【悲報】三度目の転生も忍者だった件   作:兵庫人

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第3話

1.三度目の転生者

 忍術学園の先輩がやたらとフレンドリーなのだが?

 

2.名無しの転生者

 ん? どうした、いきなり?

 

3.名無しの転生者

 フレンドリーも何も、忍術学園の生徒達って皆仲良しだろ?

 

4.三度目の転生者

 いや、そうなんだけど、最近自主練をしていたら授業中にも関わらず、先輩が話しかけてきてアドバイスをしてくれるんだよ。

 それもこのところ毎日。

 

5.名無しの転生者

 授業中に話しかけてくる? それは確かに変だな?

 

6.名無しの転生者

 というかイッチ、授業中に自主練しているの? 学校の授業はどうした?

 

7.三度目の転生者

 座学と基本的な体力をつける訓練は他のは組の皆と一緒にやっているよ? でも手裏剣投げとかの技術関係の授業になると山田先生から自主練をするように言われているんだよ。

 

8.名無しの転生者

 それってあれか? 手裏剣投げとかの技術はすでに一年のレベルを超えているから自主練をしろと言われたってこと?

 

9.三度目の転生者

 多分そう。

 最初の授業で張り切りすぎて、一度に十個の手裏剣を投げて全て的の中央に命中させたりと色々やり過ぎたら、次の日から技術関係の授業になると自主練をするように言われた。

 

10.名無しの転生者

 あー……。やっぱりそうか。

 

11.名無しの転生者

 イッチは一度目の転生は対魔忍、二度目の転生は木の葉忍者をやっていた忍者のベテランやからな。体力面が弱体化しているだけで、技術や知識はもう教わることがないんじゃないか?

 

12.名無しの転生者

 なるほどそれで体力作り以外は自主練というわけか。それで自主練って一体何をしているんだ?

 

13.三度目の転生者

 せっかくだから自分の得意な武器の訓練をしてる。

 

14.名無しの転生者

 忍術学園って確か、一年から三年で基礎体力や知識をつけて、四年から自分の得意な武器やら技能を身につけていくって感じじゃなかったっけ?

 

15.名無しの転生者

 入学して数日ですでに上級生扱いなのかイッチは。そりゃあ、上級生からも目をつけられるわな。

 

16.名無しの転生者

 そう言えば上級生の先輩がやたらフレンドリーに接してくるって話だったよな。

 

17.名無しの転生者

 それでそのイッチに近づいてきた上級生の先輩って誰よ? アニメに出てきた人?

 

18.三度目の転生者

 不破(ふわ)雷蔵(らいぞう)先輩と鉢屋(はちや)三郎(さぶろう)先輩。

 

19.名無しの転生者

 誰だっけ? 名前は聞いたことがある気がするんだけど……。

 

20.名無しの転生者

 忍たまって登場人物が多すぎて、名前を聞いただけだと思い出せないキャラって多いよな。ちなみに俺も分かりませんでした。

 

21.名無しの転生者

 俺もらんきりしん(乱太郎ときり丸としんべえ)に土井先生、山田先生以外自信ないわ……。

 

22.名無しの転生者

 確か不破雷蔵は優秀だけどよく悩む優柔不断なキャラで、蜂屋三郎は変装の達人で普段は不破と同じ顔をしていて双子の兄弟かってキャラじゃなかったか?

 

23.名無しの転生者

 ああ、思い出した。五年ろ組コンビか。

 

24.三度目の転生者

 そうそう。その不破先輩と鉢屋先輩が自主練をしていると必ずと言っていいほど様子を見に来るんだよ。

 

25.名無しの転生者

 う〜ん? 確かに不自然かもしれないけど、イッチって例の毒草事件で六年生にも顔を覚えられたんだろ? それ関係で不破と鉢屋もイッチに興味を持って気に入ったんじゃないか?

