「蓮華!」
「雪蓮姉様!」
二人の姉妹は信長の船で合流に成功した。
その場には呉の重臣である周瑜、甘寧、周泰もいる。
そして・・
「祭!」
「いや~、すまんかったのう。
諸葛亮はやはり侮れんかったわ」
黄蓋もいた。
「見事であった」
「はい。我々はこの戦で勝利し、呉の主要である孫策、孫権、周瑜、黄蓋、甘寧、周泰の捕縛に成功しました。
まだ呉を滅ぼしたわけではありませんが、敵の士気は著しく低下する事でしょう」
朱里が現状を述べる。
彼女の言うとおり残す呉の将は孫尚香、陸遜、呂蒙とほぼ文官のみ。
呉ももう、力はないのだ。
「・・・・・」
周瑜が周りを見渡す。
そして、不審な点に気づいたようだ。
「いない・・」
「え?冥琳どうしたの?」
「雪蓮。気づかないか?不審な点に・・」
「・・・なるほどね」
孫策も気づいたようだ。
やはり彼女は凡人とは違うのかすぐに気づいたようだ。
「ねえ、信長
蜀はどうしたのかしら?」
そう、蜀の将どころか兵すらいないのだ。
普通の状況であれば、彼女たちと同じく兵たちは船から飛び降り、そして一緒に救出されるであろう。
だがしかし、兵の一人もいないのだ。
周りに居るのは全て呉の将や兵のみ。
まるで被害にあったのは呉のみ。
この光景は魏と呉の戦いであったかのようだ。
そして、状況を変える言葉が届けられた・・・
「ほ、報告します!楽進率いる別働隊が漢中を突破!
西涼で交戦している模様です!」
「な!?なんですって・・別働隊・・」
「クク・・これが乱世の奸雄か。
おもしろい。さすがは曹操ぞ」
「ど、どういうことだこれは・・」
孫権は状況がわからないといった様子で混乱しているようだ。
周瑜は難しい顔や、怒りに満ちた表情をあらわにしている。
「つまり・・呉は利用されたんです」
「な、なんだと!?」
朱里が言葉を発した。
「蜀は呉と同盟を組み。
荊州で三国による決戦が行われるように、すべての目をこの赤壁に向けさせました。
我々は八十万という大群でこの赤壁に布陣しました。
この戦いですべてが終わる・・まさに最終戦を行うつもりで。
ですので、ここ意外はほぼ無防備・・迂闊でした」
「つ・・つまり、私たちをだしにして曹操は魏の領地に進行したというのか・・」
「クク・・やつらは初めからこの戦をする気なぞ無かった。
汝らにとっての神風。東南の風が吹いたと同時に彼奴らは撤退したわ」
「じゃ、じゃあ・・初めから・・この戦で負けるつもりで・・」
「いえ、蜀は負けていません・・一人も被害を出さず、魏の領土を得たのですから大勝利です」
事実を知らされた孫権は膝から崩れ落ちた。
その傍に寄り添うように甘寧、周泰も膝をつき孫権の傍らで控えるが彼女らの表情も怒りに満ちていた。
孫策、周瑜はなにやら話し合いをしているようだ。
奸雄・・・奸知にたけた英雄。
悪知恵にたけた英雄。
まさに曹操に相応しい言葉であった。
周瑜をも騙し、この戦で奇跡の勝利を得た曹操。
「天下・・二分ですね」
「天下二分か・・」
その言葉に周瑜はもはや呉の未来はないと覚悟したのか、下を向いている。
「天下は縦に割れました。
恐らく西涼もじきに堕ちるでしょう。
東に私たち魏、そして西に蜀・・・天下はこの二国で争われることでしょう」
「魏と蜀の争いか・・」
