ものづくり中毒属性を付与されたシャープちゃんSS 作:スクワイア
今回も安定の独自解釈と妄想設定スタバブッパマンです。
キャラ崩壊強めです。悪しからず。
それではどうぞ!
「いい風ね…」
"塔"を中心とした廃墟群に鋼鉄の翼を持つ[天使]がいる。
天を抜け、宇宙の静止衛星軌道よりも長大な構造物。軌道エレベーター。
その巨大さ故、一望できる位置から見るとまだ悠久の時を経てもなお美しく、寂れた印象を受けない。
対して、地上周辺の廃墟群、道路は風化が進み、元の造形が判別できない残骸で溢れ、戦闘や兵器の移動によるものでめくれ上がっている。
作り替えを前提に生産性に富んだな素材で作られたコンクリート建造物は中性化により鉄筋が腐食。
自重を支えきれなくなり、周辺の構造物を巻き込みながら崩れている。
荒廃しきった廃墟群の中で奇跡的に何にも巻き込まれず、立ち続けている"鉄塔"。
厳密には鉄材ではなく、紫外線、熱、風雨を克服した高度複合材料だが、電線や電波、周辺観測の為に建てられた骨組みだけの構造物は通称で鉄塔と呼ばれ続けている。
その先端に後から作られた止り木。
床も屋根もある機能的な止り木には、長くキメ細やかな金髪をもつ赤目の天使、グリフィンがくつろいでいた。
くつろぐ。というより、なにか真新しいものが通らないか、このテリトリーに入ってこないか監視しているようにも見受けられる。
彼女は過去、遺跡調査、度胸試しや興味本位で塔周辺のテリトリーへやってきた人類に接触、
何時しか塔付近は、誰も寄り付かない場所になった。
心地よい風が吹き、髪が風をはらむ姿は絵になるも、彼女の心には寂しさが纏わり付いている。
「あら?」
グリフィンの視界情報表示に通知が来た。
A.O.D.S.の独立思考端末。
─そこに所属する天使や軌道機兵のこと─
その誰かから連絡がある様だ。
グリフィンは代わり映えのしない眺めの監視をやめ、連絡事項に目を通す。
「うふふ…♪」
とある軌道エレベーター系の"塔"に天使級の星導使達が御来訪するとの事。
その際に封鎖や排除の対象から外す、ゲストコードが発行されたという連絡。
グリフィンにとって、久々の人類との交流、それもトップクラスに頑丈な人類。
自分の寂しさをこれまで訪れて来てくれた人類以上に埋めてくれそうな星導使。
彼女の心は喜びに踊る。けれど、なぜか満たされない気がしていた。
なにはともあれ、最上級のおもてなしをしなければと考えいたり、"塔"を飛び回った。
〜〜〜〜〜〜
«目的地まで、残り1000kmです。予定航路オールグリーン。自動運転を続行。到着までしばらくお待ちください»
オートパイロットCOM音声が車内に放送される。
「もうだいぶ近づいて来ましたね。…大きい」
「そうですねぇ…BABELからでも天気のいい日はチラッと見える程度ですが、ここまで来ると長大さが実感できますね」
ベータとシャープはピカピカになったキャンピングビークルを飛ばし、軌道エレベーターの"塔"に向かっている。
BABELとキャヴァリーと交流の後の顛末は、素体を巡るいざこざをぼかしながら上層部へと報告された。
上層部の興味を引いたのは、もちろん塔の見学について。
過去、BABELは様々な手段で調査していた対象だ。
しかし調査のほとんどが、強力な封鎖防衛機構によって妨害され、満足な結果を得られていなかった。
近年では諦めきっており、遠距離観測程度に収めていた前文明由来の遺跡なのだ。
このチャンスを絶対に不意にできないと考えるBABELは、案の定、シャープとデュカリオンに調査を指示した。
一連の内容を聞いたA.O.D.S.調査を専門にしていた部署は血涙を流した。
"塔"内部の調査という悲願を技術部が丸々やってしまうことになったからだ。
これは仕方の無い部分がある。
キャヴァリーからシャープ宛に送られてきたメールには、気を利かせてくれたのか数名分のゲストコードが添付されていた。
