うつけ無双   作:なろうからのザッキー

50 / 52
お盆です。
最近のマイブームは戦極姫3を久々にプレイしてます。
早く天極姫をプレイしたい。
本当にこのシリーズは進化しましたね。
クソゲーオブザイヤーのころが懐かしい。
今は完全な良作となってます。
しかし4から5になったとき武田家のキャラデザが変わって残念です。


飛翔

甘寧の部隊が奇襲を開始し本陣付近まで接近した知らせが孫権の耳に届いた。

 

「思春は順調にいってるようね」

 

孫権は部下であり友でもある甘寧の無事にホッと胸をなでおろす。

だが自分は総大将でもあるのだ。

このままボーっとしているわけにはいかない。

 

「前進せよ!橋を渡り我らも前へ出る。

奇襲で動揺する敵軍に前からも重圧をかける!」

 

孫権の判断で戦場の後方から前方へと出ることにした。

その際長江からの支流である川があるため大きな橋があるのだ。

その橋を渡り渡河することになる。

この判断に周瑜も陸遜もとくに何も言わなかった。

そして先行の孫権と陸遜の部隊は橋を渡り始めた。

 

「よし!続々と渡れ!」

 

先頭を孫権たちが渡り終えた。

一度に数千人も渡ることが出来ないため少しずつ橋を渡ることとなる。

部隊の一番最後に周瑜が控えていた。

だが部隊の中ほどまで渡り終えたころ

 

ゴゴゴゴゴ

 

突如として橋が揺れる

 

「それー!やれやれ!」

 

その声と共に橋が崩壊を始めた。

橋を渡っていた兵数役百人ほどが一度に転落を始める。

 

「うわわわわ~蓮華様ー!橋の下に敵の工作部隊がいるようです」

 

「なに!なぜ気づかなかった!」

 

すかさず確認をする孫権。

確かに数十人の部隊が確認できる。

川には小船を停泊させておりなにやら青い布のような物がかけられている。

あれで川と小船を同化させて我々の眼を欺いたのであろう。

彼らは小船の上で縄の端を手に持っている

予め橋の支柱に切れ込みをいれておき、そして支柱に縄をかけて二方向からひっぱったのであろう。

 

「やったな蒲公英!」

 

「ばっちりだよ白蓮さん!さあー撤退撤退!みんな逃げるよ!」

 

そして蒲公英と白蓮は川の流れに沿い船を動かしこの場から逃げていく。

孫権の部隊はこの突然の橋の崩落により兵に被害と混乱が起きてしまった。

 

「皆動じるな!我々の結束はこのようなことで動じたりせん!」

 

だが孫権は動じることなく声を高く上げる。

彼女の凛とした声、動作、姿全てが研ぎ澄まされており兵たちは次々に落ち着きを取り戻していく。

 

「兵は分断されてしまった。

だが甘寧が奇襲を行っているはずだ、そして我らの策はそれだけではない。

このまま前進し我等は黄蓋、そして孫尚香の援護を行う!」

 

「「おおー!!」」

 

彼女に同調しみるみる兵の士気が上がっていく。

もはや何も無かったかのようだ。

 

(この橋の崩落はなんだ・・何が目的だ)

 

周瑜は敵の狙いを考える。

部隊を寸断させて孫権を孤立させるためか?

橋を遮断して撤退させないため?

 

「ほ、報告します!奇襲です!敵の奇襲です!」

 

「やはりこれが狙いか!」

 

敵の奇襲の報告。

まさか敵も奇襲を行ってくるとは。

やはり考えることは同じであったか。

 

「おらおらおらー!!

呉に甘寧がいるならば魏にはこの馬孟起ありだ!

お前ら進めー!」

 

 

 

 

「クク・・甘寧を捕らえたか」

 

「はい。猪々子さんと斗詩さんにはそのまま中央の後詰に向かってもらいました」

 

「うむ。それでよい。ならば我らも前進する」

 

信長たちも前進を開始した。

そして道中不思議なものを発見した報告を受けた。

 

「ほ、報告します!川に数十隻の小船を発見しました。

しかし中には何もあらず、目的が不明です」

 

「小船か」

 

「しかも数十隻ですか。・・これは」

 

「あわわ、まさか奇襲は一度だけでは」

 

突如後方から声があがる。

 

「奇襲です!敵が後方より奇襲をしかけてきました!」

 

「クク・・はーっはっはっは!

