余談ですが今のストックはEp8まであります。今週の進捗は100文字程度なので普通に足りなくなりそうです。
(追記:本文が美浦寮になってました。なんで??)
〜食堂〜
ガヤガヤ
食堂に入るともう既にかなりの人がいた。……思っていたよりも人が多いな。
「今日はカレーみたいですね、こんな感じで週替わりで寮にいる人が料理を作るんです」
「そうなんですね。……ところで、ラサさんは料理って得意なんですか?」
私は興味本位で聞いてみる。すると彼女は少し恥ずかしそうにしながら答えた。
「あ、あんまり上手じゃないですけど……たまに作りますね……」
「今度私にも作ってほしいです!」
私がそう言うとラサさんは少し驚いた表情をしたがすぐに笑顔に戻った。そして彼女は嬉しそうに言った。
「……はい!任せてください」
……………………
…………
……
「「ごちそうさまでした!」」
私たちは手を合わせ、食事を終える。……本当に美味しかったな。これからも食べられると思うと何だかとても楽しみになってきた。
「それじゃあ、お風呂に行きましょうか」
ラサさんがそう言って立ち上がる。
「そうですね、行きましょう」
私も立ち上がり部屋に着替えを取りに行ってからお風呂へ向かった。
〜脱衣所~
脱衣所に着いた。まだ時間が早いのか、私たち以外に人はあまりおらず貸し切り状態と言っても過言ではなかった。
私が服を脱ぎ始めるとラサさんも服を脱ぎ始める。……ラサさんの体は、とても引き締まっていて綺麗だった。
「……そ、その……ユーフォリアさん、あんまり見られると恥ずかしいです……」
ラサさんは少し顔を赤らめながらそう言った。
「あっ、ごめんなさい!」
私は慌てて謝ると、彼女はくすっと笑ってくれた。そして、急いで自分の服を脱ぎ始めた。
〜大浴場〜
「ここが大浴場です」
そう言ってラサさんは扉を開ける。するとそこには大きな湯船とシャワーがたくさん並んでいた。……なんだか、すごいな。
私が呆然としているとラサさんが私の手を引きながら教えてくれた。
「ほら、早く入りましょう?」
そう言ってラサさんは私の手を引いたまま入っていく。そして私たちは洗い場に行き体を洗った後湯船に浸かった。
「ふぅ……」
思わず声が漏れる。……気持ちいいな。疲れがお湯に溶けていくような感覚に私は身を委ねた。すると、隣から声が聞こえた。
「気持ちいいですね……」
ラサさんだ。彼女も気持ちよさそうな顔をしている。
私たちはしばらくの間湯に浸かり、ぼーっとしていた。するとラサさんが突然口を開いた。
「えっと、ユーフォリアさんはどうして記憶喪失になったのか……とかって考えたことありますか?」
「……そうですね……一応何度か思い出そうとはしてみました」
「けれど思い出そうとすると、まるで光に包まれるように過去のことが何も見えなくなるんです。……思い出すことを拒否されているみたいに……」
私は俯きながらそう答えた。するとラサさんは少し考えるような仕草をしてから口を開いた。
「……もしかしたらそれは……ユーフォリアさん自身が無意識に思い出したくないと思っているからなのかもしれませんね」
「え?」
私は思わず聞き返す。すると彼女は続けた。
「記憶喪失が起こる原因の1つに強いストレスがあるんです。それでユーフォリアさんは何かしら辛い思いをしてきたんだと思います。だから記憶を思い出すことを本能的に拒否しているのかもしれません……」
「……」
確かに、そうかもしれないな……私は何も言えず黙り込んでしまった。そんな私を見てか、ラサさんは慌てて言う。
「で、でも! あくまで原因の1つですから! 他の可能性もあるかもしれません!」
それを聞いて少しほっとした。……そうだよね、まだ何も決まったわけじゃないんだし、悲観的になりすぎるのもよくないよね。私は改めてラサさんに感謝を伝えた。
「ありがとうございます、ラサさん」
すると彼女は優しく微笑んでくれた。その後私たちは他愛もない話をしながらお風呂を楽しんだのだった。
〜部屋〜
お風呂から出た後、私たちは部屋に戻った。そして私達は互いのベッドに腰掛けた。
「それじゃあ、電気消しますね。おやすみなさい」
そう言って私はベッドに横になり月明かりのみで照らされた天井を見つめる。
(本当に何も思い出せないや……)
そう思いながらも、不思議と焦りはなかった。きっといつか思い出せるはずだと信じているからだ。だから今はただ待つしかないんだと思った。
そして私は静かに目を閉じたのだった。
~???~
……。
「はぁ……! はあ……!」
(もっと……もっと早く……)
(遠く、に……)
前がだんだんと見えなくなっていく。
喉が枯れて声が出せない。
体力を消耗しすぎたせいか全身が疲労している。
強い負荷から脚が痛む。
意識が薄れていく。
「っ……!」
脚が完全に動かなくなり、空を見上げる。
ポツ……ポツ……。
ザアアアァァァ……。
「……ぁ、雨……か……」
バタッ……。
全身に力が入らなくなり、その場に倒れる。
あぁ……。……どうして……。
……こんな……こと……に……。
「っ!?」ガバッ!!
猛烈な不快感が身体を巡り、飛び起きる。
今のは……夢……? にしてはリアリティがありすぎる……!