たった数名。BABELは数十名でも送りたいところだが、今回は相手の好意による部分が大きいことを汲み、シャープに追加の要求をさせなかった。
よって、自衛ができて技術的知識も申し分ない自己完結的人員を送ることになった。
1人目はシャープ。
見学予定を取り付けた本人であり、技術についてBABELトップクラス。ダメ押しとばかりに天使級星導使。これで外れるなら誰も向かっていい社員などいない。
2人目はデュカリオン。
彼女の遺跡調査実績は他の追随を許さない程。本人も天使級。外す事は考えられなかった。
なお、デュカリオンはこれまで塔の調査に殆ど赴いていない。
調査部分での専門は
新星工業ですら分からないことだらけなのに、A.O.D.S.までは手を伸ばす気にならなかった様だが、お招き頂くのなら。と乗り気だ。
3人目以降は…単純に戦闘力で選ばれた。
調査に赴いて動けなくなる様なモヤシの研究員は彼女らの足を引っ張りかねない。
BABELは確実な情報取得を狙い、同等の実力者ベータ、カタリナが選ばれた。
18号は最初乗り気だったが、天使と戦う可能性が低いと分かるとさっさと降りてしまった。
軌道エレベーターの塔にはシャープとベータ。
マスドライバーの塔にはデュカリオンとカタリナ。
上記の人選で向かうことになった。
「今日の調査は、和やかに進みそうですね」
「えぇ。きちんと向こう側の許可がある遺跡調査なんて初めてですし、防衛設備を相手にしなくていいのは何よりですよ」
シャープは笑みがこぼれる。過去、デュカリオンとの外回りでは観察、戦闘、収集、戦闘、閲覧、戦闘とミルフィーユ状態が常だった。
集中もできないし、周辺へ気を張っていないといけない。
そんな調査にならないことがとてつもなく嬉しい様だ。
ベータも戦いは避けたいタチであり、戦闘にならない今回の調査という話から、気を抜いている。
もはや遠足にでもきた様な面持ちである。
シャープ・ベータチームは、きっちりかっちり調査という様子ではなく、程よく気楽に気負わずのほほんと行こう。と言った雰囲気ができている。
どちらも特に提案していないのにこの雰囲気、両者とも仕事へのスタンスが似通っている。
デュカリオン・カタリナチームは、ノリと勢いのデュカリオンに対して、理詰めで真面目なカタリナ。この組合せは面白そうだ。
シャープはいつも外回りでデュカリオンの強引さとノリに振り回されてるが、カタリナならノリをピシャッと止めて調査させるだろう。
「お出迎えを期待しちゃ…いけないですよね?」
「ふふっ、残念ですが無さそうです」
ベータから冗句がでた。仕事前だと言うのに非常にリラックスしている。
ベータの冗句にシャープは思わず笑いが漏れ、少しも残念そうにせず返した。誰もいない廃墟、防衛機構くらいしか生きてない場所にいってお出迎えされるのは、せいぜい自動音声の歓迎放送くらいだろう。
他にも、軌道エレベーターの"塔"には天使がいるが──
「今日行く塔には、A.O.D.S.の天使、グリフィンさんも居ませんよ」
「はじめましてはできませんか〜」
シャープの言葉にベータは能天気に答えた。
シャープがこう言い切ったのにはワケがある。
グリフィンは軌道エレベーターの塔周辺にのみ現れ、赤道上に複数本立ちそびえているそれを巡回している。
そして、彼女が塔に滞在している時は、強固なエネルギーシールドがまるで招くかのように解除されるという特徴がある。
過去の調査や興味本位で赴いた人間の証言によると、シールドが無い日に近づいた人間は軒並み彼女からのイタズラを受けてる事から確度の高い情報だ。
そのシールドが今日向かっている塔には張られている。
グリフィンは居ないと確定できるのだ。
「話の通じる方なら会ってみたいですけど、イジワルな天使という事ですし、会わないに越したことはありませんね」