で、あるか。奇襲は一度目は囮か。甘寧が本命でないと。

この合肥に周瑜が存命であるとこうなるか。

楽しませてくれるわ。朱里!」

 

「は、はい!!」

 

「儂は迎え撃つ」

 

「で、ですが危険です!」

 

「分かっておる。だがあやつがくるのだ。

儂が相手をしてやらねばヘソを曲げるわ」

 

「あら?やっぱり貴方はいい男ね」

 

孫策が一人で信長のもとへ歩み寄ってくる。

遠くのほうでは剣戟の音が聞こえるため最初から孫策は信長へ一直線に向かってきたようだ。

そうか自分がお望みか。

 

「クク・・来たか雪蓮」

 

「ええ。来たわ。わざわざ貴方が作ってくれたこの戦。

貴方が私たちを完膚なきまでに叩きのめしてくれないと私たち呉は納得しないわよ」

 

「うぬはやはり分かっておったか」

 

「ええ。呉は正直めんどくさい連中が多いわよ。

だから統一して貴方が死んで10年後?いえ5年後には内部分裂が起こるわね。

貴方たちの力を私たちに見せなさい。

ま、もっとも簡単にやられる気はないけどね」

 

そして孫策が南海覇王を構える。

それに対抗し信長も村正を構えた。

 

「本当は蓮華にこれを渡さなきゃいけないんだけど。

こんな面白い戦いにはやっぱりこの子じゃないと」

 

「クク・・ならば存分に楽しもう・・ぞ」

 

 

 

「ふむ。敵は尚も追ってくるか」

 

星もただこの戦いを続ける気はなかった。

敵の明らかな時間稼ぎ。

長槍と弓による攻撃。

本気で兵を殺し、こちらの部隊を壊滅させる気がない部隊編成だ。

ならば時間を稼がれる気などない。

 

(槍には弱点がある。それを突かせてもらうぞ)

 

「うまいこと言ってるわね。

敵の注意をひきつける。撤退はさせない」

 

孫尚香はにらみ合いやわざと投石を受けるなどして敵をこの地に縛り付けていた。

全ては周瑜の策のため。

 

(思春とお姉様の奇襲が今回の要。

あの呂布も火で動けないようにしてる。

敵が奇襲の知らせを聞いて退いてもまともにぶつかってないからこちらの兵数も充分)

 

孫尚香の狙いは完璧であった。

こちらの被害は投石による死傷者がわずかに出ただけであった。

そして今も星の部隊を追いかけている。

 

「また投石?もはや対策済みだよ!

さっき作った盾をだして!」

 

孫尚香は途中で木を伐採し簡易的な盾を作ることにした。

そして長槍隊の隙間から盾を持った兵を出しその兵が投石を防ぐという策をとった。

星の部隊が見えてきた。またご丁寧に並んでいる。

 

「さあ!石でも槍でもぶん投げてきなさい!」

 

「ふふ。いつまでもそちらの思惑に乗るのも飽きたのでな」

 

「何言ってるの?」

 

「こちらの兵が少しずつ減っているのに気づかなんだか?」

 

確かに心なしか少し少ない気もする。

ならば来るか。

 

「尚香さま!敵が横から攻めてきます!」

 

「やっぱりね!迎撃するわよ!」

 

「迎撃できるものならするがよい!

 

星の部隊とまだ距離がある。

ならばと先にこちらへと突撃してくる部隊を迎え撃とうと孫尚香は決断した。

長槍部隊が迎撃するために横へ向こうとする。

だがそれができない。なぜなら

 

「で、あろう!槍隊にとって最大の弱点は横撃を受けること!

長い槍が邪魔をして横にいるものに当たるのだ。

その場で横を向くには槍を縦にしなければならん!

 

しかしそれは通常の槍だ!その長すぎる槍が仇となったな!

そら!弱点の横撃を受けてみよ!」

 

兵が必死に長槍を縦にしようとするも長すぎるため重く、そして風の影響を大きく受ける。

縦にしても大きく揺れ、下手をすればそのまま倒れ仲間の頭に刃が当たってしまう。

 

「うう・・目の前のことに囚われすぎちゃった・・」

 

「はっはっは!長槍破れたり!」

 

そしてついに孫尚香の部隊が横撃を受けた。

弓隊も応戦するが接近を許せばまともに戦えない。

 

「そらいつまでも横を向いているなよ!」

 

星の部隊も攻撃を開始し完全な二方向からの攻撃となった。

長槍がこちらを向いていてもそれは列となっているから怖いのであって、一本であればなんなく懐への侵入を可能とした。

 

「よし!お前たちやれ!」

 

「「うおおおおおー!!!」」

 

「あーもう!!やってくれるじゃない!」

 

星の部隊の者たちが敵を殺し長槍を奪い一列になっている。

ひたすら突いて前進突いて前進を繰り返すだけで敵は近寄る前に長槍の餌食となるのだ。

 

「どうだ尚香殿。こちらの気持ちがわかったか?

