ものづくり中毒属性を付与されたシャープちゃんSS   作:スクワイア

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ベータ:ロンギヌス装備
素晴らし過ぎないか?

ピチスーだし、装備ゴツイし。ピチスーだし。

というわけで書き上げました。
一部宗派の人には受け入れられない内容かもだが…止めらんねぇんだよ!!!!

下URLは本作品のマルチ投稿のポストです。
https://x.com/squier_xzy/status/1967552176265503088?t=SBCo2hlNxoo3Zxrak5vNWA&s=19

それではどうぞ。


ベータ:ロンギヌスに向けて成長

もうそろそろ定時か。

 

シャープはデスクで今しがた図面の検図を済ませ、まとめ終わった所だ。時計を横目にコーヒーを口に運ぶ。

 

今、技術部のフロアは静かだ。思いつきを無茶ぶりしてくるデュカリオンがいなければ、何かと試作品検証に駆り出されるベータ、実戦や訓練、比較評価担当の18号もいない。カタリナはそもそも部署が違うが、厄介な案件が発生すると星導使を求めて技術部にやってくる。

 

デュカリオンとベータは遺跡調査。18号は休日出勤の代休、カタリナは出張お掃除。

今日、バベルに所属している星導使はシャープ以外、出払っていた。

そのおかげで、シャープは仕事をスムーズに処理ができ、定時前にコーヒーを飲んでサボれているわけだった。

デスク周りの職員達はシャープのサボり様に何もツッコまない。

何時も天才の無茶振りその他を一手に引き受けてるタンク役に指摘していい事なんて一つもない。

ゆっくり定時まで休んでてくれ…そんな共通意識が漂っていた。

 

「ただい〜まぁ〜」

「…」

「おかえりなさい」

 

技術部フロアの扉が開き、外出していた人が戻ってきた。仕事に熱中している職員以外は迎えの挨拶を返している。

帰って来たのはデュカリオンと…無言のベータだった。

 

「あれ?今日は直帰じゃないんです──」

 

近付いて来ていた2人へ、シャープがコーヒー片手に目線を向ければ、デュカリオンもベータも見慣れない格好をしていた。

デュカリオンは白いジャケットが無く、トップスはお気に入りで、複数揃えているのだと言う前垂れ付きカットソーのみ。

一方ベータはデュカリオンのジャケットを着ており、前どめを目一杯に閉めている。そして顔と耳が赤い。

 

「─ね?」

「ちょ〜っとトラブルがあってね〜。早めに切り上げてきたよ」

「なるほど…」

 

シャープはとりあえず、ベータについてスルーした。

そしてふと、今日の外出予定に含まれていた人物を思い出し、尋ねる。

 

「団長はもう帰ったんですか?」

「〜〜〜!!?!?」

 

シャープの一言にベータが声のない叫びを上げて顔を手で覆って悶えている。

隠されてない耳は一層真っ赤に染まった。

はて?と首をかしげ、事情を知っているであろうデュカリオンに目線を向けても、彼女はニコニコとしている。

 

「うん。ちょっと役に立たなそうだったからね〜」

「?」

 

あの団長が役に立たないことなんてあるのか?問題の解決他、戦闘以外なら大体できるあの超人が?

シャープはデュカリオンの言葉に疑問が浮かんだが、とりあえず、団長とベータの間で何かあった事だけは察した。

そして、概ね、大っぴらに言うものでも無いようだ。

などとシャープが考えていたらデュカリオンが口を開いた。

 

「いや〜まさかスーカヒッ」

 

お、すごい早技。

ベータは目にも止まらぬ速さでデュカリオンの背後を取り、首に腕を回している。その腕は気道を確実に止め、次の句を喋らせなくしていた。

 

「カタリナさん仕込みの近接格闘術ですか?私たちでも役立つことあるんですねぇ」

「ぅぅ…」

「」

 

ぺしっぺしっ

恥ずかしそうにしているベータの腕をデュカリオンがタップしている。顔色はどっちも…いや、髪色に近寄ってる方がいる。

シャープはデリケートな話題なのだろうなと察して、人の少なそうな場所への移動を促すことにした。

コーヒー片手に立ち上がって思いつく場所に向かいつつ声を掛けた。

 

