――そして、個展の中で、
それは、本の角度、文字を追う目線、
『本と、一瞬と、美しさと。』とタイトルが付けられたその作品以外、唯子の
「――よっ、来てくれたんだ。その紙袋は、オレ
肩をポンッと叩かれ、後ろを振り向くと、土屋が立っていた。
「……あっ、こんにちは……。花束なんですけど、受付で渡そうと思ってて……。でも、早く作品を見たくて……つい……」
「そっか。11時になるまで時間があったから、この
彼は唯子から花束を受け取ると、
「オレ、他人から花束なんてもらうの、初めてでさ。――何か、恥ずかしいな。で、どうだった?作品は」
唯子は
すると、土屋は、
「ゴメン。オレ、色々ウソ付いてたの、分かった?親父は高校中退って、いつか話してたじゃん?本当は、それ
、オレなんだ。それと……、あの写真、勝手に使って悪かった。でも、どうしても誰かに見せたくて……。親父に
と申し訳無さそうな表情をした。
すると、
「……ありがとう……ございます……」
と、唯子は小さく、
「私、読書をする事しか出来なく自分に
「――へえ。何ていうか、“ありのままの自分”って感じ
?」
「はい……」
「ハハハッ。写真家を目指す者として、一番の
今度は、土屋が、赤くなる番だった。
「――あの、一つ、
「ん、何?」
「一番好きな本って、誰の、何っていうタイトルの本ですか?」
「――写真家、土屋俊介
唯子の夏は、いよいよ始まりを迎えたところである。
(完)
【あとがき︙作品制作ウラ話】
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
いかがだったでしょう?
実は、この作品の半分は、私の大学生時代の実体験で出来ています。
例えば、この作品のポイントとなる美術館は、大学生時代によく通っていた、実際に存在する「兵庫県立美術館」という世界的建築家と呼ばれている安藤忠雄(あんどう ただお)氏が設計された場所なんです。
また、唯子が土屋と初めて入った喫茶店は、私がよく友達と京都へ遊びに行った際、京都御所近くの有名な喫茶店「六曜社(ろくようしゃ)本店」という所で、ドーナツを出されているのを当時のガイドブックで知り、この作品の参考に参考にさせていただきました。
そして、私の大学生時代の肝心の恋愛事情と言えば…?
う〜ん、0勝1敗1引き分け(引き分けってなんだ?!とう方は、ご想像にお任せします。笑)という結果です。
また、主人公の「唯子」像は、当時、大流行したNHKの朝ドラ「あまちゃん」に出てくる、橋本愛さん演じる「唯(ゆい)」から、名付けさせていただきました。
だって、イメージがピッタリだったんだもん。
土屋俊介自体には、モデルがなかったんてすが、ストーリーを作っていく過程で、「こういうアクションしてくれてら、話が盛り上がるだろうな」って感じで、あんなフラフラ(?)だけど、堅実な所もあるというキャラクターにさせていただきました。
というわけで、次回作は、皆さんの感想次第で、純愛青春ラブストーリーか、はたまた、違うジャンルになるかは分かりませんが、これからも少しずつ執筆活動(ネット投稿)を、このサイトでしていくので、どうぞよろしくお願いします!
参考文献︙『世界の美術家――その生涯と作品』
出版社︙ポプラ社