ULTLIVE!~女神と光の巨人~   作:RUOU

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《前回のULTLIVE!》
 穂乃果達と再会した大吾。
 あまりの音沙汰ない状況に怒る海未、ことりだったが、次第に悩みも聞いてもらおうとして四人で音ノ木坂学院を救うべく話が始まる。
 だが、妙案が出ず悩むなか、逃げたはずのゴルザが関東平野にて出現。
 穂乃果達に逃げるように促してから隠れてティガに変身する大吾。
 その様子から何か違和感を覚えた穂乃果は、彼のあとを追うようにして家から飛び出してしまう。
一方、ティガはゴルザと対峙するが、パワーアップしたゴルザに攻められ、一撃必殺のゼぺリオン光線にて反撃しようとするも吸収されてしまう。無闇に高出力で撃ち続けたティガだったが、エネルギーを切らしてしまい消えてしまうのだった。


5話 巨人の名は、ウルトラマンティガ

「──謎の巨人が姿を消して、怪獣は再び進行を開始しました

 数分後には、東京へやってきます」

 

 テレビ越しに伝えられる情報を聞き慌てて避難しようとする民衆の流れに歯向かいながら前へ走り続ける穂乃果。姿を消した大吾を探しに秋葉原までやってきたが、いつも人で賑やかな街並みは、いつも通りではなかった。

 怪獣が来る。

 そんなフィクションのような話に頭が追いつかずに自分の命を最優先に考えて避難した人々のせいか、落し物や陳列されていた商品などが散らかっており閑散した風景になっていた。

 

「穂乃果!」

「穂乃果ちゃん!」

「二人とも……」

 

 後を追うようにやってきた海未、ことりが彼女を呼び止めると、穂乃果の手を握り海未が走ってきた道を引き返そうとする。

 

「もうすぐ、怪獣が来ますよ! 

 さぁ、早く逃げましょう」

「でも、まだダイくんが!」

「穂乃果、落ち着いてください!」

 

 海未の静止を振り切っても大吾を探そうとする穂乃果。ことりもこれ以上危険な所へ言って欲しくないのか、穂乃果に抱きついて押さえようとする。

 

「穂乃果ちゃん、逃げよ! 怪獣来てるよ!」

 

 次第に大きくなるゴルザの足音、咆哮と共に聞こえる爆音が穂乃果の心配を加速させる。瓦礫の下になって息絶えた彼の姿が脳を過ぎるのだ。ここで諦めたら後悔するかもしれない。それだけはしたくない。

 既に彼女は、脳裏に映り込む在りもしない風景を見逃せるほど、冷静ではないのだ。自分で確かめたい、この脳裏に映る風景が本当なのか知りたい。そうなら助けたい。

 今、穂乃果の心はそれでいっぱいなのだ。

 

「ことりちゃん、海未ちゃん──ごめん!」

 

 そう言って穂乃果は、二人の制止を振り切ると、迫り来る怪獣の方へ向かって走り出す。

 

「穂乃果ちゃん!」

「ダメです、ことり! もう怪獣が……」

 

 穂乃果を追いかけようとすることりだが、すぐに海未が行かせまいと彼女の手を握る。

 ゴルザが近くまで来てしまったのだ。

 自分より大きなビルをご自慢の熱線で破壊するゴルザ。あちらこちらで爆発や火災が発生する。人類が繁栄してきた証拠を我が物顔で破壊するゴルザに対して自身の無力さを痛感する二人。大事な友達も助けれず、ただ呆然と見ることしか出来ない。そうこうしてるうちに穂乃果の背中がどんどん小さくなる。

 

「穂乃果!」

「君たち、ここで何してる!」

 

 やはり穂乃果の所へ行こう。そう決意したもの束の間、自衛隊の隊員が複数人やってきて海未達に声をかける。無線を飛ばして生存者を発見と連絡を交わす自衛隊員は、指示を聞き海未達を抱きかかえた。

 

「もうここも被害が酷くなる合流地点に車があるからそれで逃げよう」

「嫌です、穂乃果を! 友達を助けないと!」

 

 海未が必死に穂乃果の方へ腕を伸ばす。しかし、破壊された建物の瓦礫が飛んできて穂乃果との間に落ちて見えなくなってしまう。

 

「あれでは無理だ

 仕方ないが、諦めてくれ」

「そんな……穂乃果ちゃん!!」

「嫌です! 穂乃果──!!」

 