「とりあえず実験室に移動しましょうか…確か今は誰も使ってませんし」

「…ハィ…」

「─!─!!」

 

デュカリオンは一言も喋ることなく隣室の実験室に入室。

そして実験室の扉が閉まると同時に開放された。

 

「くはっおぇっ!げほっ!…ベータちゃんひどいよぉ〜」

「お、男の人も居たんですよ!?…そんなところで…ウゥー!」

「手が早いことはあまり褒められませんが、コレに関してはそれが一番です」

「コレって…シャープちゃんもひどぉい!!」

「それで、何があったんです?」

 

ぷんすことした抗議をスルーしてベータに喋るように促す。

少しは収まったかと思ったベータの顔がまた赤み出した。

 

「え、えーと…あの…ガ…ケタ…す…」

「え?」

 

口を開いたと思ったら蚊の鳴くような声だった。

三人だけの静かな実験室とは言え、シャープの耳には届かなかった。

ベータは恥ずかしさに顔を染めながらもう一度口を開いた。

 

「…スーツが…裂けたんです…!」

「えっ」

 

まさに噴火しそうな赤さの顔で申告した。

ベータの言うスーツ。高機動戦闘のために強度を保ちながら可能な限り薄く、立体裁断、縫製技術の粋を尽くして作られた戦闘用の衣服。

体のラインピッタリ、一般にボディスーツと呼ばれるものだ。

 

それは頑丈に作られているとは言え、決して裂け無いものではない。

戦闘用途なのでそもそも破損の類は上等。予備もしっかり用意してある。

 

過去何十着と貫通、切断、焼失、溶解の後に破棄しているのに何を今更裂けたことで恥ずかしがるのか…。

いや、その場は確かに恥ずかしいかもしれませんがね?

 

シャープの間の抜けた声にはそんな思いが含まれていた。

 

「…」

「見せた方が早いんじゃなーい?」

「見せる…?ああ、状態の確認ですね。で、それはどこに?」

「ここ」

 

デュカリオンはベータを指さした。

 

「…えぇ?着替えてないんですか?」

 

ベータは破損したスーツを着たまま、バベルに戻ってきていたようだ。そしてそれがデュカリオンのロングコートを借りているわけだった。

 

なんでその選択に…?とシャープは混乱気味だ。

予備のスーツを忘れた。着替えを忘れた。などの着替えられない原因はさておき、コートで隠せるなら、ここに来る前にカジュアルブランドでもバベルの購買部でもよれば着替えられたんじゃ?と考えが浮かんでいた。

 

「まぁ、ベータちゃん機能停止してたからねぇ。バベルに戻ってきてようやく再起動したところなんだよ〜」

「なるほど?…で、ベータさんどうします?別に着替えて渡してもらってもいいんですが…」

「どうせならここで採寸も済ませちゃえば?」

「うう…」

 

デュカリオンの適当な提案は、ベータの混乱してる頭を狂わせ、どこぞの更衣室に行って着替えて来るより、この場で済ませてしまった方がマシなんじゃないかと導きださせたようだ。

渋々といった様子で、デュカリオンから借りたであろうジャケットの留め具に手をつけ始めた。

 

あっ…まぁいいかぁ着替えて来るまで時間かかりそうだし…

着用状態で見れれば、改善のための構造的弱点も見つけやすいだろうし。

と一瞬止めようか考えたあと、シャープは利点もあるなと気づいてベータの選択を尊重した。

 

ベータは片腕を胸に添えながら、まごまごと下まで留め具を外しきった。

胸を抑えたまま片腕ずつ袖を抜いて、自分の有様を見せる。

シャープはスーツだったものの無惨な姿と、ベータの体を見た。

 

「これは…よく…いままで着れましたね…」

「つ、詰め込めば何とかなってたので…」

 

それなりに昔、ベータ向けの人造天使用スーツを仕立てる為に採寸した時の記憶から比べて、ベータの体はまさに恵体と言うべき成長を遂げていた。

特に胸と腿。

 

