ものづくり中毒属性を付与されたシャープちゃんSS   作:スクワイア

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やったぜ!シャープちゃんの新スキン実装だ!
予想は外してしまいましたが…(ツルツルサイバーミニスカナーステカテカロンググローブヌルヌルレギンス)
シャープの胸…シャープのふともも…シャープのふくらはぎ…!…良し!
あとアカブチ眼鏡と透明ブースターも神!

というわけでシャープちゃんの新スキンお祝いで、スキンを題材にしたSSを書いてみました。

ぜひ最後までお読みください!


シャープの奇妙な休暇

「ふふふ、明日からは長期休暇…!」

 

社畜系星導使こと、私。シャープはついに、全社会人が最も求め、望んでやまない長期休暇の確定を掴み取ったのだ!

 

カシュ─ゴクッ

 

帰宅早々、冷蔵庫からキンキンに冷えた缶ビールを取り出し、行儀悪く立ったそのまま飲む。

 

「ぷはー!有給も使って更に爆アドを取っている…無敵!」

 

嬉しすぎて独り言が止まらない!

 

この祝杯にはやっぱりツマミ!

チーズと生ハムと胡椒にオリーブオイル〜。

あ、両手が塞がってしまいました…。

 

「おいやっ!」

 

おしりで冷蔵庫の扉を閉めちゃいました。

 

鼻歌混じりでリビングに向かい、手に持つ品々をテーブルに置いて、ボスンとソファへ倒れる。

 

「しまった。遠のいてしまった。」

 

だらりとした体勢のまま、うーん。と手を伸ばしたら何とか缶が取れました。

そのまま缶を口に傾ける。

 

ゴクリ

 

「ぷふー」

 

実に…実に長い戦いでした…。

自前タスクの事前処理。BABEL他部署との業務配分。資材先とのすり合わせ。

そして、デュカリオン先輩の行動の把握…!

 

これらを完璧な調整を、幾重にも重ねたことで得た勝利の休暇…!

不快に鳴らされる業務連絡着信は、AIシャープちゃんBOTによりまとめて対処済…。

 

「透明だ…気分がいいです…!」

 

モグ

 

少し身を起こし、ツマミを開けて、肴にする。

一、二口。それをビールを流し、一息つく。

 

静かな室内が寂しく感じて、テレビモニターを点けようと、本型端末を操作する。

 

この家の家電はIOT化…これひとつでだいたい操作できるようにして正解でした!

 

「うーんむ。この開放感では流石に作業する気が起きないですねぇ〜」

 

何時もなら寝る間を惜しんで自作品の設計やら加工コードをかきあげるところですが、…気分じゃないです。

モニターにも繋げてあるPCを起動しかけて、辞めた。

 

「せっかくですし、なにか映画でも見ますか!」

 

契約はしたけど、ろくに使っていなかった映画サブスクライブがあったことを思い出して、テレビ内蔵アプリを起動。

面白そうな映画がないか吟味して、栄えある休暇のはじまりには、SF映画が選ばれました。

 

 

 

ビールをもう2つ開けて既に完飲。ツマミもキレイに無くなった頃、映画が終わる。

 

「面白かった…。それにしても…巨大ロボットってどうやれば作れますかね…ふわぁ」

 

回った酔いに加えて、熱い展開としっかりとした締めでくくられた映画の余韻により、あくびが出た。

 

「ちょっと、調整を頑張りすぎましたかね…。夜更かし…は、せずにしっかりと寝ますか!なんてったって、明日は休み!いっぱい休み!」

 

後片付けをメイドロボに任せ、シャワールームで汗を流した。

 

体を温め、清めて、フルーツと動物柄の寝巻きに着替えれば、万全の就寝体勢です!

