囲気が漂い始めたその時、見所ニキがふと気付く。
「ん? あの、あそこの空間、少し歪んでませんか? ひょっとして成りかけの異界なんじゃ?」
「ん? どこじゃ? ……ああ、あそこか。良く気付いたの?」
「ふむ、確かに。だが、この程度の規模だと成ったとしても小規模異界だろうな」
「あー、コレ多分面倒なやつだ。この辺って良く異界が湧くんだけど、この段階のやつを潰しても、すぐまた成ろうとするんだよね。多分、一回しっかりと異界化しないと歪みが曖昧なままで継続しちゃうんだろうね」
異界に成る手前の歪な空間。
ある意味珍しいものを見つけたが、ガイドでもあるカス子ネキ曰く、この段階で潰しても余り意味は無いとの事。
しかし、その説明を受けて閃く者もいる。
「それじゃあさぁ、私とレミィで
「またアルクは思い付きでモノを言う…… けどまぁ、小規模とは言え放置もなんだし、構わないわよ」
「ふむ、折角じゃし頼めるかの?」
「え? 異界にしてから、って?」
そんな見所ニキの疑問に応えるように、アーパーネキとおぜうネキは歪んだ空間へと足を進め、自身の権能を行使する。
「それじゃあまずは……うん、周辺の霊脈からの余剰放出分のMAGは
「相変わらず無茶苦茶するわね。まぁ、その方が
何でも無い事の様に語り、本人の実感的にも出来ると確信している様に振舞うアーパーネキ。
相方の非常識を受け止め、諦観と納得、そして〝それ〟に対応する自信を見せるおぜうネキ。
「始めるわよ。【
アーパーネキの権能の行使により、周辺の霊脈の余剰放出分のMAGを、本来発生したであろう霊脈上では無く
水脈が走っているのなら、少し離れた場所からでも水が湧き出るのは自然な事だし、何なら、複数の水脈の支流が一か所に収束する事だってあるだろう。
【ホシガミの力】を根源に持ち、自身が『星の触覚』とも言えるアーパーネキからすれば、この程度の事は容易いとまでは言わずとも、出来て当然の事であった。
「これでこの成りかけの異界は、
そして、おぜうネキが、その結果起こり得る『即座に異界化が起こる』と言う未来の可能性を、本来の『異界化はまだ先である』と言う未来に上書きする。
その結果、単なる『小規模異界に成りかけていた空間の歪み』は、『
【女神 フォルトゥナ】を本霊とし、【未来予知】と【運命操作】の権能を併せ持つおぜうネキによる、『都合の良い未来』への書き換えである。
「ええええええええ……もうコレ、何でも有りじゃん!?」
「そうでも無いわよ? これで結構色々と制限もあるし」
「何でもかんでも生み出せる訳じゃ無いし、今回は放っておいても
「と言うか、小規模を通り越して中規模異界化しよったの。ふむ……逆に言えば、これを潰せば周辺の霊脈の鎮静化も含めて、当面の異界の発生は抑えられそうじゃな。結果オーライじゃが」
「この道すがらの小規模異界は、私が軒並み【パンデミアブーム】で潰しているし、『
「レベルも50前後になればこの領域かぁ。先は長そうだけど、俺も自分のペースで頑張ろう」
「え゛? これ見て出てくる感想がそれなのヤバくね?」
「で、この異界のコンセプトは『耐久力』と言った所か?」
「みたいね~。【地霊】や【龍神】みたいな、体力と防御力が売りの悪魔が多いみたいだし」
「おや、相性悪いのォ。ワシはお前たちと違って非力だと言うのに」
「酷い非力詐欺ね。単にメインの攻撃手段が万能系ってだけでしょ、それ」
アーパーネキとおぜうネキの権能により中規模異界と成ったこの場所は、肉体的に頑健で耐性面でも優れた悪魔の湧く地であった。
対して、シエラ婆は極めて優れた武術家ではあれど、攻撃の破壊力と言う点で他の修羅勢の中では一歩譲っている。
本人がうそぶく様に、これだけを見れば相性が悪いと言えるだろう。
これはシエラ婆に限った話ではなく、資質が万能型の者たちに共通する悩みでもある。
『誰にでも通用する』と言う事は、『誰の弱点も突く事が出来ない』と同義であり、『出来る事が多い』と言う事は、『あらゆるジャンルで特化型に劣る』と言う事でもある。
そんな万能型の者たちは、器用貧乏なりに適性のあるスキルを磨いたり、開き直って器用貧乏を極めようとしたりと、各々が試行錯誤を続けている。
そして、シエラ婆が確立させたスタイルは───
「温いわ!! 【デスタッチ】」*2
───
シエラ婆の本霊は【夜魔 エルダーヴァンパイア】であり、得意とするのは【エナジードレイン】を始めとした各種ドレイン系である。
その多くが万能系の攻撃手段であり、大半の相手に有効かつ、
しかし、万能系の常としてその威力自体は高いとは言えず、他の修羅勢が一撃で悪魔を屠る中、万能系では三撃ほど必要になる事が多い。
ではどうする?
