ULTLIVE!~女神と光の巨人~   作:RUOU

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《前回のULTLIVE!》
 ティガを倒したことで意気揚揚と都心へ進むゴルザ。
 いつもの平穏から一変する街並みをひたすら駆け抜ける穂乃果。それを追うように海未やことりも走るが穂乃果と離れてしまう。
 気がつくと、穂乃果はゴルザの近くまで来てしまっていた。
 もうダメだ──死を悟ったその時、消えたはずのティガが再び穂乃果の前にやって来たのだ。
 穂乃果を助け、ゴルザを撃破したティガ。二度とヘマをしないその決意と共に大吾は、ティガのことを「ウルトラマンティガ」と名付けられたのだった。


6話 学校でアイドル!?

 光の巨人──ウルトラマンティガが東京にてゴルザを撃退してから一週間の月日が流れた。

 巨人と会話した女子校生──高坂穂乃果への注目度はかなり上がっている。彼女から詳細の話を聞きたくてマスコミの取材が殺到して穂乃果の家にマスコミの渦が出来るほどだ。

 

「──もう、これじゃ外へ出れないよ!」

「仕方ありません

 巨人と話したとされる映像が連日テレビで流れるんですから

 穂乃果は、今注目の的なのです」

「穂乃果ちゃん、有名人だね!」

「こんなので有名になっても嬉しくないよー!」

 

 そう頭を抱える穂乃果。そんな姿を横目に俺は、スマホを使いニュースを見ていた。街は、復興へ向けた動きがある中、一部の報道は、怪獣やティガの謎を深堀しようとする内容だ。この状態が続くと穂乃果たちの生活にも支障が出ることになる。

 母に頼んで取材規制をかけた方が良いのだろうか。そう思い一通のメールを送る。

 すると、何やら思い出したことりが俺へ話しかける。

 

「あ、そうだダイくん! 今日一緒に学校に来て欲しいの」

「学校って音ノ木坂?」

「うん、お母さんが来て欲しいって」

「わかった、じゃあ一緒に行こうか」

「え、ダイくんと登校出来るの? やったー!」

 

 何故と思ったが、穂乃果達と一緒に行くことを提案する。すると先程まで落ち込んでいた穂乃果が喜びながら自室へ戻り急いで支度をする。先程までの様子が嘘のように鼻歌を歌いながら準備する様に海未も呆れ気味に言う。

 

「──全く、先程まであれだけ外に出れないと嘆いていたのに」

「それが穂乃果ちゃんだもん」

「二人にちょっと聞きたい事があるんだけど、あの日穂乃果の様子おかしくなかった?」

 

 穂乃果が支度をしてる最中に俺は、海未やことりに話を聞く。

 聞きたいことは二つ。

 あの日、何故ゴルザの前に穂乃果が居たのか。

 何故、俺の事をそこまで心配してたのか。

 時が経つにつれそれだけが疑問に思っていた。

 すると、二人は少し当時のことを振り返りながら教えてくれた。

 

「穂乃果の様子ですか……」

「あの日は、兎に角ダイくんの心配してたよね?」

「俺の!?」

 

 確かにティガとして穂乃果を助けた時も彼女は、必要以上に俺の事を気にしていた。

 まるで悪夢でも見たかのように。

 どうやら俺と離れたあとから既にその傾向があったようだ。

 

「えぇ、あれは異常な程でした

 まるで、幻覚を見せられてるかのような」

「幻覚……でも一体どうやって?」

「それが分かれば苦労してません

 というより、大吾さんはどこへ行ってたんですか?」

「え? 俺!? それは……」

「みんな、お待たせ! 早く行こう」

 

 海未に詰められるも穂乃果が来たことによりこの話は、お開きになった。

 何とか俺がティガという事がバレずに済んだ事に安堵する。

 それよりも気になるのは、海未の口から出た言葉──幻覚だ。

 俺も仮説を立てていたのだが、何者かに幻覚を見せられたのであれば異常なほどの心配も納得出来る。

 だけど、何の目的で、どうやってやったのか。

 新たな疑問を抱えながら俺は、穂乃果達と学校へ向けて出発するのだった。

 

 

 玄関前に集まった野次馬を退けながら学校へ向けて登校を始める俺たち。途中しつこく聞いてくる記者には、俺からキツくお願いするとそれ以上に記者たちが迫ることはなくなった。

