~廊下~
再び廊下を歩きだす。……まあ特に行きたい場所はないけど。適当に図書館にでも行ってみようかな。
地図を見て場所を確認してから歩き出す。……それにしても、本当に広いなこの学園。迷子になりそうだ。
するとその時。
「ひゃっ!?」ドテッ
足が滑って転んでしまった。雨のせいか滑りやすくなっていたようだ。
「いてて……」
私は起き上がりながら呟く。うーん……気をつけないとな……。
そう思いながら立ち上がると……。
「ご、ごめんなさい! ライスのせいで……」
黒いロングヘアーで片目を隠して、青いバラのついた帽子をかぶっている娘がいた。
「……へ? い、いや、関係ないですよ! 私の不注意が原因なので」
私は慌てて言う。……というか、なんで謝ってるんだろう……?この子が何かした訳でもないのに……。
「で、でも……」
「本当に大丈夫ですから!」
私はもう一度言う。すると、彼女は少し安心したようだった。
「……そ、そうですか? ……よかったぁ……」
ホッとした表情をしていた。……可愛いなこの娘。そう思っていると彼女が口を開いた。
「あ、あの、私はライスシャワーっていいます! あなたのお名前は……?」
「私はユーフォリアって言います。よろしくお願いしますね」
彼女は笑顔で自己紹介してくれた。私も挨拶を返す。……なんだか小動物みたいな可愛さがあるな……。私がそう思っていると彼女は口を開いた。
「ところで、ユーフォリアさんはどうしてここに……?」
「えっと、学園を探索してて……それで図書館に行こうとしてたんです」
「そうだったんですね! ……あの、もしよかったら一緒に行きませんか? ライスもちょうど行くところだったので……」
彼女は少し遠慮がちに言った。
「はい! ぜひお願いします!」
私は笑顔で答える。一人で行くより、誰かと行った方が楽しいしね。こうして私達は一緒に図書館に向かうことになったのだった。……しかし。
『ぐぅ~……』
ライスさんのお腹が鳴った。
「ぁ……ご、ごめんなさい……///」
ライスさんは顔を赤くしながら言う。……そういえば、もうお昼時だ。お腹がすくのも無理はない。私も少しお腹すいてきたし……。私はライスさんに提案する。
「じゃあ、ちょっと早いけどお昼にしましょうか」
私は笑いながら言う。するとライスさんも笑ってくれた。
「は、はい!」
私達は一緒に食堂に行くことにした。
〜食堂〜
……というわけで食堂に来たのだが……。……ライスさんの食べる量が容姿に似合わずとんでもなく多い……。その食事はどこに消えているのか。私はライスさんを見ながらそう思った。
「あ、あの? ユーフォリアさん? ……どうかしましたか?」
ライスさんが心配そうに聞いてくる。私は慌てて答えた。
「だ、大丈夫ですよ! ちょっと考え事をしていただけですから!」
私がそう言うと彼女は安心したように微笑んだ。
「「ごちそうさまでした」」
2人で声を揃えて言う。私はライスさんと一緒に食事を終えた。
「そういえば、ユーフォリアさん」
「はい? どうしましたか?」
「さっき、学園を探索してるって言ってたじゃないですか。……その、なんで探索してるのかな……って」
ライスさんにそう聞かれる。……そういえば、色々と話してなかったな。
「実は私、記憶喪失で……」
「……ふえぇ!?」
………………
…………
……
それから私はライスさんにこれまでのことを話した。その間ライスさんは真剣に聞いてくれた。
「……そうだったんですね……」
「はい……。だけどまだ何も思い出せなくて」
私は苦笑いしながら言う。すると、ライスさんが口を開いた。
「あの……。……その、ユーフォリアさんがよかったらでいいんだけど……記憶を探すお手伝いをしてもいい……?」
「えっ!? いいんですか!?」
私は驚いて聞き返す。まさかそんなことを言ってくれるとは思わなかったからだ。
「はい、もちろんです!」
彼女は笑顔で答えた。……本当に優しいな……。私はそう思いながら言う。
「ありがとうございます! よろしくお願いしますね」
「はい! こちらこそよろしくお願いします!」
「あっあと……ユーフォリアさんが良かったらなんですが……敬語じゃなくていいですよ?」
ライスさんが遠慮がちに言う。……そういえば、ずっと敬語だったな……。
「うん!わかった!」
私は笑顔で答える。すると彼女は嬉しそうに笑った。
~図書館~
そんなことがありつつ図書館にやって来た。
「じゃあライスはすることがあるから……またね、ユーフォリアさん」
「うん、じゃあね」
そう言ってライスさんは行ってしまった。……さてと、私も何か読もうかな。そう思いつつ本を探す。……うーん、どれがいいかな? しばらく探していると気になる本を見つけた。タイトルは『記憶と魂』。海外の哲学者が書いた本みたいで、その本を手に取り読み始める。
……難しいことばかりではあるが特に気になったことがある。それは、
『記憶とは何か、簡潔に言うとそれは脳に蓄積された情報である。しかし、それだけではない。記憶は魂に刻まれるものであると私は考える』
という文章だ。……魂に記憶が刻まれる。……それならば記憶喪失になった私は魂を失ったと捉えられるのだろうか? ……それとも、魂が欠けたことにより記憶喪失になったのか? 私は色々考える。しかし、答えは出ない。けれど、後者の考えは結構正しい気がする。理由は分からないけど、そう感じる。……まあ、考えても仕方ないか。私はそう思い本を閉じる。そして本棚に戻して別の本を手に取り、読み始めた。
………………
…………
……
どれくらい時間が経っただろうか。 時間を確認すると、もう17時になっていた。……そろそろ帰ろうかな。そう思い本を元の場所に戻して図書館を出ることにした。……にしても今日はいろんなことがあったな。この調子で情報を集めて記憶を取り戻せたらいいけど……。
ご覧いただきありがとうございました。感想、評価頂けた暁には投稿者が頑張ってユーフォリアのぬいぐるみを作ります(というより作ってます)。