時間を稼ぐには長槍は向いていなかったようだな。

やはり槍は戦って敵を殲滅してこそよ」

 

「やっぱり私はお姉様や姉様のようにはいかないみたいね」

 

 

 

「はあはあ・・」

 

「張飛よ。ずいぶん持ったがそれまでだな」

 

中央で繰り広げられていた一騎打ち。

もはやそれも時間の問題であった。

鈴々は防戦一方であり、矢を避けるために動きまわったりとかなり体力を消耗してしまった。

 

「お姉ちゃんは強いのだ・・」

 

「確かにこれも強さよ。それはお主がまだ足りないものじゃ。

お主はまだ経験が足りん。儂は長く生きておるからのその分勘が働くのじゃ」

 

黄蓋が矢を放つ。

その矢を避けようと鈴々が横へ回避するがその避けた先にすでに矢が放たれていた。

黄蓋の長い経験が教えてくれるのだ。

敵がどう動くかを。

 

「うわわ!!」

 

たまらず尻餅をつく鈴々。

その情けない姿に呉軍の兵から笑い声があがる。

 

「あれが張飛かよ!」

 

「黄蓋様の足元にもおよばぬな!」

 

「ぐうう・・あっ!」

 

鈴々が気づく。

黄蓋がすでに鈴々に矢を向けていた。

本当はもうとっくに死んでいたのだ。

 

「負けたのだ・・」

 

肩を落とし地面に両手をついてうな垂れる。

だが鈴々がそう呟いたとき。

 

「待て待て待てー!」

 

突如一匹の馬がその場にやってきた。

 

「アタイ参上!てめーらの奇襲部隊なんかアタイと斗詩がやっつけたぜ」

 

猪々子がこの場に乗り込んできた。

彼女たちは甘寧を撃破したため中央の鈴々の後詰に来たのだ。

だが黄蓋はこの一騎打ちの邪魔をした猪々子に腹を立てた。

 

「神聖な一騎打ちになんたる愚考よ」

 

「んなもん知るかよ。

アタイには関係ないね。

敵をやっつけたから次の敵をぶったおす。

仲間が死にそうだったんだ、恥も外聞も関係ないね。

斗詩もなんか言ってやんな」

 

「私たちの師匠であり姉代わりである関羽の妹の鈴々ちゃんは私たちにとっての妹でもあります。

私たちが罵りをうけるぐらいで鈴々ちゃんを助けられるならむしろ喜んで罵声を受けましょう」

 

「二人とも・・鈴々は負けちゃったのだ」

 

「おうおう鈴々しけてんなー。

ちょっと待ってろ。アタイたちは武将には弱いが兵には強い。

兵は将を倒せば瓦解するが将も兵を倒せば瓦解するんだぜ」

 

「鈴々ちゃんは休憩してて。

ここからは私たちの部隊が引き受けます。

疲れが取れたら二人の部隊で挟撃しちゃおうね」

 

「うん」

 

「そうじゃねーだろ?」

 

「・・合点なのだー!」

 

 

 

「ま、まずいです~」

 

陸遜は必死に走り回っていた。

突然の奇襲。そして後方の橋は遮断され前には烈火の如くの騎馬隊。

率いるのは猛将馬超。

その猛将がこちらへと馬を駆け迫ってくる

 

「あいたっ!」

 

陸孫が転倒する。

倒れている仲間の死体に足を引っ掛けたためだ。

その間に一気に馬超に距離を縮められた。

 

「い、命だけはおたすけ~~・・・・・・・なんちゃって」

 

その言葉と共に先ほどまで死んでいた兵がむくりと起き上がり弓を構える。

十人近いだろうか?それほどの兵が死体と同化し潜んでいたのだ。

 

「これぞ針ねずみの計です~やっちゃってください」

 

陸遜の命に従い兵が矢を放つ。

その全てが翠の元へと吸い寄せられる。

 

「こんなもん効くかああああ!!!