簡単だ。
攻撃の回転率を上げるのは当然として、シエラ婆には他には無い強みが二つあった。
一つは、自身がドレイン系と相性が良く、継戦能力が極めて高い事。
もう一つは、自身が前世からの武術の達人であり、その武術もいわゆる『柔拳』に分類されるものである事。
『剛拳』は誰もが理解しやすい武の典型だろう。鍛え上げた肉体から練り上げた技を繰り出し、相手を粉砕するのはまさに王道と言える。
対して、『柔拳』は相手の攻撃を受け流し、素早く間合いへと滑り込み、反撃へと転じるというのが主な攻撃方法である。
事実、シエラ婆は悪魔からの攻撃に的確に反応し、カウンターを叩き込み、時には機先を制し一切の無駄の無い連撃を叩き込んでいる。
「お婆ちゃんの戦い方ってやっぱり凄いわよね。本当の意味で『無駄が無い』って言うの?」
「武術って視点だと私たちの中でも頂点の一角だし、そこにスキルと権能も加わるから手が付けられないのよね」
「…‥あの、正直シエラ婆の動きが達人過ぎて目で追うのがやっとなんですけど、時々、避けれるはずの攻撃を敢えて避けていない様に見える事があるのは、俺の勘違い……って訳じゃ無いんですよね?」
「大丈夫。アタシもシエラ婆の動きに全然目がついて行けてないから。やってる事は分かるんだけど、ドレイン系が得意だからって「そうはならんやろ」ってなってるわ……」
「なっているだろう? ああ、見所ニキの見たままで勘違いでは無いぞ。シエラ婆は『避けたら反撃に転じるのが遅くなる攻撃』は、
「えーと、シエラ婆は武術の達人で、得意なのがドレイン系……で、この戦い方って事は……マジですか。『剛拳』系統じゃ絶対に真似出来ないスタイルだ」
ドレイン系のスキルは万能系、つまり、攻撃が成立すれば大半の敵に効果を発揮する。
シエラ婆の武術は『柔拳』。つまり、極めて相手への
この二つを踏まえた上で、手数を増やしたい場合はどうすれば良いか?
単純だ。
相手の攻撃を避けたら手数が減るなら、避けずに攻撃すれば良い。
無論、受ければ即死するような大技はきっちり避けるなり防ぐなりするが、そうでないならば避ける必要など無いだろう、
そして、避けなかった分だけ〝余計な動作〟は省かれ、省かれた分だけ手数が増える。
結果としてシエラ婆は、『剛拳』の使い手が一撃で一匹の悪魔を仕留めている間に、一匹あたり三撃で二匹以上の悪魔を仕留める事を可能としているのである。
しかも、
攻撃が軽いから硬い敵を倒しにくい? 威力が低いだけで、ドレイン系は実質防御無視の側面もあるのだが?
