COSMIC ERA -SPACE PIRATE-   作:天羽々矢

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“自由”の放映で最近種がブームみたいなんで、気分更新だけど乗るしかねぇ!となり乗り出します。


PHASE-00 種は巻かれた

とある一軒家、仕事から帰ってきた1人の男は夕食を食べる事なくベッドに横になる。

 

「はぁ・・・」

 

疲れきったため息を吐き、天井を見上げる。

その男の顔はとても酷い物だった。目の下にはクマが出来、唇はガサガサと荒れている。

こんな姿を他人が見たら100人中99人は体調が悪いのかと思うだろう。実際この1週間まともに寝ていなかった為本当に体調が悪いのだが。男は再びため息を吐くと、部屋の隅にある棚に飾られている模型やフィギュアに目線を移した。

 

その棚は男の趣味である模型やフィギュア、そしてゲームが並べられていた。今でも男はたまには棚に置いてあるゲームを気分転換に遊んだりはしているが、既にクリアしている物である為に最近はあまり触っていない。

棚に並べられているフィギュアや模型達はまるで男に労いの言葉をかけて・・・いるのかと考えかけた所で男は頭を軽く振り思考を振り払う。男は棚から目線を外すと、再び天井へと向ける。

そしてまたため息を吐く。

 

男は今年で29歳。大学を出てからとある会社に勤めるも、その会社のブラックな労働環境で毎日毎日サービス残業は当たり前、1日2時間寝れれば良い方、休日出勤も当たり前、上司のパワハラは日常茶飯事でその上給料は少ないと来た。そんな日々をもう1年以上続けて男の精神状態は普通でいられるはずもなく、そのせいでうつ病になり仕事を辞める。

 

幸い貯金はそこそこあった為にしばらくはバイトでも生活が出来るが、男は人生の目標を見失った。何をやっても楽しくない。何もやる気が起きずただ毎日を生きているだけのような日々であった。

いっそ死んだ方が楽なのでは無いか?と何度も思った事だろう。しかし死ぬ勇気もない為こうしてダラダラと生きているのだ。

 

そして今日、男はいつも通り仕事を終え家に帰り夕食を食べようと冷蔵庫を開ける。すると中は空っぽだった。

そう言えば最近買い物に行ってなかったなと思い出す男。しかし今から買いに行く気力も無ければ作る元気もない為、男はコンビニに弁当を買いに行こうと準備をする。財布をズボンのポケットに入れて玄関に向かう。そして靴を履き外に出る。

外は真っ暗で街灯だけが道を照らしている。そんな道を男は歩く。

 

コンビニまでは歩いて10分程の距離だ。だから男はいつも通りのペースで歩く。

 

「・・・・はぁ」

 

男はため息を吐く。先程からため息ばかりだなと自分でも自覚しているが、それでも出てしまうのだから仕方がない。

男は暗い夜道を歩きながら、ふと空を見上げる。そこには男を労っているのかはたまた嘲笑っているのか綺麗な満月が空に浮かんでおり、その光の下を鳥が飛んでいる。

 

男はその光景を見て、まるで自分を笑っているようだと感じてしまい再びため息を吐く。そしてそのまま歩き続ける。

しばらく歩いているとコンビニに着いた。自動ドアが開き店内に入る男。すると店員が挨拶をしてくるので軽く会釈をして弁当コーナーへと向かう男。

そして適当に目に入った物を手に取りレジに向かう。

会計を済ませて店を出る男。袋に入っているのは牛丼と野菜サラダ、ペットボトルの緑茶だった。

 

男はコンビニのイートインスペースで袋から牛丼を取り出し蓋を開けて食べ始める。男は黙々と牛丼を食べていく。そして半分ほど食べた所でペットボトルの蓋を開けて緑茶を飲む。

そしてまた黙々と食べ続ける。そして完食しゴミを捨てて店を出る男。そのまま帰路に就く。

 

だがそこで問題が起きた。歩行者用信号機が青で1人と男子中学生らしき少年が渡っているにも関わらずトラック猛スピードで突っ込んでくる。

 

男は考えるより先に身体が反応した。

 