 流石に俺が国会議員の息子であることは各報道者に筒抜けであるから顔色を伺っているのだろう。

──親の権力に感謝だな

 

「何か言いました?」

「いえ何も」

 

 海未に、ジロっとした目で見られてしまう。海未は、権力を振りかざしたりすることを嫌う。なので、基本的に裏でやるようにしてるのだが、連日の囲み取材のせいで俺も少しヤケになってたかもしれない。

 しばらく大人しくしてようと思う。

 

「──ねぇ、見て! なんかやってるよ!」

 

 すると、穂乃果が大型ビジョンを指さす。そこには、UTXの文字が映されている。

 次の瞬間、ビジョンにアイドルのライブ映像が流れ始めたのだ。

 

「UTX? アイドル?」

 

 そう驚いていると、何かを思い出した穂乃果が慌てて鞄を漁りパンフレットを取り出す。

 

「ここ、雪穂が行きたがってたUTX高校だよ! 

 確か、スクールアイドルが有名だって」

「へぇー、これがそのスクールアイドル……」

 

 周囲を見ると音ノ木坂の制服を着た生徒も何人かこの映像を見に来ている。どうやら結構人気のあるグループのようで、足を止めて夢中に見ている人も何人かいる。そんな中、季節外れのコートに身を包んだ怪しい格好をしている音ノ木坂の生徒に声をかける。

 

「──あ、あの?」

「何よ?」

 

 声をかけられたのが嫌だったのか、明らかに不機嫌そうな声で返事する生徒に怯むことなく俺は彼女へ質問した。

 

「このグループは、なんて言うんですか?」

「何アンタ知らないの? A‐RISEよA‐RISE! 

 今最も注目されてるスクールアイドルよ!」

 

 A‐RISE。

 確かにダンスのキレや歌唱能力は、並のアイドルより優れている。曲調もどこかアイドルをイメージするような可愛いものではなく、クールな曲調が他と差別化することで人気を博しているのかもしれない。

 

「──確かに凄いかも」

 

 そう呟くと俺は、穂乃果達を見る。

 ビジュアルなら彼女たちも負けてないのではないか。歌唱力やダンスは分からんが、努力次第ては、勝負出来る。

 幼馴染だからなのかは分からない。

 ただ学校が大好きで廃校を止めたいと言う彼女たちの熱量なら乗り越えられる。

 そう可能性を感じたのだ。

 

「穂乃果!」

「え! 何!?」

「これだ!」

 

 そう言ってビジョンを指を差した。

 穂乃果は黙ってビジョンを注視する。

 A‐RISEのライブが終わり、見ていた観客から盛大な拍手喝采が巻き起こる。

 映像は、最後に入学志願者募集中と告げられて幕を閉じる。通勤通学時を狙った広告と言ったところだろう。流石、人気のあるスクールアイドルだ。

 それを見ていた中学生達から「ここにしようかな」と言った声があちらこちらで聞こえてくる。

 映像を最後まで見てた穂乃果は、目を輝かせながら俺の意図を汲み取る。

 

「そうか、これだ!」

 

 穂乃果は、ビジョンを指差しながら海未とことりに話す。

 

「──これだよ、海未ちゃん! ことりちゃん!」

「穂乃果ちゃん、まさか……」

「あれの事ですか!?」

 

 ビジョン見ていた海未の悲鳴にも聞こえるような声が響くのだった。

 

 

 

 ◇◇◇

──あれから大変だった。

 

 穂乃果達と別れ、ほっと一息ついていた。

 学校でアイドルをしていたA‐RISEを見てこれを音ノ木坂でも出来ないかと閃いたのだ。

 成績や人気がなければ作ればいい。

 スクールアイドルであれば、度を越した危険に巡り合うこともないと思ったのだが、早速難敵が居たのだ。

 

「──アイドルはなしです!」

 

 そうキッパリ俺たちにノーを突きつけたのは海未だった。彼女自身弓道経験者であるからしてA‐RISEや他の人気スクールアイドルがその頂きへ登るまでに相当の努力をして来た事は、分かるのだろう。穂乃果には、到底無理だと決めつけたのだ。

 落ち込んだ穂乃果を慰めながら登校するのは、大変だった。

 

「──さて、ここか」

 

 そう先程までのことを簡単に振り返りながら俺は、理事長室の前へやってきた。ノックしようとすると、何やら先客と理事長が口論している様子が扉越しに聞こえてきた。

 