「もし居たら、どうします?」
「話してダメだったら、逃げましょう!」
「わかりました!」
流石シャープさん!話がわかるぅ!とベータ脳内で親指を立てた。
ベータは望んでいた回答を貰えて喜ばしい様だ。
シャープはもし、天使なり軌道機兵なりが妨害してきたら、専門部署の方には悪いが、我が身が可愛いから逃げさせていただきました。堪忍♡と言うつもりだ。
それに加えて…
──ああ、やっぱり今回もダメだったよ──
そう書くだけで終わる報告書の素晴らしきことか。
シャープとしては、技術屋として前文明の叡智の結晶を詳しく見れないのは残念だが、見ても現状、心を踊らせることしか出来ない。
参考にして設計できたとしても、現文明の技術力生産力では自分の寿命がいくらあれば完成するか検討もつかない。
自分の手で創れるものが性に合っているのだ。
先日の悶着で関わった軌道機兵のスカイセイバーとダークスターの表情を考えると、A.O.D.S.的にはあまり関わって欲しくない様で、結果的に2人の思いを組むことになるのも加点部分。
社内の研究員か軌道機兵。
どちらに睨まれたらイケナイか、シャープは正しく理解している。
ともかく、今回の"塔"の調査は、過去最高に楽な仕事になるだろう。
シャープとベータは上機嫌であと少しとなった航行の間、ビークルからの眺めを楽しんだ。
〜〜〜〜〜〜
「ようこそ星導使!このような寂れた"塔"にまで来ていただけるなんて…感激だわ…!」
おるやんけ
シャープとベータは、エネルギーシールドの地上接触部にある通過ゲートからゲストコードで開門して、ビークルごと内部に乗り入れた。
一先ず、廃墟郡の確認も兼ねて休憩しようとシャープが提案。
一応の用心のため、深入りはせずゲート近くに駐機し、2人とも降りて背筋を伸ばしていたところだった。
ホログラム等の空間投影などではない。
バッチリ本体、優美な曲線を持つ重厚な星導器を装備した天使、グリフィンが2人の目の前に現れた。
なんとも妖艶な笑顔を客人2人に向けている。
話が違うじゃないか!?
なんのための前情報なんですか!?
そんな思いで、ベータはシャープを横目で見やる。
いつも眠たそうで半開きの目は見たことのないくらい見開かれていた。
想定外といった様子だ。
シャープとベータは見事なフラグを立ててしまい、見事に即フラグ回収してしまった。
「はじめまして。この度はお世話になります。ワタクシ、BABELの技術部所属、シャープと申します。こちらは…」
「…同じくBABEL所属の…ベータです!はじめまして…!」
シャープは想定外の登場人物にフリーズしかけた思考をこれまでBABELで培った社会人経験、初対面定型文を詠唱して動かした。
まだ、相手が何かしてくると決まったわけではない。
手荒ではない、本当の意味で歓迎してくれる可能性だってあるのだ。
「うふふ♪はじめまして、A.O.D.S.のグリフィンよ」
返事を返してくれた。
よし、掴みはオーケー!
このままパーフェクトコミュニケーションを取り続ければなんとかなるかもしれない。
「今日は軌道機兵の方に無理言って、塔の見学に伺いまして…」
「あぁ!やっぱり彼女らの通知の関係なのね。良かったわ〜話しかけて〜」
話しかけなかった場合はどんな方法でアプローチされていたんですかね!?怖くて聞けませんが!
キャヴァリーはちきんと"話を通して"いてくれていた。
忘れた!とかやってしまいそうな雰囲気が本人にあるが、詫びである以上、確実にこなしてくれたらしい。
シャープは会話を続ける。
「…もしかして今日はわざわざお出迎えしてくださったのですか?」
「そうよ〜久々のお客人ですもの…素敵な一日にしてあげようと思って!」
「おぉ、そうなのですね。それは…光栄です!」
「色々用意したのよ?…気に入ってくれると…いいのだけれど…」
「─ほぅ。それは…楽しみです」
ちょっとそれは内容によるかなぁ!
