分解修復勇者の異世界道中   作:フリー123456789

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第14話 治った!崩れた!

【家事】→【従者】に変更

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 俺と火炎竜王を中心に眩しい光がボス部屋全体を包む―――などといった進化する時のお馴染みのシーンは始まらない。

 

 だが、無事に火炎竜王との合体は上手く行ったことは分かった。

 

「治ってるわ!」

 

「よし!実験成功!」

 

 美咲の言う通り俺の左半身にあったはずの火傷は、綺麗に治っておりいつものハンサムなボディが美咲に挨拶している。

 

 体も違和感ない、むしろ火炎竜王戦の前よりも強くなっている気がする。

 

 俺は自分のステータスを確認した。

 

―――――――――

名前:桜木春

年齢:18

種族:竜族

職業:無職

Lv :27(126)

MP:159/159(1844/1844)

攻撃力:C(EX)

防御力:D(A)

魔法防御力:D(S)

素早さ:C(A)

器用さ:B(EX)

知力:B(EX)

幸運:D(S)

ユニークスキル:【竜因子】(分解修復)(学習)(自動行動)

エクストラスキル:【火炎魔法】【多言語理解】【完全鑑定】(完全偽装)

スキル:【刀術】【剣術】【格闘術】【騎乗術】【二重詠唱】【回復魔法】【直感】【縮地】【速読】【飛行】【忍び足】【従者】【火耐性】【恐怖耐性】【空腹耐性】【痛覚耐性】(風魔法)(土魔法)(自動MP回復)(最大魔力量増加)

称号:≪読書愛好家≫≪ダンジョン覇者≫(異世界人)(竜殺し)(偽る者)

 

():偽装中

――――――――

 

 毎度のようにステータスに変化があった。

 

 スキルも増えており<鑑定>が進化して<完全鑑定>となっている。

 

 ステータス値にも大幅な上昇がある。

 

 攻撃力のステータス値はAランクだったはずだから順当に上がって行けば次はSランクだろうがEXに上昇している。

 

 火炎竜王と合体した影響だろうか。

 

 影響と言えば、エクストラスキルとユニークスキルに火炎竜王が使っていた物が新たに追加されている。

 

 <火魔法>ではなく<火炎魔法>なのはやはり火炎竜王だからだろう。

 

 そして<竜因子>。

 

 ドラゴンが上位の種族たる所以のユニークスキルを俺も取得してしまった。

 

 <竜因子>に影響されたのか、種族も竜人に変わっている。

 

 俺は竜人についてほとんど情報を持っていない。

 

 この世界についての情報源は、全て王城の図書館だから責めるなら俺ではなく王国にして欲しい。

 

 閑話休題。

 

 ステータスを確認した俺はボス部屋を見渡した。

 

 火炎竜王が放った大量の火炎槍により辺り一面が小さなクレーターだらけになっておりレッサードラゴンやレッドドラゴンの死体は粉微塵になってしまった。

 

 俺は、気が沈んでいることを感じながら次にボス部屋の最奥にある巨大なクリスタルへと目を向けた。

 

 床から多方面に向けて生えておりその大きさは大小様々だ。

 

 火炎竜王はこの水晶を守るように鎮座していたが、もしかすると不思議な能力でも宿っているのだろうか。

 

「ん?何見てるのよ?」

 

「あの水晶。売ったら金になるかなって思って」

 

 俺の火傷が治り興奮していた状態から回復した美咲が俺に何を見ているのか聞いてきた。

 

 俺は適当に返事をしてしまったが、今言った通りお金になるかもしれない。

 

 そうと決まれば話は簡単だ。

 

 巨大な水晶を手に入れるために分解していく。

 

 道具袋は、何を基準に判定しているのか分からないが、ある一定以上の大きさを越えると収納してくれなくなる。

 

 そのため目の前にある状態のクリスタルのままでは、道具袋に入れることができない。

 

 俺のどこでもマイホーム計画は立てる前から頓挫してしまった。

 

 そんなことを考えながらクリスタルを<分解>していき道具袋へと収納していくと最後の1つ、中央に生えていたクリスタルの中に台座のような物とその台座の中央に丸い球体があることに気付いた。

 

 クリスタルを道具袋に入れた俺は、露わとなった台座に向かうとそこには黒い球体が浮かんでいた。

 

「これ、何かしら。春なら分かるんじゃないの?書庫に籠ってたんだし」

 

「う~ん、分かんないや」

 

 不思議な台座を見ていると美咲からこれについて知っているか聞かれたが、生憎と『ダンジョンについて』には何も書かれていなかったし、冒険譚などにもそれらしい物は無かっと思う。

 

 つまり全くの未知ということだ。

 

「それなら<鑑定>掛ければいいんじゃないの?」

 

「あ、そうじゃん。<鑑定>すればいいんだった」

 

 普段、<鑑定>は魔物に使うのみで他に使ったことは無かったため美咲の指摘に目からドラゴンの鱗が出てきそうだ。

 

「<完全鑑定>」

 

 俺は球体に向けて進化した<完全鑑定>を使った。

 

――――――――――――

名称:ダンジョン・コア

概要:一定の空間で起動させるとダンジョンを形成する。台座から取り出すと起動停止しダンジョンは崩壊する。ダンジョンマスターとなった者は自身の魔力を消費することで空間を増やしたり魔物やアイテムを生成させたりすることが可能。

――――――――――――

 

 鑑定結果によると謎の球体は、ダンジョン・コアと言うらしくダンジョンを形成したり魔物を誕生させたりできるらしい。

 

 一定の空間があれば良いらしいから地上で家を買ってそこをダンジョン化させたりするのも面白いかもしれない。

 

 夢が膨らむ俺だったが、ふと気づいてしまった。

 

 ダンジョン・コアは台座から取り出すと起動停止し崩壊する、ということを。

 

 俺は今、ダンジョン・コアを台座から取り出し手に持っている。

 

 つまり―――

 

「ッ!春!ダンジョンが崩れているわ!」

 

「や、やっちまったぁーーッ!捕まれ、美咲!」

 

「きゃっ」

 

 俺は美咲を抱え、奈落の底が見える床と雪崩のように崩れ落ちる壁や天井を避けながら部屋の中央にある魔法陣へと向かう。

 

「間に合わねぇ……ッ!」

 

 だが、俺が魔法陣に触れる前にその周りの床が抜けようとしていることが分かった。

 

 現在の俺は、<飛行>を使い<風魔法>で爆速飛行している。

 

 これ以上のスピードは出ないと思った時、俺の意思に反して体が動き出す。

 

「<竜化:火炎竜王>」

 

「ちょ、ちょっと!春!」

 

 俺の視界が突然高くなり体が灼熱のように熱くなる。

 

 両手で抱えていたはずの美咲がいつの間にか右手に収まる程小さくなっていた―――いや俺が大きくなっていた。

 

『GURAAA!!!』

 

 魔法陣の床が崩れる寸前、伸ばした左腕が魔法陣に触れると一瞬の浮遊感の後、眩しい光に包まれた。

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