「あわわ・・いよいよ、天下が決まります。
長かった戦乱の世ももう終わりが見えています」
「あと少し・・あと少しだ」
雛里の言った戦乱の終わり。
その言葉を聞き、愛紗は右手の拳を握る
「それにしても悔しいわね。
曹操は私たちの目の前にいたのに、無傷で逃がしてしまうことになるなんて・・」
「いえ、逃がす事に関しては無傷ではありませんよ」
「どういうこと?」
「クク・・ワシらは貴様らをここで完璧に包囲し、潰すつもりであった。
将の多さを利用し、すでに退路に兵を潜めておるわ」
信長は貂蝉に言われた通りこの赤壁を最後の戦いにするべく、予め退路に伏兵を置いていた。
信長はここで火計を潰し、戦に勝利するつもりであった。
火計を潰されたとあっては蜀、呉は負け戦確定であるため撤退は当然である。
いくらかの殿を置き、そして曹操や孫策たち君主は退却する。
だが、当然信長は逃がすつもりはないのだ。
そのため、信長は退路に伏兵を置き本隊と伏兵で挟み撃ちにし蜀、呉の完全撃破を狙っていたのだ。
「曹操・・ただではワシから逃がさぬぞ」
・
・
・
「な!?なんだこりゃあ!」
「ぶ・・文ちゃん・・」
猪々子、斗詩は伏兵として一万で潜んでいた。
信長に言われた通り曹操たち蜀軍が見事この赤壁から撤退しているのだ。
ただおかしいことがあった・・
「なんて数だよ・・こりゃあ撤退ってわけじゃあ・・」
「うん・・私たちで足止めなんて無理だよ・・
敵の数は10万ぐらいいるよ・・・」
蜀軍は10万でこの戦に参戦し、そしてそのまま戦わず撤退したのだ。
信長の見立てでは、殿などを残しもっと撤退する兵は少ないと読んでいたが外れたのだ。
1万もの兵力と、退路での伏兵との遭遇戦と言う事で混乱も起こるため十分であるはずだった。
足止めさえすれば本隊80万という兵力での殲滅力は計り知れないであろう。
だから足止めだけでよかったのだが・・
「こりゃあ・・あたいたちが全滅するかもな・・」
猪々子たちは10万の軍隊に横撃を掛けた。
当初は敵軍は混乱していたが、すぐに体制を建て直し攻撃を仕掛けてきたのだ。
「こんなところに伏兵を置くなんて・・なかなかやるわね。
でも、それでこそこの曹孟徳の相手に相応しい」
「華琳様。すぐにこの戦場を脱出しなければ何がおこるかわかりません。
相手はあの織田信長。この伏兵を見る限り、戦闘が始まる前から勝利を確信し、私たちの退路に兵を伏せていたと思われます」
「そうね。今は呉が魏の目を引き付けてくれているわ。
それもいつまで持つかわからないものね。
あの伏兵は最近入った者たちに任せましょう」
「御意」
荀彧は曹操からの提案を受け、指示を出す。
蜀軍に新しく入った黄忠、厳顔、魏延である。
「貴方たち!あの伏兵を任せるわ。
ここで勲功を得、華琳様の信頼を自らの手で掴み取りなさい!」
「御意」
黄忠、厳顔二人の武器は互いに遠距離を中心としたものであり、二人は遠くから仲間の援護の形で攻撃をする。
対して魏延の武器は鈍砕骨と言い、棍棒のようなまさに接近戦の武器である。
「桔梗様!ワタシに任せてください!
こんなやつらワタシにかかれば余裕です!」
「焔耶。あまり慢心するなよ。
敵はあの織田じゃ。一筋縄ではいかん」
「そうよ焔耶ちゃん。気をつけてね?
