「虹夏、今何時?」
「…人に聞く前に、そのフザケたアイマスクを取れ!」
…何でアイマスクに「キリッ」とした目が付いてるのさ。何処で売ってんの、それ。
今は羽田空港の駐車場。
通称「結束モービル(リョウ命名)」…中古ハイエートの中で待機中。…名前ダッッサ!
もう日が暮れてかなり経つ。冬は日が落ちるのが早いねぇ。
ここまであたしが運転。リョウは助手席で此処に着くまで惰眠を貪っていた。
かれこれ、此処に着いてから一時間程。ちょっと早く来過ぎたかな。でも、スマホで確認したら、大体こんな時間に着く筈なんだよね。
ぼっちちゃんと喜多ちゃんが乗った飛行機は、ロンドン発、上海経由で此処に着くらしい。
あ〜、エコノミー席で十何時間って…辛そうだなあ。飛行機は、高校の修学旅行で国内便に乗ったきりだから…高々2〜3時間位?だったけど、それでも結構疲れた覚えがある。
それが何倍もだよ。想像出来ないや。
何と無く明かりが灯るターミナルを見遣る。
…いよいよだね。帰って来る。
うん、何だろう。この気持ちのザワメキは。
期待?
不安?
戸惑い?
…解んないや。
何処と無く子供の頃に感じた、大晦日から年明けの時に感じる気持ち…それに通じてるような。
全てが終わって…それで、全てが始まって…これから…始まって。
…そっか。ここから始まるのか。これから始まるのか。
また、新しく生まれるんだ。
新たな音を産み出すんだ。
あたし達、ゴー!
リョウが見てないのを良い事に、右腕を突き出す。
「…虹夏、何恥ずかしい事してるの?」
アイマスクを外したリョウと目が合う。
「………こんな時だけ見てるなーーー!」
ーーーーーーーーーー
「またのご利用をお待ちしております、ヒーロー」
なんか凄く恥ずかしい事を言われてる…
そもそも、一緒のシートで郁ちゃんと寝こけてしまって、目が覚めたらそれをCAさん3人の微笑ましい笑顔で見られていた時点で…溶けた。
「キャー!ひとりちゃん冷たい!何で!?え、あれ!?何処!?ここ!」
…わたし、溶けると冷たいらしいです。…へへ。
それから道中、違うCAさんが通る度に
「良いもの見せて貰ったわ!」
みたいな顔で親指立てて通り過ぎるのは、勘弁して下さい…
上海経由して(ニイハオ!)…それから羽田空港へ。
しかし…ファーストクラスのご飯って…凄い!
フランス料理のフルコースみたいなのが出て来て、全てが美味しい。と言うか凄過ぎて味が良く判らなかった。
郁ちゃんは「フンフン、中々やるわね」なんて感じで食べてて…どれだけメアリさん達と凄いご飯食べて来たんだろ。
わたしと暮らしたら…毎日フルコース!?満漢全席!?
お…お金が…あばばば…
…そう、日本に着いたら、郁ちゃんと…ど、どうせぃ…同居する事に決めました。
いくら何でも、金沢八景はシモキタから遠過ぎる!と言う事で。
…郁ちゃんの圧に圧されたような気が…しないでも無いけど。
それでも、ロンドンであれだけ一緒に寝てたし。今更一人寝は寂しい、し…。何か背中暖かいと安心するし。
はい、わたしも一緒に暮らしたかったです…
☆
シートベルト着用のランプが着く。
飛行機が高度を下げ、真っ暗な海と街の間を滑り込んで行く。
軽い衝撃。その後、身体が前方に持って行かれる。
みるみる速度を落として…滑走路から外れて行く。
暫く這うような速度で進み…そして、完全に停止した。
瞼を2、3回、瞬かせる。頬を両手でペシペシと軽く叩く。
…帰って来た。
帰って来たんだ。此処に。日本に。東京に。皆の所に。
自然と目が潤んでくる。隣を見る。郁ちゃんも若草色を潤ませて。
「ひとりちゃん。…おかえり」
「郁ちゃんも…おかえり」
「「…ただいま!」」
顔を見合わせて、微笑み合った。
ーーーーーーーーーー
「リョウ!今のじゃ無い?」
「…わかんない」
「もう良い時間じゃない?ターミナルに行ってみようよ!」
「…眠い」
「…散々寝てたろうが!」
リョウを無理矢理引っ張って、ターミナルビルへ向かう。
…うわぁ、広い!何処か解んない!