「──生徒会独自で廃校阻止に向けて動かせてください!」

「それは出来ません」

「何故ですか!」

「何度も言っているでしょ

 生徒会は、今いる生徒の為に動いてくださいと」

「それでは、納得できません!」

 

 生徒会──昨日話に出てた生徒会長と理事長が揉めているのだ。

 俺は、扉を叩く。

 

「取り込み中すみません

 ことりのお母さん、大吾です」

「──どうぞ」

 

 入室の許可を得て俺は、理事長室へと入る。

 中は、いかにも修羅場といった雰囲気の中、

 

「お久しぶりです、今は理事長と呼んだ方が良いですか?」

 

 入って直ぐに理事長と話をする俺が気に入らないのか生徒会長の絢瀬絵里が殺気にも似た目つきで睨みつける。確かにこんな状態の彼女に独自に動かれると一体どんな事をされるか不安になるだろう。会ってすぐだが、俺もそう思う。

 

「どちらでも構いませんよ、早速無理言って来て貰ってすみませんね」

「いえ、大学は既に単位を取り終えてるので時間はありますから」

 

 それは、方便だ。

 本当は、超古代文明のことについて調べたいと思っているのだが、幼馴染の母親からの呼び出しだから時間を空けている。そうしないと後で母に何を言われるか分かったものじゃない。

 

「──あの二人の子供ですからさぞかし優秀なのでしょう、貴方も」

「いえ、まだまだです」

「──あの、理事長! 私はまだ話をしてる途中です!」

 

 会話に花が咲く中、それに割って入る絵里。彼女も生徒会長としての意地があるのか、先程の話の続きをしようとする。しかし、理事長の回答は、一緒だった。

 

「話すことはありません

 生徒会にはこれまで通り生徒優先で残り少ない学校生活の為に行動してください」

 

 少し強引にも思える物言いに絵里は、ギュッと唇を噛みながら部屋を後にする。

 悔しそうな表情、何か気になる。そう思ってると小さくため息をこぼした理事長。

 

「──貴方の目から見ても少し厳しすぎるかしら?」

「いえ。そんな……」

 

 つい言葉が詰まってしまう。それが正解だと言い切る資格が部外者の俺にはないからだ。

 

「つまらない事聞いたわね、本題に入りましょう」

 

 そう言って理事長は、俺を呼び出した本当の理由を話し始める。

 まず語ったのは、音ノ木坂学院の現状について。ここはある程度穂乃果達から聞いている内容に対して補足を足すかのように理事長かま話してくれた。

 

「教職員も含め経営も少ない人数でやっているのだけど、残った職員だけでは手の届かない所が多くてね、困っている状況なの」

「それと俺を呼んだ事と何の繋がりがあるんでしょうか?」

「そしたらね、君のお母さん──由香里さんに相談したら大吾君借りていいって話になって!」

「え!?」

 

 まさかの提案を母からされていた。その提案を聞いて驚いているとスマホが揺れる。母からの通知が来たのだ。今朝の返事が返ってきたのだ。慌てて内容を読む。

 

「マジか」

 

 どうやら本気で俺が手伝う事を提案したらしく穂乃果の件は対応するから貸し借りなしだという文面が送られていた。

 我が親ながら息子のことをなんと思っているのやら……。

 

「ちなみに僕は、何をすれば……」

「そうね──まずは、用務員として学校整備等をお願い出来るかしら」

「用務員ですか……」

 

 これでは完全に雑用係ではないか。教育レベルを落としたくないのは分かるが、大学生に頼むことなのかと疑いを抱く。

 

「お願い! 大吾君が頼りなの!」

 

 そう言って潤んだ瞳をしながら理事長が俺へ頼んでくる。ことりの頼み上手な所は、母親譲りだ。

 そんな目で見つれられると断るのは至難の業である。

 

「──分かりました、やりますよ」

「やった! ありがとうね、大吾君」

 

 これからどうなってしまうのか。そんな不安を抱えながら俺は、早速用務員として学校の雑用をこなすのだった。




いかがでしょうか?
少し投稿に間があきましたが、沢山読んで頂きありがとうございます!
投稿感覚にバラつきが今後で出来ますが、どうか太平洋より広い心で読んでもらえると幸いです!

さて、次回「始まりの歌」にてお会いしましょう
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