危なくなったらすぐに下がるのよ」
魏延は少々自信過剰な気味がある。
その事を厳顔はかねてより心配していた。
厳顔の友人である黄忠は厳顔からよく、魏延の話を聞いていたために魏延の性格をよく理解していた。
「大丈夫です!任せてください!!」
そして、魏延は一人敵中へと突撃していった。
「しょうがない焔耶のために兵を減らしておいてやるか」
そう言い厳顔は豪天砲を構え
「そうね。私たち年上が頑張らなくちゃね」
黄忠は颶鵬(ぐほう)を構える。
彼女らにとって魏延は娘のような存在なのであろう。
「くっそー!兵が多すぎてキリがないぜ」
「うん・・もう足止めになってないよ。
殿だけを残してほとんどの敵は私たちを無視して撤退していってるね」
「アニキになんて言い訳すりゃいいんだよ」
「しょうがないよこんな状況じゃあ」
猪々子、斗詩はこの状況に苦戦していた。
敵の殿はもはや殿どころか一つの部隊といっていいだろう。
曹操は約1万の兵をこの場に残していったのだ。
曹操軍は一度も戦闘をしておらず、兵たちの士気は高い状態を保ったままである。
好戦的な兵はずっと戦いたくてうずうずしていることであろう。
対してこちらの兵たちは敵の数が予想以上に多かった事に驚き、最初あった勢いはもうなくなっていたのだ。
士気で言えばその差は歴然であった。
「斗詩!やばいぜこりゃあ!完全に押されてるよ!」
「うん!このままじゃジリ貧だよぉ・・期を見て撤退しなきゃ」
猪々子と斗詩は撤退する事に決めた。
そして退路を見極めるために周りに目を移す。
その際自分たちの目を疑った
「な!?なんだありゃ!?」
「兵が・・」
兵が吹き飛んでくるのだ。
まるでドミノ倒しのように先頭の兵が勢いよく吹き飛ばされているために後ろの兵たちもそのまま倒れてしまうのだ。
その他にも嫌な音が聞こえる。
グシャ グシャ
何かが潰れる音だ。
ベチャ
「あん?なんだこりゃ・・・・ゲッ!?」
「の・・脳みそだよねそれ・・」
周りを見渡せば飛び散る肉片だらけだ。
前方では頭から血飛沫が上がっている兵もいる。
恐らく鈍器のようなもので頭を割られたのであろう。
そして一人の女性が歩いてくる。
兵たちは恐怖し、道を空けている
「お前たち織田の将と見た。
我が名は魏延。字は文長!いざ、尋常に勝負しろ!」
魏延が武器を構え二人を睨む。
その武器には肉片のような物がついている。
彼女の歩いてきた道には体が変な方向に曲がった死体や、頭が完全に潰れた者もいる。
一撃で即死すればまだいいが、体の四肢が潰れたまま生きてしまえばまさに地獄の痛み。
「斗詩ぃ・・斗詩の知り合いか?似たような武器を持って」
「あんなのと一緒にしないでよ!金光鉄槌は一撃で殺せるように面が広いんだから!」
「桔梗様から頂いたこの鈍砕骨を舐めるなよ!」
魏延が走り出す。
「おっらあぁぁぁ!」
鈍砕骨を力の限り上から下へ振り下ろす。
その攻撃を二人は左右に逃げることで避ける事に成功した。
「あっぶね~・・・地面が割れてんじゃねえか」
「こっちだって力じゃ負けないんだからー!」
斗詩が魏延へと接近し同じように金光鉄槌を振り下ろす。
そこ攻撃を魏延は右へよけ、鈍砕骨を突き出すように攻撃した。
「あぶねー!!」
猪々子がその突きを斬山刀で防ぐ
「ぐぐっ・・やっぱお前らの武器の攻撃は重いなぁ・・」
「ならこれはどうだー!!」
魏延はすぐさま鈍砕骨を上へ掲げ振り下ろす。
「ぐっ!」
猪々子が防げばすぐに右から左へと薙ぎ払う。
「ちっくしょ~・・斗詩!」
「うん!やあー!!」
猪々子は攻撃を防ぐと苦い顔をし、後ろへ下がる。
そのすぐ後ろから斗詩が上に武器を構えた状態で魏延へと迫り振り下ろす。
「甘い!」
魏延はその攻撃を後ろへ下がる事で回避し、その後、地面をけり勢いよく斗詩の腹へと蹴りをいれる
「うっ・・」
「やっろー!よくも斗詩を!死ねやー!」
猪々子は魏延の後ろから魏延へと斬りかかる。
魏延は回避する余裕が無かったのか、武器でその攻撃を防いだ。
「はっはっは!こんな程度か織田の将の実力は!」
「舐めんなよ!こんなの実力じゃねーんだよ!」
「ならば実力を出す前にあの世へ送ってやる。
この一撃を目に焼きつけ、冥土の土産にもってゆけ!」
魏延は後ろへ下がり、再び鈍砕骨を上に構える。
しかし、今度は先程とは様子が違う。
見るからにこの一撃にすべてをかけているようだ。
「いくぞ!」
魏延が猪々子に向けて走り出す。
「おっるあぁぁぁぁ!!」
魏延が鈍砕骨を力の限り振り下ろす。
猪々子はその攻撃を回避することが出来ず、武器で防いだ。
回避をしようにも、魏延の圧力に飲まれ、動く事ができなかったのだ。
並みの兵では防ぐ事すらできず、その姿に飲まれ命を失ったであろう。
愛紗のような猛将と普段から手合わせしていたために正気を取り戻し、防御の構えを取れたのだ
だが・・
「ぐあぁ!」
その一撃のなんと重い事か。
猪々子はたまらず後ろへ吹き飛ばされる。
「つっ・・ぐっ・・」
猪々子の相棒斬山刀がドスッと音をたて地面へ落ちる。
その攻撃の重さに手が激しく震え、痛みが走り、武器を持つ事ができなくなったようだ。
「はっはっは!武器すらまともに持てんやつを殺すのは忍びない。
我が兵の出世の糧になってもらおう。
そのままそこで貴様の仲間が殺られる瞬間を見てろ」
魏延は斗詩の方へとゆっくり歩き出す。
「うぅ・・」
斗詩はお腹を押さえながら立ち上がる。
「わたしだって・・まだ戦える!」
その瞳に再び闘志が宿る。
金光鉄槌を再び強く握り構える。
「お前じゃワタシに勝てん。
元来その武器は一対一に向いていないだろう。
そしてお前の武とワタシの武では圧倒的な差がある」
「よく言われるけど・・それを理由に一騎討ちを断ってたら武将を名乗れません。
私は・・元袁家二枚看板の顔良!
