「今さ、学校の課題で何枚か撮った写真を皆の前で発表しなきゃいけないんだ。面倒くさいんだよね、そういうの」
それじゃ、なぜ、迷惑がられるような真似までして、と唯子が思ったところで、
「ねぇ、この後、予定ある?」
と、土屋に
「……いえ、特に……」
「じゃあさ、駅前のカフェでも寄って行かない?
良い人なんだか、悪い人なんだか、さっぱり分からない。
でも、唯子は土屋と何か“つながり”があるような気がした。
そして、一瞬ためらったが、
「……じゃあ、30分だけなら……」
と、返事をした。
「よし、決まり。――ついでにさ、今までオレが撮った写真、見てくれない?発表するまで、学校の友達に見せるの、禁止なんだ。そういう決まり事は守る
その言葉を聞いて、面倒だという課題は、実は何か理由があって、そう言わざるを得ないんだろうと、唯子は感じた。
「――いらっしゃいませ――」
土屋に案内されて入ったカフェは、女子高生やOLが入る、明るく開放的な雰囲気――ではなく、いわゆる「純喫茶」の
土屋はこの店の常連客なのか、マスターと親しげに会話を交わすと、カウンター席に座った。
「コーヒー、飲める?」
「……ぬるめのカプチーノなら……」
「分かった。――マスター、いつものヤツと、ぬるめのカ
プチーノ、それから、ドーナツ2個ね」
「ここ、ドーナツが裏メニューなんだ。オールドファッションなんだけど、それがまた
と言い、
満開に咲いた桜の木と、その近くで流れる川。
オレンジ色に
画面いっぱいに映し出された、水滴が乗って
「――お待たせしました――」
気が付くと、カプチーノの入ったカップと、
「――どうだった?オレの写真」
フォトブックの中の他の数々の写真も、単なる「写真」というより、「作品」として評価出来る
「……どれも
「へえ、気に入ってくれたんだ。見せた
土屋の話によると、彼の父親は写真家で、当時退屈で
(つづく)