うつけ無双   作:なろうからのザッキー

51 / 52
作者は転職しました。
転職するとき無色だった期間があったのでちょっと投稿が早かったんです。
今は新しい仕事で環境にまだ慣れてないので疲れてます。
毎日10時に就寝です。


合肥の決着

「はあああ!」

 

「ぬぅ!」

 

織田軍本陣では激しい一騎打ちが行われていた。

呉軍元君主と現織田軍君主の戦いと通常ではありえない組み合わせである。

朱里、雛里は信長の命によりただ見ていることしかできない。

両手を併せ胸元で願うばかりである。

 

「どう信長!私の一撃は重いでしょ」

 

「クク・・見事よ。儂も武を極めんとした時期があった。

だがやはり上に立つものはより自分より腕が立つ者をその場に宛がう事こそと知った。

その時からぞ・・儂が辞めたのはな」

 

「へ~でも貴方はなかなか私についてこれているじゃない」

 

「体は覚えているものだな」

 

「ならもう少しがんばってみなさい!」

 

その言葉と共に孫策が怒涛の攻めをしてくる。

この攻撃に必死に食らい付く信長。

彼の頬や足に傷がどんどんと刻まれていく。

信長はそれでも剣を振るうことをやめず言葉を発する。

 

「孫策。うぬは天下に何を願う」

 

「天下ねえ・・私は民の安寧。そして戦のない世。

今思えば誰もが口をそろえていう言葉と一緒ね。

本音を言えば私は友とゆっくり語りあいお酒でも飲めればいいわね」

 

「時代、場所が変わろうと誰もが乱世に願う想いは一緒であるか」

 

「平穏を願うのは人間ならば誰もが思うことね」

 

「儂の部下も言っておったわ。

それこそ桃香と同じ。皆が笑って暮らせる世とな」

 

「こんな世だからこそ夢をみるわね。

だからこそ口に出すのが難しい。

現実身あふれる言葉を述べ想像しやすい言葉のほうが人はついてきやすい。

過ぎた言葉は妄言と笑われて誰もついてこないわ。

でも・・」

 

「それがよい・・な」

 

二人の動きが止まる。

彼ら二人は天下のために走り続けた者たち。

たくさんの人をまとめ束ねてきた二人。

夢物語を語ることとは程遠かった。

 

「そら・・その筆頭が来おった」

 

やはり来たかと孫策はチラリと視線を写す。

 

「ご主人様ー!」

 

馬にまたがり心配そうな顔でやってくる。

その後ろには愛紗も乗っていた。

煤などにより服のあちこちが黒く、そして服も焼け破れていた。

 

「桃香、愛紗。

邪魔をしてくれるなよ」

 

「うん・・」

 

「わかりました。ただ・・」

 

愛紗が馬から降りよろよろと信長と孫策の近くに寄ってくる。

そしてドスンと青龍偃月刀を地面に深く刺し腕を組み仁王立ちする。

 

「ご主人様の戦い。

ここでしかと見届けさせていただきます」

 

その出で立ちはまさに軍神と呼ぶに相応しき女。

女性にしては少し大きめな身長がさらに大きく見える。

ギロリと孫策を見つめその一挙動を見逃さない。

彼女の気迫に孫策がブルリと震えた。

 

(これが関羽か・・)

 

孫策の体にズシリと何かが重く圧し掛かる。

まるで刃を首に宛がわれているかのようだ。

この様子に信長も気づいたようだ

 

「私はただ見ているだけでございます」

 

愛紗はどっしりと腕を組み動かない。

主の勇士を見守る守護神のようだ。

 

「ずいぶんと慕われているものね」

 

「儂には過ぎた家臣よ。

さて第二幕といこう・・ぞ」

 

二人の戦いが再び始まる。

しかし今度は先ほどまでとはあきらかに変わっていた。

孫策の動きがあきらかに鈍い。

 

「ちっ」

 

信長の攻撃が充分に通じ、そして孫策の攻撃を防ぐこともできる。

なにより孫策の体力の消耗が激しいようだ。

 

「はあー!!」

 

孫策が南海覇王を右手で振り下ろせば信長は左へ避けその手の甲を狙い突き刺す。

利き手に傷を負わせ動きを鈍くさせる。

 

「くっ」

 

先ほどまでは通るはずがなかった攻撃。

孫策からポタリと汗が滴り落ちる。

ギリギリで回避に成功する。

 

追撃とばかりに信長が何度も突きを放つ。

それを孫策が南海覇王で防ぐ。

だが少しずつ小さな傷が増えていった。

 

これはたまらんと孫策が大きく後ろにとんだ。

先ほどから集中できない。

後ろが気になって仕方がないのだ。

今すぐにでも後ろから斬りかかってくるのではと殺気が体にビシビシと襲ってくるのだ。

それほどまでに愛紗の存在が大きかった。

 

(長くは戦えないわね・・ならばこれで決める!)