 必死に抵抗して近くへ行こうとする二人を自衛隊員は、軽々と運ぶ。助けたい気持ちは自衛隊員にもあるのだが、今は生存率の高い人を助けることが大事なのだ。歯を食いしばりながら自衛隊員達は、海未達を連れて避難するのだった。

 

 

 

 ◇◇◇

「まさか、時間制限があったとは……」

 

 スパークレンスを見ながらそう呟く。

 無制限で力を行使できる物だと思い込んでいたがまさか、活動制限があるとは……盲点だった。

 いや、気づく機会はあったのかもしれない。

 急に得た強大な力に浮かれていて機会を見逃していた節がある。もっと上手く立ち回りすれば、ティガの力を正しく使えていれば、こんな事にはならなかった。

 後悔と敗北が心に深く刻まれていた。

 強くなったゴルザにまた変身して勝てるのだろうか、そんな不安に心揺らぎながらゆっくり起き上がると遠くへ行ってしまったゴルザの背を見つめる。

 邪魔者が居ないと言わんばかりに破壊の限りを尽くすゴルザ。

 あのままでは、東京は壊滅してしまう。そうすれば、穂乃果達も巻き込まれてしまう。

 

「──不味い」

 

 俺は、スパークレンスを見つめると一度、大きく息を吐いて目を閉じる。

 大丈夫。

 巨人になれる制限時間も警告信号も理解した。

 敵の情報も知っている。

 次は勝てるいや、勝たないといけない。

 これ以上、罪のない人を悲しませる訳にはいかない。

 俺は、スパークレンスをぎゅっと握り両腕をクロスしてから腕を大きく回してスパークレンスを空に掲げた。

 

「──ティガ!」

 

 スパークレンスから放たれた光に包まれ俺は、再度ティガへと変身する。

 巨人の姿となった俺は、スピードに特化したスカイタイプへとタイプチェンジしてその場から飛び立つのだった。

 

 

 ◇◇◇

「──ダイくん! どこ?」

 

 燃える街の中、瓦礫を掻い潜りながら穂乃果は、大吾を探していた。途中ゴルザの咆哮に鼓膜が破れそうになる事もあった。辺りが火の海になっているせいで酸素が薄くなっているせいか呼吸が荒くなり、激しい目眩が穂乃果を襲う。

 

「探さなきゃ、必ず!」

 

 大吾も苦しい思いしてるだろう。早く探し出さないとこのままでは、火の海に飲み込まれてしまう。時折、焦げた刺激臭が鼻に来る時がある。きっと逃げ遅れた人なのだろうと思うと吐き気も襲ってくる。

 近くで猛威を振るってるゴルザと穂乃果の目が合ったのは、そんな時だった。

 

「──やば!」

 

 気がつくと被害の中心地まで来てしまっていたのだ。ゴルザを近くで見て冷静を取り戻すと穂乃果は、慌ててゴルザから逃げるように走る。

 しかし、ゴルザは瓦礫を掴むと穂乃果の方へ向かって投げるのだった。

 ──もうダメ、死んぢゃう。

 海未やことりの言うことを聞くべきだったと思う穂乃果。迫り来る瓦礫に恐怖を覚え目を逸らした。

 

「──チャァッ!」

 

 次の瞬間、瓦礫が何者かによって別の方向へ吹き飛ばされた。

 何も痛くないと思いゆっくりめを開けると穂乃果の目の前には、駆けつけたティガの姿があったのだ。

 

「さっきの巨人!?」

 

 突如、現れた巨人に驚く穂乃果。彼女の声に目線を落とすティガ。一瞬、なんでここに居るのかと驚く仕草もありつつゴルザと対峙する。

 倒したはずのティガが現れて気を悪くしたゴルザが頭部から熱線を放つ。

 躱せば穂乃果へ直撃してしまうと察したティガは、穂乃果を庇うようにゴルザに背を向けて熱線を受け止める。受け止められたことに腹を立てたゴルザが更に威力を上げながらティガの方へ近づく。痛みを堪えながらも片膝を地につけて何とか踏ん張っているティガ。

 先程、エネルギー切れを起こしてるせいか、もう胸のカラータイマーが赤へと点滅を始める。この警告音を無視する訳にはいかない。

 

「頑張れ、巨人さん!」

 

 穂乃果の呼び掛けに答えるようにティガは、ゆっくりと手を差し出す。

 

「乗れってこと?」

 

