ものづくり中毒属性を付与されたシャープちゃんSS   作:スクワイア

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お題箱にていただきましたお題
「『スイーツが本格的で絶品』と噂のカフェに行かないかと、ベータに誘われるシャープと18号の話」
で書かせていただきました!お題ありがとうございました。

女子会エアプ執筆です。堪忍な!

ベータとシャープ、ダブル丁寧口調なのでどっちが喋ってるかわからんかも…。堪忍な!


スイーツBABELタワー

 

甘味(スイーツ)

 

ミトコンドリアを持つ生物にとって、高効率のエネルギー源。

 

""糖""

 

細胞を動かす源で本能的に欲するものを、ただそのまま摂取することに人類は、それを良しとしなかった。

 

糖の結晶とその他の食物を混ぜ合わせることで、形を変え。硬さを変え。色を変え。熱を変え。重さを変え。

 

如何に、味良く。香り良く。触り良く。見栄え良く。耳良く。

 

思い思いに様々なスイーツを作りあげ、そして、いただいてきた。

 

人類は、甘味の虜だ。

 

飛んで跳ねて、射って叩いて、凡骨をなぎ倒していく超人たる星導使も、例外ではない。

 

 

───だってみんな、女の子だもん!

 

 

~~~~~~

 

 

ユナイテッドシティにある、とあるパティスリー(スイーツショップ )

 

お高いものの、優美かつ絶品のスイーツで話題の、行列と予約注文の絶えない人気店の一つ。

 

大手メディアに取り上げられたことと、星導使を広告塔に起用したことでその人気は留まることをしらない。

 

「ここが先輩とコラボしたスイーツ店…の、提携カフェですね。」

「わぁ!オシャレなお店です!」

「…ふん」

 

まさにその星導使の知り合い、3人の星導使がカフェの前に並ぶ。

 

薄手の黒パーカーとホットパンツにオレンジカラータイツのシャープ

レースパンツとレーストップスに花柄のキャミチュニックを合わせたベータ。

紺のワイドパンツとチューブトップスにデニムジャケットの十八号

 

薄く雲の張った心地よい陽気。そんなおでかけにはちょうど良い天気にほどよい、三者三様の格好をしている。

 

「入りましょ!」

「ええ!」

「…ちょっと待て、コレ待つんだろ?」

 

シャープとベータはいざゆかんとワクワクしているが、気分の乗っていなさそうなダウナー気味の十八号が、指でドア前のタッチ端末を指さしている。

 

画面には、受付はこちら。と、120分待ちの文字が並んでいた。

 

このカフェは、客の端末へ残り待ち時間が通知されるシステムを導入しているようだった。

前評判の割にはカフェ前に行列が無く、一見、閑散としているように見える。

しかし、実際にはテーマパークのアトラクション並の順番待ち時間が聳え立っていた。

 

話題のパティスリーが有名になる前から提携していて、今も尚唯一の提携先であるカフェは、今や販売だけのパティスリーの客並びに負けない人気店となっていたのだった。

 

店を目の前にして、その待ち時間に十八号は顔をしかめている。

そんな彼女に対して、笑顔のままベータとシャープは構わずに手招きする。

 

「大丈夫です!」

「ええ、もう入れますよ?」

「は?ここ、予約とかできないんじゃなかったか?」

「調べてたんですか?」

「当然だろ」

「真面目ですねぇ」

 

他人の誘いでも、現地情報収集を欠かさない真面目な十八号。

不機嫌な顔をしていたのは、長時間待つことをレビューで知っていたからでもある。

 

「本当に入れるのか?…まさかヤったか?シャープ?」

「ちょっと!そんなコズルい事しませんよ…。」

 

シャープが電子情報戦スキルを用いて、受付に割り込んだのでは?と疑った。

 

「今回はやってません!」

「今回は?」

「おっと」

「はぁ…」

 

口をわざとらしくお上品に隠すシャープ。その失言にヤレヤレと息を吐く十八号。

シャープの無実を知るベータは、苦笑いを浮かべながら代弁する。

 

「と、ともかく。今日はデュカリオンさんのおかげで、ゲスト的な扱いになってて、待つ必要はないんです!」

「当の本人が居ないじゃないか?」

「それはですね…」

 

ベータは、十八号の疑問に答えた。

 