 

孫策は走り出す。

意図に気づいた信長も強く村正を握りなおし孫策に向けて走る。

互いの剣の間合いに入り二人の武器が交差した。

孫策が上から下へ振り下ろせば信長が下から上へ。

右から左へと払えば左から右へ。

金属音だけが辺りに鳴り響いた。

そしてそのやりとりが50合ほどされた後

 

「はああ!」

 

孫策の蹴りが信長の腹へと突き刺さる。

鎧に守られているとはいえ衝撃は抑えきれず内臓へと伝わり後ろへ後退する。

その隙を見逃さず孫策は信長を押し倒すように馬乗りになる。

信長の手から村正が零れ落ちてしまった。

 

「これで私の勝ちね」

 

孫策の南海覇王が信長の首下へと当てられた。

信長の右手に村正は握られていない。

だがまだ信長の目は死んでなどいない。

 

「クク・・」

 

「なによ」

 

「汝も目が眩んだか」

 

「・・ちっ。そっか、そういうことね」

 

孫策の横腹に寸止めのように当てられている信長の脇差。

日本の武士は大小というように二本の刀を腰に差している。

村正を落とした信長は孫策に馬乗りにされたときにとっさに左手で抜きそれを孫策に突きつけた。

お互いに敵の命を奪い合える状態であった。

 

「私と互角・・そういうことになるわね」

 

孫策は剣を信長から離し立ち上がった。

南海覇王を鞘にしまい信長へと右手を差し出す。

信長もその手を握り返し立ち上がった。

 

「しからばこの一騎打ちはここで終い。

孫策。うぬはこの状況をどうする」

 

「そうね。後ろに怖い女がいるしどうしようもないわね。

なにより楽しかったからいいわ。このまま囚われてあげる。

どっちみちこの奇襲は関羽たちの援軍がきた時点で失敗よ」

 

「そうか。桃香よ、良い仕事をしたな」

 

「えへへ~ねねちゃんのおかげだよ」

 

 

 

桃香とねねは火計の知らせを聞いた後すぐに救援にかけつけた。

二人が現場に着いたときには火の手があたりを燃やしている。

この現状に桃香は慌てふためいた。

 

「だいぶ燃え広がっちゃってるよ!どうしよう!」

 

「こういうときは焦ってはいけないのですぞ!」

 

「ど、ど、ど、どうしよう!このままじゃ愛紗ちゃんと恋ちゃんが!」

 

「えーい、ならねねが指示をするですぞ!

男性は服を脱ぎ、その服を水で濡らし火を押しつぶすようにしてくだされ!

女性は土を水で濡らし泥を作るのですぞ!

そしてその泥を火にかけるのです!さあやってくだされ!」

 

ねねに言われたとおりに行動する兵たち。

確かに火は消えていくがいかんせん水をかけるよりどうしても消火が遅くなる。

だがそれには理由があった。

 

「水をかけてはだめなのです!

どこに関羽将軍、呂布将軍がいるかわからないのですぞ!

二人を見つけたとき、彼らへの一本道を水を使い最短距離でいくのです!

それまでは広範囲を消火し、探すしかないのです!」

 

水はここにある分しかない。

無くなれば川まで汲みに行かなければならない。

しかしそんな余裕など当然ありはしない。

だからこそ最小限で最大の行動をしなければならない。

 

最優先で救うべきはやはり将の二人。

ゆっくりだが確実に消火を続けいく

そしてついに広範囲の探索を続けた甲斐があってかついに二人を見つけることができた。

 

「お二人を発見しました!」

 

「よくやったのです!

