次の日。
雨上がりの放課後はジメジメと蒸し暑く、衣替えしたばかりの制服は、ベッタリと引っ付くように唯子の肌を離さない。
駅構内のトイレで、携帯用の制汗スプレーを体中に掛け、ようやく汗ばんだ感覚から解放されると、電車に乗り込み、車内のクーラーに心地良さを感じた。
急行列車のため、各駅停車と違ってドアの出入り口から今日のようなムッとした空気が入って来る事は
「次は△△駅――、△△駅――」
ちょうど本を読み終える頃には、
駅から歩いて15分。
市立図書館のけ玄関口からは、、クーラーの涼しい風が
中に入り、「貸出・返却コーナー」のカウンターを見ると、恵が受け付けをしていた。
「――こんにちは、恵さん」
「あら、唯子ちゃん。今日はいつもより早いのね」
「えぇ、急行の列車に乗ったので。それに、この本を読み終えた感想を早く伝えたくて」
「そうなの。わざわざありがとうね。それで、どうだった?」
「それがですね――」
「……アンタ、一体、何の真似だいっ!」
玄関口近くの幼児向けにつくられた「えほんコーナー」から、図書館にはおおよそ似つかわしくない男性の
「ここは、本を読む
「いや、その、ボクは……」
その声を聞きつけた恵はカウンターを飛び出ると、その現場に向かい、
「すみません、市の新人の広報担当の者で……」
と、頭を下げて謝罪をした。
「今度この図書館で、子ども向けに絵本の読み聞かせをする会を開催する事になっていて、それで、その広告作りに写真を撮らせていただいていて……」
と、ひたすら謝り続ける恵を見た、60代前後の男性は、
「それならそうと、ひと声かけてくれれば良かったのに……。この人、いきなりパシャパシャとウチの孫に向かってシャッターを切るんだからねぇ。最近は、妙な人が多い世の中だから……」
と、頭の後ろを
すると恵は、
「どうも、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。――ほら、
「……あっ、どうも、すみません、でした……」
と、カメラを持った男性は猫背で口元をモゴモゴとさせて、頭を下げた。
そして、
「あの、それじゃあ、ボク、今から次の仕事の約束があるんで……」
と、ゆっくり後ずさりをして、振り向きざまに、
「――あっ、お待たせぇ――」
と、叫んだかと思うと、いきなり唯子の腕を
(つづく)