〜〜〜〜〜~

 

「ベータちゃんお疲れ〜」

「お疲れ様です」

 

BABELの試験場更衣室で、適度に掻いた汗をシャワーに流し、ボディスーツから着替えたところに、デュカリオンが尋ねてきた。

 

ロンギヌス装備を受領してしばらく経つベータは、星導器の調整を1日掛けて行っていた。

日々の訓練や任務、団長の依頼などで酷使されたそれらは、一度オーバーホールが成され、デュカリオンの監督の下、確認と調整を無事に完了している。

 

「予備モジュールも含めた調整だったから、時間かかっちゃったけど、これでしばらく大丈夫だね!」

「うっ…今度はすぐに壊さないようにしますね…」

 

少し自責を口に出したベータ。

今回の調整に至るまで期間は、昔の装備…人造天使の頃と比べて受領から短く、整備にかかった時間は長い。

 

それはつまり、成績的には悪化した結果なのだと、ベータは感じていた。

 

「え?想定より長持ちしてたよ?」

「…そうなんですか?」

 

何も気にしてないような素振りで、顎に指を当てて首を傾げたデュカリオン。

そして、ベータの自責の内容の意味を理解した。

 

「ああ、前と比べてってことね?そりゃー何もかもモノが違うんだから、耐用寿命も変わってるよ〜」

 

デュカリオンは、ニカと表情を変えて説明を始めた。

 

「人造天使の装備は、基礎的な能力と武器しかなかったじゃん?」

「ええ」

「だから、色々と設計に余裕があったんだよね。その分を安全率とか信頼性に回してたから、あまり内部は壊れなかったんだよ」

「なるほど」

「比べて、ロンギヌス装備は…無理を通したシロモノなんだ」

「…」

「…あっ。繊細なシロモノなんだよ」

 

若干半目になったベータに、言い直したデュカリオン。

それ、訂正になってないです…!とベータは内心に留めたかったが、実際に色んな戦場を巡った後にコレを言われるとさすがに顔へ出てしまう。

 

しかし、ベータに理解は出来た。

連続、単発、照射の撃ち分けができるガンブレードに、無反動砲(リコイルレスキャノン?)とマイクロミサイル、膝部の指向性炸薬、ビットと反応弾2種のてんこ盛りだ。

 

人造天使装備に比べて、何倍も稼動部が仕込まれているのだから、無理をしていないはずもなく、耐用寿命が短いのも当然に思えてきた。

 

「安全軽視とかしてないからね!?」

「疑ってないですよ?…こうして無事な訳ですし…」

 

少し考えていたことで、デュカリオンが慌てたように繕ってくる。

実際、星導器が原因で怪我をする事もなければ、定期的な通常メンテナンスでパフォーマンスが維持されている。

疑いなど、掛けようもない。

 

「流石、デュカリオンさんとシャープさんが作ったものだ。っていつも思ってます」

「アハハ〜ありがとね!」

 

褒められたことで、照れくさそうに頬を搔くデュカリオン。

 

「じゃ褒めてくれたお礼に、これあげる」

「これは…」

 

名刺入れからなにかカードを取り出したかと思えば、それを差し出してくる。

 

カードには…ピンクのファンシーな格好(グミフェアリー)に身をつつんで、きゃぴ☆っとポーズを取っているデュカリオンが大きくプリントされていた。

 

「特別優待券だよ!」

「コラボしたパティスリーの!?」

「そう!コラボのおかげか分からないけど、相変わらず盛況みたいだね。そのお礼か何かで送られてきてたみたい」

 

照れ隠しにしては突拍子無さすぎるので、更衣室まで尋ねてきた本当の目的はこれだったようだ。

 

「へぇ…えっ貰っちゃっていいんですか?」

「もちろん!いっつも頑張ってるご褒美も兼ねてね〜」

「わぁ!ありがとうございます!」

「ユナイテッドに行く時あったら是非行ってみてね!冷凍で取り寄せたものより、もーっと美味しいから!」

 

ベータは、ニコニコとカードを受け取り、財布の中にしまう。

同時に、デュカリオンの自分は行く気がないような言い方が気になった。

 

「デュカリオンさんも一緒に行きましょうよ!」

「ごめんだけど、遠慮するよ〜」

「な、なんでです?」

「あはは…いやぁ贅沢な話なんだけどね?もう食べ過ぎちゃった」

「はぇ?」

 

ちょっと困った表情を浮かべるデュカリオンは理由の話を続ける。

 