こんな失礼なことは口に出せない。
シャープの言葉にニコニコと笑顔を返してくれているグリフィン。
「あら…?」
彼女はちら、とベータの方を見て様子がおかしい事に気づいたようだ。
シャープもその方を見ると、ベータは顔を青白くしている。
グリフィンの前情報と含みを感じさせる言葉でストレスがかかった事によるものだろう。
グリフィンは、すぅと歩み寄ると両手を取って優しく握る。
「…そんなに緊張しないで?」
「…!」
優しく滑らかな手で握られ、ニコリと美しく、色気の混じった笑顔を受けた。
ベータは、同性とはいえ照れが大きくなり、青い顔から一気に桜色に戻った。
「は、はい。すいません、あの…ありがとうございます…」
「うふふ、いいの。…取って喰べたりなんて…しないわ?」
「!?」
何とか言葉を発したベータだが、これまた物騒な発言で顔の血の気が引け…ちょうどいい色味になった。
猛禽の名を関する天使が言うと、その比喩は実際コワイ。
握っている手をもう一度軽く握って、パッと手を離すグリフィン。
今度は2人に向けて話しかける。
「さて!立ち話もなんですし、どこか腰を下ろして…。と言ってもこの付近には何も無いわね…。塔まで来てくださる?」
グリフィンが提案する。
さて、鬼が出るか蛇が出るか…しかし、虎穴に入らずんば虎子を得ずとも…とシャープは超古代の諺を頭の中で浮かべつつも瞬時に思考を回す。
当初の予想は大ハズレだったが、グリフィンがこの様子なら、もしかするともしかしてかもしれない。
予定通りに塔について、極めて平和的に見学できるかもしれない。
諸々のリスクを天秤にかけて、結果シャープの好奇心が勝った。
「…お邪魔させていただきます。お土産は生憎持ち合わせていませんが…」
「いえいえ、はるばる来てくださったんですもの。お気持ちだけで十分よ。…こっちよ。着いてきてくださいな」
「あ、よろしければ車で一緒に向かいませんか?」
グリフィンが案内しようとしたところで、シャープから提案する。
ここは塔を囲む廃墟郡の末端だ。塔までは多少どころかかなり離れている。
恐らくグリフィンは星導器で飛んで向かうつもりだったのだろう。
シャープとベータも飛ぶことに問題はないが、車に誘うことで分かることもある。
「あら、いいの?…お客人に運転させるのは、しのびないけれども…」
「いえいえ!道案内をお願いします。避けた方がいい場所などあれば教えてください」
「わかったわ」
どうやら、車でもいいみたいだ。
ちなみに、普段だったら工作物が並んでいて身内しか入れられたものでは無い。
フロント部分の修理の際、此度の出張もあるしついでにと大掃除。
機械類は最低限度。内装もピカピカにしてある。
誰に見られたって恥ずかしくは無い状態だから提案できたのだった。
シャープとベータが先に乗り込み、グリフィンが最後に搭乗する。
促されるでもなく、自ら
…これは本当に、もしかすると、もしかするかもしれない。
シャープはグリフィンの前情報から予測される行動との差に薄気味悪さを感じるものの、本人から邪気を感じないためこのまま乗り切ることを決めた。
〜〜~〜〜~
塔の主と招かれた2人は、買ってあった遠足的おやつと前文明由来の全自動調理器によって作り出された茶菓子でお茶会を楽しんだ。
云年前の代物に現代人2人はタジログことなく手を伸ばしていた。
ここら辺は流石、FTL目前まで迫った前文明といったところである。
また、塔の内部は周りの廃墟郡からは想像できないほど清潔に保たれていたことも後押ししただろう。
一服着いたところで、この出張の本題、"塔"の見学が始まった。