戸惑っていると、あたしの袖をクイと引く感触。
「虹夏、こっち」
…ああはいはい、あんたはブルジョア家庭だったよね。空港なんか来慣れてるよね。
リョウに導かれ、目的のゲートらしき場所に着いた。
「…ホントにここ?」
「上海からのゲートはここの筈。何回か行ってるから」
生活レベルが違うなぁ…
でも、そうか…もうすぐあのエスカレーターを降りて、二人が…顔を…見せる…ん、だ。
ぼっちちゃん。
喜多ちゃん。
およそ、1年以上。どれだけこの日を待ってたか。
色々あったなぁ…
あたしが怪我をしたのが始まりで。
その前から、メンバー皆が行き詰まり感を感じてて。
そのままだと「その土地じゃあそれなりに人気のあるバンド」で終わってたと思う。
例え何十年演ってたとしても。…それなりの、バンド。
そのままでも…楽しくは演れたのかもしれない。
それなりに人気で。
それなりに地方にも呼ばれて。
それなりに収入はあって。
でも、それだけで生活するにはちょっと不安で。
それでも…それなりに楽しくて。
歳を取ってから、「下北沢じゃあまぁまぁ人気だったんだよ」なんて、お酒の席で誰とも無しにプチ自慢して。
ミニアルバムも何枚か出させて貰って。
それを生涯の宝のように、大事に抱え込んで。
それだけで。
それまでで。
後は…何にも無くて。
それでも、良かったのかも…しれないけど。
でも…皆がそれじゃあ納得出来なくて。
人気になるのが全てじゃ無い。観客を多く呼べるのが勝ちじゃ無い。…でも、でもさ。聴いてる皆の心に届けば…皆が何かを感じ取ってくれるなら。自然にあたし達は狭いサークルから飛び出していってしまうよ。
最初にその狭い世界から飛び出そうとしたのは…ぼっちちゃんで。
あの子は、1番「自分がやらなそう」な行動を起こした。
それは自らへの憤りだったのかもしれない。
誰かのヘイトが最終的にぼっちちゃんの導火線に火をつけて。
ぼっちちゃんは
「わ、わたしは何もやらないとニートまっしぐらですから」
なんて以前言ってたけど。
「全てを羨んで、そのまま押入れに篭って…恨み言を言いながら、でも何もやらずに…ただ息をしてるだけだったと思います」
なんてお酒の席で。
でもね、ぼっちちゃん。
ぼっちちゃんは、それをやれる程…自分を愛せなかったよね。
自分を愛してる人は、自分を守る為に自分自身を囲おうとする。
ぼっちちゃんは、そんなに自分を愛せなかった筈。
常に「誰か自分を愛して!」と声にならない声で叫んでたけど…それは自身にも向けていたよね。
「ねぇわたし!わたしを愛して!」って。
喜多ちゃんも、そんなに自分自身を愛して無かったんじゃ無いかな。
誰とも仲良くなれる。誰ともコミュニケーションを円滑に出来る。
大概何でも上手くこなせる。余り自分の中で「落ち」が無い。
翻せば、強烈に「自分が求めるモノ」が、無い。
揺るがない「自分」が、無い。
何と無く判ってたんだ。
まだロンドンに行く前。喜多ちゃんが「立ち止まっちゃって」るの。
ソツが無い自分が、誰かに…何かに…強く、強く求められない事。
多分…あのままだと、喜多ちゃん…バンド辞めちゃってたよね。
最初は「自傷行為」紛いにぼっちちゃんに執着してたんじゃ無いかな。