そして織田の軍神関羽の部下です!」
斗詩は走り出す。魏延も再び武器を構える。
互いに撲殺を主とした武器同士。
だが、斗詩の武器はハンマーの形状であり、魏延はまさに金棒。
魏延の言うとおり、斗詩の武器は大勢の兵を巻き込み殺すための武器である。
対して魏延の武器は一対一と多勢両方いけるのだ。
「やあーー!!」
斗詩は横へ薙ぎ払うように金光鉄槌を振り回す。
「駄目だな」
魏延はその攻撃を後ろへ下がり避ける。
「何がですか?」
斗詩は今度は上から下へ武器を振り下ろす
「貴様の攻撃のことだ!」
魏延は斗詩の攻撃を再び横へ回避する事で避けた。
「攻撃ってのはこうだあー!!」
「ぐふっ・・」
鈍砕骨を横へ薙ぎ、斗詩の体へと直撃させた。
「貴様の武器では振り回すしかできん。
そんな単調な攻撃しか出来ん武器で一騎討ちなどと笑止だ。
そして何より遅い。
貴様より強いものであれば十分目で見て攻撃を防ぐなど容易い事だ」
「うぅ・・ゲホッ・・ゲホッ」
斗詩が口から血を吐いている。
今の攻撃は効いたようだ。
「やっろーー!!!」
猪々子が飛び出し、魏延へ殴りかかる。
「うるさいやつだ」
しかし魏延はそれを容易に避け、猪々子の顔を殴る。
「ぐあっ!」
猪々子はその場で倒れこむ。
その猪々子の体を魏延は足で踏む。
「・・くそやろー・・・・」
「なんとでも言うがいい。
ワタシは勝ち、そしてお前は地に伏している」
魏延は上から猪々子と斗詩の二人を蔑んだ目で見ている。
猪々子、斗詩は虚ろな目で地に伏している
「・・っくっくっく、はっはっは。あーーーっはっはっは!!
やった!やってやったぞ!織田の将二人をワタシは倒した!
桔梗様!ワタシはやりました!ワタシの武はここまで成長しました。
ワタシももう一介の将です!猛将です!
二人も倒したんですよ!」
魏延はたからかにそう叫ぶ。
そして再び周りを見渡す。
その目は周りすべてをゴミでも見るような、濁った目をしていた。
「お前たち・・お前たちはどうする?
このワタシに挑むか?無理だろう。
この二人のように地に伏するのが関の山だ。
誰もワタシに勝てる者などいないのだ!
ワタシは最強だ!
貴様らの中にワタシを討てる者があるか!」
「・・・ぁぁぁ!ここにいるぞおおおおおーー!!!!!」
「な!?」
突如として現れた一人の兵。魏の鎧を纏った兵。
その兵は魏延を後ろから攻撃した。
今まで死体の振りをしながら魏延の背後へと少しずつ移動していたのだ。
「き・・貴様・・」
「わたしは馬岱!お前を討つものだ!」
蒲公英は鎧を脱ぎ捨ていつもの姿に戻る。
「ぐっ・・くそ!・・油断した・・」
魏延は奇跡の回避で直撃は避けたものの、蒲公英の攻撃は確実に魏延の横腹を突いていた。
その証拠に魏延の横腹からドクドクと血が流れ地面を汚している。
「蒲公英・・なんで・・」
「イノちゃん!斗詩!わたしが来たからにはもう大丈夫!