トラックはブレーキをかける気配がない。

男は走り少年歩道に突き飛ばす。そして自分も車道から出ようとしたが間に合わずそのままトラックと衝突し宙に放り出された。

地面に叩きつけられる男。身体中に激痛が走り呼吸が出来なくなる。薄れゆく意識の中、自分の死を悟った。あぁ、これで自由になれる。楽になれる。男はそう思いながら意識を失った。

 

 

 


 

 

 

しかし次の瞬間、男の意識は覚醒する。そして同時に驚愕した。何故ならそこは先程までいた交差点ではなく、一面真っ白な部屋だったのだから。

しかも男は人の姿をしておらず、光る蝶のような姿になっている。

 

「気が付きましたか?」

 

一体ここはどこなんだと辺りを見渡す男の前に1組の男女が現れる。男は身長が低くつば広帽子をかぶりマントを羽織っており、女の方はローブに付いているフードを深く被っており口周りしか見る事が出来ない。

男はその姿を見て警戒する。目の前にいる2人が只者ではないと感じたからだ。

 

「そんなに警戒しないでくれよ、別に取って食おうって訳じゃないからさ」

 

そんな男を見て苦笑いするかのように言葉を発する帽子の男。眼鏡をかけており表情を伺う事は出来ないが、しかしそれでもなお警戒心を解かない男に男はため息を吐くと隣にいる女が話を始める。

 

「貴方は、死んだのです」

 

それを聞いた瞬間、男の脳裏に先程の光景が蘇った。そしてそれと同時に自分が今どういう状況なのか理解する事が出来た。つまり目の前の2人は神のような存在なのだろうと理解した。

 

「理解が早いね。その通りだよ」

 

帽子の男は男の思考を読み取り肯定する。そしてそのまま話を続ける。

 

「あの事故は過労による運転手の居眠り運転が原因さ、君の元勤め先だよ」

 

男はそれを聞いて納得する。確かにあの会社は労働環境が酷い上に給料も少なかった。その為運転手の疲労も大きかったのだろうと容易に想像出来たからだ。

 

「運転手は電柱にぶつかったけど運良く一命を取り留めた後に危険運転致死傷で逮捕、この事故を受けて会社には調査が入った、そしてその結果会社の労働環境が判明した。会社は大慌てさ、なんせ今まで何人もの従業員を過労死させていたんな」

 

帽子の男はそこで一旦言葉を区切ると再び語り始める。

 

「結果として会社は労働者に対する賠償で倒産、社長や役員は全員逮捕、まぁ自業自得だな」

 

帽子の男はそう言うと肩を竦めるような仕草をする。しかしすぐに真剣な表情になり話を続ける。

 

「さてと・・・本題に入るけど君はこれからどうしたい?」

 

そう問いかけてくる帽子の男に男は考える。自分が死んだ事には驚いたが、しかしだからといって何かが変わる訳でもないだろう。ならば自分はこのまま消えるだけだと考える男だが、そこでふと疑問が生まれた。何故自分は今こうして意識があるのか?という事だ。

 

「それは、貴方に転生する権利が与えられた為です」

 

男の疑問に答えるかのようにそう言う女。その答えを聞いて驚く男だったがしかし同時に納得もしていた。

何故なら自分がこうして蝶の姿になっているからだ。つまりはそういう事なのだろうと男は考える。

 

「理解が早くて助かるよ」

 

そんな男を見て微笑む帽子の男に男は尋ねる事にした。何故自分なのかと?すると男は少し考えてから答えた。

 

「別に誰でも良かったんだけどね・・・ただ“彼”が君の事を気に入ってな、もしかしたら上手くやって行けそうだと思ったんだよ」

 

そう言う男に男は困惑する。一体誰の事を言っているのかと?しかし男はそれ以上語ろうとはしなかった。

 

「まぁ、会えば分かるさ、たった今来たからな」

 

そう言って後ろを向く男。男もつられてそちらを見ると、そこには帽子の男とは別の1人の人影が男達に向け歩いてくる。

 

