「それでアリア様はどうしてあんな変なお店を開いていたんですか?」
「それはね可愛いからだよ、良い?可愛い子を吊るして沢山捏ねくり回すお店があればそれはとても可愛いよね」
フリーレンが取った宿その酒場で食事を取っている中、とても大きなハンバーグを頬張りながらフェルンは小さい口でステーキを食べクピクピとワインを飲むアリアに質問する、それに対してアリアはムフーとした顔をしながら質問に答える。
「フリーレン様やっぱこの人だいぶ変な人ですよ」
「そうなんだよ、昔からこんな調子だし他の人との可愛い基準が変なんだ、特に可愛い女の子には目がないし前には抱っこされて暫く離してくれなかったんだから」
わぁっとジト目でアリアを見つめるフェルンとは対照的にフリーレンは小さい身体のどこに入るのかって程に大きく何枚も置かれているハンバーグをしょぼしょぼした顔のまま食べながら言う、許可なくぎゅーって抱き締めるのは私の特権なのにとフェルンはムッスーとほっぺを膨らませる。
「フリーレンは抱き心地が良いからね、後一緒に寝る時は抱き枕にするとちょうど良いんだよ今日もやって良い」
「アウラにならやって良いよ…ほっぺ突っつくのやめてよぉ…」
ねぇねぇとフリーレンのほっぺを突っつき、嫌そうな顔をするフリーレンの様子を見ながら一通り食べ終わったシュタルクが声をかける。
「アリアって女の子を捏ねくり回すのが好きなんだろ?何で俺の事も捏ね回したんだよ男だよ俺?」
「シュタルク君だっけ?ふふん…良いかい?確かに可愛い女の子を捏ねくり回すのが大好きだよ、だけどねシュタルク君も充分に可愛いし捏ねくりがいあるんだよ!」
「何言ってるのか分からないし理解出来なくて怖い!」
「フリーレンの基準で言えばアンタ魔族みたいよね…モガ…!」
「パスタにはパンが合うんだよ美味しいかな?」
ムフーとドヤ顔で力説するアリアにヒェッと怯えるシュタルクの隣、パスタを丸めるのに苦戦しているアウラは見もしないで言いようやく丸めたパスタを口にしようとした所をアリアによって口にパンを押し込まれてしまった。
いつもとはだいぶ賑やかな晩御飯を終えようやく就寝、しょんぼりとした顔をした抱き枕に早変わりしたアウラを抱き抱えながら自分の部屋に入ろうとするアリアをフリーレンが呼び止めた。
「ねぇアリア、旅の目的聞いても良い?」
「オレオールだよ、最近フランメから聞いた事を思い出したんだよね彼処に行けば死者と会話が出来るってね」
アリアの目的が奇しくも同じだった事にフリーレンは一瞬驚く…が途轍もない変人ではあるが、かつての師匠である『大魔法使いフランメ』の友人でもあるのだからオレオールの存在を知っていても可笑しくはない…それに
「ようやく立ち直れたんだね良かったよ」
「……最近ようやく立ち直れたんだよねまさかこんなに引き摺るとは思わなかったよ」
私ってこんなに重い女だったんだねっと笑ってはいるが、それでもフリーレンにはまだ微かに引きずってる様に感じた。
フランメと同じ時代を生き人類の生存権を広げ魔族に浅くない打撃を与えた英雄…時が過ぎ英雄譚のみ語り継がれ名前が忘れ去られた『名もなき勇者』と一緒に旅をしていたアリアは彼の死が余程こたえたのか前に会った時にはフリーレンを文字通り捕獲して暫く抱き枕にされていた程だ。
「ねぇアリア、目的がオレオールなら一緒に旅しない?」
フリーレンの提案にアリアは嬉しそうに二つ返事で返答しそのままフリーレンを捕獲し部屋に入っていった。