とある稲妻の呪術廻戦   作:ネシエル

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第一章 制作準備期間
第一話 アニメ制作開始


フォンテーヌの海中

 

青く美しく、水の国フォンテーヌが誇る美しい海。

まあ、海というかどちらかというと川に近い。

 

 

薄く透明の海の中、その者は華麗で美しく、

自由自在に泳ぎ回っていた。

 

純水精霊である。

 

純水精霊、又は水の精霊と呼ばれ、

フォンテーヌに由来する純粋な水元素エネルギーでできた種族である。

 

 

彼らは水を操り、

水を使って現実の生命体を模倣する能力を持つ。

 

 

伝説によればエゲリアが「最初の涙」を流し、

それが最初の純水精霊を生み、

そこから他のすべての純水精霊が生まれたとされている。

 

不思議な種族である。

 

透明な体を持つ精霊は、海中を光のように駆け抜け、

周囲の生き物を驚かせる。

 

 

その通過した後には、強烈な余波が生まれ、

海藻の葉が消し飛び、原海アベラントたちが驚愕の声を上げる。

 

「ぶぎぃ!?」

 

プクプク獣はその衝撃に声を上げた。

 

 

 

その者は軽やかに動きながら、水を支配するように進み、

突然、海から飛び出した。

 

空中で輝く曲線を描きながら

ドルフィンジャンプを決める。

 

「うひょおおおおお!」

 

空中で歓声を上げたのは純水精霊、彼女の名前はアレクだ。

 

 

その体は水のエレメントで構成され、

淡い青と白の色彩に包まれた流動的な形状をしている。

 

その姿はエレガントかつ神秘的で、

見る者を魅了する美しさがあった。

 

 

 

「ドルフィンジャンプ、楽しい! 

そうか、こうやればよかったのか。原神世界、最高!」

 

歓喜の声を上げたアレクは再び海に飛び込み、

華麗に潜っていく。

 

 

 

 

▲▲▲

 

 

原神。

 

それは、miHoYo(HoYoverse)による第三作目のゲームとして展開されている

「新世代オープンワールド型アクションRPG」。

 

(厳密に言うと、シナリオクリアおよび

マップ解放型のセミオープン形式。)

 

【ピクシブ参考】

 

総ダウンロード数は2022年時点で1億を超え、

アクティブユーザーも2024年春現在で600万人超を維持している、

同社の看板コンテンツの一つである。

 

アニメスタイルな世界観が特徴であり、

プロデューサーによると「3Dモデルはゲーム内でもコンセプトアートと

まったく同じ感覚で見えるようにモデリングしている」という。

 

壮大な幻想世界「テイワット」を美麗な3DCGで再現した完成度の高さや、

これまでにない操作性の自由度の高さ、プラットフォームの間口の広さなどから、

東京ゲームショウで発表されるやいなや、大きな話題となった。

 

まあ、当初はゼルダのパクリと言われて大炎上したけどね。

ちなみに、日本よりも本国の方が炎上していたらしい。

 

 

 

でも、そんな困難を乗り越え、

原神は全世界で莫大な人気を誇り、

サービス開始してわずか数週間で開発費を回収できた。

 

 

まさに化け物級のタイトル。

 

 

 

私も原神にドハマりして、毎日遊んでいる。

 

 

あ、ちなみに推しはフリーナちゃん。

 

 

あのメスガキ染みた言動に最初は「わからせてやろう」と

イラストをバンバン(意味深)とピクシブに投稿した。

 

 

俗に言うフリ虐(フリーナをいじりたい)である。

 

 

だって、よく言うじゃん。

かわいいものほど弄りたいと思う感情は世界共通だと思います。

皆さんもそう思いますよね?

あんなにかわいい生物を弄りたくない人なんて、いるか、いねぇよな!?