シエラ婆よりも攻撃力の高い者はそれなりに居る。しかし、シエラ婆以上に継戦能力の高い者など、本霊が【
ちなみに、次に継戦能力が高いのは黒死ネキとセツニキだ。こちらはジャンル違いでもあるが。
「ふむ、この異界の主は【龍神 ゲンブ】か。確かに固いのだろうが、このレベル*4の下級分霊ではそれだけじゃの。仕舞いじゃ。 【フルムーン】」*5
「────────────!!??」
主である【龍神 ゲンブ】もシエラ婆に一矢報いようと必死に応戦するも、元々耐久寄りで素早さは低く、倍近いレベル差に加え、『柔拳』の達人であるシエラ婆に全ての攻撃を見切られており、全ての挙動を掌握されている。
そして、シエラ婆に攻撃を見切られると言う事は、即ち『わざと避けずに喰らっても問題無い攻撃』を把握される事を意味する。
【ゲンブ】が必死に当てたつもりになっていた攻撃は、シエラ婆からすれば『避けるまでも無い攻撃』に過ぎず、【ゲンブ】がその一撃を繰り出す間に、シエラ婆は既に連撃と言えるほどの攻撃を叩き込んでいるのである。
そして、折角シエラ婆に与え
結果として、シエラ婆は
「ま、こんなもんじゃろ。待たせたな、お主ら」
「大して待ってないわよ。いつも通りあっという間だったし」
「いつ見ても見事な物ね。例によって全然消耗してないみたいだし」
「極まった柔拳とドレイン系の攻撃を組み合わせて、徹底的に相手を喰らい尽くして消耗ゼロで勝つ、かぁ。凄いですね、本当に」
「シエラ婆が総大将を任された理由の一つだな。
「相手からしたら、
「うん、ホントにそれ」
「「「「…………」」」」
しみじみと実感し合っているカス子ネキと見所ニキだが、吸血鬼組四人の反応は苦笑や呆れと言ったもので、その内心は一致している。
すなわち、「今はこう言ってるけど、お前らもすぐにこっち側に来るだろ」であった。
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そして、『
自然とパーティメンバーの間で雑談が花を咲かせる事となり、各自の日課や修行の方法など、様々な話題が飛び交う事となった。
そんな中、新人のカス子ネキから他のメンバーへの質問が投げかけられる。
「そういえばさぁ? ガイ連ってアタシら転生者の魂が悪魔に持ってかれないようにする保護って名目で、神主さんの超技術満載の専用式神が格安で貰えるって聞いたんだけど?」
「それで合っとるぞ。当然お主にもその権利はあるな」
「んじゃさぁ、皆はどんな式神にしたのか聞いても良い? アタシもどんなのにするかは大体決まってるけど、やっぱ他の実例も参考にしたいし」
「構わんぞ。ワシの式神はこれじゃな」
そう言ってシエラ婆は、自分の手首に装着された腕輪を掲げてみせる。
「見ての通り、腕輪型の式神じゃな。銘はフルムーンと言う」
「ああ、そこは原作再現なんだ。確か、幻想水滸伝……Ⅱだっけ? 魔法使い系の筈なのに、何故か装備品のカテゴリが『爪』って言う」
「じゃな。まぁ、ワシの戦闘スタイルは知っての通りじゃし、普通にその補助を担わせておるぞ」
「なるほどな~。んじゃ、
「良く言われるが違うぞ。私の式神は棺型だからな」
「……は? 棺?」
予想外過ぎる黒死ネキの回答に目を白黒させるカス子ネキだが、黒死ネキの式神が何であるかを知る他の面子は「だよね、そんな反応になるよね」と言った苦笑を浮かべている。
「トモリの式神って、見た目だけなら『棺姫のチャイカ』の白チャイカなんだけど、実は棺が本体で、人としての姿は【魔装術】で作った外装なのよね。私も初めて聞いた時は訳が分からなかったわね」