グリフィンとのエンカウントした時の緊張感が嘘のように和やかなムードで見学が進む。
元々は宇宙開発の最前線。
お茶会をした高級ラウンジなど、民間向けの区画は塔のほんの一部で、大半は公務や産業用の区画となっていた。
なんと特別にこちらも見せてくれた。
グリフィンの案内の元、研究区画、保守設備区画に宇宙行き貨物倉庫、製造区画etc…を巡った。
ベータは早々に飽きていたが、シャープは
一日では到底見きれない。
そして見学の目玉としていた宇宙エレベーターの本体…ケーブル構造体の基部やカゴについては翌日に持ち越した。
元々、廃墟郡含めて複数日の日程だった…しかし、ここまで案内が手厚いと延長の申請をBABELに飛ばす必要がありそうだ。
まぁ、映像資料と一緒に送れば、簡単に通るだろう。
また、グリフィンには驚かされ続けた。当然というか意外というか良い意味で。
事細かな案内に、質問への回答─ちょっとツッこんだ内容は黙秘されてしまった─そして、休憩の提案。
本人は疲れるはずもないのに、その度に何処からともなく給仕ドローンがやってきてこれまた云年物の安全な飲み物やおやつを出してくれる。
食事時になれば、全自動調理器とはいえ振る舞まってくれて、市井に出たら一体いくらするのか分からない本物のヴィンテージワインも出してくれた。
そして夜も…薄々期待しながらも車中泊のために外に出ようとすると呼び止められ、"塔"の民間向け区画の高級ホテルルームに案内される。
当然清潔、調度品も豪奢すぎない洗練された部屋に通された。
この際、最高級でなくて申し訳ない。とグリフィンは言った。なんでも最高級ルームは軌道エレベーターで上がった、高度数百kmにあるとの事。
この部屋だって十分高いところにある。
シャープは
〜〜〜〜〜〜
"塔"の調査は戦闘などで中断されることなく、穏やかに進んだ。
そして豪遊、しかも自分の懐が痛まない遺跡調査生活が既に4日経って5日目。
"塔"の内外調査で1週間の営業日を丸々使った。
映像資料で記憶媒体がパンパンになっており、逐次BABELの専門部署に送ってるが、もう止めてくれと言われてしまった。
解せぬ。あんなに欲しがっていたものだぞ…?
なお、"塔"と同様の規模の遺跡で同量の情報を集めようとしたら、もっとかかる。非常に密度が高い調査と言える。
快適で、安全で、案内もある。こんな調査は初めてだ。
あれもこれもグリフィンのおかげである。
しかし、専門部署も記憶媒体もパンク寸前。情報の整理が必要になっている。
このまま手当り次第に見学しても効率が悪いだろう。
次の機会に目標を定めて伺うのが良いだろうと判断できる。
もっとも、排他的なA.O.D.S.のナワバリであるので、次があるか分からないが。
以上から、BABELの二人は今日中に帰路に就くことにした。
滞在最後のひと時はグリフィンのお気に入りの場所、"鉄塔"の止まり木に招かれ、気持ちの良い風を受けて過ごしている。
「ふぅ…風が心地いい…。…長いようで短い一週間でしたね」
「そうですね…!いろいろありがとうございました!グリフィンさん!」
「うふふ、どういたしまして♪」
ベータは初日は緊張でガチガチだったが、二日目には緊張感が薄れてフランクに接するようになった。
グリフィンにお礼を伝えると、美しい笑顔と合わせて返してくれる。
彼女はその笑顔を見た後、にへ、と笑いかけたが、目を伏せた。
「どうかしたの?ベータ?」
「…どうしてこんなに良くしてくれるんですか?」
べべべ、ベータさん!?あなたブッコむ気ですか!?!?
