好機逸すべからず   作:赤悪鬼

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幼少編
5歳〜7歳


5歳の夏、とうとう来た。

 

 

 

誰が?

 

 

 

 

ボンゴレⅨ世が。

 

 

 

 

 

「やぁ、君が柚希ちゃん、かな?」

 

 

 

 

「うん!おじいちゃんはだぁれ?」

 

 

 

 

 

出来るだけ無邪気を装って問いかける。

 

 

 

 

「私はティモッテオ。ティモと呼んでくれたまえ」

 

 

 

 

「ティモしゃん?」

 

 

 

 

「そうだよ」

 

 

 

 

「9代目。わざわざご足労ありがとうございます」

 

 

 

 

 

お父さんがそう言ってティモさんに頭を下げた。

 

 

 

 

「いいんだよ、家光。貴女が…奈々さんですな?」

 

 

 

 

「はい。いつも主人がお世話になっております」

 

 

 

 

 

「私の方こそ世話になっとるよ」

 

 

 

 

 

家の前ではあれなので、と家の中に入っていく。

 

 

 

 

どういう、事なんだろう。

やっぱり私は『沢田綱吉』のポジションを奪ってしまった?

いや、それは違う。

 

 

 

 

 

生まれ持った(別に持ちたくもなかったけど)超直感で、自問自答を繰り返す。

 

 

 

 

 

「9代目、柚希の事ですが…」

 

 

 

 

「うむ。分かっておる。女の子だからできれば巻き込みたくはないが…」

 

 

 

 

 

静かに首を横に振るティモさん。

それを見て悲しそうな表情をするお父さん。

 

 

 

 

「そうですか…」

 

 

 

 

「おとーさん?」

 

 

 

 

「柚希ちゃん」

 

 

 

 

 

ティモさんが私をゆっくりと抱き上げ、目線を合わせてきた。

 

 

 

 

 

「もしかしたら、君に重大な役割をしてもらうかもしれん」

 

 

 

 

 

それはつまり、ボンゴレ10代目を継ぐって事?

 

 

 

 

 

「すまない。巻き込みたくはないんだがな…」

 

 

 

 

身勝手なティモさん、それにお父さんに文句を言ってやりたくなった。

 

 

 

 

 

こんな小さい子に血生臭い話するなよ

 

 

 

 

多分この人達は私には理解出来ていないだろうから話しているんだろうけど、しっかり理解してるからね、私。

それに、お父さん。

 

あんた、娘を犯罪者にならせるなよ。

 

 

 

 

 

 

「ご飯、出来ましたよ」

 

 

 

 

お母さんが私達を呼びに来た事によって、その話は中断された。

 

 

 

 

 

その日の夕飯は豪華だったけど、味はよく分からなかった。

 

 

7歳になった。

 

 

私は今、とても困っている。

理由?

それは…

 

 

 

 

 

「えーっと、だれ?」

 

 

 

 

 

目の前に何故か、何故か(大事な事なので2回言った)玖渚機関の将来の機関長、玖渚直がいるんだよ。

 

 

 

 

 

「ここは何処です?」

 

 

 

 

私の質問は無視か。

 

 

 

 

 

「ここは並盛町だよ。迷子?」

 

 

 

 

「迷子…。そうかもしれませんね。ゆうかいされたので逃げてきたんですが、ここがどこか分からなくて困ってたんです」

 

 

 

 

「ゆ、ゆうかい…?」

 

 

 

 

ヒクヒクと頬を引きつらせる。

 

 

 

 

「な、なら早く家族の所に行かなきゃ。絶対心配してるよ?」

 

 

 

 

「ですが…」

 

 

 

 

「大丈夫。私ね、近くにおっきい会社があるの知ってるの。そこなら絶対に大丈夫」

 

 

 

 

 

安心させるようにニコリと微笑み、玖渚直の手を取って玖渚機関の会社へと向かう。

 

 

 

 

 

今だけ思う。

 

知識あってよかった!!

