金持ちレズ女はニコに付き纏う 作:──
「……それで?いつになったらお金を返してくれるの?ニコ」
「も、もうちょっと待ってちょうだい!」
いつもの掛け合いが展開されるRandom_Playだったが、今回は少し毛色が違った。
「……おかしい、ニコにいつもの必死さがない。──もしかして、返済手段があるのかい?」
「っ!?そ、そんなワケないじゃない……おほほほ」
「あれ?ニコ?」
背後から声をかけられたニコの顔色がサッと青くなる。
そんなことを露知ら、背後からニコに声をかけた少女──レイアは再度ニコの名を呼ぶ。
「……ニコ?ニコでしょ?」
「え、えぇ、昨日ぶりねレイア」
「何の話をしていたの?」
「え、えっとそれはその……」
答えを言い淀むニコに、アキラが無慈悲に答えた。
「彼女が僕たちに返していないツケがいつになったら帰ってくるのかと聞いていたんだ。別に今すぐじゃなくてもいいけれど、無期限に引き延ばされると困るからね」
「……あら?」
アキラのその言葉にレイアが首を傾げ、ニコがカチリと固まる。
「ニコってすっごく借金してるのね」
「……あ、あはは、そうなのよ。ちょっと困っちゃうくらい……」
「すごいわね、二千五百万──んむっ!?」
ニコは焦ってレイアの口を塞ぐ。
レイアが頬を赤く染めているのを無視して、ニコはレイアにそれを言わないように囁くが
「ちょっと!いまそれを言わないで!」
「──今度は、あなたの唇で私の口を塞いでね?」
「……二千、五百万?」
「もしかして、それって後ろにディニーって付いたりする……?」
ニコの願いも虚しく、Random_Playの兄妹はレイアの言葉の意味にたどり着いてしまった。
「そう!私が渡したの!それを使っても返済し切れないだなんて……、お二人とも、借金の残りはおいくら?」
「ま、待って待って!私たち、二千五百万なんて受け取ってないよ!」
レイアがニコへと振り返ると、彼女は気まずそうに目を逸らしている。
レイアは彼女へぐっと距離を詰めると
「ニコ?」
「………えっと、その」
「他でそんなに借金をしていたの?」
「……」
痛い沈黙が辺りを包む。
純粋な瞳で問うレイアに、ニコの良心が激しく揺さぶられる、
一方でRandom_Playの兄妹は、この少女からそんな大金を?という地に堕ちた悪党を見るような目でニコを見ている。
「……突然渡されたから、一応しばらく使わない方がいいんじゃないかって話になったのよ」
「……ふーん」
その時、レイアの瞳が暗く濁る。
ニコはその表情を孤児院の子供から見せられたことがある。
これは、激しく機嫌を損ねた子供の顔だ。
「……お二人とも、ニコの残りの借金はおいくら?」
「えっと、見知らぬ人にそれを話すのは……」
「言って!直ぐに!」
「え、えっと、まとめてメモしてあるから持ってくるね」
アキラが伝えることに難色を見せたその時、レイアから先ほどまでの様子からは想像もできないほどの怒りに満ちた大声を浴びせられ、リンが焦ってニコのツケを纏めたメモを持ってくる。
すると、レイアはメモに書かれた総額と全く同じ額をその場で小切手に書き込み、押し付けるようにリンの手に握らせる。
「私が!肩代わり!するから!」
レイアは背を向けると乱暴な足取りでその場を去っていった。
「……ニコ、さっきの子は……?」
ニコはアキラとリンに彼女のことを説明した。
彼女が以前破格の金額の依頼で出会った雇い主であること。
依頼の相場としてはあり得ない値段だったのを伝えずに報酬を受け取りの後にそれを伝えると、何故か惚れられたこと。
そして、彼女がTOPSを脅かすことができるほどの金待ちらしいことを。
「……それは──悪いことは言わない、今すぐ追いかけた方がいいんじゃないかな」
「そ、そうよね。ちょっと行ってくるわ!」
ニコは彼女のは歩いていった方向へと、走ってゆくのだったら、
その後ろで
「ほんとにいたんだね、白銀女王」
「……なんだいそれは」
「インターノットと現実のどちらにも出没する女の人の都市伝説で、その人の求めることに答えられると、湯水のようなディニーが貰えるんだって」
嬉々としてインターノットで拾った都市伝説を語るリンを見て、アキラはため息を吐くのだった。