バスケ回です。
魔法少女の活躍はありませんがご覧いただければ光栄です。
それでは、ど~ぞ(*^^*)
前回から数日後…
今日は女子ミニバス県大会の最終日。準決勝及び決勝が行われる。僕達、聖祥小女子バスケクラブは準決勝も快勝し、いよいよ決勝である。今日は高町家一同、月村家姉妹と専属メイド姉妹、アリサと執事である鮫島が応援に来ている。さらに、よく見れば観客席の一番上ではフェイトとアルフがいた。確かに昨日、ご飯を食べにきた時に…
「明日僕、バスケの大会にでるから見にきてね」
とは言ったが、フェイトの美しい金髪がとても目立っているのがコートからでも分かる。
さらに、はやての姿もあった。はやてもはやてで車椅子であるため、とても目立っていた。そして、目線を決勝戦う相手チームに向ける。
「…平均的に全員背が高い…」
「千百合ちゃんの言うとおりよ」
麻奈佳先輩が僕の所感に賛同する。
「相手チームの平均身長は出場チーム最長の153㎝…一番背の高い人で158㎝あるらしい、多分この子は千百合ちゃんが相手することが多くなると思う、そして、麻奈佳ちゃんにはダブルチームがきてもおかしくないから、隙をうまく見つけて攻めて、亜衣麻衣美衣ちゃん達はいつも通りの連携プレーをするように…それと、相手のスターティングオーダーがレギュラーが三人しか準備していない…多分私達に対して何か策があると思うから気をつけて…」
担任の先生もとい監督は、なにやら資料の束を見て考察を含めて言った。
「「「「「はい!!」」」」」
そして、僕達は整列する。並ぶと分かるが、背が高い…
そして、ジャンプボール…
「試合開始(ティック・オフ)!!」
審判が宣言する。相手ジャンパーは監督が言っていたとおり、相手チームで一番背が高い人…僕と頭1つ分も違う…が…
「はぁっ!!」
「くっ!!」
ジャンプボールに先に触れたのは僕。麻奈佳先輩にパスを出そうとした。しかし、それを止める。なぜなら…
「くっ、と、トリプルチーム…」
麻奈佳先輩は苦笑しながら言う。そう、監督の予想は概ね当たっていた…しかし、ダブルチームとトリプルチームでは全然違う…パスコースがほとんどない…しかたないからパスコースを変えようとした時…
…パンッ!!
「…えっ…」
相手の手によって僕の手元からボールは弾き飛ばされた…そして、それは相手選手に渡り、先制点を取られる。
「千百合ちゃん、切り替えよう!!」
「っ…はい!!」
麻奈佳先輩に励まされ、それに応答する。
(僕の失態だ…これで取り返す)
麻奈佳先輩かろ、パスを受け取ると僕はスリーポイントラインで踏み切る。実質これなら確実に決めれる…この時までそう思っていた。
…しかし…
僕がゴールに跳んだ進行方向に相手選手がわざとぶつかるように跳び、僕のレーンアップを邪魔した。当然、僕と相手は空中でバランスを崩す。しかし、僕は体にダメージを与えないように綺麗に受け身を取った。相手選手は尻餅をついてとても痛そうだ…
そこに審判が駆け寄り…
「チャージング!!バスケットカウント1!!」
相手選手にファウルを宣告した。ファウルによってフリースロー1回、これはラッキーだが…
「千百合ちゃん、気をつけて…相手は絶対にダンクを決めさせない為にファウルを気にせずにくるみたいよ…」
麻奈佳先輩は僕に助言する。
「大丈夫です。あの程度のぶつかり合いなら平気です」
僕はそう言って麻奈佳先輩に笑いかけ、フリースローを決めた。
その後も僕はとことんレーンアップを邪魔された。麻奈佳先輩には相変わらずトリプルチームでボールにすら触らせないようなディフェンスがついている。
亜衣麻衣美衣トリオと一緒にパスを回すがなかなか得点に繋がらない。
その状況に僕は焦っていた。今までそんな経験がないから、それは精神的にかなりきついものだった。
…だから…らしくないミスをした…
「くっ…なんとか…しないと!!」
そう呟き、ドリブルで相手をかわす。そして僕は跳ぶ。今度は相手選手もスピードについてこれなくて、進行方向に邪魔する者はいない。
しかし…
「千百合ちゃん!!」
麻奈佳先輩に叫ばれた時には遅かった…
ガガガんっ!!
