また、夏休み前の期末テストで、良い成績を取れたら、お
新しい夏服を買って、未知の世界の編集部へ行く――。
しかし、彼女の思いとは
――――――
7月の第2土曜日になって行われた市立図書館の「読者の会」の後で、恵が唯子に話しかけてきた。
「唯子ちゃん、お久しぶりね。――テスト、終わったの?」
「はい、昨日で全教科を終えたばかりで」
「そうなの。お疲れ様。――で、どうだったの?土屋君とは」
「えっ、どうだったって……?」
「唯子ちゃん、
「あっ、その、土屋さんに写真のモデルになって欲しいって言われて……。その日だけですけど」
「あらっ、それって、土屋君に気に入られたって事じゃない?」
恵は近くの
「あー、ついに彼氏が
と、口をすぼめて
「えっ、そんな、『彼氏』だなんて……。『好きだ』って言われてもないですし……」
「でも、『モデルになって欲しい』なんてだなんて、少なくとも
「いえ、それが……、そんな事、考えた事が無くて……。あっ、でも、来月の〇〇百貨店で写真展を開くから、来て欲しいって言われて……」
「へぇ、写真展ね。で、そこで唯子ちゃんの美少女っぷりが
「えっ、いえ、『美少女』なんて……」
唯子は否定しつつも、どこか、こそばゆい嬉しさを
「あの、良かったら、恵さんも一緒に行きませんか?家族や友達だと恥ずかしくて……」
すると恵は、
「悪いんだけど、来月っていったら、8月よね?学校の夏休みが始まっているでしょ。だから、書庫の整理とか、読み聞かせのイベントとかで、色々忙しくて……。せっかく
と、申し訳無さそうに手を合わせた。
「……いえ、言われてみれば、そうですよね……。こちらこそ気付かなくてすみません」
「いいのよ。――その代わり、というか、今度こそ土屋君の連絡先、
「あっ、はい……」
唯子は、うつむき
――――――
7月24日。
夏休みが始まり、ちょうど読者モデルのエントリーシートを送った1ヶ月後だった。
雑誌の編集部からは、まだ連絡が無く、来るとすれば今日が最後だった。
彼女は、美術館でモデルになった事に気を良くし、一週間もすれば電話がかかってくると思っていた。いや、 「
(つづく)