金持ちレズ女はニコに付き纏う   作:──

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ニコを無理矢理にRandom Playから連れ出したレイア。

しかし、Random Playからいくら離れてもレイアは一向に口を開かず、ラーメン屋を通り過ぎて横の路地裏に入ると、その奥で足を止めた。

 

「ね、ねぇ、なんだってこんなところに───」

「……ニコ」

「っな、なにかしら……?」

 

振り向いたレイアの瞳には、見たことのない色が宿っていた。

緊張とも、不安とも違う、けれどそれら全てが混ぜ合わされた様な不思議な瞳でレイアはニコを見つめている。

少しの沈黙の後、彼女は決心したように一歩踏み出して、同時に言った。

 

「もしも私が……血も涙もない、人の血が通っているかすら怪しい女だったら、あなたはどうする?兄も妹も、みんなみんな殺してしまうような女だったら……どうする?」

 

その声はひどく震えていて、普段の自信満々な様子が思い出せなくなりそうなほどだった。

そして、その言葉を聞いてようやくニコは以前の約束を思い出した。

 

「そうだったわね。聞かせて頂戴、アンタの昔の話」

「……えぇ、心して聞いて」

 

レイアは、自分自身を落ち着かせるようにゆっくりと深呼吸をした。

 

「……私の生まれは、旧都崩壊以前から続く旧家よ。私たちは、絶対的な実力主義と冷酷な功績主義を柱として掲げ、その下に発展を続けて来た。そして、代を追うごとにその思想は過激化して、初代から数えて三代目に一つのルールを作った」

 

「『兄弟姉妹を殺し、生き残る一人こそが最も才気溢れる次期当主だ』と」

 

レイアの瞳に暗い影が落ち、ニコが息を呑んだ。

 

「……その制度も段々と過激になって、最後にはその試験のために孤児を集めるまでに至った」

「ちょっと待って、孤児を……?」

「えぇ、そうよ。孤児といっても物心ついた子にね、このルールを教えるの。そして、それを受け入れられるなら──兄弟姉妹()()()集められる仲間を殺して生き残れるなら、我らが一族の財産を当主として独占できると唆すの」

「じゃあもしかして、アンタは……」

「違うわ。……違うの」

 

ニコが自身に向けるその瞳から、レイアは彼女の言わんとすることを察し、すぐさま否定した。

レイアは相変わらずの暗い顔で、淡々と過去を話し続ける。

 

「……当時、集められたのは百人。その中で私は唯一前当主の血を継いだ純血だった。孤児が集められて、それが()()になる為の期間が数年。その後始まったのは、日常の皮を被った殺し合い。真っ先に狙われたのは私だった」

 

「彼らは結託していた。純血の私は、一つ前の殺し合いを生き抜いた者の血を継いでるから、最も危険だって言ってたわ。……でも、彼らは未熟に過ぎたし、私は明らかに異常に過ぎた」

 

彼女が語り始めたのは、殺し合いの物語であり、彼女の才が芽吹いた場所の記録だった。

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