帽子の男と女とは違い、歩いてくる男はフードを被っておらず顔が露わになっている。その顔には頬には縫い痕が露わな古い傷跡があり右目には眼帯を付けている。

大きく描かれた白い髑髏マークの黒いシャツに黒いズボンと黒いブーツ、裏地が赤の黒いマントを着用し、腰には髑髏マークのバックルが付いた革製ホルスター付のベルトを2本締めており、右側にはハンドガン、左側にはサーベルが収められている。

 

「待たせたな」

 

髑髏の男はそう言うと男の前に立つ。そして帽子の男の方を見て尋ねる。

 

「彼がそうか?」

 

「あぁ、そうだよ」

 

帽子の男は肯定する。それを聞いた男は頷く。そして改めて男に向き直る。

一方、男の方は目の前の男の存在を信じられなかった。何故なら自分は・・・いや、多くの人間はその男の事を知っている、しかしそれは空想上の物語の中でだ。だが今こうして目の前に存在している。これは一体どういう事なのか?そんな男の疑問に答えるかのように帽子の男が口を開く。

 

「確かに君にとっては信じがたいだろうな、でもちゃんと目の前にいるよ」

 

男は帽子の男の言葉を聞きながら、改めて目の前にいる男を見る。確かに目の前には男がいる。だがしかしそれでもなお信じ切れない自分がいた。何故ならその男は自分の知っている物語の登場人物なのだから。

 

「前置きはそこまででいい、本題に入ろう」

 

髑髏の男の言葉に帽子の男は肩を竦める。

 

「やれやれ、せっかちだな、まぁ良いけどさ」

 

そして改めて男の方を見て言う。

 

「では本題だ。お前はこれから転生する事になるだろうがその前に幾つか注意点がある」

 

男は黙って髑髏の男の言葉に耳を傾ける。すると髑髏の男は続けて言う。

 

「まず1つ目だが、転生するにあたってお前には特典が与えられる事になっている。例えば身体能力の強化や学力の向上、他にも色々あるが・・・まぁそれは後で確認してくれ」

 

髑髏の男の説明に男は納得する。確かによくある話だと男は思ったからだ。しかし同時に疑問が生まれた。何故そのような事をする必要があるのかと?するとそれを察したのか髑髏の男が言う。

 

「理由は単純だ、お前はこれから前世とは全く違う世界に行く事になる」

 

男の疑問に対してそう答える髑髏の男に男は首を傾げる。

 

「どういう事だ?」

 

男の質問に髑髏の男は答える。

 

「つまりだな、お前が生きていた世界とは異なる歴史を歩んだ世界に行く事になる訳だ」

 

髑髏の男の説明を聞いて男は納得する。なるほどそういう事かと納得していると今度は帽子の男が口を開く。

 

「まぁ簡単に言えばパラレルワールドって奴だな」

 

男の疑問に対してそう答える帽子の男。そしてそのまま話を続ける。

 

「それで、特典についてだけど・・・これは特定の物を転生先の世界に持って行く事も可能だ」

 

帽子の男の言葉に男は考える。自分が持って行く特典、それは一体なんだろうか?しかしいくら考えても答えは出ない為、とりあえず保留にする事にして話の続きを聞く事にした。

 

「2つ目、これが1番重要な事だ、今のお前では転生しても生き残る事は難しいだろう」

 

髑髏の男の言葉に男は首を傾げる。確かに自分は過労死した身ではあるが、それでも転生すれば何かしら変わるのではないだろうか?と思っているとそれに答えるかのように髑髏の男が口を開く。

 

「確かに転生すれば身体能力は上がるし、特典を使えばある程度強くなる事は出来るだろう。だがそれでもなおお前は弱い」

 

髑髏の男はそう言うとため息を吐く。そして続けて言う。

 

「だからお前は、俺が鍛える事にした」

 

「何?」

 

髑髏の男の言葉に男は思わず聞き返す。今この男はなんと言ったのか?自分を鍛えるだと?何故そんな事をする必要があるのかと男が考えていると、それを察したのか帽子の男が代わりに答えるように言う。

 

「まぁ簡単に言えば君を強くする為さ」

 

