とある稲妻の呪術廻戦   作:ネシエル

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第二話 受肉

 

広場には、大勢の人々が集まっていた。

 

中央に設置された巨大なスクリーンに映像が映し出されると、

人々のざわめきが一気に高まった。

 

 

「お、始まったぞ」

 一般市民Aが声を上げる。

 

「待っていましたよ」

 一般市民Bが応じた。

 

「半年ぶりか、相変わらず、どんな原理だよ。」

 一般市民Cが感慨深げに呟く。

 

「待ったかいがあったぜ」

 一般市民Dが笑顔を見せる。

 

 

「あいつに屋台を任せたけど、大丈夫かな」

団子を売る人は、少し離れた場所で屋台を見守りながら、

心配そうに呟いた。

 

雷電将軍に憧れている人は、

手にしたチケットを握りしめながら、見つめる

「この日のためにチケットを買ってよかった。思っていたよりも人が多そうだ」

 

 

 

「将軍様の護衛とはいえ、また見るとは」

九条娑羅は将軍様の護衛として横立っていたが、スクリーンを見つめながら、

苦笑いを浮かべた。

 

 

「よう、待っていました」

宵宮はスクリーンに注目する。

 

 

パイモンは、「へへ、楽しみだな」と笑顔で呟き、

旅人は、「今度はどんな世界を見せてくれるのかな」と期待を込めて言った。

 

八重神子は、人々の反応を見ながら、

「皆、待ち遠しいのう」と微笑んだ。

 

影は、少し離れた場所からスクリーンを見つめ、

「主人公は入れ替わると聞いていたけど、誰かしら」

と興味深そうに呟いた。

 

 

 

 

▲▲▲

 

 

 

スクリーンに新たな映像が映し出されると、人々の視線が一斉に集まった。

そこには、鬼族と思われる少女が登場していた。

 

上映されたとき、事前に声を出さない

マナーに従う

 

一般市民A『あれは鬼族か?』

 

一般市民B『かわいいな』

 

一般市民C『女を書くセンスは相変わらずだな』

 

一般市民D『フィギュアとかでないかな』

 

八重神子『あれは!!』

 

影『千代?』

 

 

 

 

▲▲▲

 

 

 

都内第三高校一年生の楓原万葉は、

病院の受付で書類を書いていた。

 

彼はオカルト研究会に所属しており、

今日は誤って父の楓原景春が骨折してしまったため、

病院に届けにきたのだった。

 

「うん、必要な書類はこれで全部だよ」

受付の女性が言う。

 

「どうもお世話になりました」

万葉は礼を言った。

 

受付の女性は心配そうに、

「本当に大丈夫?」と尋ねた。

 

「ええ、大丈夫ですよ。

おやじ、ああ、見えて頑丈ですから」

 

万葉は笑顔で答えた。

 

その時、突然、背後から声がかかった。

 

「貴様が楓原万葉だな」

 

万葉は振り返ると、

そこには呪術高専所属の御輿愛が立っていた。

 

「呪術高専所属、御輿愛だ。

時間がない、今すぐ特級呪物を渡せ。あれは危険だ」

 

愛は厳しい表情で言った。

 

「とっきゅうじゅぶつ、どこの漫画の設定だ?」

茶化すように言った。

 

愛はスマホを取り出し、写真を見る

 

「茶化すな、これのことだ」

 

 

「ああ、これか」

 

万葉はその写真を見て、箱を取り出した。

 

「確か、先輩たちと一緒に掃除した時に出てきましたけど、

これのことですか」

 

万葉は尋ねた。

 

「ああ、それだ。よこせ」と愛は箱を強引に取り上げた。

 

「ちょ、勝手に取り上げないでくださいよ」

万葉は抗議したが、愛は無視して箱を開けた。

 

「中身は、中身はどこにいった」

愛は焦りながら尋ねた。

 

「そんなこと知らねえよ」

万葉は答えた。

 

 

愛は怒りを込めて、叫んだ。

 

「ふざけるなッ!死人が出るんだぞ。貴様は人を殺す気か」

 

万葉は動揺しながら、「あれ、そんなにやばいものなんですか」と尋ねた。

 

愛は深呼吸をして、冷静に説明を始めた。

 

「いいか。年間、稲妻国内で怪死者・行方不明者数は全国でおよそ一万人。

そのほとんどは人から生まれてきた奇々怪々。

呪霊による被害だ」

 

万葉は驚きながら、尋ねた。

「じゅれい?妖怪みたいなものか」

 

「妖怪とは完全に別の生物だ。呪

霊は人間から生まれてきた負の感情の結晶。

妖怪とは比べ者にはならないほどの悪意の化身だぞ。

特に学校や病院のような大衆の思い出に残る場所は呪いが貯まりやすい。

故にそれを追い払うために魔除けの呪物を置きやすい。

お前が拾ったのもそれだ」

 

「魔除け?」

 

 