 

だが矢が翠に届くことはなかった。

自慢の銀閃(翠の武器の名前)を回転させるように振り回し矢をはじく。

矢が当たっても勢いが衰えることは無く全てをはじきとばす。

 

「アタシを仕留めたかったらその十倍の矢を用意させるんだな」

 

そして馬上から兵の喉を一突きしていく。

馬を走らせながら兵に接近し速度を落とすことなく刃を突き刺していく。

その姿はまさに人馬一対。

馬を己の半身の如く操り、気づけば周りには陸遜ただ一人。

翠は銀閃の穂先を陸遜に向ける。

 

「万策・・つきました」

 

「そうか。ならばおとなしく寝てな。

あとで回収してやるよ」

 

翠は銀閃を一回転させ石突きで陸孫の鳩尾を一突きする。

空気が一気に吐き出され陸遜はその気をとぎらせた。

孫権に逃げられるわけにはいかない。

翠はすぐにその場を移動する。

敵は半分に遮断されたのだ。ならば少数しかいない。

ならば見つけるのもたやすいだろう。

 

「見つけたぞ孫権!」

 

「くっ・・蓮華様!お逃げください!」

 

「し、しかし明命どこへ逃げれば」

 

「退路は後ろしかありません」

 

周泰の言葉に孫権もうなづく。

だがやはり不安が大きい。

しかし孫権はすぐに気持ちを切り替え周泰に背中を向けた。

 

「このような逆境、乗り越えられずしてなにが君主か。

明命。この場は任せる!」

 

そして孫権はその場を後にする。

周泰はその間迫ってくる翠からひと時も目を離さなかった。

いや、離せなかったのだ。

 

(なんという気迫・・まるで竜が襲い掛かってくるみたいです)

 

迫りくる恐怖。

だが大切な孫権を守るために自分は行かなければならない。

周泰も馬を走らせる。

 

「孫権様の下へは行かせない!

周幼平!参ります!」

 

お互いの距離が縮まる。

どちらも乗っているのは名馬であるためまさに一瞬の出来事である。

 

「馬上でアタシに勝てると思うなよ!

西涼の錦馬超とはアタシの事だああああ!」

 

お互いの武器が激突した。

甲高い音が辺りに響きわたる。

わずか一秒にも満たない間に行われた事は神業に等しきことであった。

 

長さを生かした槍で周泰の刀が振り下ろされた時、刀の刃を槍の穂先で押し上げそのまま斬り通り過ぎた。

二人が交差するときのわずか一瞬。

当然傷は浅かった。

だが周泰を落馬させるには充分であった。

走る馬からの落馬は死にいたることもあるほどの衝撃だ。

当然追うことなどできなかった。

 

 

 

「蓮華様!」

 

「ハハハ!見たか冥琳!飛んだぞ!私はあの距離を飛んだ!」

 

もはや飛ぶしか道はないと決意した孫権。

死を覚悟し彼女は飛翔し見事成し遂げたのだ。

誰もが尻込みするような距離を飛んだ。

そこには自分が尊敬し信頼する頼れる軍師が待ち構えてくれていた。

 

「もう大丈夫です。ここには私のほかに兵もいます。

なによりあの橋を飛ぼうと思うものはいないでしょう」

 

「ああ。そうだな。本当に私も飛べるとは思わなかった。

だが呉の君主としてここで立ち止まるわけにはいかない。

その思いが距離を縮めてくれたのだ」

 

孫権と周瑜が安堵の気持ちをもって孫権が飛んだ橋を眺める。

もう大丈夫だ。奇襲の脅威は去った。

ここからどう盛り返していこう。

そんな事を考えていたそのとき。

彼女たちの視界に黒く大きな影が映った。

 

「ついに追い詰めたぞ」

 

馬にまたがった少女が現れた。

錦が綺麗に光り輝く美しい女。

 

「なぜ貴様が・・」

 

「なぜかって?そりゃあ・・」

 

翠が銀閃を孫権に向けたとき彼女の背中に大きな黒い影が出来た。

 

「「馬超様に続けーー!!」」

 

「誰かが馬で出来ることは全てアタシたちにできるんだよ。

馬と生き、寝食を共にしたことがあるかい?」

 

 

 

 

 

 

 

 




魏に張遼あらば、呉に甘寧あり

孫権が言ったっぽいけど三国無双でしか聞いたこと無い。
本当にいったのか誰か知ってますか?
遼来来は有名ですけどね。
ちなみに凌統は橋を飛べず鎧を着たまま川に飛び込んだそうです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。