ゴールに押し込もうとしたボールはリングに叩きつけられ、ネットに吸い込まれることなくリング上を滑り落ちた。そう、僕は十八番とするレーンアップをこの大会で初めて失敗したのだ。理由は跳ぶ距離が足りなかった。僕の運動神経ならあれくらいの距離なら軽く跳べるばずだが、相手のファウルプレーの連続で気づかないうちに脚に負荷がかかっていたのだ。
…そして第3クオーターが終わった時に得点は27-35と負けていた…
「…はぁ…はぁ…」
「千百合ちゃん!!ほんとに大丈夫!?」
息を切らし、ベンチで呼吸を整えている僕を麻奈佳先輩が心配してくれた。
「くそっ、あいつらえげつない作戦なんて使いやがって!!」
「正々堂々勝負しろよ!!」
「まじ引くわ!!」
亜衣麻衣美衣トリオも相手の作戦にイラついていた。
「ごめん、私が何も出来ないから…」
麻奈佳先輩が申し訳なさそうにする。
「麻奈佳先輩は悪くありません!!」
「千百合ちゃん!?」
僕が急に大声で反論すると、麻奈佳先輩はびっくりして僕の方を向く。亜衣麻衣美衣トリオも僕を見る。
「悪いのは僕です…ダンクだけで満足していたから…そのダンクでさえも封じられて何もできない…」
そして、その場に静寂に包まれる。
…と思った…
「何言ってるの!?千百合ちゃん!!」
麻奈佳先輩の叱咤に僕はびくりと反応する。
「バスケはチームでやるものでしょ!?今、負けているのは千百合ちゃんだけのせいじゃない!!私を含めてチームの責任なの!!1人でかかえないでよ!!」
麻奈佳先輩の言葉に続くように亜衣麻衣美衣トリオが言葉は繋げた。
「そうだよ!!千百合ちゃんは頑張っていたじゃん!!」
「それに私達もあまり点を取ることができなかったし!!そんな私達に…」
「まじ引くわ!!」
美衣先輩がいつもの決まり文句で終える。
「…亜衣麻衣美衣トリオ先輩方…」
そして…
「千百合ちゃん!!」
観客席から声が聞こえた。その声の主は…
「…なのは…」
なのはは席から立ち上がり、コートに僕に聞こえるように叫んだ。
「千百合ちゃんならできるよ!!だって!!千百合ちゃんだから!!…だから!!…っ!!」
途中からなのはは泣きそうになっていた。その横でアリサとすずかも立ち上がって叫ぶ。
「千百合!!あんた、なのは泣かしたんだから責任持って、絶対勝ちなさいよ!!」
「そうだよっ!!千百合ちゃんならできると私も信じてるよ!!」
「…アリサ…すずか…」
そして、ユーノとフェイトとアルフが念話を送ってきた。
“千百合…僕はこのスポーツの詳しいルールは知らないし、ジュエルシード集めを手伝ってもらっている身であるからおこがましい言葉かもしれないけど…頑張れ!!”
“…千百合…頑張って…”
“…あんたならできるよ…千百合!!”
「…ユーノ…フェイト…アルフ…」
そして、必死に車椅子を動かしてコートに近い位置にきた少女…はやてが叫ぶ。
「千百合ちゃん!!勝つんやろ!!なら、もっと元気ださなきゃあかんで!!」
「…はやて…」
そして…
「ちぃ君!!」
お父さんが僕を呼んだ。
「ちぃ君はこんなにも多くの人に応援されているんだ!!それに応えるプレーを…いや…ちぃ君はそれ以上のプレーが出来るはずだよ!!お母さんが残した技術(もの)を受け継いでいるんだから!!」
「…お父さん…」
ピィィィィィィ!!
審判が笛を鳴らす。その後、
「時間です。第4クオーターを始めます。選手はコートに入ってください」
と、言って僕達に早くコートに入るように促した。
「千百合ちゃん…もう大丈夫?」
麻奈佳先輩は僕に問う。
「それは、愚問ですよ…絶対勝ちましょう」
僕は笑いながらそう言ってコートに入った。
そして、第4クオーターが始まった。
(僕はシュートはダンクしか出来ないけど…)
麻衣先輩からパスを受け取る。
(パスなら沢山のバリエーションがあるんだ)
僕がパスを受け取った瞬間、ボールを螺旋状の回転をかけ、そのまま押し出す。そのパスは、麻奈佳先輩の方向へ向かう。当然トリプルチームのうち2人の相手選手がカットしようと手を伸ばす。
…しかし…
「痛っ!?」
「きゃっ!?」
彼女達の手は無慈悲にボールにはじかれる。
「くっ!!…はぁっ!!」
そして、麻奈佳先輩がなんとかそれを取ってそのままレイアップシュートでボールをゴールに入れる。
「な、なんだ!!あのパスは!!」
相手チームの監督が立ち上がりながら驚愕している。
イグナイトパス・廻
これはイグナイトパスに拳銃の弾丸のように螺旋状に回転することで弾道を安定化させつつ貫通力も高めたパスだ。
これは普通の小学生にとれるはずがない…そう、麻奈佳先輩を除けば…
「ナイスパス、千百合ちゃん!!千百合ちゃんのおかげでやっとこの試合初得点だよ、私」
「ふふっ、お粗末様です」
麻奈佳先輩の振りに笑いながら応える。
「くっ、速攻!!」
相手はすぐに高さのあるロングパスをだす。しかし…
バシィィィン!!