 

ナイトキャップを被り、メガネを外して寝室ベットに潜りこむ。

少し冷たい布団(タオルケット)が、今はとても心地いい。

 

「ふ〜」

 

息を吐いて少し天井を見た後、目を瞑ったら、驚く程早く夢の世界に落ちてしまった。

 

~~~~~

 

「おはようシャープちゃん!絶好の遺跡探索日和だね❤️」

 

空が明るんできても、まだ日が差し込んでこない頃、探求者(てんさいバカ)に布団をひっぺがされて起きた。

 

目の前には、それはそれは無邪気なデュカリオン先輩の顔がある。

メガネかけていないので実体は不明でも声でわかる。

 

「イヤです」

「えぇっ!?」

 

率直に言ったら、心底ビックリした顔をされた。

断られる事を想定していなかった顔ですねこれ。

 

今のうちに…。

 

「わ!?」

 

先輩が掴んでいた布団を取り返して頭から包まる。

 

「だいふくシャープちゃん。」

 

大福みたいに丸まった私を見て、そう言ったであろう先輩を無視。

つんつんとつつかれる中、布団の中から声を出した。

 

「…そもそも、なんでウチにいるんですか?アッティカに出張中じゃありませんでした?」

「向こうの予定が合わなくなっちゃったみたい。だから、遺跡探索に行こうかと思ってね!」

 

しまった。先輩の動向は把握できても、先方のことまでは読めなかった…。

 

だからといって、家に押しかけて寝室までやってくるのはちょっと度が過ぎてますよ…。

と言うか普通にビックリしました。

 

電話とかすっ飛ばしてデュカリオン先輩がいるもんですから。

滅多にないことですから、開口一番に遺跡探索と言われなければ、緊急事態なのかと飛び起きたんですが。

 

「…他に…誘える人…いなかったんですか?」

「いちばん暇そうだったから!」

 

そんな理由だろうと思いました。それが建前なのもわかってますけどね。

この先輩、交友関係が広いのにいっつも私を連れ出そうとしてきて…ま、信頼が厚いってことでしょうし、悪い気はしないですね。

 

でも、今日はイヤだ。

気持ちの良かったであろう目覚めをを邪魔されて腹が立ってるんです!

 

「今日は私、有給休暇なんです。」

「あ、そーなんだぁ? で、それが何か問題?」

 

確かに明確な仕事では無いが、ほとんど仕事ですよ!?遺跡探索なんてものは!!

 

「…次に暇そうな人を探してください。」

「えぇ〜?いいじゃん行こうよぉ」

「1人でも大丈夫ですよ。先輩なら」

「ひどい…。…今日のシャープちゃんは珍しく強情だね?」

 

…ん?この程度のやり取りで、強情…?

逆に、ここまで押しが強い先輩も珍しいと思ってたんですけど…?

 

「ならば、実力行使…!よいしょ!」

「うわっ!いきなりやめてください!?」

 

布団大福ごと、米俵のように肩に担がれてしまった。

星導使だから、人間1人の重さなんてわけないんでしょうが、流石に強引すぎますって───

 

担ぎ上げられて布団がめくれて視界が開けた時、自分の寝ていた部屋の様子が目に入った。

 

えっ、ここどこなんですか?

 

眼鏡がなくてぼやけた視界には、見覚えのある家具はあるけれど、明らかに部屋が違う。

自分の部屋だと言われればそう思えるかもしれないけれど、ナンカヘン。

 

頭の中が混乱している中、先輩はスタスタと部屋を出て玄関に向かっている。

…ように思う。

視界に映る間取りに違和感しか感じない。自宅のはずなのに。

 

声を出すことも、身を捩ることもなく狼狽していたら、あれよあれよと外に連れ出され、布団ごと先輩のビークルに放り込まれた。

 

「はいこれメガネ。…急に大人しくなっちゃって、どうしたのさ?」

「…」

 

いつの間にか回収されていた愛用のメガネを渡してくると同時に、なにも騒ぎ立てる様子のない私を不審に思ったのか、顔を見て尋ねてきました。

 

私はどんな顔をしていたか…意味不明な未視感・既視感の連続に襲われ、不安の浮かんだ顔?

 

渡されたメガネをかけて、ハッキリとするピント。

その中で、何も変わらないデュカリオン先輩の顔があって、安心が顔に表れた気がします。

 

「…あれれー?実は行きたかったのー?」

「えぇ、めっちゃ一緒に行きたいっす。先輩。」

 

今、1人にされたら心細さで泣いてしまいそう。

パジャマのままでも、このまま着いて行くことにしよう。

 

着替えるにしても、服の置き場所がわからない。

その様子を先輩に見られるのは、良くない気がして、

一先ず、この不可思議な感覚を隠しておきたかったんです。

 

「えっ…。…変なシャープちゃん。…いつもか!」

「そっくりそのままお返しした方がいいですか?」

 

 