 

 

でも、まさか公式が想像以上のフリ虐を見せてきて、

正直、興奮…いや、ドン引きした。

これぞ「公式が最大手たる所以」である。

 

あ、ちなみにピックアップのとき、フリーナちゃんは引けませんでした。

原石が足りなかった。

 

やはり、ガチャは悪しき文化。

ガチャ滅ぶべき。ガチャ滅ぶべきぃいいいい。

 

さて、ここまでにしておこうか。

 

え、なんでこんなことを言っているかって?

原神が好きだからというのも理由だけど、

何より私がそんな原神の世界に転生してしまったからですよ。

 

畜生!?

 

いや、ご褒美です。

 

 

 

▲▲▲

 

 

洞窟内

無数の光が反射する洞窟の中。

 

 

そこには小屋が一つ設置されていた。

 

 

洞窟の高さは約3メートルほどで、

横幅も15メートルには満たない狭さだったが、

そこに人が住める空間が確保されている。

 

 

 

洞窟には水の出入口があり、アレクはそこから帰還した。

 

 

「ぷはぁ」

 

 

勢いよく水から飛び上がったアレクは、

一瞬のうちにその形を変える。

 

大きな体が縮小され、手足が生え、

水色のロングヘアをなびかせた絶世の美女へと姿を変えた。

 

 

アレクは水面に映る自分の姿を見つめる。

 

「いつ見ても美しいわ……サラサラな肌に、

豊満な胸。うん、素敵! 我ながら、なんて美しいんだ!

R〇8に持って来いの素材だね。 」

 

 

「いつまで自分の姿を見ているんだ、

この露出魔! 早く服を着ろ、服を!」

 

甲高い声が響き、アレクの自画自賛を遮った。

声の主は、丸い白い球体に人間の口と天使のような翼を加えた奇妙な存在だった。

名をティティという。

 

 

 

「ええ、せっかくいいところだったのに……」

アレクは渋々応じた。

 

「いつになったらアニメを作るんだ? 

もう1時間が経っているぞ、この阿呆!」

 

 

ティティの口調には苛立ちが混じっていた。

 

 

「ごめん、ごめん、今からやるってば!」

 

 

▲▲▲

 

私の前世はアニメーター。

ただの下働きだった私は、会社から家に帰宅する途中、

飲酒運転(?)の車に衝突した。

まあ、異世界転生ではよくある展開だよね。

 

 

え? 激突した後どうなったのかって?

そんなの、答えは即死に決まっているだろうが。

 

 

生身の人間がトラックにぶつかって生きていられるわけがない!

 

 

数分間は意識があったけどね。

いや、貴重な体験だった。

 

 

二度と味わいたくないけどね、

人が死ぬとき、本当に走馬灯が出るらしい。

 

 

私は両親がいないからよくわからないけど、

こういうときは両親のことを思い出すものなのかな?

 

私にはそういう情景は無縁だったけど、

「死にたくない」という思いだけは強烈にあった。

 

だから、選んでしまったんだ。

天国行きのはずが、地獄行きの切符を…。

 

死に際に、私の目の前に突然あらわれたんだ。

 

そう、自称天使。

白い球体に口と翼がついた、気持ち悪いあいつ。

 

あのときの私は、本気で天使だと思ったんだよね。

そして、手を伸ばして助けを乞うた。

 

その結果、手を伸ばしたその瞬間に、

ここ、異世界へと転生したわけだ。

 

 

 

 

▲▲▲

 

 

 

 

 

小屋の中

 

一見狭そうな小屋の内部は意外にも広大だった。

その広さは全長100メートルを超える大部屋で、

数十人が宿泊しても余裕があるほどだ。

 

 

ただし、現在そのスペースにはテーブルが一つ置かれているだけで、

殺風景な空間となっていた。

 

 

 