傷も無いけど引っ掛かりも無い自分の心に、傷を付けて貰おうと。
ただ…ぼっちちゃんは余りにも「強烈」だった。
喜多ちゃんに対して、劇薬過ぎた。
惑星の周りを巡る衛星のように、ただ近くに居たくて。
それでも引力が強過ぎて。
衝突する程引き寄せられてしまって。実際衝突してしまって。
そこで普通、人間は無理矢理離れるか…壊れてしまうか。
それでも、そこで普通じゃ無いのが喜多ちゃん。
ぼっちちゃんという「強烈な惑星」と融合を試みて。
双子星のように、一緒に動き始めてしまった。
やっぱり喜多ちゃん、君も元々「普通」を歩めなかったよ。君はどうやっても「破天荒な道」を進むしか無かったよ。
リョウもね。
孤高に見せてるけど、人一倍寂しがり屋で。
アブノーマルを気取ってても、自分の中のノーマルを捨て切れなくて。
自分の中の軸に、常に寄り添ってくれる存在を求めてて。
生活的にはあたしかもしれないけど、「音楽的な軸」に寄り添ってくれたのはぼっちちゃんでしょ。
最初はホントに偶然だったよね。
たまたま公園で佇んでた野良ギタリストを拾って来て。
リョウもあの時、ここまでの繋がりになるなんて考えて無かったでしょ。
あたしが偶然連れて来たのが「ギターヒーロー」だなんて…何の冗談だって。
そして、そのギタリストが…リョウの世界観を拡げてくれる存在になるって。
まるで考えて無かったでしょ。
もう、「この4人」以外には有り得ない。
「この4人」じゃ無くなれば、全てが無くなる。
誰が誰の代わりになっても、駄目なんだ。
そんな4人が…もう直ぐまた揃うよ。
もうすぐ。
ーーーーーーーーーー
…何で乗務員さんが全員生暖かい視線を向けるんだろ。
ひとりちゃん…何かした?
まあ、向こうの空港でちょっとやらかしちゃったけど。
それが伝わってたとしたら…ちょっとした有名人?
…うん、そう思っておこう。
乗務員さん皆に「英雄」って呼ばれるし。
ひとりちゃんも、フライト中に1回溶けちゃってから…妙に余所余所しいのよね。
何か見ちゃったの?それとも見られた?
…まあ良いわ。
私も大概、神経がそれなりに太くなったって自覚がある。
その時何かあっても、後のリカバリーで何とかすれば良い…って思考回路になった。
これもひとりちゃんのせぃ…お陰、かな。
でも、ロンドンの生活は刺激を受けてばかりだったな。
刺激…と言うか…衝撃?
国が違うと、あそこまで人々の考え方が変わるって…戸惑った。
日本は「一つの国」って意識が強いけど(当たり前ね)、イギリスは幾つかの国が合わさって。それぞれに「その国」の人の尊厳があって。
せれだけでも意識が違った。
怖い思いもした。ヘイトもあった。
でも…それ以上に「掛け替えの無い」出会いがあって。
姉が出来た。
仲間が出来た。
生涯忘れられない、胸に残る気持ち。
それを抱えて…日本に帰って来た。
私は一旦、「自分の賭け」に勝った。
でもそれは…リ・スタートの為の、スタートラインに立てただけ。
これからが「ホントの勝負」
誰に対してじゃ無い、「自分に対して」の勝負。
ノるかソるか。
転けるか走り抜けられるか。
高く飛べるか…地の底に墜落するか。
…ロックね。
イエス。アイムロックンローラー!
光の中か。闇の底か。
今、ドアが開く!