では水を用意するのですぞ!今こそ最速の消火で両名への道を切り開くのです!」

 

用意した水を惜しげもなくつかうときがきた。

兵たちが一斉に水を火にかけ彼女たちへの道を切り開く。

そして彼女らへの道がついに作られた。

 

「おお。桃香様!ねね!よくぞ来てくれた」

 

「・・ありがとう」

 

「愛紗ちゃん!よかったよ~」

 

「うう・・ねねも恋殿と感動の再会をしたいのですが今はそれどころではないのです。

伝令によると本陣への奇襲があったようなのです」

 

この言葉を聞いた愛紗は表情が引き締まる。

 

「それはいかん!ご主人様が危険だ」

 

「うむ。よろしく頼みますぞ」

 

 

 

 

中央では激しい戦いが行われていた。

猪々子と斗詩の部隊そして復帰した鈴々の部隊。

彼女らと黄蓋の戦いだ。

兵数では劣勢だが兵士の士気がいかんせん高かった。

やはり先ほどの一騎打ちの結果が響いているのだろうか?

 

「ち、しつけー野郎だな」

 

「私たち二人じゃまだ追いつけないね」

 

猪々子と斗詩の二人がかりでも黄蓋一人の武に追いつけなかった。

彼女らとて力量を測ることができる。

だからこそ最初は兵と戦っていたが黄蓋がそれをゆるしてくれなかったのだ。

 

「うぉ!・・あぶねぇぇ」

 

猪々子の顔を矢がかすめていく。

兵の数を減らすために兵と戦えばどこからか矢が飛んでくる。

ならばと黄蓋に戦いを挑めば二人でも太刀打ちできない。

 

「鈴々ちゃんと兵に任せるしかないね」

 

鈴々は復帰はしたものの先ほどの戦いで足を捻ってしまっていたのだ。

それでも戦うと鈴々は後方で兵の指揮を取る傍ら降りかかる火の粉を払うことにした。

だがやはりそれでも士気が高く錬殿の高い兵を倒すには時間がかかる。

猪々子と斗詩は時間を稼ぎ敵の兵数が減るのを待つしかないのだ。

 

「どうじゃ?鬼ごっこは終わりか?」

 

その場に黄蓋が現れた。

指の間に矢を挟み三本もの矢を番えている。

弓を横に傾けており扇状に矢が飛んでいくのだろう。

彼女の腕ならば二人同時に矢を当てることなどたやすい。

 

「もう少しアタイたちと遊んでくれりゃよかったのに」

 

「このまま時間をかければ儂の部隊が持たんじゃろう。

なれば先に貴様らを討つしかない」

 

黄蓋が矢を引き絞る。

キリキリと音を立てており、いつ自分の眉間に矢が突き刺さるかわからない。

猪々子と斗詩に緊張と恐怖の悪寒が走る

 

「おとなしくしておれ。一瞬で終わらせてやる・・・ぬっ!?」

 

突如一本の矢が戦場を走った。

 

「これは・・なんたることじゃ・・」

 

黄蓋の弓の弦が切れている。

そして何が起こったかと黄蓋が視線を上に上げるとそこには一人の少女が弓を構えていた。

150歩ほど離れた場所からあの細い弦を狙い打ったのだ。

黄蓋や夏侯淵、そして黄忠に等しき弓術。

 

「・・うまくいった」

 

「さすがですぞ恋殿ー!」

 

「奴は弓まで扱えるのか・・」

 

この事実に黄蓋はただただ凍りつき恐怖した。

天下無双の名はまさに事実。

そんな黄蓋とは対称に二人は歓喜した。

 

「れ、恋ー!!!」

 

「恋さーん!!」

 

二人が助かったと恋の元へ走りよる。

恋へと抱きつきそれを受けた恋はよしよしと二人の頭をなでる。

しばらくなでた後二人を引き剥がし黄蓋の元へと歩み寄る。

 

「・・来い。恋が相手になる」

 

「その誘いはうれしいが生憎命は惜しいでな。

いかな相手が呂布とは言え一騎打ちで負けたとあってはしめしがつかん」

 

「・・それがいい」

 

「お主がいるということはさらに兵が増えたということ。

一部隊では相手しきれんわ。ここは退かせてもらう」

 

そういい残し黄蓋はこの場をあとにした。

そして言葉通り黄蓋の兵は退却を始めていった。

 

