コボルト飯から始まる私の商売道 作:コボルトの餌
マントをした1匹のめちゃ可愛いわんこが映し出される。
『獣楽園社の商品開発は、どのように行われるのか。その一部をご紹介したいと思います』
「リップちゃん様の本日の体調OK!」
「栄養OK!」
「近所のわんちゃんの前評判OK!」
「リップちゃん様、来ます!」
そうして、わんこの前に差し出される五つのお皿。
「クゥン」
リップちゃんは順に嗅いだ後、二皿のペットフードを丁寧にぶちまけてから背を向けた。
「ああ!」
「二日連続拒否!」
「うわああああああああ!!」
「ふざけんなお前ら! それでも高級おやつ部門の精鋭か!! 明日、リップちゃんが食事をしなかったら減給だ!! 特に五班! 満場一致でOKなものもってこいやぁ! 2匹もダメ出ししてきたものをリップちゃん様にお出しするとか舐めとんのか!」
「わあああああああああああああ!!!」
半狂乱になる料理人衣装の者達。
誇張表現がありますとテロップが入る。
「仕方ないんだよ。ペットは喋れないから……。その面では人間相手の料理よりも難易度は高いかな。どんな風に美味しいとか、何が美味しいとか、ペットは言えないからね。だからこそ、ペット達に素敵な食生活を与えられるよう、心を砕かなきゃなんだ。私の夢、それは犬にとってのニャールを生み出すこと……!」
「それだ!」
『我々は、リップちゃんの想いを知る為、アマゾンの奥地へ出かけた』
出鱈目表現がありますとテロップ。
ちゃちいおままごとのお店を大きくしたようなセット。
レジ部分のところだけ、雑に合成した動画が写っている。
コボルトにしか見えない生き物の群れだ。
「一口ずつ、食べて感想を言って貰います。一口の対価が感想です。良いですね?」
「人族が、何故我らを助けようとする? 同情か?」
「いいえ? 私達は料理人なのですが、上司の舌が肥えすぎてて食事を食べてもらえなくて困っているの。明日、上司が食事を拒否したら大変な事になるのよ。だから、協力してほしいの」
「上司?」
私は宝物を掲げるように、リップちゃんを掲げた。
リップちゃんに輝くエフェクト。
「はぁ!?」
「犬の味覚を持ち、人語を喋れるあなた達にしか頼れない! どうかお願い!」
「この、この、うおおおおおおおおおおおおお!!! 王侯貴族がぁぁぁぁ!!!」
「落ち着け、ガウル! じ、事情は分かった。お前ら、王侯貴族のペットの世話係か? ペットに料理人がついているのか? 人間の世界も大変なのだな……。分かった。協力してやろうではないか」
そうして、獣人達の一口と感想が並べられる。
「うまぁーい!」
「もう一口! 一口だけ!? そんなぁ……」
「はわぁー!」
「1番はこう、ガッツーン! って感じで、2番はこう、ぐわーって感じで!」
「これを拒否るとかすげぇなリップ様!?」
その後、料理人達が力を合わせて料理する姿が映し出される。
そして、場面は変わり、ガツガツとドックフードを食らうわんこが!!
喜びまくる料理人コスプレの者達。
「毎日、美味しい。すごく美味しい。肥えた舌のリップちゃんも大満足! 新シリーズ、獣人の食卓コボルトシリーズ。全12種となっております! 買ってね♡」