ま、いっか。
「ついたわね」
「そうだな」
そう言うと俺たちは目の前にある幾何学な紋様が刻まれた床に目を向けた。
これが魔法陣だ。
ダンジョンには階層を移動するための魔法陣が2つある。
前の階層に渡る魔法陣と次の階層に渡る魔法陣だ。
今、俺たちの目の前にある魔法陣がどちらなのかは分からないが、判断する方法はある。
それは出現する魔物の変化だ。
現在の階層では、ワーム系の魔物がほとんどであったため、次の階層に渡ることができた場合、出現する魔物はワームの進化系だろう。
逆に今ここにいる階層よりも弱いワーム系の魔物もしくはワーム系ではない魔物だった場合、戻っていることになる。
余談だが不思議なことに、ボス部屋の次の階層からボス部屋へ戻った際、ボス部屋の前の階層に転移する。
つまり、一度ボス部屋を通過すると次のボス部屋を攻略するか入口まで頑張って戻るかしか脱出することができない。
閑話休題。
「当たりかなぁ、外れかなぁ。どっちだと思う?美咲」
「分からないわ。でも行くしかない。そうでしょう?」
「ま、そうだね」
何、この子?かっこよすぎないか?
俺は、アニメのキャラクターみたいなセリフを呟いた美咲に何度目になるか分からない一目惚れをした。
相変わらずかっこいいぜ、全くよぉ。
「ゴブリンが出るかワームが出るか。女神様、どうか我らを導いてください」
「変なこと言ってないで行くわよ」
俺は、確かにおかしなことを言ったと反省する。
だって女神様は目の前にいるんだもん。
俺は美咲に腕を掴まれながらそんなことを考えていると階層を渡る時に感じる独特の浮遊感に襲われた。
そして目を開けると―――
「どうやら当たりだったみたいだわ」
「流石、女神様」
「何言ってるのよ。行くわよ」
いや本当に美咲は女神様だよ。
冗談はこれくらいにして俺たちは武器を構えて目の前に居る魔物を捉える。
見た目は前の階層にいたプロト・ワームにプテラノドンのような大きくて薄い翼が生えている。
そんな魔物が丁度俺たちと同じ数の2匹。
「鑑定」
――――――――――――
名前:無し
種族:ウィング・ワーム
職業:ダンジョン魔物
Lv:51
MP:357/360
攻撃力:C
防御力:C
魔法防御力:C
素早さ:D
器用さ:E
知力:F
幸運:E
スキル:【土魔法】【風魔法】
称号:≪ダンジョン産≫
―――――――――――
2体のワームを鑑定してみるとどちらも同じステータスをしていた。
これまでダンジョンに出てきたプロト・ワームの鑑定結果も全て同じ個体だったためもしかしたらダンジョンで死者を再利用しているという説は本当なのかもしれない。
美咲は既に戦闘モードに入っている。
プロト・ワーム改めウィング・ワーム、その強さ見せてもらおう!