1 / 52
うつけのうつけによる、恋姫
「是非に及ばず」
燃え盛る本能寺で信長はそうつぶやき、持っていた刀を握り締めたまま本能寺の奥へと歩んでいった。
信長は普段から愛用している甲冑にマント姿のまま正座し、この今日の出来事や今までの覇道を振り返った。
桶狭間、信長包囲網、長篠、そして部下明智光秀の謀反。
これが自分の半生であった。
何故光秀が?しかしもうそれは遅い。
弱肉強食のこの乱世、下克上が当たり前のこの時代であり、そしてついに自分にもそれが起きただけ。
「くく・・この信長ともあろうものがここで朽ち果てるか。
光秀よ。貴様にこの天下を飼いならせるか?貴様の器、この信長がしかと見届けようぞ」
そして、信長が覚悟を決め甲冑を脱ごうとしたとき・・・
あたりにまばゆい光が輝きはじめ、そしてそこに一本の道がある。
「ふん・・・面妖な・・・」
そして声が聞こえる
聞いたことのない不思議な声だ。
「どうか・・この外史を導いてちょうだい・・ご主人様を・・・」
信長はこの不可思議な状況を面白いと思った。自分にはもう選択がない。
ならば、とことんこ流されてやろうと思った
「誰ぞ知らんが・・・・・・・、おもしろい。日の本でのワシはもう時代の亡霊らしいでな。この信長の力を欲するか。ならば・・」
信長は歩いていった。ここ日の本での自分は終幕であり、そして求められたのならその世界でもう一度半生をやり直そうと。信長は裏切りに何度も会ってきた。浅井や、松永、光秀のような裏切りに・・今度は、失敗しないようにと。
「キンカン、サル。日の本はうぬらにまかせようぞ」