そう言って笑う帽子の男に男はますます混乱する。一体どういう事なのかと考えていると、髑髏の男が言う。

 

「まぁそういう事だ、とりあえずお前はこれから俺の弟子になってもらう」

 

そう言って男は男に向かって手を伸ばす。しかし男はその手を取らなかった。いや取る事が出来なかったのだ。何故なら・・・今の男は蝶の姿になっている為にそもそも取る手が無いのである。

 

「おっと、その姿のままじゃ確かに握手も出来ないか」

 

帽子の男は後頭部を掻きながらそう言うと右手の指をパチンと鳴らす。すると次の瞬間、男の身体が光り輝き元の人間の身体に戻った。

 

「これで良いか?」

 

帽子の男の言葉に男は頷くと髑髏の男の方を見る。そして恐る恐ると言った感じで手を伸ばすと、その手を男が掴む。そしてそのまま握手をした。

 

「さて、これで準備は整ったな」

 

髑髏の男はそう言うと男から手を離す。そして帽子の男の方を見て言う。

 

「それじゃあ早速始めるとするか」

 

2人の会話について行けず困惑する男を他所に2人は話を進める。すると次の瞬間男のすぐ後ろに魔法陣のような物が現れたかと思うとそこから光が溢れ出し何かが形作られていく。そして光が収まると、そこには髑髏の男が持っている物と形状は違うが同じサーベルとハンドガンが床に置かれていた。

 

「これは?」

 

男が疑問を口にすると髑髏の男が答える。

 

「お前の武器だ、受け取れ」

 

そう言われ男は恐る恐るそれを手に取る。見た目よりも軽い事に驚いている男を見て帽子の男は笑う。

しかし男が振り返ってみれば、そこには右手のサーベルを男に振り下ろそうとする髑髏の男の姿が。突然の出来事に男は何も出来ず髑髏の男に斬られ絶命する・・・が、すぐに男は五体満足で復活する。

 

「えっ?」

 

男はすぐに起き上がり自分の身体を触りながら確認するが、どこも斬られた様子は無い事に驚く。そして髑髏の男の方を見て言う。

 

「これは一体・・・」

 

男が困惑しながらそう尋ねると帽子の男が答えるように言う。

 

「この空間でなら、何度死んでもすぐ蘇れるさ」

 

「なるほど・・・」

 

男は納得するとハッとなり改めて髑髏の男に向き直り、そして睨みつけて怒鳴るように声を出す。

 

「卑怯だぞ、何の準備もしていない奴をいきなりやるなんて!」

 

だがその言葉を受け、髑髏の男は呆れたように溜め息を吐きつつ言う。

 

「何を言っているんだ?これは戦いだぞ、そんな甘い事を言っているとすぐに死ぬ事になるぞ?」

 

髑髏の男の正論に男は何も言えず黙り込むしかなかった。確かに彼の言う通りだと思ったのだ。だがそれでも納得出来ないものは出来なかったのである。何故なら彼は今まで平和な日本で暮らしてきたのだから・・・しかしそんな彼の気持ちなどお構いなしとばかりに髑髏の男は再度右手のサーベルを構え、男に斬りかかる。それを何とか避ける男であったが、しかしすぐに避けた先に髑髏の男は先回りしておりサーベルが男の身体を斬り裂く。

痛みと共に血飛沫が上がる中、今度は腹に蹴りを入れられ吹き飛ばされる男。それに間髪入れずに髑髏の男が左手でホルスターからハンドガンを取り出し男に向け発砲する。放たれた弾丸は男の右太ももに命中し貫通し、男は悲鳴を上げるがそれでも何とか立ち上がり逃げようとするも今度は足を撃たれ転倒してしまう。

そして倒れた所に髑髏の男が馬乗りになると、容赦なく右手のサーベルを男の胸部に突き刺し他。血飛沫が飛び散り辺り一面に血の雨が降る中、やがて男が動かなくなるとそこでようやく手を止めると立ち上がる髑髏の男。

 

そしてまたすぐ男は復活し、また同じように殺され続ける。

 

 

 


 

 

 

