ロボトミー社鳥取支部 鳥小屋観察日記 作:ぷれろーる1123
職員紹介
職員名 もどき
アーメン。我らが被害者さん。肉体的にも(WAWWAW)精神的にも(作者)苦しめられる事が多く、それでも前を向いて今日も頑張る姿に全米が泣いた。全英は同情した。わっさんは笑った。てかまだ笑ってる。え、てかお前なんでここに「白夜ちゃん脅したらコラム間の転移能力もらたわ」
.....。
本編はちゃんとシリアスなので、、悪しからず。
これはまだ新鳥と翔が出会い、共にロボトミー社に就職する前のお話。
〜新鳥side〜
「ふぅ....ここまで来ると、中々寒さがこたえるな....」
彼は新鳥。世界各地で発生する"異形の者"を討伐することで生計を立てる、いわゆる探訪者である。今回も彼は依頼を完遂するため、雪山の中腹にある村へと向かっていた...
「にしても....随分奥にあるものだな....どこまで行けば良いのやら....」
かなり山の奥まで進んできたにも関わらず、一向に村が見える気配はない、、
「ふぅ......ん?」
周りの音が、止んだ。
雪山で発生するべき風、動物の気配、なにもかも。
「早速おいでかな....?」
新鳥は武器を構え、戦闘態勢に入る。刹那、
「遠吠え....!団体様か?面倒なことに....!」
嫌気がさしたのも束の間、彼はオオカミ型の異形に囲まれていた。
「!」
数匹が同時に飛びかかって来るのを両手の双剣でいなす。
「舐めんな!」
振りおろしざまに2撃。
「これで4!」
怯んだ1匹を見逃さず一閃。
「5!....チッ!」
後ろからボス格の1匹が近づいて来ていた事に気づくのが遅れた...!
たまらず防御姿勢を取る。
「そこの方、ちょっとヤバそうですが....助けとか、要ります?」
「「!?」」突然横から聞こえる声に敵共々動きを止める。
「何だぁ....?一切気配が気取れなかったぞ....?」
女....?美形の人間がそこには立っている。しかし、腑に落ちない。"あまりにも気配が薄すぎる。"この距離になっても気づくことが出来ていなかった,
否、それどころか今でも視覚以外で目の前の存在を認識出来ていない。
少なくない場数を踏んだという自覚こそあったというのに...
「どう見ても異形ですし、ペットとじゃれてたって事はないでしょう?」
目の前の女性は手を覆う布をどかす。
「少し借りるよ....猫。」「!」
肘から先が異形によく来た刃へと変形した....!
猫型の猛獣のソレに良く似た刃をかざし、狼異形に突貫する...
「....!!」「ふふっ、速いには速いけど、雑だね.....そんなんじゃ"猫"は捕えられない....」
すれ違いざまに喉元に手を一振り。それだけ。たったそれだけだった...
なんとも呆気ない....
「で?」「ッ!」「お怪我は...あぁ良かった、打ち身とかだけですかね。」
「....分かるのか?」「血の匂いが、ね。」
いつの間に元に戻った手に布を巻きながら、彼女は微笑む....
「自己紹介といきましょう。私は猫。実は今、訳あって日本のある会社に向かってて...〇〇県△△郡ってどこか分かります??」
「...新鳥だ。探訪者をしてる。....〇〇県?あんたが来た方とは逆だと思うが....」「あちゃー、やっぱりかぁ....着かないなぁとは薄々思ってたんだよなぁ....」
「女がこんな雪山通って県跨ぎとは、一体何があるんだ?」「??」「どうした」「あぁ、私、こんなんですが男ですよ、れっきとした」「は?」「はいはい、どうせ男っぽくなんかありませんよーだ。」
この見た目で女....?頭が混乱する....。
「で?新鳥さんはこんな雪山になんの用で?」「依頼でな、この先の山村に向かってる。」「あぁ!私が居候してたあの!」「何をしてるんだ、あんた...」
「なるほどなるほど....面白そうですし、私も着いていきますよ!」
「は?」「どうせ私だけだと迷子になりそうだし...以来手伝うので、終わったら街に着くまで案内してください。」
「なぜ俺がそんなことを...」「さっき危ない所を助けてくれた優しいお姉さんは誰だったかなぁ〜」「....街までだぞ....」「やったぁ〜」
こうしてよく分からん男と依頼を進める事になってしまった...
〜山村〜
「....ここか」「そうで〜す....ようこそ、雪音村に」
「何様なんだ、お前は」
....酷いな。依頼が来る時点で察していたが....
家屋はあちこち破壊され、形を保っていない....
『おぉ....!探訪者の方ですな、ようこそ我々の村へ....なぜお前がおる』
「え〜?この人の仕事手伝ってあげよっかなって」
『....まぁいい、それで内容なのですが....』
村長の話をまとめるとこうだ。
近くの洞窟に住む異形が時折村にやってきて、暴れ回るらしい。
その強さは尋常ではなく...何でも、「熟練のマタギはおろか、編成された軍の討伐隊も既に音沙汰がない」とのこと。
さて...話を聞いて、不審に思えたのは2点。
「村人の証言が面白い程食い違い、肝心の化け物がどんな姿なのか分からない点」。そして何より、
「血痕が見当たらないのに村長は村人の被害を訴えている事」。
こんな所だろう。一体何が潜んでいるというのか...どうにもきなくさい。なんにせよ、俺の仕事は変わらない。
「行くか。」「およ?随分早いね。」「悩んでても仕方ないだろ」「それもそうか」
村からは最低限の食料をもらい、洞窟に向けて出立した...