~~~~~~~~

 

 

あの後は…本当にいつも通りの遺跡探索でした。

道すがらに戦争機械の基礎型をシバいたり、遺跡のコントロールをハッキングしたり、天使と力比べしたり…。

 

自宅以外、何もかもが変わっていないんですよね…。

それを理解して、一先ず、落ち着くことができました。

 

最後にデュカリオン先輩に送って貰って、ただいま…いや、感覚的にはお邪魔しますって感じでしたが…。

 

自宅を暴いて…意味不明ですね…まぁ、そこは置いておくとして。

 

「なるほど、わからん」

 

一通り自宅を調べて出てきた一言。結論はこれに尽きました。

 

いや、私がどんな状況になってるかは、何とか把握できたんですが、原因が不明という感じですね。

 

私に何が起こっているか、一言で言えば──

 

「平行世界の"私"と入れ替わった?」

 

フィクション等で散々使われてきた、ある種の王道の展開ですが…。

自分で体験する羽目になるとは思わなかったです…。

 

「はぁ…」

 

全て夢だった…。ならばどれほど良かったでしょう…。

被弾すれば痛かったり、送り迎えで眠ってまた起きたり、在り在りと今が現実であると自覚させられるんですよね。

 

このまま順応するか、元の世界に戻るように頑張るか…、それを判断するためにも、まずは、自認識との差異をまとめますか…。

 

初めに、住所が違います。

元々はこんな高層マンションに住んでません。

 

加工するような設備も全くありません。

伴って、これまで作ってきたもの達…生活支援設備の類も作られた形跡はないですね。

 

その代わりに自宅以上の──

 

ややこしいので元の自宅はガレージハウス、こちらはマンションとしますか。

 

その代わりに、ガレージハウスで構築したもの以上のサーバールームがありました。

サーバーラックがいくつも並んでいて、空調設計も考えられたものです。

 

 

続けて、マンションの家主の"私"との、差異。

 

技術スキルのパラメータ振り分けに違いがあります。

 

プログラマー、あるいは、除虫師(デバッカー)としてとてつもない能力をお持ちのようです。

 

先程のサーバールームは、そこら辺の違いで構築されたのでしょうね。

 

 

あと、ものすごい残業してます。

 

技術部職員でありながら、BABELのシステムエンジニアまで担っていますよこの人(ワタシ)…。

各国の支部を繋ぐサーバーの管理なんて、そりゃぁ残業三昧ですよね…。

 

そういえば、いつの日でしたか、あっちのBABELでもシス管からヘルプがあった記憶があります。

特に変わった事もせず、それなりの仕事で済ませたので、その後もちょこちょこヘルプはしてますけど、専任されるほどではなくて…。

あ、もしかして…こっちの"私"は、その時頑張りすぎたんですかね?

 

そのせいで大抜擢を受けてしまい、デスマーチになっていると──

 

「あれっ。もしかして、休暇空けたら私がやらないとダメなんですかこれ」

 

どうしよう…ものすごく帰りたくなってきた。いや、ここ自宅のマンションなんですけどね?

