真が出ればもっと二次創作が増えそう。
恋姫と戦国恋姫の二次創作はいろいろ応用が聞いて思いもよらなかったおもしろい二次が読めるのが魅力的。
魏は蜀との停戦を結ぶことができた。
そのため今この段階では魏に攻撃を仕掛けてくるものはいない。
魏の将たちは誰もが内政に励むつかの間の休息の時だと思っていた。
「うりゃー!!」
「甘いのだ!」
鈴々と翠が鍛錬場でいつものように精を出していた。
二人の武はまさに拮抗状態。
鈴々が勝つ日もあれば翠が勝つ日もある。
ちょうど魏延と蒲公英のようなものだ。
「なあ鈴々」
「なんなのだー?」
「蜀とは停戦を結んだけどさ、なんで停戦なんだ?」
翠が思っていた疑問を投げかける。
そして鈴々も思っていることを返す。
当然その間も二人の槍は互いに急所を狙い防ぎあう。
「うーん・・わかんないのだ!」
鈴々はもともと考えるのは苦手だ。
当然出てきた言葉は翠の予想されたものだった。
これはやはり話にならないなと翠は辺りに目をやるとそこには最近この場でよく見る二人が今日も励んでいた。
「なあ猪々子!斗詩!」
「あん?なんだ翠じゃんか」
「どうしました?」
この二人は本当に真面目になった。
斗詩に関しては袁家にいたころから真面目であったが猪々子に関しては斗詩でさえ驚くほど鍛錬によく励むようになった。
それは桃香に麗羽を含め命を助けてもらった恩もあるだろうがやはり一番の原因は魏延に負けたことであろう。
悔しさに二人は涙しよりいっそう愛紗に鍛えてもらっている。
そして愛紗と共に行動するようになり二人は彼女の性格、そして武に憧れ尊敬するまでになった。
この二人はもはや魏軍では愛紗の弟子として知られている。
「二人はどうしてご主人様が停戦を結んだと思う?」
「さあな。アタイは考えるなんて面倒なことはぜーんぶ斗詩に任せてっからさ」
「文ちゃんもうちょっとがんばろうよぉ~」
「今は魏延の野郎にやり返すことしか頭にないんだっての」
「斗詩はお兄ちゃんがなんで停戦をしたのかわかるのか~?」
「うーん・・呉はもうほぼ滅亡寸前。
無事に逃げ帰った呉の重臣は三姉妹の末女の孫尚香、軍師陸遜、そして見習い軍師の呂蒙だけ。
あの広い地にそれぞれ一人ずつ配置するのは危険すぎるだろうし」
「見習いの呂蒙を城主にしても荷が重過ぎるだろ」
「こんな大敗をしたんだ。
呉は今大慌てだろうな。降伏か城を枕にしての徹底抗戦か」
「呉から独立しようと思ってたたやつらは今なら簡単に城を自分のものにできるのだー!」
四人がそれぞれの考えを話しあう。
だがやはりここはこの中で頭のいい斗詩の意見が最有力となった。
「やっぱり蜀の脅威無く安全に呉に降伏勧告するためじゃないかな?
呉を飲み込んだら領土がかなり大きくなるし中土の三分の二が私たち魏のものになる。
だったらやっぱり将の振り分けとかで時間がかかると思うからかな」
そして数日がたち場所は変わりここは呉の地。
陸遜の目の下には深い隈が見える。髪は美しかった艶も失い頬もこけ明らかに過労であった。
それでも彼女は一人でもくもくと仕事をこなす。
いまやてんやわんやの呉軍。それをほぼ一人でまとめあげているのだ。
(小蓮さまは今日も一日中庭の池を眺めていらっしゃいますね)
孫尚香はあの敗戦からひどく落ち込んでいた。
自分と近しかった者たちがいっせいにいなくなったのだ。
愛する姉が二人もいっぺんに生死不明。
幼い彼女が泣きわめかずにいるのは王の血筋だからだろうか?
(亜莎ちゃんはもう元気になったのかしら~?)
呂蒙も陸遜の負担を減らそうと必死に働いていた。
だがまだ見習いの身である彼女にはオーバーワークだったのだ。
加えて彼女にも敗戦のショックが大きかったのだろう。
陸遜とともに仕事にとりかかっている最中に突如倒れてしまった。
だがそれでも仕事を止めるわけにはいかない。
そのために陸遜は彼女の抜けた穴をすべて一人で行うしかなかったのだ。
これが彼女の現状であり敗戦後の孫呉の実情だ。
「報告します!会稽の方に小規模ながら賊の集団が発生したようです」
「賊が・・巡察の強化など治安維持にまわせる余裕がありませんでしたからね~。
朱桓殿と蒋欽殿に討伐に向かってもらってください」
「し、しかしよろしいので・・?
あのお二人はいま不仲となっておりますが?」
「そうでしたね~・・」
陸遜は頭を抱える。問題が山済みだ。
あちこちで問題が発生しその対処に追われる。
こちらを終わらせればあちらに問題ができる。
終わらない連鎖に加え、通常の内務まである。
陸遜の頭は疲労とストレスによりズキズキと痛む。
(これからどうなってしまうんでしょうか・・)
陸遜が目を瞑る。
椅子に深く腰掛け頭を上へと上げる。
(ああ・・このまま眠ってしまいたい)
「穏。よくやったな」
誰かが陸遜の額に手を当てた。
陸遜の意識は覚醒し彼女はハッと目を覚ます。
そこには今一番会いたかった人が彼女の額に手を当てていた。
「冥琳さま!どうしてここに!?」
陸遜は混乱しながらも辺りを見回すとそこには懐かしい顔ぶれがいた。
「穏。私たちがいない間よくがんばったわね」
「大儀だな。穏」
「雪蓮様・・蓮華様・・し、しかしどうしてここに!?」
赤壁で敗れたあとみな行方不明だったのだ。
あの冷たい長江の底に沈んだか魏に囚われたと思っていた。
だが見渡せば黄蓋、周泰、甘寧などあの皆が勢ぞろいしていたのだ。
混乱している陸遜に孫策は答える。
「突然だけどこれから織田と最終決戦になったから」
「え?」
「いやだからこれから織田と呉の最後の戦いよ。
しかも兵はご丁寧にこちらの兵数に合わせてくれるそうよ」
「ええー!?どういうことですか?」
陸遜の驚きももっともであった。
周瑜も頭を抱えている。普通ではありえない。
「信長が降伏はみとめないって言うのよね」
「それがどうして・・?降伏は確かに私は考えていませんでした。
最後まで呉のために戦い殉じる覚悟でした。
それならばどうして雪蓮様どころか全員を解放したのでしょうか?
兵力を合わせ無駄に戦を激化させればそれだけ死者が出て織田の民心を下げることになるのに。
確かに大量の兵で小勢をなぶり殺しにすれば評判はよくありませんけど・・」
「まったくだ!織田は何を考えている!
そんなにも人を殺したいのか?これでは桃香がかわいそうではないか」
孫権が声を荒げるがその様子を孫策と周瑜は黙って眺めている。
だが孫策の心は喜びと楽しみに満たされていた。
「皆聞きなさい!今度はあのにっくき蜀軍がいない!
兵数も互角。ただ飲み込まれるだけであった呉軍に復活の機会が訪れた。
この千載一遇の好機を逃す手は無いわ!
さあ!正々堂々戦おうじゃない!」
「「おおおおーー!!!!」」
手を上へと掲げる陸遜の顔は笑っていた。
髪はボロボロ、隈が酷くともその顔には以前の輝きが戻っていた。