 

 

「軍師が相手になると思うなよ」

 

「ぐあっ!」

 

翠が周瑜を槍で浅く切り伏せる。

命に別状はないが斬られたという衝撃と痛みが体を襲う。

元来兵の前にたち戦うことなどしない軍師。

周瑜も一般兵より強い程度の実力しかなかったのだ。

 

この場は完全に翠の部隊が掌握していた。

孫権の部隊は分断されかなり兵数が減った。

そんな彼女の部隊より少数とは言え橋を飛び越え勢いに乗った騎馬隊が襲い掛かるのだ。

次々と呉の兵を斬りすてていく。

 

「ならば・・ならば私が相手だ!」

 

この現状を打破しようと孫権が近寄ってくる。

そんな孫剣を馬上から翠がにらみつけた。

 

「やめとけ。お前じゃ相手になんねーよ」

 

「やってみなければわからん!私は孫呉の王なのだ!」

 

孫権が馬上の翠へと斬りかかる。

まずは馬を殺そうと接近するが突如馬が前足を上げ後ろ足の二本で立つ。

そしてそのあげた両足を孫権の頭上で下ろした。

 

「はっ!?・・・」

 

ズドンと音が鳴り響く。

馬の体重とは平均して500kgほどあるのだ。

そんな馬が全体重を乗せて足を振り下ろしてきたのだ。

地面は陥没し、そこに蹄のあとが残る。

 

「馬に罪はないだろ?」

 

その言葉を聞いた孫権。

今のは彼女が自分でやったのか。

私を弄んでいるのか?

 

「舐めるなよ」

 

殺気をこめた目で翠をにらみつける。

それを受けた翠は馬から降りた。

 

「お前を倒せばこの戦は終わりだ。

平和への一歩、アタシが進めてやる」

 

そしてお互いに武器を構える。

二人は互いに睨みあう。

孫権の方は微動だにしないが翠のほうがジリジリと距離をつめていく。

 

「おるああああ!!」

 

翠が槍を大きく上から下へ叩き付けるように振り下ろす。

孫権はとっさにこれを受け止めてはいけないと横に避ける。

直後地面に当たった槍は大きな穴をつくり土を弾き飛ばす。

 

「なんという力だ」

 

「鈴々よりも力は強い自信があるんだ」

 

この威力をみた孫権は力で張り合ってはいけないと翠に走りより突きを連打する。

それを翠は槍でたくみに受け止める。

 

「確かに手数でこられちゃ大きく振りかぶれない」

 

「どうした?力でこなければ戦えないのか?

ならばとっととここから退け!」

 

「はは、馬鹿な事を。・・お前じゃアタシに勝てないよ」

 

孫権が突くために剣を引いた時。

翠がそれに併せて足払いをする。

 

「なに!?」

 

軸足を取られた孫権は体勢を保てずその場で尻餅をつく。

そして槍の穂先を孫権へと突きつけた。

 

「まだやるか?」

 

「くっ・・私が諦めたら孫呉は終わりだ!」

 

孫権はゴロゴロと転がり槍の範囲から逃げる。

そして再び立ち上がった。

 

「先ほどで私を殺さなかったことを後悔するんだな!」

 

「いいな。諦めない熱血はアタシは好きだ」

 

そして再び武器を構える二人。

今度は孫権のほうから攻め始めた。

 

「やあ!はあ!」

 

突きだけではなく斬りも取り入れた攻撃。

それを翠は全て防いでいく。

 

「どうだ!」

 

今度は孫権の方が足払いを繰り出す。

だがその払うはずの翠の足が重く石のように動かない。

困惑する孫権。

その顔に翠の拳がたたき付けられた。

吹き飛ばされる孫権。

 

「アタシたちは戦いに全てを賭してきたんだ。

それがアタシとお前の差だ」

 

「ぐぅ・・くそ・・」

 

孫権は立ち上がりたいが立ち上がれない。

彼女の心にどうあっても勝てないと絶望が襲ってくる。

 

「ふっ、ふふふ、ははは!」

 

孫権が突然笑い出した。

 

「これが必死に生きてきた私の最後か。

実にあっけなく、そして情けない人生だった。

何故私はこの世に生を受けたのだ。

姉上、そして母様のような偉大な方の娘として」

 