ーーーーーーーーーー
待ったよ。
待った。
もう、いい加減待った。
自分自身に、待った。
ぼっち達が帰るまでに、自分を待ち続けた。
そして
自分が、やっと追付いた。
自分は天才だと鼓舞して。
自分は何でも出来ると誤魔化して。
そんな見栄は周りに…ぼっちに引っ剥がされて。
丸裸になって。
イチから自分を見詰め直さないといけなくなって。
心細くなって。
虹夏に頼ろうとも、虹夏も大変で。
でも…
ここで自分を何とか出来ないと、4人で居られなくなる気がして。
こんなに自分を追い込んだの…初めてかも。
これだけ本気になったの…初めてかも。
そして、やっと。
「自分」が「わたし」に追い付いた。
やっと胸を張って、ぼっち達を迎えられる。
ぼっち。郁代。
もうすぐ「答え合わせ」だ。
4人で進めるか、4人で登れるか。
4人で…最高になれるか。
ビビるなよ、山田リョウ。
「わたし」は「お前」がビビりだって知ってるよ。
なんとも震えてくるね。
いや、違う。
これは…
獣が獲物を喰らう前の、武者震いだ!
…この時くらいは、見栄を張らせて。
ぼっち。準備は万端だぞ。
郁代。舞台は万全だよ。
まだ来るな!…いや、早く来い!
来い!
ーーーーーーーーーー
乗務員さん皆から「英雄•英雄」言われてちょっと良い気分でタラップを降りて行く。
さあ!ヒーローの御帰還だ!
…済みません調子に乗りました。…郁ちゃん、脇腹突かないで。
このタラップが…栄光の架け橋になるか。死刑台への13階段になるか。
そんな事、誰にも解らない。
どっちにしても
keep fighting!…だよね。
闘い続けろ!奏で続けろ!
鉄を!指で!
折れ朽ちるまで!
ーーーーーーーーーー
あぁ…エスカレーターを乗客が降り始めて来た。
まだかな。もうかな。
ぼっちちゃん。喜多ちゃん。
…何か、照明が暗くなって来た?
雨も降ってきたよ。室内なのに。
目の前が…滲んで来た。
この空港、壊れて無い?
おかしいよ。
折角笑顔で迎えたいのに。
こんなに暗くちゃ。こんなに濡れてちゃ。
はやく直して!
お迎えが…出来なくなるよ…
ーーーーーーーーーー
ひとりちゃん。やっとここまで来たね。
再び始める為に。終わらせて来た。
日本に降り立つと、お醤油の匂いがする…って誰か言ってたけど、解らないな。
それよりも、肌で解る。理解する。
…ここが私達のステージだ!
ここからまた…始める。
いつ終わるか解らない道を、ひとりちゃんと。皆と。
メア。レヴィ。見てて。
貴女達の所まで登って行く妹を。
その為のチケットなんて、手の中には無いけれど。
心に刻んである。
貴女達に教えて貰った。
進め!って。立ち止まるな!って。
後悔?…そんなもの、犬にくれてやるわ。
覚悟?…いくらでもしてあげる。
私は私をベットして、誰も照らしてくれない道を進む。
3人の音を頼りに。手探りで。
私は覚悟した!
覚悟しろ、ロック!
ーーーーーーーーーー
徐々に人が増えてきた。
そろそろ来るかな。
うわ!凄いドキドキしてる。
このクールな天才の、表情にまで出てそうだ。
ヤバい!
ヤバいぞ山田リョウ!
お前はそんな可愛いキャラじゃ無いだろ!
もっとこう…泰然と出迎えろ!
顔見た瞬間、騒ぐなよ!
「…ヤァ」とかやるんだ!軽く手を挙げたりして。
…わたしは天才、…わたしは天才、わたしはクールな天才!…わたしはクーデレ!…あれ?
ちょ、ちょっとトイレ!…虹夏!なんで裾掴むの!ホントにトイレだったらどうするの!漏らしちゃうよ!?
ああ…続々と降りて来てるよ…
もうダメだ…
…ぼっちぃ〜、早く顔見せて安心させて…
ーーーーーーーーーー
このエスカレーター降りるともうロビーだよね。
虹夏ちゃんとリョウさん、居るのかな。
あ…マズい…吐きそう。
心臓が飛び出そう!
