西涼と魏の戦いは見事魏の勝利に終わった。
馬騰、馬超、馬岱は魏の新たな将として加わる事となり、ますます魏の力は強くなっていった。
しかし、馬騰は自分の次の代として馬超を鍛えたいと考え、自分は隠居するように西涼の統治を志願し、信長も許諾し、馬騰は西涼ですごす事と成った。
馬超は馬騰からの指示で、魏で得るすべての事を自分の糧とし、馬家の為に自分を成長させよということで信長たち主力組に加わる事となった。
信長も彼女の実力を認めており、初めから主力としして加えるつもりであったためにすんなりと事は運んでいった。
そして、信長たちがその視線を全体へと移したと行き、すでに大陸は大きく動いていたのであった。
「まさか、蜀と呉が手を組んでいたとわな」
星の言葉で全員の顔が険しくなる。
「はい。蜀、呉が同盟を組み、左右からの怒涛の攻めにより、劉表さんは破れ荊州は蜀と呉の協議の結果半分ずつに分けられました。
そして、この時をもって天下は三分となりました」
「あぅ・・魏、呉、蜀によるみつどもえ。三すくみの状態で均衡がとれ、各々手を出しずらい状態となりました」
朱里、雛里による今の状勢の説明。
確かに、手が出しずらい状態。
蜀へと手を伸ばしても、その主力に立ち向かうにはこちらもそれなりの将で挑まねばならない。
だがしかし、その隙に呉から攻められれば?
不運にも、呉との同盟はもう切れてしまっていたのだ。
つまり、いつ攻めてきてもおかしくないのだ。
しかし、蜀はつい先日呉と同盟をむすんだばかりである。
そして、魏は今大陸一の国家。
今、一番危ういのは魏と誰が見てもあきらかなのだ。
「クク・・悩む必要などない。ワシらが狙われておるのはもはや必定。
ならば攻めるのみ・・ぞ」
「しかし、ご主人様。どちらを攻めるのですか?
蜀を攻めれば呉が、呉を攻めれば蜀が私たちの居留守を狙ってきます」
「しからば、両方と戦うのみ。そしてこの大陸を決める重要拠点を治めるのみ。
荊州を敵に取られておるゆえにこの問題がおこるのだ。
ならばワシらが取ればすべて解決・・ぞ」
信長はこの大陸の中心。荊州を次の目標としたようだ。
「荊州・・なるほど。そこに大軍で出陣すれば、呉も蜀も迎え撃つためにそこに主力を集めるしかありませんね。
荊州は両軍の収める地。その中心、国境付近を進軍すればどちらも眼を背けるわけにはいきませんね」
朱里がこの案について思案をめぐらせる。
だが信長の真の狙いは別にあったようだ。
「クク・・決戦・・か」
その後、荊州へ魏軍は出陣した。
魏軍は今、大陸一の国である。
その数なんと八十万にも及ぶ大軍勢。
対して呉軍十五万。蜀軍は十万と両軍は合わせても三分の一にしか満たなかったのだ。
呉、蜀はやはり単独では適わぬと両軍は合流し、お互いに手を組み、魏を倒そうと決起したようだ。
だがやはり、数の暴力は強かった。
こちらは目も眩むような大軍。そして、統率に優れた信長、先を読む天才軍師の朱里、雛里がいるのだ。
多少のことでは統率は乱れず、兵ももはや負ける気がしないのであろう。
決して士気は下がらず、むしろ戦い、敵は数に推され後退をするたびにこちらの士気が上がっていくのだ。
そして、魏軍はどんどんと先へと進む。
呉、蜀は勝負を諦めたのか少し戦い、そして撤退を繰り返すばかりだ。
そして、ついに魏軍は荊州の中間地点までその歩みを進めたのだ。
まるで、導かれるように。
運命は時の流れ、戦況の流れに任され進んでいった。
その地は赤壁。
魏軍の大量の船が浮かぶなか、信長は船首にて眼を瞑り物思いにふけっていた。