 

仕事は…多分、できなくは無いんでしょうけど、同じパフォーマンスを発揮できるとは思えないんですよね…。

 

逆も然り、ガレージハウスで目覚めた"私"がいたら、唖然としてるかもしれないですね。

あちらからしたら、二番手くらいの趣味の品々で溢れてますからね…。

 

そうでした。趣味の方も意外に違いがあるんです。

 

私はソフトウェアよりハードウェア派。

"私"はハードウェアよりソフトウェア派。のようです。

 

オモチャで遊ぶより、ゲームで遊ぶのが好きみたいですね。

 

あのサーバールームの中身をみたら、ものすごい数の前文明ゲームソフトウェアのダンピングファイルがありました。

ダンピング行為自体、法規的にあやしいものですが…まぁ、権利を持ってる会社が現存していないなら、違法もへったくれもないですね…。

 

あ、現文明で作られたものは、ちゃんと買ってるみたいですよ。さすが"私"。

 

…私も遺跡探索にて、運良くゲームソフトとハードをセットで拾えたものをプレイしたことがあります。

 

前文明のクリエイターが心血注いだ作品は、素晴らしい出来栄えでした。

文字や言葉の意味がわからない部分があれど、面白い。と感じるモノでした。

 

ですが、"私"はただ遊んだだけ。ではなかったみたいです。

 

なんと、現文明の一般人でも遊べるようにローカライズして販売しているみたいです。

 

ハードウェアの製造販売は、現実的でないと判断したのか、普及している据置または携帯端末でも動かせるエミュレータを用意して公開。

 

「ベイパー」と言うゲームソフト販売プラットフォームサイトを運営しており、それはもうすごいユーザー数になってます…。

 

何故ここまで頑張っているのか…。

多分、ゲームのオンラインモードを遊びたかったんでしょうね…。

 

遺跡から発掘したゲームには、起動するとオンライン専用を示す文字列が表示され、プレイすら出来ないものも多くありました。

 

当時の通信環境が崩壊しているんですから、オフラインモードがあるものしか遊べないのは当然ですよね。

 

それを良しとしなかった"私"は、リバースエンジニアリングして公開、ゲームサービスサーバーを構築して皆で遊ぶために頑張っていたのだと、思います。

 

一応、現文明ゲーム会社への影響には気を使ってますね。

プラットフォーム運営で得た資金を補助金とか、コードの公開とか、サイト利用料金とか、販売手数料金とか、色々と便宜を図っているみたいですね。

 

しかし、ご本人は公私で発生する凄まじい仕事量に忙殺されて、大好きなゲームができていない模様…。

お労しや、"私"。

 

が、もう他人事じゃないのが今の私の状況でして…。

 

 

 

「私が、この先生きのこるには…」

 

 

 

〜〜〜

 

 

数日後。

休暇の終わり──仕事の始まり──

 

社会人の断末魔の如き、目覚めのアラームが部屋に鳴り響く…

 

「ああ…」

 

ベッドで目覚めた私は、情けない声を漏らしながら、時計に手を伸ばしてアラームを止めた。

 

次いで、頬を濡らしていた涙をパジャマの袖で力無く拭う。

 

「なんて…惨いことを…」

 

涙か、元々弱かった視力のせいか、ぼやける視界。

そんな状態でも目に映る天井は、馴染みの深い、ちょっと懐かしいものなのが、わかってしまった。

 

「…ええ、わかってましたともー!」

 

ベッドの上で情けなく叫ぶ。

私は、戻ってきた。

 

「結局、私は激務を続けることになるんですね…」

 

平行世界から、自分の世界線に。

正しいことのはずなのに、理不尽思えて仕方がない。

 

「…いい気分の休暇明けになると思ったのに…」

 

あちらの私がBABELで抱えている仕事は、機械寄りで少し苦労しそうだなと思われたが、それ以外の仕事については効率化が徹底されており、まともな残業時間のようで…。

休暇明け一発目から深夜残業をすることは無さそうで…。

 

希望に満ちた今後は、泡沫に消えた。

 

「うぁぁ」

 

呻いてしまう。

…あっちの世界は…これ以上なく快適だったんです。

 

七面倒臭い家事は、自動化されていて…。

休暇の度にまいど外回りに連れ出してくるデュカリオン先輩は、自宅に突撃してくることなく、事前に連絡をくれる上に断ったらすぐに引いてくれて…。

 