それからどれくらいの時間が経っただろうか?男はもう何度殺されたか分からなくなっていたがそれでも尚立ち上がり続けていた。

せめて髑髏の男から1本取ってやるという想いだけで。

 

そんな男の想いに答えるかのように少しずつではあるが確実に髑髏の男の攻撃を避けられるようになってきていた。これは男自身も驚いていたのだが、同時に自信にも繋がっていったのだ。

 

そしてついにその時は来た。サーベルと銃での攻撃が全て躱されながらも男の放った拳が髑髏の男の顔に命中したのである。その一撃は男にとって渾身の一撃であり、今までで一番のものだったかもしれない。だがそれでも尚髑髏の男は倒れなかった。しかし男の顔には笑みがあった。何故なら初めて攻撃を当てる事が出来たのだから・・・。

 

「合格だ」

 

髑髏の男の言葉に男は呆然とする。まさか本当に当たるとは思っていなかったからだ。しかしそんな男を尻目に髑髏の男は続けて言う。

どうやらこれから転生が始まるようだと男が考えていると、ふと疑問が浮かんだので尋ねてみる事にした。それは何故自分なのかという事だ。確かに自分は過労死した身ではあるがそこまで強い訳ではないし、自分には取り柄も無いと思う男だったが、それに対して帽子の男が答えるように言った。

 

「最初に言ったろ?俺達が君を選んだんだ」

 

髑髏の男もローブの女もそれに同意するように頷く。それからしばらく沈黙が続いたが、やがて髑髏の男が口を開く。

 

「お前との時間は中々楽しかった、名残惜しいがそろそろ時間だ」

 

髑髏の男がそう言うと男の背後に石造りの大きな扉が出現し、男を招き入れるようにゆっくりと開く。

 

「さぁ、行け」

 

髑髏の男の言葉に男は頷くと立ち上がり扉に向かって歩き出す。そして扉の近くまで来ると一度振り返り3人の方を見ると、髑髏の男に視線を向け口を開く。

 

「なぁ、あんたもしかして・・・」

 

「・・・」

 

男は髑髏の男に何かを問い掛けようとするが、少しして首を横に振った。

 

「・・・いや違うな、あんたは俺が知ってる人でもあり、そして俺の師匠でもあるんだ」

 

「そうか・・・」

 

男はそう言うと扉に向かって歩き出す。そして最後に振り返り3人を見て言う。

 

「ありがとうな、俺を強くしてくれて」

 

3人は何も言わずにただ黙って男を見送ったのだった。それから数分後・・・扉が完全に閉まると、そのすぐ後に扉は消滅し跡形も無く消えてしまった。残ったのは髑髏の男だけであり彼は静かに立ち尽くしていた。するとそこへ帽子の男とローブの女がやってきて声を掛ける。

 

「行っちまったな」

 

帽子の男がそう呟くように言うと髑髏の男は頷く。それから少ししてローブの女が言う。

 

「彼にはこれから多くの試練が待ち受けている事でしょう、しかしそれでも彼はきっと乗り越える筈です」

 

「あぁ、そうだな・・・」

 

ローブの女の言葉に髑髏の男が同意するように言う。そして今度は帽子の男の方を向く。

 

「頼んだ物は用意出来たのか?」

 

「あぁ、勿論さ、何せ1度は俺が作った物なんだからな、作り直すのなんて訳ないさ」

 

帽子の男がそう言うと髑髏の男は頷き、今度は帽子の男が髑髏の男に問う。

 

「そう言うお前こそ、随分あいつを気に入ったみたいじゃないか」

 

「まぁな。あいつは見込みがある」

 

髑髏の男の言葉に帽子の男は笑う。それから少ししてローブの女が言う。

 

「それではそろそろ私達も行く事にしましょうか」

 

その言葉に2人は頷く。そして3人が帰る中、帽子の男が話を続けるように言う。

 

「だからお前は自分の名を彼にプレゼントとして送ったのか?・・・()()()()()

 

「・・・」

 

帽子の男の言葉に髑髏の男(ハーロック)は沈黙で返した。そしてそのまま3人は姿を消したのだった・・・。

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