 穂乃果の問にティガは頷く。それを見てゆっくりと掌に乗る穂乃果。彼女を優しく包み込み再び立ち上がるティガ。スカイタイプの速度を活かし熱線を躱すと、ゴルザからまだ被害が出てない所へ移動して穂乃果を安全な場所で降ろす。

 

「──ダイくん、そうだ! ダイくんを助けて!!」

 

 神にもすがる思いでティガに向けて叫ぶ穂乃果。

 そう言われても大吾本人がティガなのだから気にしなくてもいいと思いまながらも心配して来てくれた穂乃果にどうか安心して欲しい。そう思ったティガは、約束の印にと言わんばかりに小指を立てる。それを見て穂乃果小指を立てる。

 

「約束だよ! 絶対、約束だよ!」

 

 穂乃果と約束を交わしたティガは、ゴルザの元へと向かう。

 腹を立てながら街を破壊をするゴルザ。

 そこへ戻ってきたティガは、パワータイプへとタイプチェンジしてゴルザと対峙すると間を詰めてからゴルザの腹部を二度ほどゴルザの腹部を殴るがらあまり効果がないように見える。そこで、少し溜めてから鋭い一撃を放つと少し怯んだゴルザ。その隙に懐まで近づいてからゴルザを持ち上げてから勢いよく地面へ叩きつける。頭部を強打したゴルザは、平衡感覚を失っているのか起き上がることが出来ない。

 それを見てティガは、スカイタイプへ戻ると手からティガフリーザーと呼ばれる冷凍光線を放ちゴルザの体を凍らせる。先程のように吸収されるのを防ぐのが目的だ。氷の塊になるゴルザを見てからマルチタイプへタイプチェンジしてからL字に組んで身動きの取れないゴルザへゼペリオン光線を放つ。光線は、ゴルザの体を射抜くと瞬く間に爆散したのだ。

 

「ピコン、ピコン、ピコン」

 

 静まり返る街をにティガのカラータイマーの点滅音が響く。

 戦いは終わった。自分の不甲斐なさが招いたこの光景を忘れないようにしっかりと眼に焼き付ける。

 二度と失態を犯さない。そう覚悟を決めながらティガは、空へ向けて飛び去った。

 

 

 

 ◇◇◇

「──穂乃果!」

「ダイくん?」

 

 人間に戻った俺は、真っ先に穂乃果の元へ駆け寄った。

 あの場にいたという事は、燃え盛る炎の中あちこち駆け巡ったのだろう。よく見るも火の粉によって制服があちこち焦げて穴がいていた。

 俺は、そんな穂乃果を強く抱き締めた。

 

「ダイくん? 痛いよ」

「──ごめん」

「え!?」

「こんなになるまで心配かけて、本当にごめん」

「ダイくんが無事でよかった! それに光の巨人さんにも感謝だね!」

「光の巨人?」

「うん! 大きくてね、とても優しい正義の巨人! 

 名前はなんて言うんだろう……?」

 

 興奮しながら助けてもらったことを熱く語る穂乃果。自分の事ながら少し照れくさくなるもそこをぐっと堪える。なんせ、大したことはしていないのだから。もう少し来るのが遅ければ、ゴルザによって穂乃果が殺されていたかもしれない。いや、最初の戦闘でゴルザを仕留めれなかった俺への責任だ。すべて俺が上手く立ち回っていれば……。

 

「ダイくん?」

「あ、ごめん……もう大丈夫 なんだけ?」

 

 物凄い険しい顔をしていたのだろう、穂乃果を心配されてしまう。

 これは、心の奥に閉まっておこう。

 もう二度と誰かを悲しませないと。

 

 その誓いを名前に込めて。

 

「たから、巨人の名前! ダイくん何か知ってる?」

「──巨人の名前は、ウルトラマンティガ」

 

 

 後に中継映像に映った巨人と会話をした奇跡の少女──高坂穂乃果は、取材にて巨人の名前について聞かれ「ウルトラマンティガ」と答えたことで世間でウルトラマンティガと呼ばれる事になった。




いかがだったでしょうか。
前半は、大吾の心配により火の海へ飛び込む穂乃果。
どうして、脳裏に生き埋めになる大吾の姿が永続的に流れてしまっていたのか、疑問が残りますね。

沢山の人に読まれてる確認ですが、作者に文才はありませんので太平洋よりも大きな心で読み続けて貰えると幸いですm(*_ _)m

さて次回、「学校でアイドル!?」にてお会いしましょう。
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