「それで貴方の名はなんというのですか?」
関羽が、信長に対して自己紹介を求めた。
「織田上総介信長・・ぞ」
「変わったお名前ですね。姓が織、名が田、字が上総介信長ですか・・?不思議なお名前ですね」
劉備が信長の名前を聞き、そう答えた。不思議だと思ってもしょうがないだろう。
国や時代が違うのだ。
「日ノ本には字はない。姓が織田、名は上総介信長」ぞ」
「へ~、やっぱり異国の方だったんですね。それで日ノ本・・ですか?そのお国はどこら辺にあるんですか?」
「ふむ・・ここより東の海上にある島国よ」
「まさか蓬莱・・ですか?」
「蓬莱・・か。それがワシらの日ノ本であるとはいえぬ。仙人などというものも存在せぬ。ただこの地より東にある島国とだけ覚えておけばよい」
4人がそれぞれ質問しあい、そろそろここから移動しようとしたとき。
「はぁ・・はあ・・・」
信長たち一向の数十メートル先を、一人の男が必死に走っている。
その、様子はただ事ではなく、劉備が真っ先にその様子に気づいた。
「愛紗ちゃん!あの人なんだか必死だよ!どうしたんだろ!?」
「確かにただ事ではなさそうですね。そこの者!どうされた!!」
関羽が大きな声でそう叫ぶと、その男はこちらの存在に気づき止まってくれたようだ。
そして、こちらへと必死に走ってきた。
「た、助けてくれ!!村が!!俺たちの村が!」
「村がどうされたのだ!落ち着いて話してくれ!それではわからん!!」
関羽がその男を落ち着かせようとまずは、呼吸を整えるよう指示した。
そして、少し落ち着いたのか男は今度はゆっくりと話始めた。
「さ、さっきそこに頭に黄色い布をまいた連中がいたんだ!俺は聞いたんだ!!そいつらがこれから村を襲おうと相談してたんだよ!!!」
「村を・・酷い・・」
「むー!!そんな連中許せないのだーー!!」
劉備と張飛が共に険しい表情をし、それぞれ怒りの声を漏らす
「それでその村が俺たちの・・俺たちの村だったんだ!!
あいつらはこれから人数が集まったら村を襲うらしいだ!!ここら辺は結構やつらが多いってうわさもあるんだ。きっと300人は集まるんじゃねーか!!」
「300人か・・貴方たちの村はどれぐらいいるのですか?」
「そうだな・・人口は500人ぐらいだが・・あんたまさか!!??」
「ああ、戦おう。賊共など追い返せばよいのだ!!」
「ば、ばか言っちゃいけねえ!!俺たちはただの農民なんだ!!それにじーさんや女、子供だっているんだ!男だけ集めても200人ぐらいしかいないんだぞ!勝てるわけねー!」
「それではそのまま賊共に村が蹂躙されるのを黙って見てるというのですか?あなたの家や家族だってすべて奪われるのですよ?」
関羽は男を宥めかすように必死に説得した。その表情や声色は真剣そのもの。
そして、男の心もだんだんと怒りに満ちてくる。
「ぐう・・・確かに・・そうだが・・・」
「とりあえず行きましょう。私たちを貴方の村に案内してください。そして皆で話し合うのです」
「だ、だがなんであんたたちは・・」
そして、劉備は立ち上がり。笑顔で両手で腰の辺りでガッツポーズをする。
「大丈夫です。私たちはただ困ってる人たちを見捨てることなんてできないだけですから♪さあ、行きましょう」
「信長殿。貴方はどうされますか?」
関羽が信長に視線を向け、そう問いかけた。
それを聞き、劉備、張飛も信長に顔を向ける。
信長は三人からの視線を受け、こう答えた。
「無論・・ワシも行こう」
そう答えられ、三人は一斉に笑顔になる。
「おお!そうですか!それは頼もしい。戦うとなれば今は少しでも戦力がほしいところです」
「にゃはぁー。愛紗の一撃をとめたお兄ちゃんなら確かに安心なのだ」
特に、関羽、張飛が喜んでいた。
先ほどのやり取りで、信長の武は只者ではないと思ったのだろう。
そして、ともに戦えることに感謝しているようだ。
劉備も笑顔で信長へと感謝の言葉をつげる。
「信長さん♪ありがとうございます。さあ!みんな!行こう!!」
「で・・では、村にご案内します・・本当に戦う気で・・?」
「はい♪」
「もちろん!」
「なのだー!」
「・・・」