千紘の従兄弟は妖刀の声が聞こえるがフル無視をしています。   作:トウフグラタン

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平穏な日と終焉

「あんまり、無理しないようにね。拓君は季節の変わり目に風邪引きやすいんだから。」

「・・・はい。ありがとうございます。」

買い出しついでに病院に来たのは、15歳になった拓だった。

(油断していたな。ここ数年風邪ひいてないとはいえな。)

拓は、病院で風邪薬を受け取り病院の外に出る。

「風邪には温かいもんだよな。今日は鍋にするか。」

幼い頃は風邪を引いただけで大変だった。

(伯父さんや柴さんとかに心配されたしな。チヒロにも、)

拓には、親が居らず物心ついた頃には伯父であり、日本一の刀匠六平国重と従兄弟の千紘と結界が張られた山奥の家で暮らしていた。たまに来る柴や薊以外とはあんまり関わっていない。病院も病弱がマシになってからは町の病院だ。

「まぁ、いちいち死にかけたらきりがないしな。」

拓は買い出しを済ませて住んでいる家へと帰る。

 

「ただいまって伯父さんとチヒロはまだ鍛冶場か。」

靴を脱いで家の中に入るが

『ー』

『ー』

『ーー』

『ー』

『ー』

『ー』

 

『ー』

「・・・」

最初の声は聞き入るのは危険だ。

国重も言っていた

「真打だけは二度と使っていけねぇんだ」

「・・・だろうな。」

何故か妖刀の声が聞こえる拓は、真打だけは駄目だと思った

 

あれはまるでー

「いやいや、無視が一番だって

だけどな・・・」

年を重ねるごとに妖刀の声が自分を呼んでいる。

 

『ーだって、キミボクタチとー』

「・・・・」

拓は人間だ。妖刀のような力などないし病弱だったし、いや人間離れした身体能力は助かっているが

「ヒラク、帰っていたのか?」

千紘が来た

「ああ。風邪引く前に風邪薬貰って来た。」

「・・・大丈夫か?顔色悪いぞ?」

「あ、別に、今日俺が食事の当番だし」

食事は千紘と当番制だ。

 

「そうか・・手伝う。」

「悪いな。」

拓は千紘と今日の夕食を作る。

 

「美味いぞ!!ヒラク!!」

「そう良かった。こんな季節に鍋早いって思ったけど」

国重は鍋を食べる。

「・・・味付け変えたか?」

「ああ。少し味噌を加えて・・・」

夕食を楽しむ。

 

親を知らない拓にとって伯父である国重や千紘は大切な家族だ。

 

それが終わりを迎えるなどこの時は思いもしなかったー

 

 

「・・・伯父さん?チヒロ?」

結界が壊され崩壊した家ーその時拓は丁度帰って来た時だった。

血を流す国重の前には三人の妖術師ー

妖刀の声が聞こえるがそれどころじゃない

「お、伯父さん”?」

急いで国重と千紘の元に行くと

 

「ー驚いた。その顔はー」

「ハァ?」

妖術師の男を睨む

 

「クックッ、妖刀の他に面白い情報を得たな。」

三人の妖術師は消えた。

 

「・・・チヒロ・・・」

・・・残されたのは、物言わぬ国重と国重を抱きしめる千紘の姿

 

そして、そこに来たのは

「チヒロ君!!ヒラク君!!」

「柴さん・・・」

 

 

「俺が・・・殺さないとー」

「・・・俺も、協力するで」

 

「チヒロ・・・俺もだ。」

 

 

ーとある場所で

「ーあの女に似た子供?六平国重には息子は1人・・・六平千紘だけの筈だ。」

1人の男が言う。六平家襲撃から帰って来た3人の内1人の男が言う。

 

「ーこれを見てもかね?」

男が出したのはいつの間に撮ったと聞きたくなる拓の写真だ。

「・・・確かに似ているな。どうする?」

 

 

「・・・あの女の情報を洗いなおせ。

 

あの女に子供が居るのならーもあるかな。」

特徴的な耳飾り、顔に入れ墨がある男は、拓の写真を見るとそう言うのだった。

 

 

 

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