虹夏ちゃんがもし怪我が悪化でもしてサイボーグとかになってたらどうしよう!
「ピ…ピ…ニンム、カンリョウ。ゴトウヒトリ、ホカク」
とか言われたらどうしよう!?
リョウさんに
「………誰?」
とか言われたら!
「誰かと間違って無い?…この毛唐が!」
なんて言われたら!?
うう…
やっぱりわたし、成長してないかも…
もう、爆発しそう…
目が開けられない!
ーーーーーーーーーー
もう降りて来るかな!
ぼっちちゃん!あたし頑張ってたよ!
君の期待に応える為に。頑張ったよ!
前が見えないよ!
早く!
早く!
ーーーーーーーーーー
ひとりちゃん…ガタガタ震えてる。
後ろの私まで振動が伝わって来る。
かく言う私も…足に力が入らない。
幾らか心を落ち着ける為に、目を瞑る。
ふぅ…はぁ…
エスカレーターが長いよ…
ーーーーーーーーーー
うぅ…もうすぐ来る!
見慣れた人間が来るだけじゃないか!
なんでこんなに緊張するんだ!
ぼっち!郁代!
早く来てくれ!
いつもみたいに「あ、ど、どうも」って言ってくれ!
普段みたいに「リョウせんぱ〜い!」って笑ってくれ!
…目を…開けられない!
ーーーーーーーーーー
そして…邂逅する。
よっつの、星。
ーーーーーーーーーー
「…うぁ!」
ーーーーーーーーーー
「…ああっ!」
ーーーーーーーーーー
「あーっ!」
ーーーーーーーーーー
「…えっ!」
ーーーーーーーーーー
そろりと目を開ける………うぁ!に、虹夏ちゃん!
ーーーーーーーーーー
顔をぐしぐしと擦る………ああっ!ぼっちちゃん!
ーーーーーーーーーー
ひとりちゃんの声にビクリと反応して、目を開ける………あーっ!リョウ先輩!
ーーーーーーーーーー
虹夏の声に飛び跳ねる。そろりと目を開け………えっ!来た!
ーーーーーーーーーー
それは必然の邂逅。
当然の出会い。
始まりの…合図。
ーーーーーーーーーー
あと少しの段数を、こけつまろびつしながら駆け下りる。
「にっ、虹夏ちゃん!リョウさん!」
虹夏ちゃんは、一瞬ビクリとして…それからわたしの大好きな声で呼んでくれた。
「…ぼっちちゃーん!うわぁぁぁん!」
ゲートを出たわたしに飛びついてくれる。顔をグシャグシャにしながら。
あぁ…虹夏ちゃんの匂い。久し振り。とても落ち着く、全てを包み込んでくれる…この匂い。
あとからすぐ郁ちゃんも追い付く。そして、濡れそぼった頰もそのまま…リョウさんに抱き着く。
「リョウ先輩!…帰って来ました!」
「うん…うん…お帰り。よく帰って来たね」
リョウさんも頬を濡らして。わたしも良く前が見えない。
虹夏ちゃんを抱き締めながら、リョウさんに顔を向ける。
「リョウさん…帰って…来ました!」
「うん…おかえり、ぼっち。…でかした」
「は、はい!」
郁ちゃんはリョウさんから体を離して、虹夏ちゃんに向き合う。
「虹夏先輩!…ただいまです!」
「…うん!喜多ちゃん…無事に帰って来たね!…嬉しいよ!凄く…嬉しい」
皆で泣き腫らし、言葉も禄に出ない。
4人は、唸り声を上げて頷くばかりで。
こうして。
また星座は輝き始める。
人知れず、果てで弱い光を放つのか。
それとも
皆が見上げる空に燦然と輝くのか。
まだ、解らない。
それでも
一つだけ解っている事は。
ここが始まりで。
ここから生まれる。
その…輝く為の。
今は…本番8小節前。