孫権の声色に涙の啜り泣きがまじりだす。

仰向けに倒れる彼女の瞳から涙がとめどなく流れ出す。

 

「もう殺してくれ、馬超。

私は疲れてしまった。

決して辿り着けない背中を追い続けることが」

 

「いーや、殺さない」

 

翠はどかりと孫権の横に胡坐をかき座り込む。

そして孫権の顔を見ながらしゃべりはじめた。

 

「お前は歩く道を間違えてんだ。

だから辿り着かなくて疲れたんだよ」

 

「道が違うだと?」

 

「お前の母様と孫策の二人で武を持って領土を広げるんだ。

領土がなくちゃ国も何もない。

そうしたら誰がその後始末をするんだ?

広げるだけ広げて頬っておいたらそれこそ本末転倒だ。

 

何故孫策に追いつき、孫策を模倣しようとする?

孫策になってどうする?お前はお前のやるべきことがあるんじゃないのか?

勝手に憧れて勝手に絶望してんじゃねーぞ」

 

「お前にわかるものか!

できすぎる親、そして姉を持って生まれた私の気持ちが!

小覇王とまで言われる姉様にくらべて私は・・」

 

孫権の目から涙が溢れ出す。

決壊したダムのようにボロボロとあふれ出し地面を黒く染め上げていく。

彼女は俯きそして体を震わせた。

 

「安心しろ。どうせ全て終わる」

 

「は?」

 

突然の言葉に孫権が顔を上げた

 

「猛将、覇王、英雄。

そんなもんはもう時代遅れの言葉になるんだ。

それもほかならぬお前の姉や関羽たち武の極みにいるような連中の手によってな。

 

孫権。お前はきっとまだ時代が必要してなかったんだ。

そしてやっとお前の人生が始まるのかもな。

乱世での英雄も平和な世には必要ない。

そしてそこでお前のようなやつが活躍するんだ。

 

そこで孫策を見返してやれ。

治世の王となれ」

 

「私がだと」

 

「ああ。アタシたちはもうじき役立たずになる。

お前には悪いが天下は魏と蜀で決しただろう。

この二国が激突してどちらかが消え一つの国になる。

そうすれば戦もなくなるさ。

 

街の警備や異民族に備えての兵は必要だけど何十万人も必要ないだろ?

だから戦うしか脳のないやつはあぶれちまうのさ。

お前にはまだ道があるんじゃないか?」

 

孫権は納得した。

このまま乱世が終われば武官の時代は終わり文官の時代となることは確実だろう。

ひたすら戦い続けた時代が終わり休息の時となるのだ。

そこで必要とされる統治の能力。

 

「人ってのは忘れやすい生き物さ。

かつての天才より今の秀才だ。

アタシたちが築き上げた功績も平和が続き戦から離れたら風化していくさ。

そのときに少しでも活躍している奴のほうが良く見えるもんだ。

そうすればお前も小覇王様を越えれるんじゃないか?だろ?」

 

そう笑いながら答える翠の笑顔は屈託のないものだった。

つまりそれは自分で自分がいつか必要ない人材だといっているようなものだった。

馬超が内政を得意とするなど聞いたことがないからだった。

 

「お前は平和になって・・どうする?」

 

「さあな。考えたこともない。

今はひたすら平和への突撃さ」

 

そうか。

こいつは馬鹿か。それも猪のような。

敵である私のことを励ますような。

 

だがそれが気持ちいい。

まっすぐにお前の思いやりの気持ちが私の心へ突撃してきたぞ。

こんな馬鹿は私は好きだ。

 

「なに。平和になったら私がお前を使ってやる。

それまでに私が自由に人材を決めれるような力を持たなければな。

 

馬超、礼を言う。

そして・・完敗だ。この戦、私たち孫呉の負けだ」

 

 

 

 




呂布と弓

ただ強いだけじゃなくて弓術と馬術にもすぐれていた。体術もすごかったらしい。その武勇を李広という人になぞらえて飛将軍とよばれた。剣、もしくは戟を地面にさしてそれを弓で一発であてたら戦を中止しろと言って見事にあてました。距離に関しては明確になってないが結構遠かったらしい。作者が昔読んだ図書館の本では剣の刃の方を自分に向けてた描写だったので本当に線くらいしかみえないものを当てるとは驚き。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。