「黒死ネキは本人も式神も色々と例外過ぎるから、参考にするのは止めた方が良いわよ? 自分のポータブルベッドにしたいからなんて巫山戯た理由で、【モト師匠】を殺し続けてショタおじからNTRとか意味分からないし」
「……うん、知ってる俺も改めて聞いたら意味分からないな、これ」
「いや、知らないアタシはもっと意味分からないんだけどぉ!? え? 白チャイカ? 棺? この場には居ないよね?」
「ああ、
「あ、それでチャイカは居なかったんだ。てっきり私のところみたいに留守番して貰ってるのかと思ってたわ」
「うん、分からないし参考にも出来そうにないから一旦置いとこ。ほんで、アーパーネキのはどんな式神なの? 留守番って言ってたけど」
そのカス子ネキの質問に、アーパーネキは途端に目を輝かせ、「待ってました」とばかりに満面の笑みで語り始める。
「私の式神は、黒猫のレン*7よ!! もう、すっごい可愛いの!! とっても素直で私に懐いてくれてて、寝る時には好きな夢も見せてくれる、もう本当に最高の子なの!!」
「あ、これ猫飼い特有のアレだ。うちの子自慢」
「あー、そっか。式神って別に戦闘前提じゃ無くて、そう言う感じでも良いんだ………好きな夢って?」
「アルクのところのレンって、式神としてのメイン素材は夢魔のフォルマなのよ。その辺は『
「あれ? って事は、普通に戦闘も出来んの?」
「出来るだろうな。レン本猫はアーパーネキから文字通り猫可愛がりされるだけではなく、戦闘やそれ以外でも役に立ちたいと、必死でレベルを上げてるぞ。普通に神経系のスキルに長けた式神だな。だが……」
「そうなの!! レンってばすっごく健気なの!! そう言ういじらしいところも可愛くって───!!」
「あ、そう言う感じなのね」
「会った事はないけど、苦労してそうだね、色んな意味で……」
間違いなく愛されてはいるが、単なる愛玩動物以上に役立ちたいと努力する式神と、典型的な愛猫家の若干のズレに苦笑しつつ、顔を見合わせるカス子ネキと見所ニキ。
「んじゃ、見所ニキは? 何か基本に忠実ってイメージがあるけど」
「あー、俺は確かに一番多いパターンかも。いわゆる『俺の嫁』タイプの人型式神だから」
「おろ、逆に意外? てっきり武器型みたいな装備品系かと思ってたわ」
「改めて自分の口で言うのって、ちょっと恥ずかしいかもだけど、俺自身が器用貧乏だからしっかりとした前衛系の式神が良いと思ってたのと、たまたま思いついたキャラが一致したって感じだね」
「へー、その辺はしっかり考えてるんだ。んで、見所ニキの『俺の嫁』って、ズバリ誰よ?」
「『Fate』のバゼット*8」
「おおう、ますます意外!? 正統派の美少女かと思ったら、そっち系なん!?」
「いや、俺も何でバゼットが良いって思ったのかって聞かれても、はっきりとした答えがある訳じゃないんだけど、どうしてか「これだ」って自然と思えたんで、直感に従った感じって言うか」
「そう言う直感は案外馬鹿に出来ないからの。無意識にでも「これが良い」とはっきり思えたのなら、理屈抜きにそれが本人にとって正しい選択だった、と言うのはこの業界では十分あり得る事じゃしな」
「ああ、それはアタシも分かる。むしろ、はっきり「これだ」って思えたんならそうするべきだわ」
自分の直感に従ったと言う見所ニキと、オカルト的な視点で肯定するシエラ婆。
カス子ネキ自身もその意見には納得出来たので、素直に賛同する。
「男装の麗人でバリバリの前衛ってカッコいいわよね。ところで、私はあんまり実感ないんだけど、よく周りからバゼットと声が似てるって笑いながら言われるんだけど、何でだろ?」*9
「「「「「(いや、そりゃお前…………)」」」」」
アーパーネキの疑問に、内心呆れる他のメンバー。