ボールはコートに軌跡を描く前に僕の手に遮られる。
「空中は…」
そして、僕は跳ぶ。レーンアップをするために…それを防ぐために相手はファウルプレー覚悟のディフェンスをする。
…しかし…
「…えっ…?」
思わず相手選手から声が漏れる。相手は僕とぶつかる気満々だった。それを僕は空中でかわしたのだった。
「僕の絶対領域だ」
そして、ボールをゴールに押し込む。そのプレーを見て会場が歓声に変わる。
「な、なんだ!!今のは!!」
「空中を移動した!?」
レーンアップを決めた後、麻奈佳先輩が僕を褒めた。
「千百合ちゃん!!すごいよ!!今の何!!」
「いや…僕も半信半疑でやってみたので出来るとは思っていませんでしたが…あれは…」
宙を歩く(エアウォーク)
その名前の通り、空中を移動する技だが…これは何度も挑戦しても会得できなかったお母さんの技の1つだ。
どんどん差が縮まる。現在のスコアは
31-35だ。しかし、時間は残り一分しかない。逆転するのははっきり言って厳しい。ミニバスはバックパスは反則しない。だから相手は必要以上に攻めずにボールを僕達に渡さないようにしていた。さらに、いろいろな技を使った反動で体力を大きく消耗した。じりじりと時間が立つ。試合終了まで20秒。
(くそっ、ここまでなのかっ!!)
そんな考えを次の瞬間、遮られる。
「後は…任せて…」
麻奈佳先輩は僕に呟いた。その後、麻奈佳先輩はボールを持った選手の方にものすごいスピードで突っ込んでいく。相手はそのスピードに慌ててパスをだす。しかし、コースが甘かった…
「まじ引くわ!!」
美衣先輩がパスカットする。そして、すぐにフリーの麻奈佳先輩にパスをだす。すると麻奈佳先輩はシュートモーションに入った。
麻奈佳先輩の現在の立ち位置はハーフコートライン。いくら何でも入るはずがない。しかし…
「早くディフェンスにつけ!!」
麻奈佳先輩を必要以上に恐れていた相手チームの監督が叫ぶ。相手は急いでシュートコースを防ぐためにジャンプする。
だが、麻奈佳先輩のシュートモーションはフェイク。その隙にドライブで一気にゴール下まで走る。
そして、レイアップシュートをしようとした…
…その時
相手選手の1人がそのシュートを防ぐために麻奈佳先輩に対して体当たりをしてきた。そして、空中で両者がぶつかり合い、麻奈佳先輩はボールを大きく宙に放った後、地面に倒れた。当然審判が笛を吹く。
「プッシング!!フリースロー2本…なにっ!!」
審判は相手選手にファウル宣告した後に声を漏らした。麻奈佳先輩が高く放ったボールがゴールを綺麗に通ったのだった。
「「「「麻奈佳先輩!!」」」」
僕と亜衣麻衣美衣トリオが麻奈佳先輩の所に駆け寄る。
「千百合ちゃん…なんとか有言実行したよ‥」
「流石です…麻奈佳先輩!!」
スコアは33-35。残り8秒。ここで、麻奈佳先輩が二本決めれば延長戦だが…
「みんな、私に作戦がある…」
そう言って麻奈佳先輩がその作戦の概要を僕達に話す。それを聞き、僕達が了解する。
フリースロー…一本目…
麻奈佳先輩の手元からゴールにかけて綺麗な放物線が描かれる。
スコア34-35。
そして、二本目…
麻奈佳先輩がシュートモーションに入る。ゆっくりと…手元から離れると思った矢先…麻奈佳先輩はニヤリとした笑みを浮かべ、クイックリリースで素早くボールを放った。相手選手はスタートのタイミングをずらされたのだ。一本目のシュートと対照的に直線で結びようにボールがゴールに放たれる。当然、このシュートは同点を狙うゴールじゃない…
…勝つためのシュートを生み出すシュートだ。
僕は既に空中でリバウンドをとる。相手が僕に視線を集める。そう…このまま、ダンクに行くことが可能なのだ。相手選手全員でダンクを防ごうと跳び、壁を作る。このままでは、時間切れで負ける…
このままならば…の話だ。
僕は手のひらを返し後ろにいる麻奈佳先輩にパスをだす。麻奈佳先輩は完全にフリーだ。彼女がこの場面でシュートを外すことはない。だってそれが野火止 麻奈佳という人であるから。
彼女の放ったシュートがゴールを通り抜けた。それと同時に試合終了のブザーが鳴り響いた…その時、スコアは…
36-35
と、表示されていたのだった…
やってしまった…
完全に黒子の技じゃん!!
ここで、お知らせです。
次回はしばらく先になると思います。
理由は作者多忙のためです。
(私欲で時間がないってわけではない(笑))
続きが見たい方は教えてください…
それでは、また次回お会いしましょう