好機逸すべからず   作:赤悪鬼

5 / 7
12歳-後半-

夏休みが終わり(早い?ネタ切れみたい)、日本に帰ってきた。

 

 

 

「やっぱ日本が一番〜」

 

 

 

 

「何言ってるんだ?」

 

 

 

 

「あ、惟臣。ほい、お土産」

 

 

 

「……………」

 

 

 

彼は烏間惟臣。

小学一年からずっと同じクラスの腐れ縁で、仲良くなった。

 

 

 

 

「夏休みは、親友とどこかに行くって言ってなかったか?」

 

 

 

 

「家の都合でオジャン。いきなりお父さんが帰ってきたと思ったら、イタリアに行くだのほざ……言ってさ」

 

 

 

 

「父親はイタリアにいたのか」

 

 

 

「うん、何の仕事かは聞かないでよ?」

 

 

 

 

「……分かった」

 

 

 

聞くつもりだったんだろう。

少々間が空いた。

 

私は苦笑いして

 

 

 

 

「知らない方がいいんだって。ふぁ〜。時差ボケが…」

 

 

 

 

「まだ時間あるだろ。それまで寝てたらどうだ?」

 

 

 

 

「惟臣がんな事言うなんて珍しいね。まぁ、お言葉に甘えさせてもらうけど」

 

 

 

 

 

机にうつ伏せて目を閉じると直ぐに眠気が襲ってきて、そのまま眠気に逆らわずに眠りについた。

 

 

 

「起きろ」

 

 

バシィッ

 

 

「うぐっ」

 

 

 

深い眠りから目覚めたのは、惟臣からの痛い拳のせいだった。

 

 

 

 

「惟臣…。もうちょっとマシな起こし方…」

 

 

 

 

「今度、並中に見学に行くらしい」

 

 

 

 

「無視か。てか見学?何の変哲もないのに?」

 

 

 

 

 

「並盛は、良くも悪くも普通の町だ。

誇る所なんて………あるのかな?

 

 

 

 

 

「あぁ。だが、今の並中は荒れてるらしいぞ」

 

 

 

 

「荒れてるぅ?」

 

 

 

「不良が多いらしい」

 

 

 

「ふっうーん」

 

 

 

不良のたまり場と化してるんだ。

別に私はそれでもいいけど、折角の中学ライフを邪魔されるのは嫌だなぁ。

 

そこで私はある事を思い付き、ニヤリと笑った。

 

 

 

 

「………面倒事は起こしてくれるなよ」

 

 

 

 

「しないしない。少なくとも今は」

 

 

 

 

中学に入ってからやらないと、面白くないからね、コレは。

 

 

 

 

「今は、な…」

 

 

 

 

若干諦めたように言う惟臣。

どうやら私の言葉の意味が分かったらしい。

 

 

 

 

「流石私の親友」

 

 

 

 

「お前の親友は他にいるんじゃなかったのか?」

 

 

 

「?」

 

 

 

 

何を、言ってるんだ?この馬鹿は。

 

 

 

「惟臣も私の親友だよ。ここまで腐れ縁で、然も何だかんだ私に付き合ってくれる。まぁ、悪友とも言うけどさ」

 

 

 

パチンッと片目を瞑って言えば、惟臣は一瞬惚けた顔をして、若干照れくさそうに顔を背けた。

だが、それは一瞬ですぐに元の表情に戻って私に「何をするつもりだ」と聞いてきた。

 

 

 

「中学に入ったら取り敢えず風紀委員に入る」

 

 

 

「風紀委員?何でまた………ん?まさか、お前…」

 

 

 

 

ヒクヒクと頬を引きつらせる惟臣。

 

流石、私の考えてる事が分かったみたいだね。

 

 

 

 

「せーかい。風紀委員になったら、不良を潰しても理由があるし、学校もそういう生徒を排除できて、私はストレス発散できる。まさに一石二鳥!」

 

 

 

本当の理由は、少しでも強くなりたいからなんだけどね。

将来の為に。

 

 

 

 

「…………お前なぁ…」

 

 

 

「勿論惟臣には迷惑かけないよ。巻き込むけど」

 

 

 

「その時点で迷惑になってんだろうが、アホ」

 

 

 

ベシッと頭を叩かれる。

 

 

 

 

解せない。

 

 

 

 

「はぁ〜。まぁ、お前を1人にしたらしたで我が道を突き進むからな。俺でもストッパーになるだろ」

 

 

 

 

「何だかんだ言ってさ、惟臣って私の我儘聞いてくれるよね」

 

 

 

 

「我儘と分かってるなら直せ!!」

 

 

 

「むーりッ」

 

 

 

けらけらと笑って即答してやった。

 

 

でも、結構惟臣には救われてるんだよねー。

私って、時々自分の運命とやらにイラついたりする。

その時周りに八つ当たり…はしないけど、態度が激変するんだよね。

そんな私に皆は近寄ってこない。

けど、直や…惟臣は違った。

私が苛ついてたらその理由をちゃんと聞いてくれて、聞かないでほしい事は聞かないでいてくれる。

それにどれだけ私が救われてるか…。

 

 

 

 

 

「中学が楽しみだねッ」

 

 

 

 

 

「俺は楽しみなんかじゃない」

 

 

 

 

 

ありがとう、なんて言わないけど。

 

 

そういえば、この所綱吉と話してないな。

 

 

小学校も無事卒業し、来週から中学校に通う頃になって、ふと思い出した。

 

食事の時とかは顔を合わせるけど、それ以外だと私が部屋に篭ってるから全然話してない。

う〜ん。

これは姉としてどうなのか…。

 

 

 

 

コンコン

 ガチャッ

 

 

 

 

「おねーちゃん…」

 

 

 

 

ひょっこりと現れたのは、今まさに頭を悩ませていた原因の綱吉。

 

 

 

「どうしたの?綱吉」

 

 

 

 

「えと、いまだいじょーぶ?」

 

 

 

 

「うん。大丈夫だよ。どうかした?」

 

 

 

おいでおいで、と手招きすれば、パアッと顔を輝かせて私の部屋に入って来る。

 

 

 

「あのねあのね!きょうね…」

 

 

 

楽しそうに話す綱吉の話を、相槌を打ちながら聞く。

 

 

どうやら初めて友達が出来たらしい。

何でもその子はとても可愛いらしい。

 

 

 

「そっか。よかったね、綱吉」

 

 

 

 

「うん!あ!あのね、もうごはんだっておかあさんがいってた!」

 

 

 

 

「そっか。知らせてくれてありがとう。それじゃあ行こうか」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

フニャリと笑う綱吉の手を取って、下の階に降りていく。

 

 

 

 

…………あれ?

そういえば、『沢田綱吉』に、女の子の友達何ていたっけ??

あれ?

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。