「動画形式のレビューをコラボの時撮ってたでしょ?スイーツ全種類」

「ぇ、えぇ…」

「ミスすると撮り直しになってね…。いくつか同じのを食べたり…そもそも全種類の時点で多くて…」

「わ、わぁ」

「コラボの後も、次の新作レビューお願いしますって来るから…ねぇ?いや、美味いよ、かなり美味い。でも、ねぇ?」

お仕事でお金をもらいながらもスイーツを食べられる!とデュカリオンが喜んでいられたのは中盤までだった。

コラボキャンペーン期間最終版には、ぶっちゃけ食傷気味になっていた。

 

「あ〜…お察し致します…」

「それと、みんなと一緒に行ったら楽しいんだろうけど、…うぅ…」

 

泣き真似と共に、デュカリオンが更衣室のロッカーへ悲しげにしなだれ掛かる。

 

「アタシ絶対余計な事言う!これはドコドコ産のナニナニでコウコウ作ってとか…ぁぁ!親にゲーム攻略本を買ってもらったからって、友達にマウント取り出すガキンチョになっちゃう…!」

「…ア、ハハ…」

「スイーツ完全攻略ガイドとして指示厨したっていいんだけど、初見はやっぱりワクワクしたいじゃん?という訳でアタシはパスします!他の誰かを誘ってね?」

 

わざとらしい演技にベータがから笑いを返せば、すぐケロリと素に戻った。

 

「あ、そうそう優待のことをお店に伝えれば、予約御免の提携カフェでも予約できるって!」

 

じゃアタシは、調整レポートまとめるから。アデュー!

と更衣室から去って行った。

 

〜〜〜~~~

 

「というわけなんです」

「なるほど。…調整の話いるか?」

「BABELらしさってやつですよ」

 

少し長くなる内容に、一行は話しながらカフェに入店。事実、待たされることなくテーブル席に通された。

メニューを眺めながらサーブされたお冷を飲みつつ、デュカリオンとのやり取りを語り終えた所だ。

 

「話も区切り着きましたし、早くスイーツを選びませんか?」

「そうですね!でも、すごい種類…。どれも美味しそうで…悩みますね」

「…」

 

写真付きメニュー表と、席に案内される時に見かけたショーケース内のスイーツ達を思い出しながらシャープとベータは悩み唸る。

十八号はチビ。と水を飲む。

 

「ケーキ、タルト、パイ、プディング、ムース…」

「クリーム、マロン、フルーツ、チョコレート、チーズ…」

「…」

 

流石、有名パティスリーと契約していることもあり、普通のカフェでは有り得ない種類のスイーツデザートが、メニュー表を埋め尽くしている。

十八号はチビ。と水を飲む。

 

二人はメニュー表から顔を上げた。

 

「…出雲の偉い人は言いました」

「…」

「迷えば、敗れる」

「…」

 

シャープが眼鏡の位置を直して呟く。

その続きをベータが継ぐ。

十八号はチビ。と水を飲む。

 

「「迷うなら、全部獲る!」」

「まてまてまてまて」

 

出雲の星導使から聞いた言葉に色々と付け加え、覚悟を決めたセリフを喋る二人に、十八号は待ったをかけた。

 

「全部頼むのか!?」

「こういう時にこそ、お金を使うべきなんですよ」

 

件の優待券はお一人当たり、スイーツ一つ無料。二つ目以降は二割引。飲み物はそのまま。のサービスが受けられる。

かなりの割引率。それでも、有名店スイーツの値段は張る。メニュー全部となれば、超高級料理店に並ぶお支払いレベルだろう。

 

ここのメンツは国際機関の一員達。大人買いで薄くなる財布をしていない。

 

「いや、金は心配してないが…入らないだろう…?」

「ホールでは頼みませんよ?1ピースずつ頼めば、3人でも行けますって!」

「…っ!」

 

そういうことではない。と言う前に、食べ手に数えられていた十八号が言葉を詰まらせた。

デュカリオンが陥落した量も、3人集まればどうということはない。と、そう判断した二人。

 

「あ、すいません。オーダーいいですか?」

 

十八号は微妙な表情を浮かべ、何とか止めようとした。

しかし、スイーツに心踊っていた二人は気が付かず、ちょうど通りがかったウェイトレスへ、ベータは即座に声を掛けて注文し始めた。

 

飲み物は3人分の紅茶をポットで、スイーツはここからここまでぜぇ〜んぶ。という注文に笑顔を崩さずオーダーを控えて、すぐにカウンター裏に戻って行く。

 

十八号は、きたる試練に遠い目を浮かべた。

 

 