覚悟の決まった時に現れる勇気の一面が顔を出している。
ずっと気になっていて、意を決して聞いたようだ。
シャープは介入してうやむやにするか悩んだが、確かに噂と異なる点は、気になる事柄であったので静観に努めることにした。
「あら…聞いていた噂と違いましたか?」
「知っているんですね…」
「噂を聞いてやってくる人間もいらしていたから…でも、からかい過ぎたのね…しばらく誰も近づくことがなくなって…。だから今度は優しく、接してみようと思っていて…」
か弱い言葉がグリフィンから吐かれ、困ったような、寂しさが残る笑顔をベータに向けた。
罪悪感が、ベータの心を刺す。少しでも疑った自分を恥ずかしく感じているようだ。
「…そうなんですね…!…本当にすいません。ぶしつけなことを聞いて…」
「いいのよ。信じられないのも…わかるわ…。これからも仲良くしてくれないかしら?」
「もちろんです!」
ベータは今度こそ笑みを浮かべて、"塔"へ来た時にグリフィンがしてくれたように両手を取って軽く握った。
~~~~~~
シャープとベータの乗ったビークルが飛んでいくのを、鉄塔の上から見送るグリフィン。
眺めながら、だれにも届かない独り言が口から紡がれる。
「そうね。噂は本当よ…。本当で、貴女達がここに来てから、ずーっと
ふうと溜息を吐く。
背中の星導器だけを展開し、鋼鉄の翼を白い指で撫でる。
「…けれど、けれどね?風を受けるこの翼が言うのよ。貴女達と仲良くすれば、もっと華麗に、楽しく
彼女はうっとりと、誰かに恋をしている表情を浮かべている。
「うふふ♪練習しないと♪」
塔から飛翔し、完全に星導器を展開。大空を舞台に舞い踊る。
「待ち遠しいわね。
ようこそ後書きへ、
最後までお読みいただけて、感激だ…!
直近の軌道機兵回では戦闘が多かったですからね…。
星の翼でトップクラスの戦闘狂グリフィンの回は、逆に戦闘なしで仕上げてみたのですよ。
お楽しみいただけたでしょうか…?心配だ…。
もし、喜んでもらえたなら、心が踊ります!
今話のリスペクト元はお分かりかと思いますが、AC6のブルートゥです。
AC6本編より少し前の出来事を軸にしています。
グリフィン推しの方すいません。ちらついてしまって我慢ができなかった…。
しらない人は調べない方がいいよ!いや、絶対調べろ!※カリギュラ効果
以下、独自解釈・妄想設定の注釈になります。
"塔"について
軌道エレベーター。本当にそうかは不明。
グリフィンのスチルは二種類あり、廃墟で座るスチルと雪山の上で軌道エレベータらしきものを背景に飛んでいるスチルこれをガッチャンコしました。まぁ塔は複数あるって話だし、そういうところもあるよねと独自解釈
からかい上手のグリフィンさん
なんと原作スキンテキストの公式設定で塔に近づいた人をからかい続けて放置プレイを食らった娘。
からかい内容は独自設定。
ディュカリオンの専門
遺跡調査が専門なのか星導テクノロジー開発がメインなのかまるで分らない…原作ぅ!!もっと情報くれよぉ!
漫画などを見るに、ノヴァインダストリーズ系とは関わりがあるので調査部分で専門としました。
グリフィンの塔巡回
妄想設定。
エネルギーシールドも妄想設定。
雪山スチルだと、周りに建物がない…。
でも廃墟描写がしてぇ!ってなったので生やした設定になります
全自動調理器
SFでありがちなやーつ。
賞味期限は…光速以下(非FTL文明)での宇宙航行を考えると1000年は持っていてほしい。
塔内部の区画
ネオ・空港みたいなイメージ。
しおらしグリフィン
目的の為、本来の戦闘狂を隠して献身的に、そして星導器を外したらこれは傾国の美女。
まだ見ぬ団長の気配を感じ取り、欲望を我慢するグリフィン…健気だ!
つまり、団長と邂逅した場合。本性が露呈するわけですねぇ。過酷な運命が団長を襲う!
団長パワーで髄液強化された星導使たちと戦う。
勝っても負けても、グリフィンは団長をさらう。
でもって自分も髄液強化とスキンをあつらえてもらう
そして、追ってきた星導使達と戦う。
永久機関が完成しちまったなぁ~!
はい、独自解釈、妄想設定までお読みいただきありがとうございました。
一先ずこれでA.O.D.S.組キャラクターは全員投稿完了。
陣営推しの方も安心だろう…。
さて、次は誰を書こうか…
ノヴァインダストリーズからかくかぁ?
どう絡ませんだよ〜!!!
…また何か思いつきましたら投稿します。
それでは。