 

26.名無しの転生者

 毒草事件……確か毒入りの煙幕を使うために免疫を得ようと毒草を食べて体調を崩したアレか。それならあり得るかもな。

 

27.名無しの転生者

 そうだな。イッチよ、別に気にしなくていいんじゃないか? 忍術学園の生徒って基本的に皆、仲間思いなんだからさ。いい機会だから、不破先輩と鉢屋先輩から色々アドバイスをもらったら?

 

28.三度目の転生者

 そう、か……? そうだな。それもそうだよな。

 

 

 

 深夜。忍術学園の建物にある一室に忍術学園の教師陣が集まっていた。

 

「それで山田先生、土井先生。例の生徒……山之宮灯一郎の様子はどうでしたかの?」

 

 部屋の中央に座る老人、忍術学園の学園長である大川(おおかわ)平次渦正(へいじうずまさ)に聞かれ、一年は組の実技と座学を担当している教師である山田(やまだ)伝蔵(でんぞう)土井(どい)半助(はんすけ)は同時に頷くと学園長の質問に答える。

 

「はい。灯一郎は授業は常に真面目で、自主練でもサボったりすることなくすでに自分の得意な武器を見つけてその訓練をしています。間違いなく、一年は組で一番優秀な忍たまです。しかし……」

 

「優秀すぎます。体力面では他の一年と比べていくらか優れている程度ですが、知識や忍具を扱う技術は六年生並み……いいえ、プロの忍者にも引けを取らないくらいです」

 

 最後の方で躊躇いがちに言う山田伝蔵の言葉を引き継ぐように土井半助がそう言うと、部屋にいる他の教師達はある者は感心したり、ある者は驚異を感じたりと様々な反応を見せ、学園長は重々しく頷いてから口を開く。

 

「ふむ……。ちなみに灯一郎の身元の確認は取れたのかの?」

 

「はい。山之宮灯一郎は播磨の国の猟師の息子であるという確認は取れています。猟師の息子のことを考えれば忍びに近い動きができる説明もつきますが、それでも私は山田先生達と同じく灯一郎の知識と技術は異常だと思います」

 

 学園長の言葉に部屋にいる教師の一人が即座に答え、それを聞いて別の教師が深刻そうな表情となって学園長に話しかける。

 

「……学園長。もしやと思いますが灯一郎はどこかの忍軍からこの忍術学園について調査に来た忍び……あるいは『妖怪』なのでは?」

 

『『……………っ!?』』

 

 教師の一人が灯一郎は妖怪なのではと言うと、山田伝蔵や土井半助だけでなく部屋にいる教師全員、学園長ですら表情と身体を強張らせるのだが、それはある意味仕方がないことと言えた。

 

 この世界において妖怪とは忍者の天敵と言える存在なのだ。

 

 何処から現れるのか分からず決まった倒し方でしか倒せない個体も少なくない妖怪の調査は忍者の重要な仕事であり、妖怪が現れたか現れていないか、その妖怪がどの様な姿をしていてどんな戦い方をするのか、どうすれば倒せるのか。

 

 これらの妖怪の情報を忍者は常に文字通り命懸けで調査しており、忍術学園のような忍者を育成する教育機関があるのも、妖怪の調査で命を落とす忍者が数多くいることが関係していたりする。そして妖怪には対象の人間にそっくりな姿に変化する個体もいるため、灯一郎が妖怪なのではと教師の一人が言ったのも無理もない話と言えた。

 

「灯一郎がただ優秀な忍たまなのか、別の忍軍からの偵察なのか、それとも変化した妖怪なのか……。その調査はこれまで通り、悩み過ぎるところはあるが分析力に長けた不破雷蔵と変装の達人である鉢屋三郎に任せておこうと思う」

 

 その技術と知識の高さから山之宮灯一郎がただの忍たまではないと疑いの目を向けていた忍術学園は、すでに彼に不破雷蔵と鉢屋三郎に灯一郎の調査を命じており、それをこれまでも続けることを学園長が決定すると他の教師達も同意するように頷くのであった。

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