ハルネモ 交わる手と早まる鼓動   作:ゴールド@モーさん好き

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第1話

 寮の部屋にコンコンッとノックが響き、扉を開ける。

 

「こんばんはハルト」

「いらっしゃっいネモ、外寒かったでしょ?早く入って、こたつだしたんだ」

「うん、お邪魔します」

 

 扉の前に居たのは僕の恋人であるネモだ、今日はネモたってのお願いでいわゆるお部屋デートをする。

 

「ごめんねハルト、無理言っちゃって」

「そんなに気にしないで、僕も部屋でゆっくりっていうの嫌いじゃないしさ」

「そっか……なら良かった」

「飲み物、ミックスオレとサイコソーダどっちにする?」

「うーん、ミックスオレで」

「りょーかい」

 

 僕は冷蔵庫からミックスオレと、自分用のサイコソーダを持ってこたつへと入る。

 

「それじゃあとりあえず、かんぱい」

「うん、かんぱい」

 

 カコンッとペットボトルと缶のぶつかる音共に、乾いた喉を潤す。

 

「くぅ〜これこれ、やっぱり冬はこたつに冷たい物だよ」

「こたつって良いね、ハルトのお家の方の部屋にお邪魔した時初めて知ったけど、暖房とはまた違う心地良さがあるよ」

「でしょ?こっちの方だと珍しいからか、扱ってるお店探すのに苦労したよ」

「ふふふ、そうだったの?言ったら手伝ったのに」

 

 それから僕らはこたつでゆったりしつつ、楽しくお話を続けた。

 

「ねぇハルト」

「なぁにネモ?」

「私たちって、その……恋人じゃん?」

「うん」

「だから、その……〝恋人らしい事〟って、やりたいと思うのかなって」

「ッ!?」

 

 正直びっくりした、まさかネモからそういう話題が出るなんて。

 

「あ、やっぱりびっくりしてる」

「うぅ、ごめん」

「ううん謝らないで、そういうイメージがあるのは分かってるし、実際問題ちょっと前迄ならそうだったから」

「じゃあ、なんで?」

 

 そう聞くと、ネモはこちらを不服そうにジトっと見つめ返す。

 

「え、えっと?」

「私をこんな風にした張本人に、そう言われるとかなりムカつきます」

 

 そう言いながらネモは自身の足を僕の足に絡めるようにしてきた。

 

「ちょちょちょネモさん?!」

「私を、私の心をキミ色に染め上げた癖にそんな反応されると……」

「わ、わかった!わかったから!ゾワゾワするから足の爪先でスリスリしないで!」

「…………」

 

 さっきから心臓がうるさい、当然だ。そんな事しないと思って好きな子に、急にスキンシップされたらこうもなる!男の子は単純なんだよ。

 

「ねぇハルト」

「は、はいなんでしょう」

「………隣、行っていい?」

「………………うん」

「ありがとう」

 

 僕はネモの問いかけに、少し悩んだ末了承した。この問答の次に隣に来たいって事は、そういう事だろうと。

 

「よいしょっと……そっち、体預けても?」

「いいよ、おいで」

「うん……」

 

 僕の隣に座り直したネモは、そのまま体をこちらに傾けて身を寄せに来た。それを僕は受け入れ、恋人繋ぎした。

 

「あっ」

「僕もさ、実はこういう事したかったんだ」

「え?」

「後出しでごめんね」

 

 好きな女の子とイチャイチャしたい、当たり前だろ僕だって男だ。けど……

 

「きっと、ネモはこういう事に興味が無いと思ってたから……隠してたんだ」

「そう、だったんだ」

「うん」

 

 ネモは会った時からバトルが好きで、バトルに情熱を注いで、僕はバトルを通じて彼女と対等になれた。

 

「僕らの関係は、バトル無しじゃ成り立たないかもって……そんな臆病風に吹かれちゃったんだ」

「ハルト……」

「かっこ悪いよね、どんな道を経たとしても僕らはこうやって対等な関係になったんだから、話せば良かったのに……結局、キミにばかり勇気を出させてしまった」

 

 自分の情けなさが嫌になってくる、僕がイチャイチャしたいって欲求を我慢してたのは気遣いとか優しさとかそんなのじゃない。

 

「結局の所、自分を出してキミが居なくなる可能性が怖かったんだ」

「そんな、私は居なくなったりなんか」

「うん、そうだね。けど、もしネモにその気が無くてこの関係が壊れちゃったとしたらって考えたら、怖かったんだ」

「ハルト」

「えっわぷ」

 

 僕はネモに腕を引かれ、横になったネモの上に身を乗せる形になった。そのまま頭を抱かれ、顔がネモの胸に押し付けられる。

 

「ちょ、ちょっとネモ?!あの色々と当たってると言うから埋まってるというか!?」

「うん、当ててる」

「なんで!?」

「私、こんな事になっても逃げないでしょ?」

「ッ!」

 

 そういうネモは、恥ずかしそうに頬や耳を赤らめながらも、快活とした僕が大好きな笑顔を見せた。

 

「私ね、ハルトが私にその……〝そういう事がしたい〟って思ってくれてるって知って、はしたないけど嬉しかった」

「僕も、ネモが僕と恋人らしい事したいって言ってくれて嬉しかったよ」

「よかった……ねぇハルト?今回さ、こうやってお互い言えなかった事、隠してた事を言い合ってきっと前よりも心が通じあったと思うの」

「う、うん。確かにそう思うけど、それで?」

「だから──」

 

 

 お互いが、相手〝に〟したい事試しにやっちゃお。

 

「へ?」

「ふふ、じゃあ私からね」

 

 僕がその言葉の真意を探る前に、僕の目の前に彼女の笑顔が来る方が速かった。

 

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