前世の創作物のキャラクターと同じガワと言う、転生者特有の『あるある』なのだが、知らぬは当人ばかりなりと言うのも、また『あるある』なのであった。
「んじゃ、最後はおぜうネキだけど、やっぱり式神は咲夜?*10 それとも、紅魔館*11のメンバーの誰かなん?」
ある意味この面子の中で一番分かりやすく予想もしやすいのが、ガワがレミリア・スカーレットのおぜうネキだ。
『
他の候補は、住処である紅魔館に同居している『妹』のフランドール・スカーレット*12や、『友人』のパチュリー・ノーレッジ*13も有力だろう。
流石に『門番』の
どれが正解でも「ああ、やっぱり」と納得できるだろうと思いつつ、気軽に質問するカス子ネキだったが、その予想は大きく裏切られる事となる。
「………………ってないわ」
「……え? 今何て?」
「………………ってないわ」
「あの、聞き取れないんだけど?」
「う~~~……」
「いや、どったの?」
カス子ネキの質問に、気まずそうに目を逸らしていたおぜうネキだったが、いい加減、誤魔化し切れないと悟ったのか、開き直ったかのように大声で叫ぶ。
そう───
「私は、まだ、式神は作ってないって言ったのよ!!」
───と。
「はぁ!? いや、何で?」
「何でって……」
当然、カス子ネキに理由を問われ、おぜうネキは気まずそうに目を逸らす。
「……決められないのよ」
「は?」
「だから、決められないの」
「何を?」
「誰を式神にするか」
「いや、それはさっき聞いたけど……候補は?」
「……三人」
「三人?」
「咲夜、フラン、パチェ」
「…………」
カス子ネキが無言になる。
その横で、見所ニキが「あー……」と何とも言えない声を漏らした。
「なるほど。三人まで絞り込んで、そこから決められないのか」
「そうなのよ!!」
おぜうネキは、何故かそこで開き直ったように胸を張る。
「だって仕方ないじゃない! 咲夜は私の『従者』よ? 私の傍に置くなら一番しっくり来るじゃない!!」
「うん」
「でも、フランは私の『妹』なのよ!? 『妹』を式神にすると言うのも、それはそれで凄く〝らしい〟じゃない!!」
「まあ……分からなくはない、かな?」
「それにパチェだって、私の大切な『友人』でしょう!?」
「はいはい」
「誰か一人を選んで、他を選ばないとか有り得ないのよ!!」
力強く言い切るおぜうネキ。
「だから決められないの!!」
「……ああ、なるほど」
カス子ネキがようやく納得したように頷いた。
「要するに、レミリアとして誰を選んでも「他を選ばなかった」になっちゃうから決められない、と?」
「そう言う事よ!!」
「……めっちゃ分かりやすい悩みだった」
「でしょう!?」
「いや、んな力いっぱい断言されても……」
言いたい事は分からないでもないが、だからと言って同意を求められても困る。
おぜうネキのこだわりを初めて知ったカス子ネキと見所ニキはともかく、他の三人は既に知っていた為、代表するかのようにシエラ婆が口を開いた。
「で、結局どうするつもりなんじゃ?」
「どうって?」
「専用式神に決まっておるじゃろ。お主のこだわりは分かるが、いつまでも決めない訳にはいくまい?」
「ああ、それについては考えがあるわ。 …………と言うか、覚悟を決めたわ。要するに、シンプルな話だったのよ」
そう言って、おぜうネキはどこか晴々とした表情で宣言する。
「私は、三人同時に迎えられるだけの資金と功績を積むわ。誰にも文句なんて言わせない」
「「「「「…………」」」」」
その場にいた全員が、一瞬黙った。
「力技じゃなぁ……」
「だって、誰か一人を選ぶなんて無理なんだもの。だったら全員分を用意すればいいじゃない」
「まぁ、理屈としては分かるけど……」
シエラ婆がしみじみと呟き、見所ニキが苦笑する。