───しばらくして

 

「わぁ〜!かわいい〜!ステキ!」

「圧巻ですね…!」

 

アフタヌーンティーで使われるスリーティア・ケーキスタンドが、テーブルに複数器鎮座している。

 

運ばれて来た時、周囲のお客様の目線が色んな意味で凄まじかった。

今も定期的に目線が飛んできている。

あ、男性客が引っぱたかれた。

 

「コレは撮らないと!」

「えぇ!」

 

お菓子それぞれの色味や味、種類をカフェの方が気を利かせ、考えて配置されたスイーツタワーは、ある種の芸術作品である。

 

シャープとベータは、立ち上がって携帯を取り出すと、色んな角度から「映え」を撮りまくった。

 

「撮らないんですか?」

「…私はいい」

 

素っ気なく答えて、十八号はチビ。と紅茶を飲む。

その間もカシャカシャと擬似シャッター音がなっている

 

「十八号さ〜ん!こっち見てぇ」

「ん?」

 

ベータの声に、十八号がそちらを見た瞬間にパシャリ。インカメラがタイミングを逃さずに撮る。

 

ベータとシャープは席に座り直し、今しがた撮ったグループセルフィーを確認する。

十八号、ベータ、シャープ。それとケーキタワーがバランス良く映っている。

 

「おお〜いい感じですねぇ」

「シャープさん…これなんのポーズなんですか?」

「リングのポーズです」

「そのままだ!?」

「…」

 

二人はあははと笑う。テンションが上がっている。

 

「さて、いただきましょうか!」

「そうですね!まずはフルーツのものから…」

 

小皿に取り分けようと、1番近いベータが動く。

 

「はい、十八号さん!」

 

十八号の前に切り分けられた見事なフルーツタルトが乗る小皿が置かれる。

 

"非常に甘そうだ"

 

 

「「いただきます!」」

 

二人はもはや待ちきれぬようで、手を合わせてすぐさまタルトを口に運ぶ。

 

「…」

「「…ん〜おいしぃ!!」」

 

反応をハモらせた二人。

 

「あ〜ほっぺたが落ちる〜」

「これは…噂のハードルを越えてます…!」

 

絶品のスイーツに舌つづみを打つ二人は、ふと、未だに紅茶だけを傾けている十八号の姿が二人の目に止まった。

 

「食べないんですか?…あ、アレルギーとか聞いてなかった…!」

「いや、そういうんじゃないんだ…」

 

十八号はどこか思い詰めた顔で俯いている。

それは二人の緊張を誘い──

 

「…甘いの…苦手なんだ」

「「えっ。」」

 

そのカミングアウトにマヌケな声が2つ上がった。

 

なぜ言わなかったのか、着いてきたのか…というか結構長めの期間付き合いがあって気が付かなかったのか──

そういえば、お土産とか差入れで配られたお菓子の類はタチアナに流していた気が──

 

色々思うところを頭に浮かべていると、十八号が続けた。

 

「あからさまに断るのもナンだと思って調べて、甘さ控えめらしいチーズケーキ位なら、問題ないと思ってたんだ…」

「「…」」

 

まさか、全部頼むとは。これを予想できなかった。

自分のことより付き合いを優先した健気な十八号は、二人の暴走で窮地に陥っていたのだった。

 

「ごめんなさい。気が付かなくて…」

「有頂天でした…すいません」

 

スイーツを食べに行くテンションで若干視野の狭まっていた二人は、反省を見せて十八号に謝る。

 

「食べきれなくても、お持ち帰りしたっていいですし…」

「いや、私も食べる」

「「えっ!?」」

 

先ほど、苦手と言ったにもかかわらず、食べる。と主張した十八号に驚く二人。

 

「いつも貰ったのを誰かに渡すの…なんだが申し訳ないしな…団長にいつも気を使わせてるし…克服しなきゃならないって、思ってはいたんだ。」

 

十八号なりに、考えがあってのことだった。

ふーっと息を吐き、十八号は意を決してフォークをタルトに刺す。

 

フォークを震わせながら手を持ち上げ、口に運ぼうとして──

 

「…ダメだ…」

 

あと少しのところで、手を下げてしまった。

 

「無理はしない方がいいですよ…」

「見てるこっちもハラハラします…」

 

二人は、固唾をのんで見守るしかない。

悔しそうにしている十八号は、おもむろにベータを見て思いついた。

 

