うつけ無双   作:なろうからのザッキー

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伏竜鳳雛

信長たちは荒野を進軍していた。

この辺りには黄巾の目撃例や商人、旅人の被害が多数報告されているからだ

 

「ご主人様、偵察の者が戻ってきたようです」

 

「うむ、通せ」

 

そして偵察に行っていた者が急いで戻ってきた。その様子はどこか慌しい。

 

「報告します!!ここより一里ほどいったところに数人が賊に囲まれておりました。賊の数は10人ほどおり、私ではどうしようもありませんでした!」

 

そのような報告をされては桃香が黙っていない、すぐに声を出した。

 

「ご主人様!!助けにいこう!」

 

「桃香様の仰るとおりです!」

 

愛紗にも正義の心がある、そして鈴々にも。

三人は顔を見合わせたあと、信長に視線を向ける

 

「うむ。では往くぞ。桃香はここで兵の指揮をとっておれ。ワシと愛紗、鈴々は共にゆくぞ!」

 

「はい!!!」

 

「わかったのだー!!」

 

信長、愛紗、鈴々は馬で先に先行してその襲われている人たちの救援に向かった

 

「は、はわわ~~・・・・」

 

「あ、あわわ~・・・・・」

 

「い、命だけは助けてくれ!!」

 

そこには商人らしき男と二人の少女がいた。

少女のうち、一人は頭にベレー帽のようなものをかぶっている少女。

もう一人は頭に魔女のような帽子をかぶっていた。

その一向は危機を迎えていた。

 

「助けて欲しかったらその荷物を全部置いていくんだな~、おっと、金も忘れんじゃねえぞ」

 

「おっと、お嬢ちゃんたちは俺たちの相手をしてもらうぜ」

 

「お前・・こんなガキが好みなのかよ」

 

「はわわ~・・わ、私たちは子供じゃないです!もう大人でしゅ!あう・・噛んじゃった」

 

ベレー帽の少女がそう叫んだが、声が震えており、そして元々人見知りする性格なのだろう。大勢の人間に囲まれてうまく喋れないのか噛んだようだ。

 

「はっはっは、こうやって大人になりたがってる子供を俺好みの女にするんだよ。見ろよ、きっと上玉に成長してくれるぜ」

 

「ああ、そういうことか。確かに成長すりゃ高く売れそうだな」

 

「まあ、そのまえに今の段階で味見はするけどなー!!」

 

「あ、あわわー!!!!」

 

その様子をみて、商人風の男が二人の少女をかばう様に前へたち、盗賊たちに話しかける。

 

「ま、まて!!まだこんな子供じゃないか!!おびえているじゃないか。この子達はこれから平和な世のために自分たちを雇ってくれる方を探している旅に出ている立派な志をもった子たちなんだ。だから見逃してやってくれ!」

 

「ああん?うるせーなあ・・お前はとっとと、金と荷物を置いてきゃいいんだよ!」

 

「だ、だが君たちはこの子たちに・・」

 

「うっせーんだよ!!ボケがぁああああああ!!!!!!

 

黄巾の一人が剣を抜刀し、その商人の体を肩から斜めに切り捨てた。

 

「お、おじさーん!!!はうぅ・・・・うっ・・うう・・・」

 

「あわわ・・・しゅ、朱里ちゃん・・・ど、どうしよぉ・・」

 

二人は泣いていた。その商人の男の死体を揺さぶるようにして、泣いている。

 

「っかっかっか、馬鹿がぁ。善人ぶりやがって、おとなしく素直にしたがってりゃあ命だけは助かったかもしんねーのになあ」

 

「さあて、お嬢ちゃん。俺たちと仲良くしよーぜぇ・・・」

 

そして男の一人が女の子二人に近づいてくる

 

「待つのだーーーー!!!!!!」

 

そこへ、鈴々がぎりぎり間に合ったようだ。鈴々も二人の少女の前へと出た。

 

「あん?またちびっこが一人増えたぞ」

 

「こいつも将来上玉になりそうじゃねえか」

 

「お兄さんたちと仲良くしような?な?」

 

「うるさいのだー!!!こんなちびっこをいじめてお前たちは恥ずかしくないのか!?」

 

「あう・・このこもたいしてかわらないと思うんだけど・・」

 

魔女っ子が、鈴々をジト目で見る。

 

「鈴々!一人で先行するな!!まったくお前は軽いから馬も速いんだな」

 

そしてようやく愛紗と信長も到着したようだ

 