「クククっ、実に自分に正直な事だ。そこまでして三人とも欲しいんだな」
「当たり前でしょう? 咲夜も、フランも、パチェも、私にとって大切な存在なのよ。だったら三人とも式神にする。それだけの話よ」
「レミィって、そう言う所は絶対に妥協しないもんね。私は素直で良いと思うわよ」
黒死ネキが愉快そうに笑い、アーパーネキは嬉しそうに笑う。
「あー、うん。それは分かったんだけどさ? 専用式神って、アタシらの魂が悪魔に持ってかれない様にするセーフティだって聞いてるんだけど、金と功績を積むまでの間の魂の保護はどうすんの?」
「もう済ませてあるわよ」
「え?」
そして、カス子ネキからの「現実的な問題の解決はどうするのか?」と言う問いに対しては、あっさりと「解決済み」と答えるおぜうネキ。
「蝙蝠型のアガシオンを作って、【
「……もう作ってんの?」
「最低限の対策は必要でしょう? だから、式神本体については保留しているけれど、魂の保護に関しては問題ないわ」
おぜうネキは何でもないことのように答え、その様子を見たカス子ネキは、ようやく肩の力を抜く。
「……なんだ、ちゃんと考えてはいたんじゃん」
逆におぜうネキは、少しだけ不満そうに鼻を鳴らす。何故なら───
「当然でしょう? 私はレミリア・スカーレットよ? 大事なところで無策な訳がないじゃない」
───
「そこだけ聞くと凄く格好いいんだけどなぁ……」
「式神を三人全員作るために金と功績を貯めます、だからな」
見所ニキが呟き、黒死ネキが笑う。
「何か問題でも?」
「無いわよ、問題なんて♪」
そして、アーパーネキは嬉しそうに笑い───
「……まあ、おぜう様らしいっちゃ、おぜう様らしいか」
「違いないの」
───カス子ネキとシエラ婆は、納得と言う名の苦笑を浮かべるのであった。
「ところで、
「いずれ作るに決まってるでしょ」
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他愛のない雑談を交わしている内に、時間はいつの間にか過ぎていた。
道中に存在していた中小規模の異界は、既に全て攻略済み。
残る目的地は、ただ一つ。
そこには、それまでとは明らかに異質な空気が広がっていた。
遠目からでも分かるほどに巨大な異界の領域が、まるでこちらを待ち構えるかのように広がっている。
「さて───」
そう切り出したのは、チームリーダーのシエラ婆。
その声を合図にしたかのように、全員の雰囲気が変わった。
雑談の空気は消え、各々が無意識に装備や術式を確認していく。
アーパーネキも笑顔を浮かべたまま、しかしその目だけは鋭く前方を見据えている。
見所ニキは軽く身体をほぐし、カス子ネキも自分の装備を確認する。
おぜうネキは胸を張り、黒死ネキは――ただ愉しそうに笑っていた。
「───本番じゃ。気合を入れるとするかの」
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文字通り術者の空想を具現化する能力で、確率変動によって世界の再構築を可能とする。
惑星上で自然発生した存在なら、植物・鉱物・地形に至るまで世界に出力する万能プリンターとして機能する。
なお、人工物は本来なら対象外だが、「人工物も元を辿れば自然物でしょ?」と言うこじ付けにより、構造が単純な物なら再現可能。
ガワは『エンジェル伝説』の主人公、北野誠一郎。
共に双子好き四天王の一員。
兄は普通に一卵性双生児好き。ガワは『緋弾のアリア』の不知火。自然現象系の属性魔法特化型の純魔導士。
弟は「同じ双子なのに妹の方が優秀で、自分に自信の無い双子の姉の方が好き」と言う業の深い性癖で、ガワは『ヴァルキリープロファイル』のバドラック。斥候系の極みの様なビルドタイプ。