自分の時間を確保するための仕組みは充実しており、何にも邪魔をされずに、ここ最近で最も長くゲームを楽しむことができました。

 

ずっと、この世界で過ごしたい…。

そう願わずには、居られなかったんです。

 

休暇が終わったとしても、毎日家に帰る事ができる。

ゲームが、できる…。

 

そんな生活が続くと思ったのに…。

 

「家に帰りたい…」

 

あのガレージハウスが恋しすぎて、自分のベッドの上で意味不明な事を呟かずには居られない。

 

その呟きを嘲笑うように、二段目のアラームが鳴り始めた。

 

「キェェエェェェ!!!」

 

猿叫をあげながら、布団を跳ね上げ飛び起きる。

 

ベッドでこのまま夢のような出来事を思い返していたら、一生起き上がれない気がした。

もう一度寝ればあるいは?という考えを振り切るように、自分を奮い立たせて起き上がるしか無かった。

 

乱暴にメガネをかけ、時計のアラームを消す。

 

「仕事がなんぼのもんですかぁ!今日は定時で帰りますよぉうぁ…心が折れそう…」

 

自分を鼓舞する為に目標を口に出すも、絶対に不可能な気がして途中で萎えてしまった。

 

「ひ、一先ず、緊急の案件がないか確認しましょう…」

 

あっちでもこっちでも、長くBABELを空けていたのには変わりない。

問題の一つや二つ起こっているに違いない…。

 

職場に行く前に確認しておいて、出勤途中に対処策を思いつくことができれば、最速で片付けることができる。

少しでも早く帰れるかもしれない。

 

そう考えて、据え置き端末のメール受信ボックスを確認すれば──

 

「なんですかこの御見積書の受領メールは!?」

 

なにをしてくれちゃったんですか!?

あっちの私は!??!?

 

 

~~~

 

 

「私がこの先生きのこるには…」

 

ガラッと変わってしまった職場事情に対応するために、いくつかの策を案出ししてみましょう。

 

今のところ、3つは思いつきますね。

 

案1:事象を話して助けを求め、元の世界線に戻る方法を見つける

案2:隠し通し、"私"として生き続ける

案3:自我を出して、生きていく

 

 

まず、案1…。

先行きが不透明過ぎます…!

暴露?告白?しても"私"の状況からすると本格的に精神病棟に放り込まれて、休職からの退職コンボをキメられてもおかしくない…

この案はナシですね…。

 

案2…。

無難といえば無難…いや、耐えられる気がしませんが!?

この先ずっとプログラムとにらめっこするのは…絶対にどこかで爆発してしまいます!創作意欲が!!!

ナシ!

 

そして、案3…。

タダでさえパンク寸前な仕事量に追加して…趣味にも時間を費やす…?

 

できらぁ!!!

 

一見無謀にも思えますが、私の心の安寧と、生活環境の改善には絶対に外せない、外してはならないもののはずです…!

 

そして、決して不可能ではありません。

ゲームで稼がれていた潤沢な資金がありますし…。

 

「これもあります…!」

 

私は手元に星導核を召喚して、握りこんだ。

 

どうやら、私が格納していた星導核・星導器は、あっちのモノのままだったんです。

 

それにこちらの世界線には無いはずの物が、詰まっていました。

これまで作ってきた作品…生活支援機器の図面が残っているんです。

 

外出先でも問題なく作業ができるように、製作物のデータの類はガレージハウスだけでなく、全てミラーリング保存で持ち出すようにしていたのが、幸を奏しました…。

こんな所で役に立つとは、流石に予想外でしたが。

 

ハード、ソフトの図面・コードのデータは既にあるということは!

資金にものを言わせて外注すれば、できあがるんです!

 

…自分で加工や組立ができないのは、少々残念ですが、こちらでの生活に慣れるまでは、無理できませんからね…。

 

やりたい事をやるのは、その後でもいいでしょう。

 

元の世界線に戻る方法がわからない以上、今できる最善を尽くしましょう。決して無駄にはならないはずです!

 

 

私は星導核とサーバーを直結させ、設計データの一切合切をアップロードさせていきました。

 

保存できたデータの片端から、見積り用の資料を作り上げていく。

製作物の源が有るとはいっても、その数は膨大で、残された時間(きゅうか)は、あまりにも少ないのだから。

 

 

 

