COSMIC ERA -SPACE PIRATE-   作:天羽々矢

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新年1発目の投稿です、元日に仕上げられて良い事あるかね?( ̄▽ ̄)
2025年もよろしくお願いしますm(__)m


PHASE-02 時と、邂逅と

それから男は自身を鍛え生き残る為の訓練を始めた。

 

これは転生前に髑髏の男(ハーロック)との特訓で覚えた事を鈍らせない為でもあるが、身体を動かしていれば少しでも両親の死という現実から目を逸らす事が出来るという幼い身体での精一杯の抵抗でもあった。

 

それから時は流れ、ようやく幼い肉体と精神が両親の死という過酷な現実を受け入れ始め、男もようやく前を向いて歩き始める事が出来るようになった。

 

 

 


 

 

 

C.E.(コズミック・イラ)66年:東アジア共和国・・・

 

男は13歳となり中学校へと進んだ。その頃には男は両親を失った悲しみを乗り越え、前を向いて生きようと決意していた。

そんなある日の放課後、男は学校帰りにスーパーに寄っていた。目的は夕食の食材を買う為だ。

 

(今日は何にしようかな?)

 

両親が死んでからは自分で自炊し食事を用意する事が多くなったのだが、その内に作る事が楽しくなり始めたのである。

そして今ではちょっとした趣味にまでなっていたのだ。

そんな訳で買い物を終えスーパーを出て帰宅しようとした時、何やら路地裏から声が聞こえたような気がし、男はそちらに足を向ける。

路地1本入ればそこは光の届かない薄暗い空間となっている。

 

「誰かいるのか?」

 

男はそう声をかけると路地の奥へと進む。そこには5人程の高校生ぐらいの男子が中学生程の男子2人を相手に群がっている。

中学生男子2人は見て分かる程ボロボロだが、よく見ればその2人の奥には何やら箒を持った1人の女の子がいた。

只事ではない事は確かな為、男はその集団に声をかける。

 

「おい、何してんだ?」

 

その声に反応し高校生達は一斉にこちらを向くと、男を見てニヤリと笑みを浮かべる。そして・・・

 

「何だ?こいつ?」

 

1人の男がそう言うと他の4人も笑い出す。そんな様子に苛立ちながらも男は言う。

 

「・・・何してるんだって聞いてんだ」

 

「何って、なぁ?」

 

男の言葉に1人が答える。そしてそれに同意するように他の4人も笑い出す。そんな様子に男は苛立つが何とか抑え込むと再び尋ねる。

 

「・・・その子はお前らの知り合いか?」

 

そんな問い掛けに対して高校生達はゲラゲラと笑うと・・・ 1人の男が男子中学生の片方を殴り飛ばす。

それを見た瞬間男の頭の中で何かが切れる音がした気がしたが、そんな事は知らず男子高校生グループの内の1人が口元を歪ませながら口を開き声を発する。

 

「あの女はコーディネイターで、俺らはナチュラルなんだよ、なのにあのバカ2人はコーディネイターの女を庇ってやがんだ」

 

「そうそう、だから俺らが教育してやってんの」

 

男子高校生の言葉に男は理解する。そして理解した瞬間・・・ブチ切れた。

 

「なぁ、折角だしお前も一緒に・・・」

 

高校生グループの内の1人が男に振り向いた瞬間、その顔面に拳が叩き込まれた。

 

「ぐあっ!?」

 

殴り飛ばされた男子高校生はそのまま地面に叩きつけられた。そして何が起こったのか分からずに呆然としている他の4人に、男はゆっくりと近づいくと・・・背負っていた鞄を地面に置く。

 

「てめぇッ!!」

 

1人が殴りかかるがそれを最小限の動きで避けると、カウンターの要領で拳を顔面に叩き込む。そしてそのまま他の3人にも拳を叩き込み続ける。

 

5分後・・・そこには5人の男子高校生達が倒れ伏していた。しかし男も無傷という訳ではなく、所々から出血しており息も荒くなっていた。

そんな男の姿を見て女の子は箒を握り締めながら口を開く。

 

「・・・あ、あの・・・」

 

「・・・大丈夫か?」

 

男はそう言いながらボロボロになっている2人の男子中学生と少女に近づく。

良く見れば2人の男子中学生は、男の通っている中学校の制服である藍色の学ランとズボンを着用していた。

 

3人を連れ男は一先ず休息の為先程までいたスーパーに戻ってきた。

 

「ほら、オレンジジュースで良かったか?」

 

そう言いながら戻ってきたのは先程助太刀した男子中学生の内の1人。艶のある黒髪と緑色の瞳で顔立ちも整っている。殴られた痕が痛々しいが時間が経てば治るだろう。

今は、2人の男子中学生が男に対し謝礼として飲物を奢ろうとしている所だ。

 

「取り合えず喉通ればいいさ、ありがとな」

 

そう言って男は2人の男子中学生に礼を言う。

 

「いえ、こちらこそ助けていただきありがとうございました」

 

黒髪の少年とは別の男子中学生が頭を下げた。そんな様子に苦笑しながら男は口を開く。

 

「助けたのは成り行きだからな、コーディネイターだナチュラルだで差別するバカにムカついただけだからな?」

 

「それでも助けていただいたのは事実ですから」

 

そう言って男子中学生は再び頭を下げた。そんな様子に男は苦笑しながら言う。

 

「まぁ、それでいいか・・・」

 

そこで男はオレンジジュースのペットボトルを開け一口飲む。

 

「アンタの名前聞いてもいいか?恩人の名前も知らないってのは気分悪いしよ」

 

「おい、そんな言い方しなくても・・・!」

 

黒髪の少年の言葉にもう1人の男子中学生が口を挟む。どうやら彼は少し荒っぽい性格のようだ。しかしそんな少年の様子を見て男は言う。

 

「別に気にしてねぇよ、見たところ同い年みたいだし」

 

「そっか、なら良かったぜ。俺はシュウだ、シュウ・オオヤマ」

 

黒髪の少年・・・シュウはそう言うと笑みを浮かべる。どうやら彼は見た目よりも温厚な性格のようだ。そしてもう1人の男子中学生も頭を下げると名乗る。

 

「俺はタスク・ウォーカーです」

 

タスクと名乗った男子中学生は幼いからか元々かは不明だが少し色白の肌に十分イケメンとも言える位には顔立ちは大分整っており、首筋まで届き額にかかる暗褐色の髪と紫色の瞳が特徴的だ。

 

「そうか、よろしくな2人とも」

 

そう言うと男も軽く会釈する。そしてオレンジジュースを一口飲むと2人の方に顔を向ける。頬にある傷跡が自ずと2人の目に入るが名乗ってくれた者に対し自分が名乗らないのは不作法だろう。

そよ風が男の短い黒髪を僅かに靡かせダークブラウンの瞳が2人を射抜く中、男も名乗る。

 

「俺は、リョウマ・M(ムサシ)・ハーロック」

 

それが男・・・リョウマ・M(ムサシ)・ハーロックと、この世界で共に生きる事になる仲間との出会いだった。

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