『Fate/hollow ataraxia』における裏の主人公、且つヒロイン。男物のスーツに身を包んだ男装の麗人。
生真面目だが融通の利かない堅物で、戦闘能力は超一流だが、人間として、女としては「ダメ」の一言につきる。
レミリアの従者で、【時間を操る程度の能力】を持つメイド長。
特技はタネ無し手品とナイフ投げ。ナイフ投げは二十間(=約36m)離れた場所に居る、頭上にリンゴを載せた妖精メイドの『額』に当てることが出来るほどの腕前。
発狂気味で情緒不安定とされているのだが、不安定な描写は少なく、意外にも教養のある性格をしている。
【火水木金土日月(七曜)を操る程度の能力】を持つ喘息少女。
【気を使う程度の能力】の持ち主で、戦闘能力はかなり高く、弱点らしい弱点を持っていない万能型の妖怪。
【目的の本を瞬時に見つける程度の能力】の持ち主。何とこの設定、『東方紅魔郷』の発売から23年経って判明した事だったりする。
お読みいただき、ありがとうございます。
今話のお題は───
・黒死ネキによる小規模異界の殲滅
・アーパーネキと、おぜうネキによる権能コンボ
・シエラ婆の戦闘スタイル
・各自の式神事情
───と、なっております。
これで『大異界:恐山』前のキャラ紹介&助走は終了となり、次回から異界攻略の本番となります。楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
・・・・・・どう足掻こうと味方サイドが強すぎる問題w
・黒死ネキ(本名:
式神は棺型。ペルソナ+【魔装術】で白チャイカの姿を具現化している。
参考に出来る筈も無い特殊事例w
今回は【パンデミアブーム】による小規模異界の殲滅を担当。
・おぜうネキ(本名:
式神は未設定。いずれは紅魔館メンバーのフルコンプを目指す予定。
式神の核にする悪魔を選ぶ際、フランなら【スルト】や【バロール】、咲夜なら【クロノス】等、それなり以上に格の高いやつを見積もるつもりなので、まだまだ先は長い。
・アーパーネキ(本名:
式神は黒猫型。人間形態? 猫の方が可愛いよね?
どこぞの幼女監禁&違法薬物生成をやってる偽志貴っぽい人の式神とは、当然別個体w
レンの方も溺愛されてるのは嬉しいが、もっと主の役に立ちたいと頑張っている。
・カス子ネキ(本名:
式神は未作成。と言うか、資金も素材も集めるのはこれから。
どのような式神になるのかは、ふーじん様の『【カオ転三次】今更転生ごちゃまぜサマナー』にて。
まだガイア連合に来たばかりだから、新鮮な驚きを担当してくれているw
・シエラ婆(本名:不明 レベル:49)
式神は腕輪型。戦闘スタイルはLilyala様の『最速で出会った俺らのガイア連合活動記録』での描写を参考にしました。こんな感じで合ってるかな?
シンプルに完成度が高い戦闘スタイルで、最初から最後まで最前線に立ち続けるタイプ。
・見所ニキ(本名:未設定 レベル32)
式神は人型。実は見所ニキの本霊は【イルダーナ】と設定しているので、バゼットとはフラガラック繋がりだったりする。本人は無意識だけど、何となくでも相性が良いと確信している。
いずれは【
最後に、黒焦げ様より頂いた黒死ネキのFAをご紹介。
【挿絵表示】
うーん、避暑地の令嬢感w
「着なさそうな衣装の黒死ネキ」「悪戯で着ないとは言いませんがネw」との事w
『このキャラ』の事を知らなかったら、普通に「美少女だな~」って思えるんでしょうけどねぇw
ロリカードとして見ても、黒死ネキとして見ても、可愛い以前に違和感が凄まじすぎて〝見た目に騙されて油断したらヤベェ感〟が凄いw
それでこそ『このキャラ』なだけに、それも含めてお見事です。