「思ってたんだが」「なんでしょう」「寒くないのか?その服装」
彼は雪山だというのに、いかにも職員といったツナギを着ているのみだった...
「あー、寒い...ね。」「?」「それを感じられたら、私はここにはいないんだよね...」「よく分からんが...寒くないならいい」「あれ〜?随分優しいじゃん?心配してくれるんだ〜?」「黙れ!というかそもそもなぜお前はあの村にいたんだ、行先があるんだろ!」「しょうがないでしょ〜異形共がウヨウヨしてたし...確かに居候しすぎたなぁとは思ってますよ、反省反省」「...はぁ。」
件の洞窟に到着する...
「随分広いな....」「そうだねぇ....」「....おかしいな」「え?」「足跡がない。雪の上にも、洞窟の中にも。本当にこの中にいるのか?異形とやらは」
「流石にあの村の荒れようで居ないってことは無いでしょ、、」「それはそうだが」
そのまま奥まで進んで行く....
最奥まで来たところで、何かを見つけた。
「これは...祭壇?」
「待って。何かいる....あれは....氷?」
祭壇らしいものの前に、何かが浮いている....氷の塊に見える。
「宝かなんかか?どちらにせよ異形なんて....」
『シン』「「!」」
『シン、ニュウシャ。』
喋った。よく見ると氷の結晶の真ん中には目があり、こちらを見ている。
『ハイジョスル。』
「来るぞ....」「僕とは相性が悪そうだ....猫!」
2人とも武器を構え、体勢を整える。
「赤い!?」「....そういうことかよ.....!」
氷の結晶は赤い氷を纏った。
その姿は狼に、熊に、獅子に、そして虎に。
村人達の証言が合わなかったのは、それぞれ別の形態を見ていたからか....!
両者が今、衝突する。
.....数刻後。
「....ラチがあかねぇ!」「そうッ、だね!」
氷の異形はその身体をすぐに氷で修復する。
氷であるが故に痛みに怯むということも無く、淡々と攻撃を繰り返す。
正直に言って戦況は劣勢であると言わざるを得ない....
「多分、あの結晶....結晶さえ壊せれば、何とかなると思うんだけど...」「手持ちの武器じゃ、貫通力が足りねぇ....」
現状ではこの相手を打破出来ない。となれば、取るべき道は一つ。
「1度撤退だ....は?」
さっきまであった通路が氷で塞がっている。
逃げ場も無くなった....
「オマケに....この寒さと来たかよ....」
新鳥の手は寒さで震えており、今にもその武器を落としてしまいそうになっている....
「....。はぁ、出すなって念押しされたんだけどな....」
「どうした、大丈夫か....?」
「新鳥くん」「?」「これから見るものはさ....秘密にしてね。」「...は?」
「出て来て、ルナさん。」
彼がマントを取って地面に置くと、くすんだ色のドレスを着た貴婦人が現れた...
「え、いや....は?」「異形くん、君は確かにここでは1番強かったかもしれない。でもね、世の中には異形って言葉なんかじゃ括れない存在もいるんだよ。その一端を見せてあげよう....!」
彼は貴婦人に願う。
「お願いルナさん、アイツちょっと強くてさ」『....。』
「.....やっちゃって?」『......。』
貴婦人はやれやれと言った具合で立ち上がると、鳥のような形状の仮面を付けた。そして杖を構えた、と思った時には。
「は?今、消え....」「くれぐれも、内密にね?」
消えたと錯覚するほどの瞬撃。
氷の結晶は既に貫かれ、氷の異形はその身体を維持できなくなっていた....
崩れ落ちる体....だがどこかおかしい。
「ん?随分氷が残った....な....」「おっと、こりゃまずいね。」
大量の人骨がそこには残っていた。老若男女、人間のでは無いと思わしき物もある。
「マジかよ....」「祭壇があったし、守り神的な存在だったんだろうね。」
「生贄を出して村を守らせてたが、満足しなくなった地神が暴れだし、俺に討伐の依頼が、って所か...胸糞悪い。」
「うーん、これは確かに強いわけだ....」
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「結局貰うんだね、報酬。」「あんな奴らから、とは思ったがな...むしり取ってやる方が気持ちがいい」「ハハハ、いいねそれ」
「....ところで、結局あれって」「おーっと、それ以上はいけない。あ、でもちょうどいいな.....新鳥くん」「何だよ」「私が行く所ね、ロボトミー社って言うんだけど。」「?....あの電力会社の?なんで?」
「ロボトミー社の電力会社としての姿は仮初でね...本当は、私が連れてる子みたいなのからエネルギーを抽出する、やっばい会社なんだ。」「はぁ?」
「君は向いてると思うよ。ロボトミー社。私はもうちょっと観光を満喫してから行くけど、君はそこに言ってみるといい。きっと楽しいし、稼げるよ?」
「....考えておく。」「それでよし!じゃ、また会おうね!」
「あ、おい!」.....行ってしまった。
「行ってみるかな....ロボトミー社....。」
彼の受難は、ここから始まるのであった...
〜next 翔side〜
はい、前編終了です。ひとまずお疲れ様でした。
次は翔君サイドです。
お楽しみに。