「より、強力な呪物を置いておくことで、他の呪いを寄せ付けない。

毒を持って毒を制す。呪術界の悪しき名残だ。

今ほとんどの呪物の封印が解いて逆に呪いをおびき寄せる餌となっている。

もし、封印が完全に解いたら大惨事が起きかねない」

 

万葉は急に焦り出し、「まずい、先輩たちが危ないかも」と叫んだ。

 

愛は鋭い目で万葉を見つめ、「どういうことだ」と尋ねた。

 

万葉は慌てて説明した。

 

「うちの先輩、今夜、学校であれのお札を外すと言っていました」

 

 

 

 

 

▲▲▲

 

 

万葉は急いで学校に向かった。

階段を上り、部室へと向かう途中、

彼は愛の言葉を思い出していた。

 

 

『私は今すぐに貴様らの学校へ向かう。

貴様はそこで待機していろ』

 

 

「そんなこと、言ったって。納得できるわけないだろう」

 

万葉は息を切らしながら、

三階へと到達した。

 

「確か、部室はここ・・・」

万葉は呟きながら、部室のドアを開けた。

 

 

その瞬間、彼は気付いた。

地面に溜まった液体、それは血だった。

 

 

「え」

 

万葉は声を上げ、横を向くと、そこには下半身を失った先輩たちの姿があった。

 

「先輩・・・」

 

万葉は震える声で呼びかけた。

 

「おい、大丈夫か」

 

万葉は近づき、状態を確かめようとした。

 

「これは・・・」

 

その時、地面に落ちていた謎の指を拾うと、

突然、地面が崩れ始めた。

 

『あれが、呪霊なのか』

 

万葉は叫び、地面から出てきた

巨大な芋虫型の呪霊に飲み込まれそうになった。

 

 

その瞬間、愛の声が響いた。

 

 

「鵺」

 

 

巨大な鳥が現れ、万葉を助け出した。

 

「はあはあ」

万葉は息を切らしながら、愛を見上げた。

 

「大丈夫か」

愛が尋ねた。

 

「だ、大丈夫。じゃないです。先輩は」

万葉は先輩たちのことを気にしていた。

 

愛は冷静に、言った。

 

「死んだ」

 

 

「え」

 

 

「到着した頃には死んでいた。何とか指を取り込まずに済んだけど、私の失態だ。

それを置いて、今すぐ逃げろ」

 

芋虫型の呪霊は壁を食らい尽くしながら、突き進んでいた。

 

 

▲▲▲

 

人々の反応

 

万葉の登場

 

スクリーンに新たな映像が映し出されると、

人々の視線が再び集まった。

そこには、楓原万葉の姿が映っていた。

 

一般市民A『あれは楓原万葉』

 

一般市民B『無想の一太刀を打ち破った男か』

 

一般市民C『ふん、あのインチキ野郎を主人公にするとか、見る目がないな』

 

一般市民D『えっと、誰だっけ』

 

 

団子を売る人『将軍様と戦った人か』

 

雷電将軍に憧れている人『邪眼を使って将軍様の無想の一太刀を防いだ人か。邪眼を使ったとしても、将軍様の太刀を受け止めた人を主人公にするとはな』

 

九条『まさか、あの男が』

 

宵宮『あの兄ちゃんが』

 

パイモン『でも、確かに適格かもな』

 

旅人『主人公ポイし』

 

八重神子『ほう、これは予想外の展開やぞ』

 

影『・・・太刀を止めた人ですか』

 

 

▲▲▲

 

芋虫型の呪霊が迫る中、

愛は万葉に命じた。

 

「貴様は逃げろ。あとは私がやる」

 

「でも」

 

「でもじゃない、貴様には呪いはない。

貴様の先輩が死んだのは君が弱いからだ。

だけど、貴様に罪は無い。罪はあるとすればそれは無知であったことだ」

 

「逃げたとして、お前は」

 

「死ぬだろう」

 

「!!」

 

「どうせ、死ぬのは二人。それが一人になるなら安いものだ」

 

『ふざけるな、結局死ぬのはお前ひとりだけじゃないか』

 

「なあ、あの呪霊はなぜ呪物を狙う」

万葉は尋ねた。

 

「より、強力な呪いを得るためだろう」

 

万葉は突然、閃いたように言った。

 

「そうか、あるじゃないか。全員救う方法」

 

万葉は特級呪物を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

「バカ!!死ぬ気か」

 

 

 

 

呪物は万葉の喉を通り、胃に入った。

 

 

 

『特級呪物を飲み込んだ!!猛毒だぞ、死ぬ気か』

 

 

「今すぐ吐き出せ」

 

愛が万葉に近づくと同時に、

芋虫型の呪霊も万葉に向かってやってきた。

 

その瞬間、芋虫呪霊は吹き飛ばされ、バラバラとなった。

 

愛は驚き、

「え」と声を上げた。

 

そして、彼女は最悪の事態を悟った。

 

「最悪だ。

特級呪物【両面宿儺】が受肉した」

 

愛は万葉を見つめ、これから起こることを覚悟した。




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