「【特別展】
『photographer(写真家)への第一歩』
20✕✕年8月10日(日)
開催時間︙午前11時〜午後4時
〇〇百貨店西館8階にて開催――」
写真家への第一歩、か。
帰りの電車の中で、唯子は土屋から渡されたチラシをずっ見ていた。
結局、昨晩から悩んでいた、土屋の父親についての本当の答えを
しかし、今はそれよりも目にしているチラシの特別展の事が気になって仕方が無かった。
一体、どんな風に私は映っているのだろう。
唯子は、早くも自分が土屋の作品の一部として飾られるところを想像した。
――おっ、この子、なかなか
――えぇ、たまたま、図書館で知り合って。
――へぇ、意外と、本好きなんだ。
会場に来た客が、土屋と話しているのを勝手に妄想し始め、最後にはモデルのスカウトマンから連絡を受ける、という
そして、自宅から
たまたま手にしたティーン雑誌の「読者モデル・エントリーシート」と書かれたページを見つけ、唯子はその
『
記入
文字で
せっかくなら、土屋に
しかし、電話番号先も、メールアドレス先も知らない彼と、こちらから連絡を取るのは無理な話だった。
彼女は仕方なく携帯電話で撮った画像をプリントアウトして、応募する事に決めた。
そして、スタイルを良く見せられるシンプルな服が良いか、それとも流行のアイテムを取り入れるかを悩みに悩んだ末、彼女は唯一、家族以外に見せた美術館に行った時の服装にする事を決めた。
何度も撮り直しては、顔のツヤや、姿勢が悪くないかをチェックし、結局10日間もかけて撮った写真と共に、エントリーシートを送った。
もし、合格すれば、今までに無い経験をする事が出来る夏を味わい、また、「新しい自分」に
もちろん、モデルとして雑誌に
(つづく)