「そうだ…ベータ、口に入れてくれ!」

「ぇえっ!?」

「自分の手だと、止めてしまう…でも、口に入ったら何とかするしかない…。だから頼む…!」

 

それはいわゆる、あ~ん♡──なのでは?

 

恋愛モノコンテンツに疎い十八号以外、周囲の客を含めて何処ぞで見た、甘いシチュエーションを頭に浮かべている。

しかし、当の本人は不退転の決意で頭がいっぱいだ。

 

「わ、わかりました」

 

ベータは困惑しつつも、苦手克服を手伝うことに決めた。

フォークを受け取り、タルトを口まであげる。

十八号は、フォークの先のタルトを目で追っている。

 

「目、閉じた方がいいんじゃないですか?」

「そ、そうだな…見てたら咄嗟に避けそうだ…。」

 

シャープの提案を受け、緊張と不安の表情はそのまま、十八号は目をつむる。

 

「はい、お口開けてください…あ〜」

「あ……」

 

パクリ

唇を閉じればフォークが引かれ、タルトが舌に乗る。

 

最初は恐る恐る動いていた顎が勢いついていき…ゴクリと喉を通った。

 

「…ん」

「「ん?」」

「んゥ〜〜〜〜!」

 

眉間の寄ったシワが無くなり、強ばっていた表情がふわりと柔らかく開花した。

 

「うマァ〜〜〜〜〜!!!」

 

至福の歓喜があふれた。

何時ものキリッとした表情が、跡形もなく消え去っている。

 

「なんだコレ…お菓子ってこんなに美味しかったのか…私は今まで何を食べ───」

 

視界に映さない為から、味う為にと、閉じられていた目が開かれると…

ニンマリした笑顔を浮かべる、ベータとシャープがいた。

シャープはカメラのレンズを十八号へ向けている。

 

十八号は何故だか、途端に気恥ずかしくなった。

顔が紅潮していく。

 

「なっ!撮ってたのか!?」

「えぇバッチリです。8K動画で撮らせていただきました」

「け、消せェ!」

「まぁまぁ十八号さん。騒ぐと迷惑ですよ?はい、あ〜ん♡ 」

 

常識の範囲内で、十八号はシャープに吠えるも、笑顔でフォークを差し出してきたベータに阻止されてしまう。

何かに目覚めてしまったか、その様子にどこか危機感を感じ、口をへの字にして反発する。

 

「もういい!自分で食べる!」

「えぇー。そんなー。」

 

十八号はフォークをベータから奪い取り口に運ぶ。

 

「うま」

「ふふっ。お口に合うようでよかった!」

 

入店前後の不機嫌さが嘘だったような、十八号の口から出ている感激の言葉に、笑みがこぼれるベータ。

ついに十八号は、顔をぷいと背けてしまった。

 

「わ、私を見てないで、お前らも食べたらどうだ!」

「はい!次はどれにしましょ?」

「まだまだ前半ですし、さっぱり目なゼリーとかいかがです?」

「いいですね!」

 

色んな種類のスイーツを食べ進めていく中、十八号が他2人に譲るような品はなく、むしろ大きいところを選ぶ程。

 

甘い物に囲まれた乙女な星導使達は、心ゆくまで堪能した。

 

 

 




「ところで十八号さん」
「なんだ?」
「なんで甘いもの食わず嫌いしていたんですか?」
「…ガルザのレーションのせいだな…。そうか、アレがヤバかったのか」
「軍用の?」
「ああ。あれの中にデザートとか練乳も入ってるんだが…最初食べた時、びっくりして…それ以来、甘そうなやつはずっと避けてた」
「あ〜。寒冷地域のレーションは、すごいカロリーって聞きます。それを普通だと思ったら苦手にもなるのも分かります」
「しかも練乳かけてるヤツが結構いて…それくらいが普通(一般的な味覚)なのかと思ってたんだ…」
「うわぁ」

はい、お読みいただきありがとうございます。

一八号が甘味苦手なのは捏造妄想設定です。酒のつまみは好きらしい。
ガルザ軍レーションのデザートが馬鹿甘いせいで苦手に。
ちなみに現実の軍レーションを参考にしました。内容物の一つのデザートは、味も濃いめでエネルギー確保の為にハイカロリーなうえ、練乳が1チューブ入ってたりするそうな。
人生そこそこでそんなもん食わされたら甘味苦手になりそう。って感じです。

お題箱でご所望いただいていた一八号のテレ…うまく表現できたかな…わからぬ…。

また何か書けましたら投稿します。
それでは。
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