スーツの上胸部は、裂けて腹に垂れ下がり、腿部は横に切れ目が入ってホットパンツとストッキング状態になっていた。

うしろから見ると臀部も裂けている。

 

キツかったのなら言ってくれれば。

 

とはシャープは言わなかった。胸はまだしも腿については自分でも勇気が入る内容だと思った。

 

計画参加時の年齢は、確か一般に成長期を終えている年齢だったはずだが、ベータそこから育っていた。

 

「成長期が遅くて長いタイプなんですね…親族も体格良かったりするんですか?」

「…あ、あのころはもうお母さんと同じくらいで、…えっと、お父さんは大きかったです…」

 

シャープは自分含め他人の太った痩せた成長した、そういった変化をあまり気にしないタチであり、毎日顔を合わせていると尚更変化には気が付かなかったのだった。

 

そして、体型が素直に出ると思われるスーツも悪さをした。

先端素材が使われたスーツは運動性重視、つまり着圧による身体機能向上を狙った強度と伸縮性を兼ね備えた代物の為、体型補正効果が凄まじい。

まじまじ観察したり、記録でもつけていない限りは、仕立てた時とさ程変わらないように見えてしまっていたのだった。

 

「んーまぁ、把握しました。吹き飛んだところ以外で、きついとかあります?」

「いや特に…」

「でしたらスーツ脱がずとも良さそうですね。さっさと採寸してしまいますか…」

「そ、そうしてください…」

「んじゃ私がメモるね!」

 

デュカリオンは既に準備していたか、採寸表とバインダーを構えていた。

シャープは測定具棚からメジャーを取り出して各部位を測っていく。

途中で、デュカリオンのすご…やば…と言う言葉が呟かれ、ベータはその度に顔を隠したがったが、採寸中ということもあり、じっと我慢していた。

 

程なくして、採寸が終わる。

 

「はい、お疲れ様でした。」

「あ、ありがとうございます…」

 

ベータは採寸が終わったとなるやデュカリオンのジャケットを着込み、前をきっちり閉めた。

しかし、顔が赤い。最近の戦闘では随分勇ましくなって頼もしさを感じさせてくれるが、こういったところはまだまだ気弱なようだ。

 

ひと仕事終えた所で全員分のコーヒーを用意して一息ついた時、デュカリオンが口を開いた。

 

「さて〜!しばらくどうしよっか?」

「…どうって…?」

「えっ、新しい寸法のやつは時間かかるし、前のスーツで任務に出たら、また団長の前でおっぴろげちゃうよ?」

「ゔぅ゙〜!」

 

ああ、まぁ…何が起こってたかは読めてた。

大方、運悪く(?)団長の目の前でスーツが弾けてしまったのだろうな〜。

と思いながらコーヒーをすするシャープ。

 

ベータの恥ずかしがり様で察してはいた。

聞かなかったのはマナーだマナー。

この先輩はバラしたけど。

 

それはさておき、デュカリオンの言う通り、このままだとベータは戦闘任務や訓練ができない訳だが…

そういえば、と口を挟む。

 

「まだベータさんには話がいってないんでしたっけ?」

「?」

「話って…ああ、あれ!」

 

シャープの言葉にハテナ顔のベータ。

ついでデュカリオンも一瞬なんの事?と言った顔をしかけたが把握できた様だ。

 

「うん。シャープちゃんの検図待ち!検図が終わったらすぐに実行する予定だよ!」

「あ、それならさっき終わりましたよ」

「じゃ言っていいね。…ベータちゃんに辞令!」

「は、はい!」

 

未だになんのことか分からないベータは、辞令という言葉に思わず背筋を伸ばす。

そしてデュカリオンは続ける。

 

「人造天使計画を完了とし、計画から退任とする!並びに、これまで担当した計画試験者の功績を評価して、新規装備開発計画、計画名"ロンギヌス"の装備試験担当官に着任を要請する!」

「あの…えっと…」

 

ベータは突然の話の流れにイマイチついていけてない様子だ。

 

