屋上から弾き出され、重力によりコンクリートの地面に叩きつけられる。
魔法少女二人も地面へと降り立ち、武器を構える。
「こ、の……調子に乗って――」
忌々しく二人を睨んでいたカーランだが……不意に『ニヤリ』と笑みを浮かべる。
「……なにを笑ってるの?」
切っ先を向けながら茉優が目を鋭くする。
「いやなに……
何を言っているのかわからず二人は首を傾げた――次の瞬間、
『う――っ!?』
辺りを群がっていた
それも一人ではない。二人、三人……それ以上。
「ふふふ……これが、街の人々を狂人化させた本当の理由よ……貴女たちがどれだけ強くなっていようと、街の人には手を出せないでしょ♪」
「く……こ、の……!」
「卑怯、者、が……ッ!」
狂人となり理性を失った人々が魔法少女に襲いかかる。
対する魔法少女は街の人という事で手が出せない……魔法少女となった彼女たちは超人のごとき力と魔法を得ている。
……自分たちを押さえつけている人たちを無理やり払おうとすれば、怪我をさせてしまうかもしれない。
否――魔法少女たちが動けないのはそれだけではない。
よって、いま魔法少女たちを押さえつけているのはただの人たちではない……魔力によって身体能力を無理やり強化された人たちなのだ。
抵抗すれば傷つけてしまうかもしれない。
強化された身体能力での押さえつけ。
……この二つが、魔法少女たちを動けなくしている要因だった。
「さーてと……」
翼を使い、飛び上がる。
魔法少女は手が出せないが……カーランは手を出すことに
あとは人々ごと暴風で魔法少女を始末するだ――
「――ッ!」
首に迫る紺色の剣を防ぐ。
「……ふっ。現れたわね……」
「前々から
紺色の外套に、フードを深く被った
暴風は阻止したが、魔法少女が危機なのは変わっておらず、街の人の魔法の支配も解けていない。
魔法少女を救おうとすればカーランが黙っていない。
――ならば魔法の
「ふ――ッ!」
一息で詰められる距離。
カーランが槍で防御するよりも早く袈裟懸けに剣を振り下ろし――
「――これでもやれる?」
周囲に発生した突風が、街の人たちをカーランの前に投げ飛ばしてきた――より正確に言えば、盾にしてきた。
「っ!?」
急停止し、剣を引く……同時に人々の隙間からカーランの腕が突き出され、丸腰となった嵜渡に暴風が突き刺さる。
「が、あ……ッ!」
背後に立っていたビルの側面にクレーターが作られ、一瞬後に嵜渡は地面に倒れていく。
「貴方にはさんざん
風に掴まれた人たちが、カーランの盾となるように風に拐われてくる。
「――お前ッ……!」
嵜渡や魔法少女にとって、狂人にさせられた街の人たちは『敵』であり『人質』だった。
むやみに攻撃ができなくなった嵜渡たちに対し、カーランが取った行動は考えるまでもない。
「今日こそ殺してあげる……気持ちよくなるくらいの悲鳴や断末魔を期待してるわよ♪」
◆
戦場から少し離れたビル。その屋上。
魔法少女“シャイン”――
茉優と香梨がビルの屋上でカーランを追い詰め、絵美がそれを
結果として矢が直撃したものの、カーランはビルの陰へと……絵美から見えない位置へと落ちてしまった。
本当ならすぐに援護できるポイントへと移動したい絵美だが、今はその場から移動できなかった。
……何故なら、
「やめ、て……ッ!」
ビル内部から屋上にやってきた、魔法の支配下に置かれた人たちに取り押さえられていたからだ。
絵美の考えも茉優たちと同じ……だからこの状況を打破することができていない。
「く……!? う、ぇ――ぁ」
俯せに取り押さえられた絵美の首が絞められる。
手を離させようとするが……彼女が思っている以上に魔力による強化がされているらしい……抑えられた腕が動かない。
「ぁ……が――ぅ――――」
呼吸ができない……力が抜けて…………
◆
――――瞬間、“影”が
◆
体を抑える圧迫感から解放されていく。
自身に群がっていた人たちが次々に倒れていく。
「げほっ! げほっ……、ん?」
突然の解放に戸惑いの声を漏らす。
何が起きたのか……確認の為に辺りを見渡そうとし、
「大丈夫……?」
群がる人たちを
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