転生してないけど転スロの二次創作が書きたい   作:夢野いくや

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この世界に時計ってあるんでしょうか?

時間軸はミスフィード家行く前ぐらいです。


深夜ごはん

 

「アル...起きてる?」

 

夜も更け、日付が変わったであろう時間ぐらいに俺の部屋のドアがノックされた。

 

いつもなら既に俺も寝ている時間なのだが、今日の昼にトリーが『サーボリーの日常』の新刊を持ってきてくれたので、それを読んでいたらこんな時間になってしまった。

 

エリノラ姉さんの声だったので、俺はドアの前まで向かう。

 

「どうしたの?こんな時間に?」

 

「さっき起きちゃってもう一回寝ようとしたんだけど、お腹が減っちゃって寝れないのよ。何か作ってくれない?」

 

「えー、バルトロは?」

 

「バルトロはもう寝てるわ。朝食も作らないといけないだろうしこんな時間に起こすわけにもいかないでしょ?」

 

俺ならいいと言うのだろうか...

仕方がない。お腹が減ったと言われると何故か俺もお腹が減ってきた気がしてしまう。

 

一人分作るのも二人分作るのも手間としては大差ないので作ってしまうことにしよう。

 

「わかったよ。何か食べたいものでもある?」

 

「お腹減ってるとはいえ、そんなにガッツリしたものじゃなくていいわ。」

 

「そうだね。明日の朝食もあるわけだし...たまご雑炊にでもしようかな。」

 

「いいじゃない、たまご雑炊。それじゃあキッチンに向かいましょ。」

 

そう言って姉さんは歩きだす。

 

電気付けてないのだが、見えているのだろうか?

まあ、見えているんだろう。もしくは気配察知の応用で輪郭とかがわかるのかもしれない。

 

 

キッチンについた俺達は準備をする。

 

「エリノラ姉さんは座っててね。たまご雑炊ならそんなに手伝ってもらうこともないし。」

 

半分本音で半分嘘だ。

手伝ってもらった方が余計な時間がかかるだろうから手伝ってもらいたくないだけなのだ。

 

「わかったわ。特にすることもないし後ろであんたが料理してる姿でも眺めさせてもらうわ。」

 

俺が座っててと言った手前、文句があるわけではないが手伝わないと言われるのもなんか癪に感じてしまう。

 

あと、本当にじっと見られている。

やりづらいからあんまり見つめられたくはないだが仕方がない。

 

とりあえず俺は料理を開始する。

 

お米をといで鍋に入れ、火にかける。

 

もう一つ鍋を用意してそっちにも水を入れる。水が沸騰したら火を止め、鰹節を入れて出汁を取る。

 

鰹節を入れて2分後、ある程度出汁が出たらふきんとザルを使って濾す。

 

濾し終わったら冷蔵庫から卵と葱を取り出し、葱は小口切りにしておく。

 

濾し終わった鰹節については火魔法と風魔法の応用でドライヤーより熱いぐらいの風を出して乾かしておく。

 

「アルってば本当に料理人みたいね。」

 

エリノラ姉さんが感心したようにそんなことを言う。

 

「俺のはあくまでも趣味だよ。でも、自分で料理が出来るようになると今回みたいにちょっとお腹が空いたっていうときにすぐに食べることが出来るよ?」

 

「うーん...その時は作ってもらうから私は出来なくてもいいわ。」

 

「そうですか。」

 

まあ、ウチは貴族なので自分で出来る必要はないだろう。

 

「でも、軍に入ったら遠征とかで料理することもあるでしょ?それはどうするの?」

 

「そうなのよねー。その為にも簡単に作れるような料理のレシピは覚えとかないといけないのよね...今度時間あるときにでもおしえてくれない?」

 

「えー。バルトロに頼みなよ。」

 

「いいじゃない。いくつかはバルトロにも教えてもらうつもりだけど、アルも教えてくれたっていいでしょ。」

 

「気が向いたらね。」

 

そんな会話をしているとお米が炊きあがったようだ。

 

炊きあがったお米に水と醤油、先程作った出汁を加え火にかける。

 

沸騰する直前ぐらいで火を弱めて卵を回しかける。

 

ある程度固まったら火を止めて器に盛った後に小葱と先程乾燥させた鰹節を細かく砕いたものをちらして完成。

 

「卵雑炊出来たよ。」

 

「ありがとう!いただきます!」

 

出汁の味が優しくて体の芯から暖まる。

 

「はぁ。美味しいわね。」

 

「美味しいね。しかも揚げ物とかと違ってしつこくないからこんな時間でも軽く食べれるね。」

 

「わたしとしては深夜に揚げ物でも全然いいんだけどね。」

 

「エリノラ姉さんはまだ若いからそんなこと言ってられるけど、肌とか気にしだす年齢になるとそんなことも言ってられなくなるよ。」

 

「うっ、母さんにもよく言われるわ。まあ、その時のことはその時に考えることにするわ。」

 

そう言ってエリノラ姉さんは問題を先送りにする。

 

知らないよ。どうなっても。

 

 

 

「ごちそうさまでした。また深夜にお腹が空いたらアルのこと呼びにいってもいい?」

 

「いいけど俺の起きてるときにしてね。」

 

「アルが起きている時にお腹が空くように祈っておくわ。」

 

そんな会話をしながら俺達はそれぞれの部屋に戻っていった。

 

たまにはこんな夜があってもいいのかもしれない。

 




一つ前に書いた話が少し長かったので今回は1話で終わる話にしました。

本当はシルヴィオ視点から見た家族の話を書こうと思ってたんですが、書いてる途中で「これ面白いか?」ってなったのでやめました。

話を書くのって難しいですね。
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