『今の私の名はアレク。

前世ではアニメーターとして働いていて、なんやかんやで死んで、

この原神世界に転生したの。

なんで、この世界に転生したのかは神ならぬ天使(仮)しか知らない。

原神は、当時私が遊んでいた無料のオープンワールドゲームで、

壮大な世界観とキャラクターたち、そして圧倒的に良いキャラデザが私を魅了した。

死んでしまってもう遊べないのは残念だけど、

この世界に来られたのだから、今は自力でストーリーを楽しむわ!……

あ、ちなみに今は原作開始の3年前らしい。

つまり、会えたとしても3年後……トホホ。』

 

 

 

 

「おい、進捗はどうだ!」

 

 

ティティが詰め寄る。

 

 

「まだだよ……」

 

アレクは肩をすくめた。

 

ティティは苛立たしげに舌打ちをし、

アレクは渋々ペンを握った。

 

『この謎の生命体、天使ことティティ。

私をこの世界に転生させた張本人で、

今はこいつに雇われているの。

俗に言うパワハラ上司。

こいつと契約したことが人生最大の失敗と私は考えている。』

 

 

 

アレクは椅子に座り、目の前のデザイン画に集中する。

 

しかし、ペンを握る手に力が入りすぎ、ペン先が折れてしまった。

 

「しまった……力を入れすぎた!」

 

慌てるアレクだったが、手を紙の上にかざすと、

漏れたインクがふわりと浮き上がり、彼女の手のひらに吸い込まれるように付着した。

 

「この体、本当に便利だよね。」

 

「そう思うならこの偉大なる神に感謝しろ。」

 

「はいはい」

 

 

 

ティティは得意げに答える。

 

 

『この自称・神を名乗っているけど、

どうも胡散臭いのよね。』

 

 

アレクはため息をつきながら、再びペンを取りキャラデザインに向き合った。

そこに描かれているのは、

長髪の美女、雷電眞だった。

 

 

その美しいデザインに、

アレクは少しだけ満足したような表情を浮かべた。

 

 

 

▲▲▲

 

 

雷電眞。

原神に登場する神々の一員にして、テイワットを支配する俗世の七執政の一柱。

 

テイワット唯一の島国、稲妻を統治し、

双子の妹・雷電影と共に国を作った。

初代雷電将軍。

 

片割れであり生粋の武神であった影とは対照的に、

戦いが苦手で、武を影に任せて、

各々が得意とする文と武をもって共に稲妻を治めていった。

 

眞自身は稲妻国内の内政などを担当していた。

 

ちなみに、雷電眞と雷電影の顔は、

ミホヨワールドでは同じ顔がよく登場するいわゆる「雷電顔」である。

 

そして、二人が稲妻を統治して早1500年が経った頃、

平和な稲妻に悲劇が訪れる。

 

500年前、カーンルイアが天理、つまり神々の上司によって崩壊した際、

眞は周囲に黙ってたった一人でカーンルイアに赴く。

その時、彼女は戦死した。

 

彼女が姿を消したことに気づいた影が駆け付けた時には、

眞はカーンルイアを灰塵に帰した戦火の中で、すでに息絶えていた。

 

 

こうして、影武者であった影が密かに雷神と将軍の座を継承した。

 

この事実は稲妻国民には知られておらず、

「雷電将軍」はただ一人の存在という認識が一般的であった。

 

 

影武者である影の存在を知るのは、

眷属である八重神子や他の七神、旅人、甘雨、とある執行官程度である。

 

 

 

雷電眞の死は、残された双子の妹・影と彼女に引き継がれた稲妻が、

その後数百年に渡る長い混迷に陥るきっかけとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え、何でそんなことを言うって。

 

 

ティティが稲妻を主軸にしたアニメを作りたいと言い出した。

 

何でも、稲妻の登場人物をアニメに出して知名度を上げるように、

という無茶ぶりを要求してきたのだ。

 

あいつ、自分でアニメを作るわけでもないのに、

文句しか言わないじゃないか。

 

 

しかも設定は「呪術廻戦 × Fate」の世界観でアニメを作れと言う。

 