こんな脳筋筋肉女なんてやっつけてやるんだから!」
「なんだとぉ!貴様もこいつらのように地面に這い蹲らせてやる!」
魏延は鈍砕骨を先程のように縦横無尽に振り回す。
「へへーん!そんな遅い攻撃なんて効かないもんねー!」
蒲公英は軽々と避ける。
それもそのはず。魏延の攻撃は先程よりもずいぶん遅い。
魏延の額には大粒の汗が大量に浮かんでいる。
ズキズキと横腹が痛み、力に制限をかけているようだ。
「このぉ!ちょこまかと・・」
「あんたなかなか強いみたいだけど、そんな状態じゃ蒲公英に絶対勝てっこないよ」
「うるさい!」
魏延は怒りに震え鈍砕骨を思い切り振り下ろす。
蒲公英はそれを軽々と回避する。
「やっぱり脳筋は扱いやすいな~」
蒲公英は槍の柄で魏延の怪我をしている横腹を思い切り突いた。
そして槍を捻る。
「!? ぐあああぁぁぁぁあーー!!」
魏延の体に電気が走る。
槍により怪我をしている箇所に槍の柄を突き刺され、さらに捻られたのだ。
怪我を無理やり拡張され激痛が体を駆け巡る。
「あ・・ぁ・・・」
あまりの痛みに魏延は気を失う。
その体を蒲公英は受け止める。
「敵将魏延!討ち取ったあー!!」
「うおおおおおーー!!!!!!」
魏の兵たちの士気が大いに上がる。
「ま、まさか魏延様が・・・」
「お、おい・・・」
対して敵の士気は下がったようだ。
「イノちゃん!斗詩!!」
「蒲公英・・なんでここに・・」
「そんなの決まってんじゃん!
あっちよりこっちの方がおもしろそうだったからに決まってるでしょ!
でもバレちゃ戻されるから兵に変装してたの」
「そっか・・・でも助かったぜ・・あ!早く撤退しようぜ!
斗詩が・・」
そう、斗詩は怪我を負っているのだ。
「ごめんね・・蒲公英ちゃん・・」
「ううん。大丈夫、早く撤退しよ。手当てしなきゃ」
魏延を縄で縛り、馬へと乗せる。
猪々子は一人で馬へ、蒲公英と斗詩は二人で馬に乗る。
そして、引き上げようとしたとき・・
「焔耶ー!!!!」
厳顔が怒りにそまった目でこちらへとやってくる。
彼女の武器からはすさまじい攻撃が発射される。
その攻撃に兵たちは次々に死んでいく。
「な・・なにあれーー!!」
「や、やべえなありゃ・・」
「あんな武器見たことないよぉ・・」
三人は驚いた。彼女の攻撃はまさに怒りに任せ無差別に攻撃をし続けていた。
「おのれ小娘どもがーー!焔耶を返せー!!!」
彼女の周りの兵たちが次々と死んでいく。
だんだんとこちらへと近づいてくるのだ。
「まっまずい!!早く逃げなきゃ!全軍撤退!!撤退ーー!!」
蒲公英の指示により一斉に逃げ出す兵たち。
「おのれ逃がすか!死ねい!!」
だが、彼女の武器からは何も発射されない。
「ちぃ・・運のいいやつらめ・・
焔耶・・慢心するなといったであろうが・・」
こうして猪々子、斗詩、蒲公英は命からがらこの地獄から脱出することに成功したのであった。
うーん・・魏延の口調が難しいですね。
それに性格がずいぶん悪者に・・
でも、やっぱり魏延対馬岱はどうしても書きたかった。
史実の赤壁では曹操たち魏が負けました。
そしてその退路に関羽が伏兵として配置されました。
ですがこの小説では猪々子と斗詩です。
だって愛紗が伏兵としていたら焔耶に勝っちゃいますしね・・義理もないからいるいみないし。
だから猪々子と斗詩には完全に負け役になってもらうしかありませんでした。
そして、それを利用してずっとやりたかったここにいるぞー!を書きました。楽しかったです。
ここにいるぞー!
馬岱の唯一の活躍どき。そして名言。
魏延を後ろから切り捨てました。