コボルト飯から始まる私の商売道 作:コボルトの餌
「理子先輩! お店レベルが上がりました」
「なんかできる事増えた?」
「翻訳魔法の範囲が任意で広げられるようになりました」
「おお! やるじゃない。でも通訳は今後も続けてね。流石にカメラ越しは無理だろうし」
「はい!」
弊社はコボルト村への援助を決めた。援助ではない、商売である。
例えば、コボルト村での企画とする事で、社が少しでも得をする。
すると、援助が出来るようになる。Win-Winである。
ちなみに、お店の賃貸料として、一月十万円お給料とはべつにもらえる事になった。すごい!
コボルト村には、人参、ジャガイモ、さつまいもとキャベツ、ブロッコリー、ほうれん草、カボチャ、トマトの種や種芋を提供して農業指導をしている。
植物学者から助走をつけて殴られそうな所業とは先輩のお言葉。
魔力を帯びてない食べ物を主食にするのは、強い体を作る上で良くないそうで、魔力のある場所で野菜を育てる事で魔力たっぷりの野菜が作れないかという実験である。代価は魔石で貰っている。
もらった魔石は、室内栽培のお野菜に肥料として与えて経過を見ている。
あと先輩達が、ふざけて魔法使いごっこをしていたら魔法が使えちゃってボヤ騒ぎを起こした。先輩なんだからしっかりして。
ちなみに魔石を直接埋めた野菜(キャベツ)は魔物化した。
超高級犬のおやつ、「コボルト王のへそくり」を買うともらえる用紙でコボルト村への商売の提案が出来るのだが、その用紙の第一弾が届いたので精査が終わって準備をすると、動画を撮ることになった。
それと同時に、我が社は専属の獣医さんと契約農家さんに魔物キャベツの商品化は可能かとお伺いを立てる事にした。
獣医さんは調査を快諾。
だが、契約農家さんは激怒して国に報告して許可を得るべきだと主張した。
そういうわけで、先輩が助走つけて殴りにくると言っていた植物学者と国のお役人様がくる事となった。怖い。
「農林水産省の柳原です。今回は、新種のキャベツについて相談があると聞いてやってきました」
「これが我が社が新しい栽培方法で育てたキャベツです」
先輩はもがもが蠢くキャベツを見せた。
「今、お犬様が食べても大丈夫か研究中です」
「……おもちゃですか? ふざけてるんですか?」
「キャベツですよ、ちゃんと」
私は一枚ペリっとやって食べた。
ギャっと悲鳴を上げられた。
「新しい栽培方法とは」
「ある程度の大きさになったら魔石を埋め込んでみました」
「は?」
「これ、畑で育てても大丈夫そうですかね? 大丈夫ですよね、キャベツですし」
「何も大丈夫じゃないです。まさかこんな得体の知れないモンスターを何も遮蔽物のない場所で育ててはないですよね?」
「今は弊社の室内で育ててます」
「国の保有する大学で調査して、販売許可が出るまでダメです。五年くらいは見ててください。代わりに特許については申請を手伝います」
「残念です。あっ丁度いいですね、弊社で輸入したい植物がいくつかあるのですが、防疫所を弊社内に作ってもらうことは可能ですか?」
「うわあああああああああ! 外交問題!!」
お店を見せたら役人は発狂した。
そして、繁殖力の強いベリー系は絶対に渡すなというか他国に国を通さず植物を持ち込むなとお達しを受けた。
商売は邪魔しないものの、社内に国の防疫所が併設される事となった。
ただし、国の依頼も受けられる事となったのだった。
私は、国の勧めで会社の設立と営業許可証の取得をする事となった。