「神や呪力の生成などにはFate基準で作り、

呪霊などは呪術廻戦の世界観中心に」と。

 

 

簡単に言えば、『呪術廻戦【原神版】』である。

「もっと簡単に、呪術廻戦×Fateの設定や世界観を原神に落とし込んだアニメを作る」

と言えばいいのだろう。

 

 

正直、何でそんなアニメを作るのか分からない。

「それ、盗作だよね?」と言っても、

彼女は「私がルールだ」と一点張り。

ちなみに拒否権ゼロに等しい。

 

 

コイツ、見た目とは裏腹に滅茶苦茶強いのよ。

どれくらい強いかと言えば、そこらの週ボス(各章のラスボス)よりも強いと言えば分かるよね。

トワリンを一撃KOできると言えばいいか。

 

故に、戦っても負けるため、

しかたなく従っている。

 

 

この部屋も彼女(?)が用意したものだからだ。

 

 

 

▲▲▲

 

 

 

 

 

でも、別に悪いと思っていない。

頭ではそう思っていても、心はそうじゃない。

 

私はアニメが大好きだ。

『呪術廻戦』も『Fate』も大好きだ。

 

だからこそ、パクリは許さない。

原作リスペクトがなく金儲けだけのアニメは、私の信念に反する。

 

拒否権がないなら、例えパクリだとしても、私は全力を使い粉骨砕身でアニメを作る。

 

 

稲妻のストーリーは、正直あまり好きではない。

でも、別に嫌いじゃない。

 

世界観は完全に日本だし、雷電将軍の戦闘BGMは超好きで毎日聞いている。

 

だが、それでも何故か薄っぺらく感じる。

もっと、ほかのやり様があったじゃないかとしばしば思ってしまう

 

目狩り令や、神の目を奪われたら願いが消える

という設定には納得できる部分もある。

 

だが、最後の方で登場した抵抗軍という存在が、

一気に物語を冷めさせた。

 

 

彼らは、並のテロリストよりもたちが悪い。

 

祟り神を引き起こして周辺の村を全滅させたり、

目狩り令に反抗したり――もうひどすぎる。

 

 

 

珊瑚宮心海の「願いは強制的に奪われるものではない」というセリフも嫌いだ。

願いは軽んじてはいけないけど、人命を軽んじていいように聞こえる。

 

 

 

そもそも、目狩り令は神の目を奪うだけであって人命を奪うわけではない。

神の目を持つ者は稲妻の民全体の数パーセントにも満たないのに、

少数のために戦争を起こすのは頭がおかしい。

 

 

 

それに、最後は全部旅人が解決するなら、

そもそも、要らなくない

こいつらの存在意義はあるか。

いや、ないと思う。

 

 

 

あいつらは少数民族ではなく、

ただの質の悪い宗教団体だ。

 

 

 

結論

 

稲妻のストーリーは、設定や素材、キャラクターは良いのに、

どうしてストーリーがこうなに雑になったのか。

 

 

それが一番疑問である。

 

 

中国のゲームだからか、と一瞬考えたが、それは違う。

建物、キャラクター、設定は史実の日本を丁寧に描写している。

 

どこかの会社と違って、黒人を侍にしたり、

変なポリコレを持ち込むこともない。

 

そもそも、日本を軽視をするなら最初から七国に入れないし、

もっと雑に描写されているはずだ。

 

 

 

 

 

恐らく、広げた風呂敷をうまく畳むことはできなかった。

推しの子と呪術廻戦と同じだ。

 

始めたのはいいものを終わり方がだめだった

 

 

 

だから私は――

 

 

 

 

 

 

 

▲▲▲

 

『呪術廻戦【原神版】――脚本、シナリオ、監督はティティ。

私はただの原画担当。正直、このティティが何者なのかはわからないけど、

真美ちゃん、私、一生懸命頑張るよ。』

 






次回投稿12/30日 

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