「なんだぁこいつら?」

 

「くっ・・一人殺されてしまったか・・だがこの子たちだけでもなんとか助けねば・・。さあ!下衆ども!!この青龍堰月刀の錆にしてくれる!!」

 

愛紗が商人の死体を見て、悔しそう顔をゆがめ、青龍堰月刀を構えた。

 

「ああん!?なめてんのかこらぁ!てめーら三人で勝てると思ってんのかこらぁ!!!!」

 

「クク・・うぬらこそこの黒髪の山賊狩りの名を知らぬか」

 

「く、黒髪の山賊狩り・・この女が・・?」

 

突然その名を聞き、賊たちは困惑の表情を浮かべた。

自分たちにとっては尤も聞きたくない、その名。

 

黒髪の山賊狩り・・・・

 

「ああ!私がそうだ!お前たちは罪無き人間を何人もいたぶり、そして今日この私の前で一人の人間を殺した。私は貴様らを許しはせんぞ!!でやああーーーー!!!」

 

そうして愛紗は約十人はいる賊の中に飛び込むかのように突撃した

 

「愛紗ずるいのだーー!!鈴々もー!!うりゃうりゃうりゃー!!!」

 

「ふむ。たかだか十人程度この二人に任せておけばよいな。して、うぬら怪我はないか」

 

信長は愛紗と鈴々に任せれば大丈夫だろうと、確信し、二人の少女の前へ歩み寄る。

 

「はう!!しゅ、しゅみましぇん!あぅ噛んじゃった」

 

「あわわ・・た、助けていただいてありがとうございました」

 

「構わぬ。ワシらはワシらの成すべき事をしただけにすぎぬ」

 

「成すべき事・・あのぉ、貴方たちの成すべき事とは・・」

 

二人の少女が信長へと、問いかけたとき・・

 

「ご主人様ー!!大丈夫だった!!」

 

桃香が兵を連れて到着したようだ。

 

「ふむ・・残念だが一人は賊にやられてしまった」

 

「そう・・でもでも!!その子たちは助かったんだよね!!良かったね♪」

 

桃香が満面の笑みで二人の少女に微笑みかける

 

「あの・・貴方たちは?」

 

「私たち?うーん・・私は劉玄徳♪そしてこの方は私のご主人様の織田・・か、かずさの・・の、信長さんだよ♪」

 

「織田信長でよい」

 

「しゅ、朱里ちゃん・・・」

 

「うん。わかってるこの人たちが・・・」

 

二人はなにかこそこそと会話しているようだ。

 

「ん?どうしたの?」

 

そして、二人は信長、桃香の目を見て、話し出した。

 

「あ、あのですね、私たち荊州にある水鏡塾っていう、水鏡先生という方が開いている私塾で学んでいたんですけど、でも今この大陸を包み込んでいる危機的な状況を見るに見かねて、それで、えと・・」

 

「力の無い人たちが悲しむのが許せなくて、その人たちを守るために私たちが学んだことを活かすべきだって考えて、でも自分たちだけの力じゃ何も出来ないから、誰かに協力してもらわなくちゃいけなくて」

 

「それでそれで、誰に協力してもらえば良いんだろうって考えて、最近幽州にはびこる賊の方たちに全戦全勝している方の一向の名前をお聞きして・・それでその方のお名前が織田上総介信長さんって・・あ、あと魔王とも・・」

 

「ふむ。それでうぬらはどうしたいのだ」

 

「それでいろいろ話を聞くうちにそこにおられる、劉玄徳様のお考えと私たちの考えが一緒だって思って」

 

ベレー帽の少女が桃香へと顔を向けた。

 

「え?わ、私・・・?」

 

桃香は自分の顔を指差し、ちょっと焦ったような表情を浮かべた。

 

「だから、あの・・・・私たちを戦列の端にお加えください!!!!」

 

「お願いします!」

 

二人は勢いよく頭を下げた。まるで、ブンッっと音がするかのようであった。

それだけ、二人は必死なのだろう。

その姿に心を打たれたのか桃香は信長に懇願の目を向けた。

 

「ご主人様・・・・」

 

「ふむ。愛紗と鈴々が戻ってくるまで待つのだ」

 

 

そして・・・・

 

 

 

「戦列の端に加えるにはいささか歳が若すぎる気もしますが・・」

 

愛紗が、困ったような表情でそう告げた。

 

「うぬら・・名を何と申す」

 

「は、はい!!わ、私はしょ、しょ、諸葛孔明れしゅ!!」

 

