「オレ、自然の風景とかばっかりカメラに収めた事がなくて。きちんと人物を撮った事がないんだ。さっき、日傘をもってた姿、なかぬか“
唯子はそれをきくと、トクンッと胸がときめいた。
そして、
「上手く撮れたら、学校で発表をするんですよね?」
と、分かりきった質問をした。
「もちろん、そのつもりだけど。――あっ、ギャラとか出した方が良い?っていうか、人目とか気にする年頃だもんな。やっぱり……」
「えっ、いえ、その……、私、何かの
唯子は、冷製パスタを全て食べ終え、土屋の黒ぶちのメガネの奥にある
「私で良かったら、ぜひ
と、気付けば自分でも思いも寄らないく
「おっ、やってくれるの。――連れて来て良かったよ。それじゃ、早速……、あっ、でも、その前に――」
と、一呼吸置くと、
「唇にクリームが付いてる。化粧室、行っておいでよ。インフォメーションコーナーで待ってるから」
と言った。
唯子は、着てきた服を汚さずに済むと思って注文したショートパスタを食べた事を、恥ずかしく思った。
そして、
――――――
美術館のテラスは、ガラス張りになったレストランと
「よし、じゃあ今度は席に着いて。それで視線は遠くを見て、左手はアゴに当てて――、そうそう、良い感じ」
空席の、真っ白なテーブル席に座って、唯子は広々とした海を見つめた。
カシャッ、カシャッ。
唯子はこんな
海がキレイな所、と
しかし、今、目の前にしている景色は、どこまでも青く広がっていて、空の色が海に
(つづく)