0歳〜3歳
とある大企業に勤める私。
今日は友人である市川亜紀と一緒に休日を過ごしていた。
「ん〜!やっぱツナカッコイイ〜!!」
「うるさい」
叫ぶ亜紀にそう言ってコーヒーを飲む。
「ひ、酷いよ柚希…」
「場所考えなって。ここ外、喫茶店」
「ゔ…」
「はぁ…」
相変わらず馬鹿な亜紀に、深いため息を吐く。
「で?何だったっけ?」
「!あのねあのね!ツナがすんごいカッコイイの!!ツナだけじゃなくて、ボンゴレファミリー全員がカッコイイ!!」
「うるさいっつってるでしょ」
バシンッ
「痛い!」
頭を擦る亜紀に、そういえば、と亜紀に用があったのを思い出す。
「ほら」
「へ?」
「あんた今日誕生日でしょ?昨日思い出した」
「………開けてもいい?」
「どうぞ」
中を開けた亜紀は、中身を見るとそのまま数分固まってしまう。
「柚希?」
「ん?」
「頭いかれちゃった?ついに」
「ついにって何。要らないなら捨てろ」
「いるいる!!要りますぅ!!」
「だからうるさいって」
クスクスと笑っていると、亜紀も私に釣られて笑っている。
暫く談笑していると、何やら近くで悲鳴が上がった。
何かと思ってそっちを見てみると、車がこっちに突っ込んできていた。
「危ない!!」
キキィィイイイイーーーー!!!!
「亜紀ぃ!!!」
亜紀を思い切り突き飛ばし、亜紀だけでも助けようとした。
ドンッ!!!
「柚希−−−−−−−−−−−−−−−!!!!」
体に走る鋭い痛み。
ドクドクと体から流れ出る血の感覚。
全てがリアルに感じられた。
「柚希!柚希!死んじゃダメね!!絶対、死んじゃダメだからね!!死んだら、許さないから!!」
涙を流しながら必死に私の意識を繋ぎとめようとする亜紀。
けど、分かる。
私はもう助からない。
「あ……き…」
「!何!?」
「…ぃき…て……」
「何言ってるの!?柚希も生きるんだよ!?」
「ゎ……たし、も………だめ…ぽい」
「死んじゃダメ!お願い、死なないで!!」
「あき…」
「死なないで!死んじゃイヤーーーー!!!!」
「だぃ……すき…」
「柚希ーーーーーーーーー!!!!」
亜紀の叫び声を聞き、私はごめんと心の中で呟いて意識を手放した。
私は、確かに死んだはずだった。
体に走る鋭い痛み、体から流れ出る血の感覚。
それらを全て覚えている。
なのにどうして今意識があるんだろう。
少し息苦しくなって息をしようにも出来ない。
やっぱり死んだのか。
ここは、地獄か何かかな?
そう思っていると、そこから押し出されるような感覚が。
どうなって…!?
取り敢えず見えてきた光に向かって手を伸ばした。
一気に開放感を感じ、それに加え酸素が一気に肺に入ってきたのでむせた。
そして何かを発しようとしたのだが…
「おぎゃああぁぁああ!!」
……どういう事だろうか。
「おめでとうございます!立派な女の子ですよ!!沢田さん!!」
「まぁ…可愛い。家光さん。私と貴方との子よ」
「おぉ!!よくやった奈々!!可愛いな〜」
よく分からないけど、どうやら私は転生した…のかな?
この世に生を受けてから3年の月日が経った。
え?時間が経つのが速いって?
私があんな黒歴史をわざわざ話すとでも?
精神年齢がアレなのに、オムツ替えとか……死ねる。
まぁ、その話は今はどうでもいい。
この3年で分かった事が3つある。
1つ、この世界は亜紀が最も好んでいた『家庭教師ヒットマンREBORN!』の世界であること。
1つ、この世界は私が最も好んでいた『戯言シリーズ』『人間シリーズ』の世界であること。
1つ、私が転生したのは『沢田綱吉』の姉というポジションであるということ。
「死んだ」
私が裏社会のあれこれに巻き込まれるのは最早前提になる。
私にとって、これは辛い。
絶対に死ぬ。
それに、関わるつもりはないけれど、もし裏世界の誰かと関わってしまえば、それこそ死んだ。
裏世界は、裏社会とは比べ物にならないほど、力の差があるだろうから。
「どうしよう、かな…」
『沢田綱吉』はまだ生まれていない。
いつ生まれるか分からないけど(私が『沢田綱吉』のポジションでない事を祈る)、何かの策は練っていた方がいいだろう。
「柚希ちゃーん。お昼にするわよー」
「はーい」
あぁ、それと…。
私の精神がいつまで持つかが分からないかな。