「わ、私は、あの、んと、ほと、ほーとう、龐統でしゅ!!」

 

「二人ともカミカミすぎなのだ・・」

 

「・・・・・・・」

 

信長は顔には出さないが心底驚いた。やはりこの世界はおもしろい。このように幼い二人があの稀代の軍師、諸葛孔明と龐統士元なのだから。

 

やはり、人は見かけで判断してはいけないのだと信長は己の辞書にさらに深く書き込んだ。

 

「クク・・歳が若い・・か。ならばそれは鈴々も同じ。しかし鈴々は若くとも一騎当千の武勇を誇る。しかし、戦う方法は何も剣を持ち敵を斬ることにあらず。頭で敵を斬ればよいのだ」

 

「て、敵を頭で斬る・・?」

 

う~んと、桃香はどういう意味か考えているようだ

 

「っと、いいますと・・・この子達は軍師や文官としての才があるとご主人様は見られたのですか?」

 

「うむ。こやつらは必ずやワシらの力になる。ワシの目を信じよ」

 

「そうですか・・ご主人様がそうお決めになられたのでしたら私は何も言いません」

 

愛紗は諦めたような表情で、だが信長を信じていた。

彼のやってきたことに今まで間違いや失敗はなかったのだから・・・

 

「うむ。では早速だが孔明、士元。うぬらはワシらの今の状況をみるにこれからどうすべきか答えよ」

 

「は、はい!!あ、えと、あ、ありがとうございましゅ!!私の真名は朱里っていいます!!」

 

「あ、えと、ひ、ひな、私の真名は雛里っていいます!宜しくお願いします!」

 

二人はそれぞれ、自分の自己紹介のときにもう一度頭を下げ、名前を言った。

そして、顔を上げるとそこには軍師の目があったのだ。

 

「そ、それでですね。私たちの勢力は、ほかの黄巾党征伐に乗り出している諸侯に比べると極小でしかありません。

 

今は黄巾党の中でも小さな部隊を相手に勝利を積み重ね、名を高めることが重要だと思います」

 

「敵を選べと言うのか?」

 

愛紗が明らかにムッっとした表情でそう言った。

 

「うむ。ワシもそう思っておった」

 

「ご、ご主人様もですか。しかしそれはいささか卑怯ではありませんか?」

 

「ワシらはまだ弱小勢力。どうあがこうが今は名を高め義勇兵を募ることが第一の目標ぞ」

 

「た、確かに・・・・」

 

「しかし、一つ問題がある」

 

「兵糧・・ですね」

 

朱里が顎に手をあて、そう呟く

 

「うむ。それに関しては名を上げつつ、付近の村や町に住む富豪たちに寄付を募るか・・敵の補給物資を鹵獲するしかない」

 

「そっか~・・うーん、だったらやっぱり弱い敵部隊を狙って倒していった方がおとくだね」

 

「なるほど、そういうことなら確かにそうするしかありませんね」

 

愛紗が納得したの今度は明るい顔でそういった。

軍師たちは信長の機転の利く頭や、智謀に驚いていた。

 

「す、すごいです!!そこまでお考えになっていたなんて!!やっぱりすごく機転が利くんですね」

 

「うん・・すごい・・」

 

「そうだよ~♪すごいでしょ♪ご主人様は今までの戦いで全部作戦を考えてたんだから♪」

 

桃香はニコニコ顔で自分が褒められているわけでもないのだが、すごく嬉しそうな顔でそう話す。

 

「ああ。そのおかげで私たちは負け戦をすることなく、ここまで名を上げることができたんだ」

 

愛紗もまんざらではなく、鼻高々と、今までの戦歴を話した。

 

「すごいですね・・はうぅ、そんなすごいお人のところでうまくできるかな」

 

「できる。うぬらは伏竜鳳雛であろう」

 

「はう!!ど、どうして水鏡先生が私たちにつけたあだ名を!!??」

 

「クク・・ただのたわ言よ」

 

こうして伏竜鳳雛が信長の戦列に加わった。天下の軍師を二人も信長は手に入れたのだ。

 

 

 




伏龍(ふくりゅう)鳳雛(ほうすう)

伏龍とは地中で空へと駆け上がる機会をまっている龍のこと。
鳳雛とは名前の通り鳳凰の雛のことです。
うまいこと表しますねぇ水鏡先生・・・・
その二人を手に入れた劉備もすごいですね。
ある意味曹操並の人材コレクターですね・・
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