~~~

 

 

休暇明けの朝。

アラームが目覚めを促してくる。

 

「あれ?戻ってきたんですか?私?」

 

メガネを探り当て、装着して最初に見た天井は、馴染みの深い、ちょっと懐かしい天井でした。

 

「くぁ。」

 

寝足りないか、安堵か、理由の分からないあくびが出てしまいました。

 

「あぁ〜。休んだ気がしませ〜ん。」

 

結局、この休暇中にやってた事は、BABELでの仕事と変わらなかったんですし。

まとまった時間は、今しかない。と考えて限界いっぱい資料作りを続けたんですよね。

 

非常に疲れました。

 

それなのに、戻ってきてしまっては成果がないのと同じ。

骨折り損のくたびれ儲け極まれり。って感じですね。

 

「くぉわ〜キツゥ〜」

 

何かの拍子で戻ってきてしまったら、無駄になるなぁとは思ってましたが、まーさかこんなに早く戻るとは考えてなかったので…。

 

気分的には、平日のスキマ時間を使って、2ヶ月くらい掛けた作品図面が、バックアップごと全て吹き飛んだ感じと同等。

 

「はぁ。」

 

冗談キツイ。

 

「…まぁ、いいでしょう。平行世界の"私"を助けたと思えば。」

 

このガレージハウスで生活したのだから、便利なのは、わかっているはずです。

見積もり依頼まで済ませてあるんですから、きっと、発注してくれているでしょう、おそらく、完全に無駄にはなりませんよ。めいびー。

 

「さて」

 

自分とは言っても、勝手わからぬ他人が泊まり込んだわけで…出勤前にガレージハウスをチェックしときますか。

 

 

一通り見回って、パッと見、物的な損耗が無いことを確認する。

 

非常に高価な加工機達には触られた形跡すらない。部屋もキレイなものでした。

部屋の掃除はメイドロボがやってくれますからね。当然です。

 

一番の懸念は、パソコン周り…。

 

「…案の定ですね」

 

私が図面を残したように、"私"も置き土産を残していったようです。

おそらく、私と同様に星導核に保存していたであろうゲームファイルが、大量にデータストレージへ詰め込まれていました。

この休暇中、しこたまやっていたのでしょう。

 

そこまではわかります。しかし──

 

なんでメイドロボ達に格闘モーションをインストールした形跡が…?

 

「…まさか!?」

 

イヤーな予感を感じて、気にしてなかったメイドロボを急いで確認しました。

 

「あ〜!CFRP(炭素繊維強化プラスチック)外装がバリバリじゃないですかぁ〜!?」

 

薄いCFRPは衝撃に弱いんです!

リアルで格ゲーなんかさせたら、割れちゃうんですよぉ!まったくぅ!!!

 

直してあげたいですが、ご飯食べて身支度したら、もう出勤の時間ですね…

 

「…これは私もゲームを売らないと割に会いませんね…」

 

休日労働の対価をどう捌くか考えながら、ちょっとブルーな気持ちのまま、休暇の終わり…仕事に向かうことになりましたとさ───




はい、原作シャープちゃんと弊小説シャープちゃんの入れ替わりものでした。

しかし、入れ替わりさせるのに原作シャープちゃんのパワーが負けると思ったので、ゲーム好き(スキン専用背景から)のことから、ゲーム配信サイトを運営してることに。個人で。
「ベイパー」…まぁ蒸気のことです。元ネタは〇チーム…あの規模を個人で?バケモンや。

今後、原作シャープちゃんは発注してくれるのでしょうか…。
生活環境、改善してね。

はい、最後までお読みいただきありがとうございました。

また何か書けましたら宜しくお願いいたします。
それでは。
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