助けた女の子は魔法少女の敵!?   作:雪山崇一

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幕間(4)運命の出会い/リナ

 ……わたしは他の奴らとは違うんだ……。

 この前、そんな何処か悲しくもある事実を思い知った――。

 

 

 

 魔女様(まじょさま)により生み出された怪人(かいじん)たちは、人々より魔力を奪い魔女様に献上するのが目的。

 わたしは『発明』に没頭していた為、魔力収集などに出向くことはなかった。

 

 ……でもあの日。

 他の怪人たちがどのように魔力を集めているのかを目撃した。

 わたしはある程度魔力を集め、それを魔女様に与えているものだと思っていたけど……実際他の怪人たちは、命を奪いかねないほどの魔力収集を行い、それを持ち帰って来ていた。

 

 最初はカーランだけじゃないかと思い、他の怪人にも聞いてみたけど、現実は優しくはなかった……他の怪人も同様の収集を行っていた。

 ……いや、ラオンだけはそれほど過激ではなかったけれど、カーランに指摘されてからは『魔女様の為だ』と言い、過激な収集を行うようになっていった。

 

 あの魔力収集はやり過ぎだと他の怪人に言っても、

 

『はぁ……貴女、馬鹿も休み休み言いなさい』

 

『むぅ……だが、魔女様の為だ』

 

『人間が死のうがどうでもいい……』

 

 ……誰もそのやり方を変えることはなかった。

 ――そこで初めて気づいた。

 

『――――あぁ、そうか……わたし……』

 

 ……同じ魔女(おや)から生まれておきながら、みんなとは違う考えを持って生まれたんだ……。

 

          ◆

 

「リナ。魔力を収集しにいくわ、ついて来なさい」

 

 出ていこうとするカーランに声をかけられた。

 

「わたしを連れていく理由は?」

 

「仮に魔法少女どもと遭遇したら……今回こそは潰すわ。

 貴女を連れていくのは、その可能性を高めるため……発明ばっかりで見る機会は少ないけど、貴女強いんでしょ? ラオンが絶賛してたわよ」

 

「……わかった」

 

 ついていこうと思った理由は二つ。

 過激な魔力収集を行おうとしているのならば、近くにいれば止められるかもしれないから。

 そして……魔力収集のみならず、以前のような一般人を巻き込んだ攻撃をしそうな時には、それを防ぐことができるから。

 

(これは立派な裏切りね……)

 

 だが正直な話、裏切りは今に始まった話ではない。

 リナは、魔法少女たちの正体を掴んでいる(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 前についていった時に耳に入った『彼女たちの名前』。彼女たちが着ていた『制服』。

 そこから調べていけば、正体を掴むのは容易だった。

 

 私立(しりつ)色彩(しきさい)中学校(ちゅうがっこう)の制服。

 夜中に学校に忍び込み、彼女たちが何年生かを突き止める……彼女たちは入学したてらしく、廊下に大きく入学の際に撮られた集合写真があったため一年生ということがわかった。

 

 一年生ということがわかったら、後は職員室で一年生の生徒の書類を探し、面接の際に使用された書類を見れば、そこには写真と名前、住所までもが()っているため、身元などがわかる。

 

 そんな経緯があって、リナは魔法少女たちの正体を掴んだわけだが……他の怪人には言っていない……。

 

(……)

 

 なぜ言わないのか……それはリナがその時から、ミッドナイトを抜けようと心の何処かで思っていたからだ……。

 

          ◆

 

 魔力の収集場所となったのは、まさかの私立色彩中学校だった。

 だがカーランが彼女たちの正体に気づいている様子はない。……ここを襲おうとしているのはただの偶然だ。

 

「まさかここにまで現れるなんて……っ!」

 

「二人とも、準備はいい?」

 

「いつでも……!」

 

 やはりと言うべきか、魔法少女たちがやって来た。

 大鎌を振るい、繰り出される攻撃全てを捌いていく。

 

「リナ――」

 

 三人の魔法少女を後退させたあと、視界の外からカーランが呼びかける。

 

「な――――」

 

 ――に。という言葉まで続かなかった。

 

 ぐりゅぐりゅぐりゅッ(・・・・・・・・・・)!!

 

「――――――――、    え?」

 

 ……目の前にカーランがいる。

 …………手のひらが自分の腹部に触れている。

 ………………手のひらより円錐形(えんすいけい)の暴風が放たれ、肉と骨と内臓がミキサーにでもかけたかのような有りさ、ま――

 

「――ごぉう、ぶえッッッ!?」

 

 血の塊を吐き出し……気づいた時には校舎に叩きつけられていた。

 

「が……、ごぼ……ッ!!」

 

 見た目は人間の少女と変わらなくても、この身は常軌を逸した怪人。

 このような深手を負ったとしても、まだ死ぬことはない……まだ(・・)――。

 このまま何もしなければ、確実に死に至る……だが、体は思うように動いてはくれない。

 

「…………ぁ…………っ…………」

 

 ……妨害しようとしている事に気づかれた?

 ――――いや、多分、それよりも前から……。

 

 ……カーランを止めようとした日から?

 ……過激な魔力収集はやめるようにと言った日から?

 ……自分が、他の怪人とは違う考えを持っていると思われた日から?

 

 ……カーランの独断? それとも魔女からの命令?

 

「…………は……は、は…………」

 

 いや、そんなこと些末な問題か。

 今ここで、リナ(わたし)は死ぬんだから……。

 自分の気持ちなど関係ない……魔女より生み出された時から、こうなる運命だったんだ……。

 

「……ふ…………、は……」

 

 ……これで、魔法少女……いや、人間たちから恐怖が一つ取り除かれるならそれもいいだろう……。

 この死が、人間たちへのせめてもの償いと受け入れ、死んでいこう……。

 

「……………………あぁ…………」

 

 ……あぁ、でも、

 もし、生きたまま償うことが許されるのならば、

 

 魔法少女の、人間たちの力になりたかった――。

 ミッドナイトから人々を守って。誰もが笑顔でいられるような……そんな世界を作りたか――――

 

 

 

 

 

  “っ!? おい、しっかりしろ! おい!”

 

 

 

 

 

          ◆

 

 これが、リナの『始まり』。

 運命(かれ)と出会った後の彼女がどうなったか、

 

 それはもう、語られている――――。




『カーラン』

 反乱の意志を持っていたリナを始末するためにリナを呼び出した。


『リナ』

 カーランの暴風を食らい瀕死の状態となる。
 死ぬのが人々へのせめてもの償いと思い、目を閉じようとした時、()の声を聞いた。


『彼』

 ――リナの運命。

          ◆

 これで幕間は終了。次回から『第二章』に入っていきます!

第一章終了! 好きなキャラは?

  • 影宮嵜渡
  • リナ
  • 朱坂菜雪
  • 霧原絵美〈シャイン〉
  • 笹波茉優〈シスター〉
  • 空下香梨〈ウィッチ〉
  • サヤ〈マジックワールドのお姫様〉
  • カーラン
  • ラオン
  • スパール
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