「うっ……!」ドタッ
頭が痛む。まるで脳の奥底にあるものを無理矢理引き摺り出されているような痛みが……。
そして、思い出してはいけないものを思い出しているような……そんな気分に陥る。
「あがっ……!!」
吐き気も襲ってくる……気持ち悪い……!
「ユーフォリアさん? どうかしましたか……?」
「っ!?」
後ろからラサさんの声が聞こえる。そうだ、ここは寮だ。あの場所じゃない……大丈夫……大丈夫だから……! 私は必死に自分にそう言い聞かせる。しかし吐き気は治まらない。むしろ酷くなるばかりだ。
「うぅっ!!」
「ユーフォリアさん!? 大丈夫ですか!?」
ラサさんが駆け寄ってくる。私は必死に抑えようとするが、吐き気は治まらない。その様子が伝わったのかラサさんが袋を持ってきてくれたみたいだ。
「ユーフォリアさん、ここに吐いてください!楽になりますから!」
そう言ってラサさんが袋を渡してくれた。私はそれを受け取り、不快感を吐き出した。
「うっ……おえ゙ぇ……!」ビチャベチャッ!
胃の不快感を吐き出すと同時に苦しさからか涙が溢れてくる。
「ユーフォリアさん! 大丈夫ですよ、ゆっくり吸って……吐いて……」
ラサさんは優しく背中を摩りながら声をかけてくれた。その声にハッと我に帰る。そうだ、今はラサさんがいるんだ。だから大丈夫……大丈夫なんだ……!
「っはぁ……はぁ……」
私は深呼吸をして息を整える。吐き気は徐々に治まっていったが、まだ少し頭が痛む。
「落ち着きましたか……?」
私は小さく首を縦に振る。すると彼女はホッとしたような表情を見せた後、優しく抱きしめてくれた。
「っ!? ら、らさ……さん……」
その温かさを感じ、心が落ち着いていくのを感じると同時に涙が溢れてきた。
「……うっ……うあぁ……!」ギュッ!
私は彼女に強く抱きつく。すると彼女はすぐに抱きしめ返してくれた。
「大丈夫ですよ、ユーフォリアさん……私が側にいますから……」
その言葉を聞いた瞬間、私は堰を切ったように泣き出してしまった。彼女は何も言わずずっと側にいてくれた。その優しさがとても心地よくて、暖かくて……涙が止まらなかった。
そして、私の今の体のせいなのかもしれないが。私を抱きしめている彼女の腕が少し震えていたような気がした。
〜数分後〜
「……落ち着きましたか……?」
ラサさんが優しく聞いてくる。私は涙を拭いつつ答えた。
「はい……ありがとうございます」
そう言って微笑むと彼女も微笑み返してくれた。そして彼女は続けて言った。
「それじゃあ今は寝ましょう。……積もる話もあるかもしれませんが、まだ朝ではありませんから」
そう言って彼女は自分のベッドに戻っていった。私もそれに倣って横になる。そして私は目を閉じた。
〜朝〜
「ん……」
瞼の外から眩しい光が射し込むでくる。私はゆっくりと目を開けた。
「おはようございます、ユーフォリアさん」
ラサさんが笑顔で挨拶をしてくれる。私もそれに返すように挨拶をした。
「はい、おはようございます」
「……その、早速なんですが昨夜の事について話してもらえませんか……?」
ラサさんは真剣な眼差しで聞いてくる。私は少し躊躇ったが覚悟を決めて話すことにした。
「はい……実は……」
私は昨日の夢のこと、そしてそれが原因で吐いてしまったことを話した。
「そうだったんですか……」
ラサさんは悲しそうな表情をしていた。やっぱり、心配をかけてしまったようだ。私は申し訳なくなり謝ろうとするが、その前にラサさんが口を開いた。
「ユーフォリアさん……多分なんですがその夢はきっと記憶の一部だと思います」
「え……?」
私は驚きのあまり言葉を失った。記憶の一部……? 私はあんなに辛い記憶を実際に体験したの……?
「その夢の内容は恐らくユーフォリアさんが記憶喪失になるきっかけの出来事だと思います」
確かに、言われてみればそうかもしれない……けれど何故そんな記憶が夢に……? するとラサさんは続けて言った。
「それはきっと寝ている状態でユーフォリアさんの意識がない状態だから、他にも夢は過去の出来事や記憶の整理という意見があったはずです。だからあの夢を見たのではないでしょうか……?」
私は何も言えなかった。そして同時に納得してしまった自分がいたことも事実だった。
「そして……夢ならどうしようも無いんですが……。……自分から無理に思い出す必要はないと……私は思います」
「どうしてですか……?」
私は思わず聞き返す。すると彼女は少し考えるような表情をしてから言った。
「……嫌な記憶は、わざわざ思い出す必要ありませんから」
彼女は微笑みながらそう言った。しかし、その笑顔にはどこか寂しさを感じたような気がした。
「……そうですね」
私は小さく呟くように答える。確かに、無理に思い出す必要はないのかもしれない。ただ……。……ただ、何か大切なものを置き去りにしてそのまま……そんな気がしてならないのだ。
「でも、いつかは思い出さないといけないと思うんです」
私がそう言うとラサさんは少し驚いたような表情をしたがすぐにいつもの笑顔に戻った。そして彼女は言った。
「……そうですね、ユーフォリアさんがそう決めたのならきっと思い出せますよ」
そう言って彼女は優しく微笑んでくれた。
「はい!」
私は元気よく答える。そうだ、いつかは向き合わないといけないんだ。私の過去と……そして私自身に。
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