「とまぁカッコつけて言ったけど、ちゃーんと資料に目を通してから決めていいよ。今回こそね」

「わ、わかりました…」

「ぶっちゃけ、やーることはこれまでと変わんないよ〜。私たちが作って、ベータちゃんが使う。いつも通りさ」

「なるほど…」

 

即決はしなかったが、ベータはバベルの皆には良くしてもらっている経緯があるため、特に断る要素も無いと言ったのが正直な気持ちだ。

 

「あ、そうそう。この計画中は団長への接触は禁止なんだって。上がそう決めたみたい。なんでも、現文明技術の矜恃を示すため。だってさ」

「…そうなんですね…」

 

少し寂しそうにするベータ。

彼女と団長は、団長が現文明に現れた最初期からかかわり合いがある。

頭打ちと思われた人造天使装備の性能強化にも携わっており、今思えば、長い付き合いになる。

 

少し長めの期間とはいえ、やり取りができなくなるのは寂しいというところだ。

 

「ちょうどいいんじゃないですか?」

「…え?」

 

聞きに徹していたシャープが口を開いた。

 

「団長に明日明後日でまた顔を合わせるの…気まずくありません?」

「そっそれは…」

 

また顔を赤らめるベータ。今日の事件はよほど恥ずかしかったらしい。

シャープ的にはダメだこりゃと認識した。戦闘任務中に意識がそれてしまったら普通に危ない。

 

「今生の別れでも喧嘩別れでも無いですし、見たものも計画終わりに再開する頃には忘れてますよ」

「そういうものですかね…」

「そういうものでしょう」

 

シャープが諭したところで、終業のチャイムがなった。

 

「あれ、もうそんな時間ですか…。残業って気分でもないですねぇ。…退任祝いで飲みに行きますか?」

「お酒飲んで紛らわせるのが一番〜って?いいんじゃない?」

「えっえ〜!?」

「あまり飲まないんでしたっけ?お酒は早めに限界を知っとくといいですよ。1度2度失敗しとけば大事な場面でやらかしませんから…」

「い、嫌な含蓄…じゃあ、お供させていただきます…」

 

その後、改めて着替えを済ませたベータと上司2人の星導使の3人はそれなりに上等な店で酒を楽しんだ。

 

後日、計画資料を確認したベータはバベルの掲げる未来像に賛同、決意を固め正式に計画に参加することを決めた。

 

しばらくして──

 

 

「──団長。お久しぶりです。」

 

自分の意思で更なる力を得ることを選択したベータは、その力を十全に扱えるように成長を遂げ、団長との再会を果たした。

 

「今も変わらずにお願いを聞いて回ってると聞きました。…今回の戦争機械掃討の依頼、前より手際よく完遂してみせますよ」

 

団長は、頼もしい。という言葉と共にスーツの心配を口にした。

 

「っ!」

 

無意識セクハラか、純粋な心配か分からないところのため、思わず胸の前で腕を組んだが、成長したベータはひと味違った。

彼女の中には、実力に支えられた強い自己肯定感が育っている。

 

そして、あの一瞬の出来事を覚えてくれていた。

それはそのまま、自分の肉体が記憶に残る程に魅力的であり、団長に通用するという自信に繋がった。

 

以前の自分だったら顔を覆って逃げてしまっていたかもしれないが、ちょっとした悪戯をするくらいには余裕ができていた。

 

「…私の胸、覚えてるんですね?ふふっ」

 

団長へ魅惑的に微笑み、言葉をかける。

団長は思わぬ反撃に目を剥き、驚いていると追撃が来た。

 

「団長?して欲しいことがあればなんでも言ってくださいね?」 

 

付き添っていたデュカリオン曰く、ベータの大胆な仕返しを喰らった団長の表情は見ものだったという。




ピチスーを破くな。

ピチスー原理主義過激派的にはこれは禁忌なのだが…。
うるせ〜知らねぇ〜!!!!

はい、お読みいただきありがとうございました。
今回は補足必要なとこあったかな…。

あ、そうそう、ロンギヌス開発レポートにより俺の小説はパラドクスを起こしました。名無。
まぁ、気が向いたらこじつけしてみますかねぇ。

おし、またなにかかけましたら投稿しますのでその時はよろしくお願いします!

それでは
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