 

 

「ここだよ」

 

 

 

相変わらず見上げるのがしんどい程の高さのビル。

 

 

 

 

 

「ここ…」

 

 

 

 

「直様!?」

 

 

 

 

中から大人が出てきて、玖渚直を見つけると駆け寄ってきた。

 

 

 

 

 

「あぁ、良かった!機関長が凄く心配していましたよ!!……この少女は…」

 

 

 

 

 

「私をここまで送ってくれた、こうきな私のこうきな友人です」

 

 

 

 

 

「! それは失礼いたしました!直様はここにいてください。今すぐ機関長に連絡をします」

 

 

 

 

大人の人はそう言って中に入って行った。

 

 

 

 

って、玖渚直も連れてけよ。

また誘拐されたらどーするんだよ。

 

 

 

 

 

「私は玖渚直です。あなたは?」

 

 

 

 

 

「私は沢田柚希だよ」

 

 

 

 

「柚希…。あの、私と友達になってくれませんか?」

 

 

 

 

「………へ?」

 

 

 

 

 

真剣な表情の玖渚直に、私は素っ頓狂な声を出してしまう。

 

 

 

 

 

「ダメ、ですか?」

 

 

 

 

「え、あ、いや…。ううん。なろうか、友達」

 

 

 

 

 

ニコッと笑って手を差し出せば、玖渚直…直は笑って握手してくれた。

 

 

 

 

 

 

「私は中々会いにこれませんけど、時間があればれんらくします」

 

 

 

 

 

「うん。待ってるね。あ、私そろそろ行かないと…」

 

 

 

 

「そうですか。なら、また」

 

 

 

 

「うん。またね、直」

 

 

 

 

 

バイバイ、と手を振って直と別れる。

 

 

 

まさかこんなに早く戯言キャラと会うとは…

 

 

まぁ。殺し名とかじゃなくてよかった。

切実に。

 

 

とうとう、『沢田綱吉』がこの世に生まれた。

これでボンゴレ10代目はこの子になる。

 

 

 

…私は、薄情なのかもしれない。

だって、今凄く安心してるから。

 

 

 

 

あ、そうそう。

何故か私の誕生日に直から贈り物が届いた。

贈り物は最新のノートパソコン。

めっちゃ性能良かった。

 

 

 

何で私の誕生日知ってるんだろう、とか考えない。

何故って?

『玖渚機関だから』で済ませれるでしょ。

 

 

 

このノートパソコンのおかげで、私はほぼ毎日直とメールしてる。

直は忙しいから、向こうからメールしてくれるまで私は待ってるんだけどね。

 

 

 

 

 

 

「あぅ」

 

 

 

 

「ん?どうしたの?綱吉」

 

 

 

 

 

綱吉がはいはいしながらこっちに来る。

 

 

 

 

「あ〜」

 

 

 

 

「よしよし」

 

 

 

 

 

「ふふふ。柚希ちゃんはいいお姉さんになるわね」

 

 

 

 

 

「そうだな、奈々」

 

 

 

 

 

相変わらずピンクのオーラを醸し出している2人。

 

 

 

仲がよろしいようでよかったよ、全く。

 

 

 

 

「あ〜!う〜!!」

 

 

 

 

「いてて…。どうしたの?」

 

 

 

 

 

綱吉が私の髪を引っ張る。

 

地味に痛い。

 

 

 

 

「ツー君は柚希ちゃんが大好きなのね〜」

 

 

 

 

「きゃっきゃっ」

 

 

 

赤ん坊って可愛いな。

 

 

 

 

とか思っていると、もう小学校に行く時間。

 

 

 

 

………もう色々と諦めたよ。

 

 

 

 

 

「行ってきます」

 

 

 

 

「行ってらしゃ〜い」

 

 

 

 

ランドセルを背負って、並盛小学校に向かう。

 

 

 

 

 

これから本格的にヤバくなるかもしれない。

なら、持ち前のPCテクニックで事前に色々と調べておこうかな。

直から貰ったあのPCなら、逆ハッキングされる心配もなさそうだし。

 

 

 

 

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