「張飛、うぬは賊共がどこまで迫っているか偵察してくるのだ」
「合点なのだーー!!」
「関羽、うぬは武器の扱い方を教授するのだ」
「わかりました」
「劉備、うぬはその性格をいかし村人たちの不安を解消してやるのだ」
「わかったよ♪」
信長は劉備たちにそれぞれ適材適所な指示をだし、村を見て回る。
そこには関羽に指導され武器の持ち方や使い方を教わっている男たちがいた。その顔にはもう不安はないようだ。
そして、劉備は村の女性たちといっしょに差し入れを作っているようだ。劉備も女性たちも共にいい顔をしている。
信長は感じていた。劉備のその歴史どうりの仁徳に。当然信長は知っている。劉備玄徳がどんな人物であったかを。民や部下から信頼され圧倒的なまでの仁徳。民をいたわるやさしい心。人を笑顔にさせる才能。
これがあの本当の劉備玄徳とはいえないが、おそらく同じような方法で男の劉備玄徳も民から慕われていたのであろう。この地に来て、歴戦の英雄たちが3人も女性だったのだ。名前だけが同じなだけで実際は全然違うかもしれないと思ったがどうやらそれは杞憂だったようだ。
劉備から感じる仁徳。関羽、張飛から感じる猛将としての気質。
どれも本物に引けをとらないだろう。
信長も戦国時代にいたのだ。英雄たちをよく知っている。そしてこの3人から同じものを感じるのだ。どうやら性別が違うだけで本物と言っても過言ではないだろう。だがまだまだ未熟である。これから成長していきさらに英雄としての才能を開花していくのであろう。
「フハハハハ・・・・天はこの信長に何を望んでおる。英雄たちの教育か?この地の支配か?おもしろい。この信長天が何を望むか知らぬが、この乱世を生き抜いてみよう・・ぞ」
張飛がダダダダッっと勢いよく信長の元へ走ってきた。
「お兄ちゃーーん!!!敵がもうそろそろこっちに向かってくるのだ!!」
「そうか、張飛よくやった。クク・・この世界の初陣である。ではこの戦の開幕・・ぞ」
たくさんの男たちがとある村へ向かい歩いている。
その男たちはどれも、頭に黄色い布を巻いているようだ。
「おい。もうそろそろ村につくんだよな」
「ああ、この荒野を抜けたところにあるぜ」
「はっはー!!早く女にありつきたいぜ」
「まったく、お前も好きだな。ま!俺もだけどな」
賊たちは互い互いに村を襲った後の事を考えている。全て下卑た内容だ。
その男たちの視線の先には一歩前に出た一人の少女と、たくさんの人間がいた。
「ん?おい、あれはなんだ?」
「あれは・・・」
「そこまででです!!止まってください。貴方たちにはこの村に一歩も入れさせません!どうかこのまま引いてください!!」
劉備が精一杯大きな声で賊たちに呼びかけている。
しかし、賊たちは全員笑っている。
「なんか言ってるぜ?」
「はっはっは!馬鹿がぁ。引くわけねえだろ?それよりあの女なかなか上玉じゃねえか」
「輪したあとに、売り飛ばせばいい金になんじゃねえか?」
「いいや、俺の女にするぜ」
賊たちがそれぞれ劉備のことを馬鹿にしながら、尚も村へと向かってくる。
「うう・・怖いよう。・・・・でも!私はここで立ち止まれません!皆さん構えてください!」
村人たちが一斉に武器を構える。その様子を見た賊たちも表情が変わった。
「お?やる気かよ!おもしれー!!たかだか100人程度だろ?一気にぶっ潰してやるぜーー!!」
「うおおおおおおーーー!!!!」
賊が一気に加速して向かってくる。
そのとき・・・・
「うわああああーーーーーー!!!!!」
「な、なんだこりゃーー!!」
「お、落とし穴だーー!!!」
族の前衛にいたものたちは加速していたため一気に落とし穴におち、後続もその流れのまま何人か落ちたようだ。
「おいお前ら!!落とし穴は迂回して進むぞ」
「敵は混乱してる。今だね。よーし合図を!!」
桃香は村人に狼煙を上げるよう指示した。これは信長から聞いたものである。
そして桃香はそのまま部隊の後方に待機した。
「ふむ・・・時が来たか・・ゆくぞ!!」
伏兵として潜んでいた信長の部隊30人が賊たちの後方に出現した
「お、おい!後ろに敵がいるぞ!!」
「なんだたかだか30人ぐらいじゃねえか・・・おいお前らあいつらをつぶして来い!」
「おうよ!!!」
賊たちは信長の倍60人ほどで信長の部隊の討伐に向かった。しかし・・・
「クク・・来るか。やはりただの烏合の衆であった・・か。滅せよ。ここが汝らの殺し間・・ぞ」
信長は指笛をピーッっと鳴らした。
「かかれーー!!賊共を打ち滅ぼすのだ!!」
「鈴々たちも突撃、粉砕、勝利なのだーー!!」
「な、なんだと!!!??」
信長を殲滅しようと向かってきた60人の右方、左方に、関羽隊約30人、張飛隊約30人が奇襲してきたのだ。
これで賊約60人の部隊は信長、関羽、張飛3部隊に挟撃されることになったのだ。
「・・滅せよ。控えよ。この信長に抗うものはすべて死す」
「はあーー!!お前たちが今まで殺した罪もない者たちの怒りの気持ちを受けてみよ!」
「にゃーー!!鈴々の邪魔をするななのだーー!!」
「な・・なんだこいつらつえー!!つえーーー!!!!あああああああーー!!」
3人の猛将たちの挟撃を受けた部隊はあっさりと壊滅した。
「関羽。うぬはこのまま敵本体の右翼へ回れ。張飛は左翼ぞ。ワシは後方をこのまま突く」
「はい!」
「合点!」
「お、おい後ろと右と左から敵が来たぞ!!」
「なにーー!このままじゃ・・・」
そう。完成したのである。包囲網が。
劉備の本体約100人が敵の前方に。関羽隊約30人が右翼、信長隊約30人が後方、張飛隊約30人が左翼へと。
そして・・・
「お、おい押すな!!!これ以上押すなーー!!!うわああーー!!!」
敵の中心には先ほど迂回した落とし穴があるのである。
「え~っと、確かこの包囲網が完成した後は、私たちの部隊から兵を送っていけばいいんだよね」
劉備隊の本体は100人近い大部隊である。こちらの兵の総勢は約200人。そして兵を送りそれぞれ約50人の4つの部隊に変えたのだ。
「敵はうまく、包囲されたようだな。押せ押せー!!敵を押すのだ」
「や、やめろーー!!!うわああーー!!!」
敵は完全に包囲されているため敵の中心の部隊は戦えないままなすすべなく落とし穴へと落ちていくのである。
「・・・無価値」
そして信長や関羽、張飛といった猛将たちの攻撃のままに敵は殲滅されていくしかなかったのである。